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第2部 消えた志求磨
19 追跡者
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サボテンの魔物たちを倒し、変身を解く山中大吉。
いや、足元から1体飛び出してきた。隠れていたのか。
不意をつかれ、ひっくり返る山中大吉。上から襲いかかるサボテンの魔物。
「シッ!」
居合いからの抜刀。飛ぶ斬撃、太刀風が魔物を吹っ飛ばした。
ふう、なんとか間に合った。
刀を鞘に納めると、山中大吉が獣のようにダダダと近寄ってくる。な、なんだよ……助けてやったのになんか文句あるのか。
山中大吉はすっ、と人差し指をこちらに近づけてきた。それを見た御手洗剛志がおお、と声をあげる。
「それは彼の友好の印なのだよ。キミは彼に認められたのだ。さあ、彼の指に君の指を合わせたまえ」
なんだかよく分からないが、言われるがままに山中大吉の指にわたしの人差し指を近づけた。
なんかハリウッドの有名なSF映画のBGMが聞こえてきたぞ。指どうしが触れると、ピカーッ、と光を放つ。
「オマエ、オレのトモダチ」
山中大吉がどこか照れたような笑みをみせる。わたしはどう反応していいか分からずハハ、と愛想笑いで返した。
魔物たちの襲撃を受けながらも順調に砂漠の移動を続け一週間。
なんのトラブルもなく砂漠を移動できているのはアルマのおかげだ。
元々はこの砂漠地帯に住んでいただけのことはある。
どこも同じような景色でも迷わないし、あのサボテンみたいな植物系の魔物以外ならすぐに探知する。
野営の準備もお手のものだし、どこぞのアライグマ男よりずっと頼りになる。
もうすぐサーブルの西の国境が近いというところで野営。
この辺りはもう固い土の地面だし、背丈の低い植物も多い。気温的にもだいぶ過ごしやすくなっている。もう夕方ということもあるだろうが。
夕食の用意をしようとして異変に気付いたのはやはりアルマだった。
「何か──来る……」
上のほうを見上げている。わたし達が来た方向の空だ。
夕焼け空をバックにこちらに向かってくる無数の影……鳥か? いや、鳥にしてはデカイ……あれは──。
「飛竜だ。飛竜の群れ……待て、先頭に誰か乗っている」
楊が指さし、わたしも目をこらす。
たしかに先頭の飛竜の上には人間が乗っていた。この魔物の群れを操っているのか。
いや、近づいてくるにつれ、その姿に見覚えがある。あの青い鎧……たしかノレストの森で戦ったヤツだ。
「《ドラグーン》レオン・ハミルトンだ。テンプルナイツの追跡者……厄介だぞ」
楊が棒を取り出して構える。他の仲間も戦闘態勢に。
30体ほどの飛竜の群れ。その飛竜の口が開きカアアア、と赤く発光──まずいっ!
ドカドカドカアッ、と火の球が発射されて地面に激突。みんなはなんとかかわして無事だが……くそ、まずいぞ。
「シッ!」
太刀風を放つ。1体に命中し、地面へ落下させたが──他の飛竜の反撃。かわすので精一杯だ。これ以上反撃は難しい。アルマも投げナイフで1体は撃墜できたが、同じ状況に。他の仲間たちは上空の敵に対する攻撃方法がない。
《ドラグーン》レオンが槍をばっ、とこちらに向ける。やばい、今度は完全に囲まれている。
飛竜の一斉攻撃──。
ドドドドドンッ、と先ほどよりも強力な攻撃。わたし達は避けられず、爆撃を受けたように粉々に──なっていなかった。無傷だ。これは……?
「ぬう、空からの攻撃とは卑怯な! 正々堂々、降りてきて勝負しろっ!」
御手洗剛志の声。いや、あのアライグマのマスクにマッチョなボディー。《アライグマッスル》に変身済みだ。ということはこの辺りはダメージ無効というわけだ。いいタイミングだぞ、おっさん。
《アライグマッスル》御手洗剛志の能力は、その場の戦闘を全て【特撮番組で起きた演出】に変えることができる。
いかに相手にダメージを与えようとしても、見た目が派手なだけの火花が散ったり爆発が起きるだけだ。もちろんこちらからの攻撃も無効化されてしまうわけだが。
「がううっ、がうっ!」
「む、どうした? 《ガマゾン》よ、何か策があるのか」
「があうっ、あるっ。オレにまかせろ!」
すでに山中大吉も《ガマゾン》に変身している。口からベロォ~と長い舌を出して《アライグマッスル》に巻きつける。
「むおっ、気持ち悪いぞ《ガマゾン》! 何を……うおおおぉぉぉっっ!」
ブンブンと舌で《アライグマッスル》をぶん回しはじめる《ガマゾン》。まさか……いや、そのまさかだ。
ボンッ、と空中へ投げられた《アライグマッスル》。ドドドッ、と飛竜たちに激突していく。そして落下。落下地点で《アマゾン》が舌でキャッチ。再びぶん回して空へと投げる。
飛竜たちは次々地面へと落ちていく。死んだわけではない。すぐに起き上がって空へ羽ばたくが、レオンの指示を無視してどんどん飛び去っていく。
そう、これが《アライグマッスル》のもうひとつの能力、魔物鎮静化だ。《アライグマッスル》に攻撃された魔物はどんな凶暴なヤツでも急におとなしくなり、去っていく。
