1 / 46
動画文字起こし「危険度SSS級。姦姦蛇螺が出る森に凸ってみた」
*これは某有名動画投稿サイトで発見した生放送動画のアーカイブを文字起こしした物です。
*
(車の運転をしながら話す男性)
はい、どーも、こんにちは。
裏世界トラベラーのニャッシーです。
今日はですね……ついにというか……念願の■■■■村へやって参りました。
ある程度心霊系の動画を見ていらっしゃる方なら「あー、■■■■村ね」とか「流行りに乗ってんじゃねーよ」と思われるかもしれません。
でも■■■■村を、ご存知ないリスナー様もいらっしゃっると思いますので説明いたしますと、現在でも古いしきたりといいますか……風習が残っている村です。
これだけ聞けば伝統を大切にしている普通の村に見えますね。だがしかし……肝心なのは村に残る不気味な伝承です。
その伝承を短く説明すると、山には『鬼』とか『ミカガミ様』と呼ばれる存在が住んでいて、定期的に山の周辺に住んでいる女の子をさらってしまう、というものです。
『鬼』の正体に関する考察や詳しい伝承は、別の動画でまとめているので動画概要欄から確認して頂けると幸いです。
では、ここからが本題ですね。
ここ数年になって、心霊スポットとして有名になった■■■■村。ここまで有名になったキッカケは、三年前、某匿名掲示板に投稿された、ある書き込みでした。
(男性が声を低くして説明し始める)
ある日、一人のユーザーがスレッド主が不在になっている匿名掲示板に「この村を探して下さい」という書き込みをした。それから、そのユーザーは村にまつまる数々の情報を断片的に話し初める。
書かれている情報には、村に根付いた奇妙な風習や見聞きした心霊現象についての情報が多く、初めは多くのユーザーが遊び半分で村探しを手伝っていたが、そのうち地理や文化、方言にまつわる書き込みなど、場所の特定に使えそうな情報も増えてゆく。
更に村に関する情報の文章は、二つ目の書き込みから段々とおかしくなっていった。この『おかしくなる』というのは、文章が支離滅裂になる、という意味ではない。
まるで一つの投稿ごとに、書き手が変わっているように、一人称、句読点の位置、口調、変換される文字が変わって行ったのだ。
そして、それらの情報から導き出された答え、それが■■■■村だった。あるユーザーが村の正体を特定した、その瞬間――村を探して欲しいと頼んだ本人から返信が来た。
「はやくいらっしゃい」
と、一文だけ。
(男性の声色が戻る)
ここから■■■■村にまつわる怪談や体験談が増えて、最近になっては心霊バラエティー番組のロケ地に選ばれるようになったようです。住んでいる方々からしてみれば、たまったもんじゃないと思いますが……観光客が増えるから、別にそこまで気にしてないのかな?
さぁて、どうこう話しているうちに、目的地へ着きました。
(男性がカメラを持って車から降りる。カメラは参道の入口にある鳥居を写している)
ここは■■■■神社という場所です。■■■■村で唯一の宗教施設で、先ほど説明致しました『ミカガミ神』を祀る神社です。
(カメラは鳥居をくぐり、石段を登り始める)
えーと、この神社には二つ噂がありましてね。まず、一つは『嘘つきが参拝するとミカガミ神の怒りを買って神隠しにあう』という噂。そして、もう一つは『禁足地に姦姦蛇螺が現れる』という噂です。
姦姦蛇螺をご存知ないリスナー様の為に、説明しておきますと、姦姦蛇螺は下半身は蛇で、上半身には六本の腕が生えた女性の怪異です。
(神社の奥へ辿り着く。社の両脇には森が広がっていた)
地元民や神社の方はいらっしゃらないようですね。神社の周りある森が例の禁足地らしいです。あー、先に調べておきましたが、禁足地に侵入したところで法には触れないので。
触れるのは神の怒りだけですね。
あははは。
(男性が禁足地の柵を跨《また》いで越える)
ついに来てしまいましたね。
心臓がバクバクしています。
本当ですよ?
俺が一歩進む事に投げ銭欲しいぐらいですよ。あ、本当に投げ銭飛んでる。ありがとうございます。明日のオヤツ代にさせていただきます。
もう投げ銭まで頂いてしまったし、後戻りはできませんね……。
(沈黙)
待って下さい。足音がしません?
