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ヒロイン転生
ヒロイン、逆ギャフンの可能性に気付く
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エインズワース・リュシュエール皇太子。
リュシュエール王国第一皇子。
次期国王。
ツンデレな俺様王子。
金の髪に力強い深い青い瞳。
皇子とヒロインの出会いは入学式の後。
皇太子は、学園内のお気に入りの木陰でまどろんでいた。
そこに、飛ばされた地図を拾いに来たヒロイン『ライラック』がやってくる。
戦闘術の訓練を幼い時から受けているため、微睡んでいても、人が近付くのは気配で判る皇子。
地図を拾うヒロインと、興味本位で目を開けた皇子の視線が絡む。
無礼をお許しください、とだけ言い、去るヒロイン。
今まで言い寄られる事しかなかった皇子はヒロインの素っ気ない態度に興味を抱く。
友人の義妹と知り、何かとちょっかいを出すなかで、悩みを溢してしまったり、重圧に耐えられずすがってしまったり。そして気付く。
ヒロインへの淡い恋心に。
初めて知った恋。
しかし、それは、道ならぬ恋。
婚約者がいる。
身分差がある。
その恋を婚約者のイオネイラに気付かれ、始まったヒロインへの陰湿なイジメ。心を痛めつつも表だって守れない不甲斐なさ。
そんな時に突然の隣国からの宣戦布告。
そして、ヒロインの戦場への異例の出兵。
知ってしまったヒロイン出兵の真実とイオネイラの陰謀。
堪らず馬を駆り、救出に向かった。
敵を押し返し、ヒロインの無事を全身で喜んだ。
そして、これは恋では無いと気付く。
愛しているのだとーー
心からの愛を伝えれば、ヒロインも同じだけ、それ以上の愛で答えてくれた。
皇子は決意する。
何を犠牲にしても、ヒロインを守り、結ばれるとーー
戦果を携え、真実の愛を語り、陰謀を暴き、断罪し、迎えるのはロイヤルウエディング。
隣には愛するヒロイン、国民からの祝福ーー
エンディングロード
その後に……
ベッドで語る皇子とヒロインーー再度愛を近い、口付け、蝋燭の火は消されるーー
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
「………」
確か、そんな感じだったなぁ…
と、言うことは、あの地図を拾いに行った瞬間からイベントは始まるということか……
皇子は木陰で、その長い脚を組んで横たわっている。
これは来るべくして来た必須イベント。
ライラックは、地図と皇子に向かい足を進める。
瑞々しい芝を踏みーー
流石にドキドキする。
今からヒロインとしての人生が始まるのだ。
皇子に見初められる第一歩の大事なイベント。
そして、後に、皇子の婚約者『イオネイラ公爵令嬢』との出会いーー
「ん!?」
婚約者?!
中年おばさんの常識が、芝を踏み進む足を強く止めさせる。
おかしくない?
婚約者居るのに他の女にうつつを抜かすのか?この皇子は?
いや!うつつを抜かせるのか?
自分が!?
え?
浮気??
これ、浮気じゃね?!
時代や立場的に、好き嫌いはともかく『婚約』って事実を作った、決めた以上、最低限のケジメはつけなきゃダメだろ!!
そんな事もせずに、アッチコッチ、キレイな御顔面で、キラッキラッッって振り撒いてりゃ、婚約者の方が可哀想だわ!!
そして、どんな時代も悪く言われるのは女の方………
男から言い寄っても、女が悪い!
既婚者だと知らなくても、女が悪い!!
浮気も不倫もしたこと無いけど……
テレビで叩かれまくってるタレントとか見て、男は悪くねーのかよ、と憤ったな………
「あっ!!!」
思い出した!!
気づいたと行った方が正しいのだろうか…
不安と恐怖が体を支配する。
膝からくずれおちそうだ……
ああ、オタクだった事を悔やんでしまう…。
この可能性に気付くなんて………
『逆ギャフン』
『逆ギャフン』
実は悪役令嬢も転生者とか、前世の記憶とかで、乙女ゲームの事を知っていて、断罪エンディング回避やエンディング後の余生を有意義に過ごす為に奔走する。
そして、そんな悪役令嬢は実は攻略対象者に愛されていたり、他の男性が現れたりし、断罪エンディングが、逆にヒロインを断罪する場となったりするのだ……
逆ギャフンのヒロイン達は、明らかにヒロインとしての自覚と絶対の自信と、対象者が落ちる確信を持ち、好き勝手していた………
「!!」
それは………
それは、今、正に自分自身の事ではないか!!!
前世?の記憶で自領では好き勝手し、そして、ついさっき、自分がヒロインと知って、イベント直前のこの状況ーー
明らかに自分はーー傲ったのだ……。
ヒロインだからイベント通りになって当たり前。
ヒロインだから皇子は自分に恋をする。
ヒロインだからどの攻略対象者とエンディングを迎えても、幸せになれるーー
ハーレムだって、お手のもの!!
と………
そしてーー
傲りに傲って、ワガママ三昧、録に努力もしないで、ヒロインに胡座をかいて、最終的にギャフンされたヒロインのなんと多いことかっっ!!!
ヒロインは既にヒロインではない!
ヒロインとは悪なのだ!
