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逃亡編
嘘に潔癖
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「バライト? 」
「いや、今日話が聞けてよかったよ。だがこれだけ教えてやる、ハクエン」
「なんだ? 」
「内部問題で済まないぞ、これ」
ハクエンは眉間に皺を寄せる。
「犯人は城の人間ではないという事か? 」
「城の人間だと思うよ?まあ、また教えてあげるよ。そっちもそっちで頑張って」
バライトは飲みかけのコーヒーを持って立ち上がった。
「あ」
バライトそうだとアンウス達を振り返る。
「言い忘れるとこだった」
「なんだ? 」
「カンダ、戻ってくるぞ」
「……は? 」
「到着日はまた明日言うよ。今日は非番だからね」
バライトはハクエンに呼び止められないうちにカフェから逃げた。そして、公園へと行く。そこにはカルカが待っていた。バライトは隣に座る。
「ハクエン局長の要件は? 」
「カルセドニー工場の件」
「あれですか」
「補助金の使い込みじゃなくて、銃の部品の製造してたんだって」
「え? 」
「そして押収していた銃の部品が一部なくなった。きっと犯人は城の中にいる。捜してくれって事だな」
「その犯人って、」
「インデッセのスパイだろうな。いいように使われているぜ、母国はよ」
バライトはしらじらしく嘆いてみせた。
「城人の怪しげな奴洗ってみるか。城人に入る前に洗いざらいしてるつもりなんだけどな。あー悔しい」
「早速調べます」
「よろしく」
カルカはまだ何か言いたげな顔をした。
「どうした? 」
カルカは意を決したように口を開いた。
「……王子がした事はあれでうやむやにするんですか? 」
「うやむや? 」
「王子がした事は違反です。理由が理由であっても間違った事をしました。九十七期生の悲劇も酷い話です。それでもそれをなかった事にしてしまうのかと」
「俺が事なかれ主義だとでも言いたいのか? 」
「違います。昨夜局長が言った事も分かっているつもりです。けれど、一度あんな大きな嘘を許してしまう事で俺達の立場が揺らいでしまうのではないかと。俺達九局が『許し』を持ってしまうと、九局の存在意義が揺らいでしまう。揺らげば隙ができます。それは危ないと思うんです」
バライトはしばし黙った。
「カルカ九局副局長」
そしてカルカを役職名で呼んだ。
「洗いざらい吐かせるのは俺らの仕事だ。俺達は嘘吐き共と闘う。だから嘘に敏感になれ。嘘を見抜け。けれど、」
バライトは一瞬溜めて続けた。
「嘘に潔癖になるな。嘘だから、間違いだからと叫び喚くのもつるし上げるのは十もいかない子どもがする事だ。それと稼ぐための新聞社。九局の人間はそんな奴らとは違う。俺達は何をかばい、何を吐き捨てるか見極めるんだ。不正を暴くのと同時にどう導くか考えろ。何を見捨て何を導くか。そして速やかに解決する。俺らは正義ではない。メンツを守るための防御だ」
カルカは黙ったままだった。
「俺は王子を庇う。それがこの国の防御になるからだ。そう思った。お前は局長が許せないか? 」
「いえ、すいません。でしゃばりました」
カルカは唇を噛み締めて謝った。
「どんどんでしゃばってよ。期待しているんだから、次期局長。まあ、お前が局長になったらお前のやり方で考えればいいさ。それで部下を導け。アザムもな」
「はい」
「アザムといえば、あいつの勘が当たったな」
「え?」
「カンダとインデッセは関係ありそうだ」
「そうですね。ヨール王に狙われているっていうのも笑いごとじゃなくなってきました」
「あいつも何か釣ってくるかな?」
「いや、今日話が聞けてよかったよ。だがこれだけ教えてやる、ハクエン」
「なんだ? 」
「内部問題で済まないぞ、これ」
ハクエンは眉間に皺を寄せる。
「犯人は城の人間ではないという事か? 」
「城の人間だと思うよ?まあ、また教えてあげるよ。そっちもそっちで頑張って」
バライトは飲みかけのコーヒーを持って立ち上がった。
「あ」
バライトそうだとアンウス達を振り返る。
「言い忘れるとこだった」
「なんだ? 」
「カンダ、戻ってくるぞ」
「……は? 」
「到着日はまた明日言うよ。今日は非番だからね」
バライトはハクエンに呼び止められないうちにカフェから逃げた。そして、公園へと行く。そこにはカルカが待っていた。バライトは隣に座る。
「ハクエン局長の要件は? 」
「カルセドニー工場の件」
「あれですか」
「補助金の使い込みじゃなくて、銃の部品の製造してたんだって」
「え? 」
「そして押収していた銃の部品が一部なくなった。きっと犯人は城の中にいる。捜してくれって事だな」
「その犯人って、」
「インデッセのスパイだろうな。いいように使われているぜ、母国はよ」
バライトはしらじらしく嘆いてみせた。
「城人の怪しげな奴洗ってみるか。城人に入る前に洗いざらいしてるつもりなんだけどな。あー悔しい」
「早速調べます」
「よろしく」
カルカはまだ何か言いたげな顔をした。
「どうした? 」
カルカは意を決したように口を開いた。
「……王子がした事はあれでうやむやにするんですか? 」
「うやむや? 」
「王子がした事は違反です。理由が理由であっても間違った事をしました。九十七期生の悲劇も酷い話です。それでもそれをなかった事にしてしまうのかと」
「俺が事なかれ主義だとでも言いたいのか? 」
「違います。昨夜局長が言った事も分かっているつもりです。けれど、一度あんな大きな嘘を許してしまう事で俺達の立場が揺らいでしまうのではないかと。俺達九局が『許し』を持ってしまうと、九局の存在意義が揺らいでしまう。揺らげば隙ができます。それは危ないと思うんです」
バライトはしばし黙った。
「カルカ九局副局長」
そしてカルカを役職名で呼んだ。
「洗いざらい吐かせるのは俺らの仕事だ。俺達は嘘吐き共と闘う。だから嘘に敏感になれ。嘘を見抜け。けれど、」
バライトは一瞬溜めて続けた。
「嘘に潔癖になるな。嘘だから、間違いだからと叫び喚くのもつるし上げるのは十もいかない子どもがする事だ。それと稼ぐための新聞社。九局の人間はそんな奴らとは違う。俺達は何をかばい、何を吐き捨てるか見極めるんだ。不正を暴くのと同時にどう導くか考えろ。何を見捨て何を導くか。そして速やかに解決する。俺らは正義ではない。メンツを守るための防御だ」
カルカは黙ったままだった。
「俺は王子を庇う。それがこの国の防御になるからだ。そう思った。お前は局長が許せないか? 」
「いえ、すいません。でしゃばりました」
カルカは唇を噛み締めて謝った。
「どんどんでしゃばってよ。期待しているんだから、次期局長。まあ、お前が局長になったらお前のやり方で考えればいいさ。それで部下を導け。アザムもな」
「はい」
「アザムといえば、あいつの勘が当たったな」
「え?」
「カンダとインデッセは関係ありそうだ」
「そうですね。ヨール王に狙われているっていうのも笑いごとじゃなくなってきました」
「あいつも何か釣ってくるかな?」
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