本当ですよ。さっきまで、していました。
(男性は数歩進みまた止まる)
やっぱり、足音してますよ。
こっちが歩くペースに合わせて、誰かがついてきているみたいです。
(また一歩進む。すると遠い方からバキッという木の枝が折れる音)
ヤバい、ヤバい。マジモンの姦姦蛇螺だ。
どうしよう。今からでも帰ろうかな……って、こんなときに限って、みんな投げ銭しないで下さいよ。本当にヤバいのに。
仕方ないなぁ。
もう少しだけ進みますよ。
さっきは紹介しそこねましたが姦姦蛇螺は山奥で封印されていて自由に身動きが……。
(男性が走り始める)
すっ、すみません。
やっぱり逃げます。
何かが迫ってきてる。
黒い四足歩行の化け物。
嘘じゃないですよ。
姦姦蛇螺じゃない……あれ……。
がァァァ、ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙、な……にも……。
(アーカイブはここで終了している)
*
(車の運転をしながら話す男性)
はい、どーも、こんにちは。
裏世界トラベラーのニャッシーです。
今日はですね……ついにというか……念願の■■■■村へやって参りました。
ある程度心霊系の動画を見ていらっしゃる方なら「あー、■■■■村ね」とか「流行りに乗ってんじゃねーよ」と思われるかもしれません。
でも■■■■村を、ご存知ないリスナー様もいらっしゃっると思いますので説明いたしますと、現在でも古いしきたりといいますか……風習が残っている村です。
これだけ聞けば伝統を大切にしている普通の村に見えますね。だがしかし……肝心なのは村に残る不気味な伝承です。
その伝承を短く説明すると、山には『鬼』とか『ミカガミ様』と呼ばれる存在が住んでいて、定期的に山の周辺に住んでいる女の子をさらってしまう、というものです。
『鬼』の正体に関する考察や詳しい伝承は、別の動画でまとめているので動画概要欄から確認して頂けると幸いです。
では、ここからが本題ですね。
ここ数年になって、心霊スポットとして有名になった■■■■村。ここまで有名になったキッカケは、三年前、某匿名掲示板に投稿された、ある書き込みでした。
(男性が声を低くして説明し始める)
ある日、一人のユーザーがスレッド主が不在になっている匿名掲示板に「この村を探して下さい」という書き込みをした。それから、そのユーザーは村にまつまる数々の情報を断片的に話し初める。
書かれている情報には、村に根付いた奇妙な風習や見聞きした心霊現象についての情報が多く、初めは多くのユーザーが遊び半分で村探しを手伝っていたが、そのうち地理や文化、方言にまつわる書き込みなど、場所の特定に使えそうな情報も増えてゆく。
更に村に関する情報の文章は、二つ目の書き込みから段々とおかしくなっていった。この『おかしくなる』というのは、文章が支離滅裂になる、という意味ではない。
まるで一つの投稿ごとに、書き手が変わっているように、一人称、句読点の位置、口調、変換される文字が変わって行ったのだ。
そして、それらの情報から導き出された答え、それが■■■■村だった。あるユーザーが村の正体を特定した、その瞬間――村を探して欲しいと頼んだ本人から返信が来た。
「はやくいらっしゃい」
と、一文だけ。
(男性の声色が戻る)
ここから■■■■村にまつわる怪談や体験談が増えて、最近になっては心霊バラエティー番組のロケ地に選ばれるようになったようです。住んでいる方々からしてみれば、たまったもんじゃないと思いますが……観光客が増えるから、別にそこまで気にしてないのかな?
さぁて、どうこう話しているうちに、目的地へ着きました。
(男性がカメラを持って車から降りる。カメラは参道の入口にある鳥居を写している)
ここは■■■■神社という場所です。■■■■村で唯一の宗教施設で、先ほど説明致しました『ミカガミ神』を祀る神社です。
(カメラは鳥居をくぐり、石段を登り始める)
えーと、この神社には二つ噂がありましてね。まず、一つは『嘘つきが参拝するとミカガミ神の怒りを買って神隠しにあう』という噂。そして、もう一つは『禁足地に姦姦蛇螺が現れる』という噂です。
姦姦蛇螺をご存知ないリスナー様の為に、説明しておきますと、姦姦蛇螺は下半身は蛇で、上半身には六本の腕が生えた女性の怪異です。
(神社の奥へ辿り着く。社の両脇には森が広がっていた)
地元民や神社の方はいらっしゃらないようですね。神社の周りある森が例の禁足地らしいです。あー、先に調べておきましたが、禁足地に侵入したところで法には触れないので。
触れるのは神の怒りだけですね。
あははは。
(男性が禁足地の柵を跨《また》いで越える)
ついに来てしまいましたね。
心臓がバクバクしています。
本当ですよ?
俺が一歩進む事に投げ銭欲しいぐらいですよ。あ、本当に投げ銭飛んでる。ありがとうございます。明日のオヤツ代にさせていただきます。
もう投げ銭まで頂いてしまったし、後戻りはできませんね……。
(沈黙)
待って下さい。足音がしません?
