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1 SRPGにハマりました
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暇だ。部活をしているわけではないし、勉学に没頭するほど高い目標もない。
わたしはこの暇な時間をどう活用しようかと考え、ゲームを買うことにした。
スマホでのゲームは家で禁止されている。課金だのなんだのに親が過剰反応して、難解なロックをかけやがったのだ。まったく、無料だって言ってるのに。友達が楽しそうにスマホでかわいいパズルゲームしているのを指をくわえて見てるだけ。
だからゲーム機なのだ。これなら親も文句はないだろう。自転車で近くのゲーム店へ行き、店内を物色して回る。
据え置きのハードは高い。それに寝っ転がってやるのが好きだから携帯ゲームを買うつもりだ。
問題はわたしはそれほど金を持ってないことだ。
最新のゲームはとてもじゃないが手が出ない。
店の隅でワゴンセールの品から選ぶしかないわたしは、販売からすでに10年以上経ち、生産終了している中古の携帯ゲーム機を選んだ。
ソフトのほうもパッケージの絵柄が好みだったので適当に選んだものだ。
ジャンルはSRPGとある。それに恋愛要素もあるみたいだった。
家に帰り、軽い気持ちでプレイを始める。まあ仮にクソゲーだったとしてもこの値段ならいいかって感じで。
そしてわたしは──見事にハマった。
アネリーゼ戦記。
ありがちな世界観にベタなストーリではあったが、そこは問題じゃない。
キャラだ。キャラクターが良い。主人公の王女アネリーゼを取り囲むイケメンどもにわたしはドハマりしたのだ。
アネリーゼを守りながらバッタバッタと敵をなぎ倒していくイケメン達。
親密度を上げいくとイベントが発生する。わたしはアネリーゼになったつもりでイケメン達の甘い台詞にうっとりし、声優さんのイケボに悶絶するのであった。
いずれはこのキャラクターの中からアネリーゼの結婚相手を選ばないといけないなんて。
できません。選べません。みんなカッコいいんだもの。この中から選ぶだなんて、無理無理!
とにもかくにもわたしは寝食を忘れてゲームに没頭。
携帯ゲームなのを良いことに学校にまで持っていくようになった。
休み時間にこっそりトイレでプレイする背徳感。放課後誰もいない屋上で寝転がりながらプレイする解放感。
登下校中にもプレイするようになった。信号待ちや踏切の前なんかで。
とうとうわたしは自転車に乗りながらプレイしはじめた。いつも慣れてる道だから問題ない。交通量も少ないし。良い子はマネしちゃダメだけどね。
長い下り坂にさしかかったときだ。
第3章最後のボス戦。なかなか手強いが、もう少しで倒せる。コイツを倒せばアネリーゼが上位クラスにチェンジできるはずなんだ。
シャーッと坂道を自転車で下りながらわたしは血走った目でおおおお、と雄叫びをあげていた。
坂の下。交差点の信号が赤になっていたのにも気付いてなかった。いつもならそんなことないんだけど連日の寝不足と今の興奮状態じゃわからなかったみたい。
はっと顔を上げたときにはけたたましいクラクションとブレーキ音。目の前に車が迫って──。
わたしはこの暇な時間をどう活用しようかと考え、ゲームを買うことにした。
スマホでのゲームは家で禁止されている。課金だのなんだのに親が過剰反応して、難解なロックをかけやがったのだ。まったく、無料だって言ってるのに。友達が楽しそうにスマホでかわいいパズルゲームしているのを指をくわえて見てるだけ。
だからゲーム機なのだ。これなら親も文句はないだろう。自転車で近くのゲーム店へ行き、店内を物色して回る。
据え置きのハードは高い。それに寝っ転がってやるのが好きだから携帯ゲームを買うつもりだ。
問題はわたしはそれほど金を持ってないことだ。
最新のゲームはとてもじゃないが手が出ない。
店の隅でワゴンセールの品から選ぶしかないわたしは、販売からすでに10年以上経ち、生産終了している中古の携帯ゲーム機を選んだ。
ソフトのほうもパッケージの絵柄が好みだったので適当に選んだものだ。
ジャンルはSRPGとある。それに恋愛要素もあるみたいだった。
家に帰り、軽い気持ちでプレイを始める。まあ仮にクソゲーだったとしてもこの値段ならいいかって感じで。
そしてわたしは──見事にハマった。
アネリーゼ戦記。
ありがちな世界観にベタなストーリではあったが、そこは問題じゃない。
キャラだ。キャラクターが良い。主人公の王女アネリーゼを取り囲むイケメンどもにわたしはドハマりしたのだ。
アネリーゼを守りながらバッタバッタと敵をなぎ倒していくイケメン達。
親密度を上げいくとイベントが発生する。わたしはアネリーゼになったつもりでイケメン達の甘い台詞にうっとりし、声優さんのイケボに悶絶するのであった。
いずれはこのキャラクターの中からアネリーゼの結婚相手を選ばないといけないなんて。
できません。選べません。みんなカッコいいんだもの。この中から選ぶだなんて、無理無理!
とにもかくにもわたしは寝食を忘れてゲームに没頭。
携帯ゲームなのを良いことに学校にまで持っていくようになった。
休み時間にこっそりトイレでプレイする背徳感。放課後誰もいない屋上で寝転がりながらプレイする解放感。
登下校中にもプレイするようになった。信号待ちや踏切の前なんかで。
とうとうわたしは自転車に乗りながらプレイしはじめた。いつも慣れてる道だから問題ない。交通量も少ないし。良い子はマネしちゃダメだけどね。
長い下り坂にさしかかったときだ。
第3章最後のボス戦。なかなか手強いが、もう少しで倒せる。コイツを倒せばアネリーゼが上位クラスにチェンジできるはずなんだ。
シャーッと坂道を自転車で下りながらわたしは血走った目でおおおお、と雄叫びをあげていた。
坂の下。交差点の信号が赤になっていたのにも気付いてなかった。いつもならそんなことないんだけど連日の寝不足と今の興奮状態じゃわからなかったみたい。
はっと顔を上げたときにはけたたましいクラクションとブレーキ音。目の前に車が迫って──。
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