度重なる人間ロケットに《アライグマッスル》は目を回して変身が解けた。だが、残す敵はレオンと飛竜が6体。これならなんとかなりそうだ。
いや、足元から1体飛び出してきた。隠れていたのか。
不意をつかれ、ひっくり返る山中大吉。上から襲いかかるサボテンの魔物。
「シッ!」
居合いからの抜刀。飛ぶ斬撃、太刀風が魔物を吹っ飛ばした。
ふう、なんとか間に合った。
刀を鞘に納めると、山中大吉が獣のようにダダダと近寄ってくる。な、なんだよ……助けてやったのになんか文句あるのか。
山中大吉はすっ、と人差し指をこちらに近づけてきた。それを見た御手洗剛志がおお、と声をあげる。
「それは彼の友好の印なのだよ。キミは彼に認められたのだ。さあ、彼の指に君の指を合わせたまえ」
なんだかよく分からないが、言われるがままに山中大吉の指にわたしの人差し指を近づけた。
なんかハリウッドの有名なSF映画のBGMが聞こえてきたぞ。指どうしが触れると、ピカーッ、と光を放つ。
「オマエ、オレのトモダチ」
山中大吉がどこか照れたような笑みをみせる。わたしはどう反応していいか分からずハハ、と愛想笑いで返した。
魔物たちの襲撃を受けながらも順調に砂漠の移動を続け一週間。
なんのトラブルもなく砂漠を移動できているのはアルマのおかげだ。
元々はこの砂漠地帯に住んでいただけのことはある。
どこも同じような景色でも迷わないし、あのサボテンみたいな植物系の魔物以外ならすぐに探知する。
野営の準備もお手のものだし、どこぞのアライグマ男よりずっと頼りになる。
もうすぐサーブルの西の国境が近いというところで野営。
この辺りはもう固い土の地面だし、背丈の低い植物も多い。気温的にもだいぶ過ごしやすくなっている。もう夕方ということもあるだろうが。
夕食の用意をしようとして異変に気付いたのはやはりアルマだった。
「何か──来る……」
上のほうを見上げている。わたし達が来た方向の空だ。
夕焼け空をバックにこちらに向かってくる無数の影……鳥か? いや、鳥にしてはデカイ……あれは──。
「飛竜だ。飛竜の群れ……待て、先頭に誰か乗っている」
楊が指さし、わたしも目をこらす。
たしかに先頭の飛竜の上には人間が乗っていた。この魔物の群れを操っているのか。
いや、近づいてくるにつれ、その姿に見覚えがある。あの青い鎧……たしかノレストの森で戦ったヤツだ。
「《ドラグーン》レオン・ハミルトンだ。テンプルナイツの追跡者……厄介だぞ」
楊が棒を取り出して構える。他の仲間も戦闘態勢に。
30体ほどの飛竜の群れ。その飛竜の口が開きカアアア、と赤く発光──まずいっ!
ドカドカドカアッ、と火の球が発射されて地面に激突。みんなはなんとかかわして無事だが……くそ、まずいぞ。
「シッ!」
太刀風を放つ。1体に命中し、地面へ落下させたが──他の飛竜の反撃。かわすので精一杯だ。これ以上反撃は難しい。アルマも投げナイフで1体は撃墜できたが、同じ状況に。他の仲間たちは上空の敵に対する攻撃方法がない。
《ドラグーン》レオンが槍をばっ、とこちらに向ける。やばい、今度は完全に囲まれている。
飛竜の一斉攻撃──。
ドドドドドンッ、と先ほどよりも強力な攻撃。わたし達は避けられず、爆撃を受けたように粉々に──なっていなかった。無傷だ。これは……?
「ぬう、空からの攻撃とは卑怯な! 正々堂々、降りてきて勝負しろっ!」
御手洗剛志の声。いや、あのアライグマのマスクにマッチョなボディー。《アライグマッスル》に変身済みだ。ということはこの辺りはダメージ無効というわけだ。いいタイミングだぞ、おっさん。
《アライグマッスル》御手洗剛志の能力は、その場の戦闘を全て【特撮番組で起きた演出】に変えることができる。
いかに相手にダメージを与えようとしても、見た目が派手なだけの火花が散ったり爆発が起きるだけだ。もちろんこちらからの攻撃も無効化されてしまうわけだが。
「がううっ、がうっ!」
「む、どうした? 《ガマゾン》よ、何か策があるのか」
「があうっ、あるっ。オレにまかせろ!」
すでに山中大吉も《ガマゾン》に変身している。口からベロォ~と長い舌を出して《アライグマッスル》に巻きつける。
「むおっ、気持ち悪いぞ《ガマゾン》! 何を……うおおおぉぉぉっっ!」
ブンブンと舌で《アライグマッスル》をぶん回しはじめる《ガマゾン》。まさか……いや、そのまさかだ。
ボンッ、と空中へ投げられた《アライグマッスル》。ドドドッ、と飛竜たちに激突していく。そして落下。落下地点で《アマゾン》が舌でキャッチ。再びぶん回して空へと投げる。
飛竜たちは次々地面へと落ちていく。死んだわけではない。すぐに起き上がって空へ羽ばたくが、レオンの指示を無視してどんどん飛び去っていく。
そう、これが《アライグマッスル》のもうひとつの能力、魔物鎮静化だ。《アライグマッスル》に攻撃された魔物はどんな凶暴なヤツでも急におとなしくなり、去っていく。
度重なる人間ロケットに《アライグマッスル》は目を回して変身が解けた。だが、残す敵はレオンと飛竜が6体。これならなんとかなりそうだ。
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