本当ですよ。さっきまで、していました。
(男性は数歩進みまた止まる)
やっぱり、足音してますよ。
こっちが歩くペースに合わせて、誰かがついてきているみたいです。
(また一歩進む。すると遠い方からバキッという木の枝が折れる音)
ヤバい、ヤバい。マジモンの姦姦蛇螺だ。
どうしよう。今からでも帰ろうかな……って、こんなときに限って、みんな投げ銭しないで下さいよ。本当にヤバいのに。
仕方ないなぁ。
もう少しだけ進みますよ。
さっきは紹介しそこねましたが姦姦蛇螺は山奥で封印されていて自由に身動きが……。
(男性が走り始める)
すっ、すみません。
やっぱり逃げます。
何かが迫ってきてる。
黒い四足歩行の化け物。
嘘じゃないですよ。
姦姦蛇螺じゃない……あれ……。
がァァァ、ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙、な……にも……。
(アーカイブはここで終了している)
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
短な恐怖(怖い話 短編集)
邪神 白猫
ホラー
怪談・怖い話・不思議な話のオムニバス。
王道ホラーではない。人の業をテーマにしたホラー。
人の醜さ・弱さ・愚かさ・儚さを問う。
こんなにも憐れで美しいのは──人の本質。
じわじわと痛みの伴う読後感。そんなホラーはいかがですか?
ゾクッと怖い話から、ちょっぴり切ない話まで。
なかには意味怖的なお話も。
※追加次第更新中※
YouTubeにて、怪談・怖い話の朗読公開中📕
https://youtube.com/@yuachanRio
百物語 厄災
嵐山ノキ
ホラー
怪談の百物語です。一話一話は長くありませんのでお好きなときにお読みください。渾身の仕掛けも盛り込んでおり、最後まで読むと驚くべき何かが提示されます。
小説家になろう、エブリスタにも投稿しています。
実話怪談・短編集◆えみため◆
茶房の幽霊店主
ホラー
■実話怪談・短編集◆とほかみ◆の続編です。各体験談は短編・中編・読み切りです。
※(◆とほかみ◆が10万字を超えたので読みやすさを重視して一旦完結させました)
■【実話怪談】を短編・読み切りでまとめています。(ヒトコワ・手記も含む)
■筆者自身の体験談、お客様、匿名様からのDM、相談者様からの相談内容、
体験談をベースとしたものを、小説形式で読めるようにしました。
■筆者以外の体験談の場合、体験者ご本人からの掲載許可をいただいています。
■実話怪談と銘を打ってはいますが、エンタメとして楽しんでいただけたら幸いです。
※pixiv・カクヨムへ掲載していない怪談を含む【完全版】です。
百の話を語り終えたなら
コテット
ホラー
「百の怪談を語り終えると、なにが起こるか——ご存じですか?」
これは、ある町に住む“記録係”が集め続けた百の怪談をめぐる物語。
誰もが語りたがらない話。語った者が姿を消した話。語られていないはずの話。
日常の隙間に、確かに存在した恐怖が静かに記録されていく。
そして百話目の夜、最後の“語り手”の正体が暴かれるとき——
あなたは、もう後戻りできない。
■1話完結の百物語形式
■じわじわ滲む怪異と、ラストで背筋が凍るオチ
■後半から“語られていない怪談”が増えはじめる違和感
最後の一話を読んだとき、
洒落にならない怖い話【短編集】
鍵谷端哉
ホラー
【累計55万PV突破‼】
話題作「アンケートに答えたら、人生が終わった話」が10万PVを記録。
日常に潜む“逃げ場のない恐怖”を集めた、戦慄の短編集。
その違和感は、もう始まっている。
帰り道、誰もいないはずの部屋、何気ない会話。
どこにでもある日常が、ある瞬間、取り返しのつかない異常へと変わる。
意味が分かると凍りつく話。
理由もなく、ただ追い詰められていく話。
そして、最後の一行で現実がひっくり返る話。
1話1000〜2000文字。隙間時間で読める短編ながら、
読み終えたあと、ふとした静寂が怖くなる。
これはすべて、どこかで起きていてもおかしくない話。
――あなたのすぐ隣でも。
洒落にならない実話風・創作ホラー。
(ほぼ)1分で読める怖い話
涼宮さん
ホラー
ほぼ1分で読める怖い話!
【ホラー・ミステリーでTOP10入りありがとうございます!】
1分で読めないのもあるけどね
主人公はそれぞれ別という設定です
フィクションの話やノンフィクションの話も…。
サクサク読めて楽しい!(矛盾してる)
⚠︎この物語で出てくる場所は実在する場所とは全く関係御座いません
⚠︎他の人の作品と酷似している場合はお知らせください