奴隷狂公爵の秘密

猫科 類

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過去と現在

奴隷

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競り場の奴隷がどの様に用意れているかーー
知らないわけでは無い。

この国ーーアッシュフィードル王国の騎士団がわざわざ国境付近に狩りに行くのだ。
討伐期間と言われ、表向きは国境付近や無法地帯で悪さをする者達の取り締まりと難民の保護を名目としている。
しかし、奴隷にされる側もバカではないので、この年二回の討伐期間は必死に身を隠す。
そのため、実際には騎士団と国境警備兵の親睦と訓練にあてがわれている。

実際に動いているのは多くの奴隷商人達で、あらゆる手段を使い多種多様の種族を奴隷として競り場に卸しに来ている。

稀に奴隷の持ち主が、いらない、飽きた、と連れてくる事も有るそうだ。

奴隷となる種族は、人間以外なら全てーー………


世界には多種の種族が存在するが比較的頻繁に売買されている種族は六種程。

エルフ
ドワーフ
フェアリー
獣人
人獣
半獣


用途としては様々だが、一例を述べれば、


エルフは、見目が美しい為、男女関係無く性奴隷とされる事が多い様で、紳士淑女が夜の遊び相手にと買っていく。また、娼館も目玉商品として買っていくのだそうだ。

ドワーフは、その巧みな技巧から商人が買っていくことが多い。武器や防具だけでなく、生活用品の作成を昼夜問わず作らせているそうだ。


フェアリーは、手のひらサイズの個体が多いため、王族、貴族やお金持ちにペットとして人気が高いそうだ。専用の籠に入れ飼育する。
今ではブリーダーも居り、養殖も進んでいるらしい。

獣人、人獣、半獣は区分けをすると、

獣人……人形の姿をした獣。二足歩行の獣。犬型のコボルトや兎型のラビー、蜥蜴型のリザードマン、豹型のオセ等が当てはまる。

人獣………人に獣の耳や尾、背中や体の一部に毛皮が有る。人間に近い見た目だが、その力は獣人や半獣と遜色ないそうだ。かつては人間だったが堕落して人獣となったと神話に記されているそうだ。

半獣………上半身は人間、下半身は獣。下半身が馬のケンタウルス族や蛇のナーガ族だ。


この三種類は総じて獣族と呼ばれ、鋭い爪や牙、強い力から肉体労働や戦闘奴隷として人気が高い。見目の良い半獣女性は、性奴隷としても一部の客層からの指示を得ているそうだ。


もちろん、他にも多種多様な種族がこの世界には存在する。

シーマン。女性型はマーメイドと言った方が想像しやすいだろうか…。
他にも、魔族やドライアド、天族何てのもいる。


アッシュフィードル国は他国と違い、極端なほどに人間至上主義国家である。
その為、人間以外の種族は存在すら罪とされ、奴隷として生きていられるだけでも有難いのだとーー引くほど本気で本当に思っている国民性だ。

一応、各種族、人間の敵である理由付けがされている。


エルフ………その美貌から人間を悦楽と享楽に陥れ、堕落させ、人間種を根絶やしにしようとしている。

ドワーフ……地中の洞穴や山岳の谷など光を嫌う魔族に近い種族。技術で人間の職を奪い、武器で人間の命を狙う。

フェアリー……羽を持ち、飛び回り、あらゆる嫌がらせを行う厄介者。子供を拐う。

獣人、人獣、半獣………強靭な爪や牙で人間に害なす存在。

シーマン……人間を海に引きずり込み殺す魔物。メスの歌声に迷い溺れ死んだ船乗りは後を絶たない。

魔族………最も不浄で邪悪な存在。人類の最大の敵。上記の人外種族を産み出した悪しき者。


とのことらしい。

そのなかで唯一、保護すべきと称されている種族がある。

それが、天族、である。
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