悪役令嬢こそが!真のヒロインなのだ!!
じぶん………悪役やん………
リュシュエール王国第一皇子。
次期国王。
ツンデレな俺様王子。
金の髪に力強い深い青い瞳。
皇子とヒロインの出会いは入学式の後。
皇太子は、学園内のお気に入りの木陰でまどろんでいた。
そこに、飛ばされた地図を拾いに来たヒロイン『ライラック』がやってくる。
戦闘術の訓練を幼い時から受けているため、微睡んでいても、人が近付くのは気配で判る皇子。
地図を拾うヒロインと、興味本位で目を開けた皇子の視線が絡む。
無礼をお許しください、とだけ言い、去るヒロイン。
今まで言い寄られる事しかなかった皇子はヒロインの素っ気ない態度に興味を抱く。
友人の義妹と知り、何かとちょっかいを出すなかで、悩みを溢してしまったり、重圧に耐えられずすがってしまったり。そして気付く。
ヒロインへの淡い恋心に。
初めて知った恋。
しかし、それは、道ならぬ恋。
婚約者がいる。
身分差がある。
その恋を婚約者のイオネイラに気付かれ、始まったヒロインへの陰湿なイジメ。心を痛めつつも表だって守れない不甲斐なさ。
そんな時に突然の隣国からの宣戦布告。
そして、ヒロインの戦場への異例の出兵。
知ってしまったヒロイン出兵の真実とイオネイラの陰謀。
堪らず馬を駆り、救出に向かった。
敵を押し返し、ヒロインの無事を全身で喜んだ。
そして、これは恋では無いと気付く。
愛しているのだとーー
心からの愛を伝えれば、ヒロインも同じだけ、それ以上の愛で答えてくれた。
皇子は決意する。
何を犠牲にしても、ヒロインを守り、結ばれるとーー
戦果を携え、真実の愛を語り、陰謀を暴き、断罪し、迎えるのはロイヤルウエディング。
隣には愛するヒロイン、国民からの祝福ーー
エンディングロード
その後に……
ベッドで語る皇子とヒロインーー再度愛を近い、口付け、蝋燭の火は消されるーー
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
「………」
確か、そんな感じだったなぁ…
と、言うことは、あの地図を拾いに行った瞬間からイベントは始まるということか……
皇子は木陰で、その長い脚を組んで横たわっている。
これは来るべくして来た必須イベント。
ライラックは、地図と皇子に向かい足を進める。
瑞々しい芝を踏みーー
流石にドキドキする。
今からヒロインとしての人生が始まるのだ。
皇子に見初められる第一歩の大事なイベント。
そして、後に、皇子の婚約者『イオネイラ公爵令嬢』との出会いーー
「ん!?」
婚約者?!
中年おばさんの常識が、芝を踏み進む足を強く止めさせる。
おかしくない?
婚約者居るのに他の女にうつつを抜かすのか?この皇子は?
いや!うつつを抜かせるのか?
自分が!?
え?
浮気??
これ、浮気じゃね?!
時代や立場的に、好き嫌いはともかく『婚約』って事実を作った、決めた以上、最低限のケジメはつけなきゃダメだろ!!
そんな事もせずに、アッチコッチ、キレイな御顔面で、キラッキラッッって振り撒いてりゃ、婚約者の方が可哀想だわ!!
そして、どんな時代も悪く言われるのは女の方………
男から言い寄っても、女が悪い!
既婚者だと知らなくても、女が悪い!!
浮気も不倫もしたこと無いけど……
テレビで叩かれまくってるタレントとか見て、男は悪くねーのかよ、と憤ったな………
「あっ!!!」
思い出した!!
気づいたと行った方が正しいのだろうか…
不安と恐怖が体を支配する。
膝からくずれおちそうだ……
ああ、オタクだった事を悔やんでしまう…。
この可能性に気付くなんて………
『逆ギャフン』
『逆ギャフン』
実は悪役令嬢も転生者とか、前世の記憶とかで、乙女ゲームの事を知っていて、断罪エンディング回避やエンディング後の余生を有意義に過ごす為に奔走する。
そして、そんな悪役令嬢は実は攻略対象者に愛されていたり、他の男性が現れたりし、断罪エンディングが、逆にヒロインを断罪する場となったりするのだ……
逆ギャフンのヒロイン達は、明らかにヒロインとしての自覚と絶対の自信と、対象者が落ちる確信を持ち、好き勝手していた………
「!!」
それは………
それは、今、正に自分自身の事ではないか!!!
前世?の記憶で自領では好き勝手し、そして、ついさっき、自分がヒロインと知って、イベント直前のこの状況ーー
明らかに自分はーー傲ったのだ……。
ヒロインだからイベント通りになって当たり前。
ヒロインだから皇子は自分に恋をする。
ヒロインだからどの攻略対象者とエンディングを迎えても、幸せになれるーー
ハーレムだって、お手のもの!!
と………
そしてーー
傲りに傲って、ワガママ三昧、録に努力もしないで、ヒロインに胡座をかいて、最終的にギャフンされたヒロインのなんと多いことかっっ!!!
ヒロインは既にヒロインではない!
ヒロインとは悪なのだ!
悪役令嬢こそが!真のヒロインなのだ!!
じぶん………悪役やん………
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