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20(終)
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夏休みがはじまり、学園には秋の風が穏やかに吹き込んでいました。
僕は、兄と一緒に実家に戻る為の荷造りをしていた途中でしたが、部屋の窓を開けると、木々の葉がざわめき、少しひんやりとした空気が入ってくるのが心地よくなり中断しました。
僕はソファに座り、少し休憩をすることに決めました。後の準備はなんとかなる気がします。
麦茶を飲み、ポテトチップスを食べながら、心のどこかで今日は特別な日だと感じていていました。
なぜなら今日は、兄と風紀委員長の関係が、新しい段階に進む日だからです。
家に帰る為の車内には緊張した空気が漂っていました。
いつもなら顔を合わせると何でもない雑談を話している僕たちも、どこか落ち着かず、そわそわとしていました。
兄は、普段の無表情な顔に少し赤みを帯び、手元の菓子折りの包装紙をやけに丁寧に見つめています。
風紀委員長はいつも通りの落ち着いた表情ですが、瞳の奥には確かに緊張感が潜んでいました。
それは、夏休みに入る少し前の出来事でした。
夜に部屋で過ごしていると、突然風紀委員長がやってきました。
「凌。今少しだけいいかな?できたら絋君も一緒に」
僕はテレビを見るのををやめて風紀委員長の言葉に耳を傾けます。
兄は宿題をしていましたが、ペンを止め、顔を上げました。
「……あぁ」
兄の一言で、室内の空気が少し張り詰めたように感じられました。
僕は少し離れたソファに座ったままで二人を見守りながら、心の中で応援の意を送ります。
風紀委員長はゆっくりとした足取りで歩み寄り、兄のの前に立ちました。その瞳が、真剣さと優しさで輝いています。
「凌、僕はこれからもずっと君と居たい」
兄は思わず眉をひそめ、緊張した表情を浮かべます。
「……え、いきなりどうしたんだ」
風紀委員長は少し笑みを崩し、静かに言いました。
「凌のことが、特別なんだ。だから、これからは僕と──正式に恋人として人生を歩んでほしい」
その瞬間、兄の体が硬直したのがわかりました。
普段の冷静な表情は消え、目が大きく見開かれます。僕は思わず息を呑みました。
「……正式に恋人に……?」
風紀委員長は軽く頷き、柔らかな声で答えます。
「うん。お互いの両親に報告しよう。僕達は会社の後継のこともあるから、早めに言っておきたくて」
兄は一瞬目を伏せ、深く息をつきます。そして、わずかに顔を上げ、視線を風紀委員長に向けました。
「…………俺も……修哉とずっと一緒に居たい」
その言葉で、室内の空気がふわりと緩んだ気がしました。僕は心の中で、思わず小さくガッツポーズを作りました。ついに、兄の幸せのゴールがここに来たのです。
風紀委員長は微笑みながら、そっと兄の手を握りました。
兄は驚きと照れで顔を赤くし、手を軽く握り返します。
その姿を、僕はソファの向こう側から静かに見守りました。
二人の距離は、言葉以上に近く自然に心が触れ合っていることを感じさせました。
僕は机の下でノートを取り出し、これまでの観察記録を振り返りました。文化祭や体育祭、夏休みのプライベートビーチでの様子、倉庫での密室トラブル、転校生、奥沢先輩の出現や嫉妬劇……全てが、この日のための伏線だったかのように思えます。
「……良かったな」
僕は小さくつぶやきました。
ノートには、兄と風紀委員長の細やかな言動、僕が見守り続けたあらゆる感情の記録がびっしりと書き込まれています。これはもう、僕自身の青春の証でもあります。
兄と風紀委員長は、そのまま手をつないで立ち上がり、きつく抱き締めあっていました。僕は静かに二人を見守りながら、心の中で祝福の言葉を繰り返します。
僕にとって、もう一人の兄が出来た瞬間でもありました。
今後は僕のような頼れる弟がいて有り難く思ってほしいです。
こうして、今回の帰省では、風紀委員長……いや、修哉さんも一緒に連れて帰り、挨拶をするという手筈になっています。
今、兄と修哉さんは父に挨拶をしに行っており、僕は久々の近況報告も兼ねて母にこれまでの学園での観察記録を読んでもらっていました。
「凌君も、絋もいい学園生活を送ってるのね。青春って感じだわ」
僕は顔を少し上げ、にっこりと笑いました。母はいつも通り穏やかで、しかしどこか鋭く察しているような視線を送ってこれまでの記録は、母に読んでもらうつもりで書き続けていたのです。
「はい、お母さん。これで僕もひと段落です」
母は微笑み、軽く頭を下げた。
「そう……楽しそうね。絋も、凌くんも。二人とも、幸せになりなさい」
夕食を皆で食べることになり、全員が揃うことができました。
兄と修哉さんは、父への報告が上手くいったようで、にこやかです。
予め電話で軽く伝えておいた段階でとても歓喜していたのでこの結果は想定の範囲内でした。
何せ、修哉さんの実家は数多くのアパレルブランドを展開する大企業。葉山家も会社の規模は同等に大きく、さらにうちは流通に関連する事業内容なので、無関係とはいえません。
互いの家事情から考えても良い関係性が出来たと言えるのでしょう。
兄はまだ少し赤面していますが、修哉さんの手を握り、ゆっくりと安心したように息をついました。
僕は心の中で、二人の未来に静かに期待します。これまで見守ってきた時間が、ようやく実を結んだのです。
その日、家には笑顔と静かな幸福感が満ちていました。
部屋に入って僕はノートを閉じ、軽く背伸びをします。
外の風が、二人の関係を祝福するかのようにカーテンを揺らしています。
兄と修哉さんが隣同士で立ち、自然に手をつないでいる光景を思い出すと、僕は嬉しくなりました。
兄と修哉さんの幸せな未来を、この目で見守ることができる、それこそが、僕の役目なのだと思います。
感慨に耽っていると、突然電話が鳴りました。
相手は、奥沢先輩でした。
「もしもし」
「こ、絋くん!出てくれて有難うございます。」
相当緊張しているのか、その声は強張っていました。
「そんな、敬語じゃなくていいですよ。どうしました?」
「いいの?ありがとう。……あの、今絋くんの実家に泊まってるって修哉から聞いて。僕の実家、実は絋くんの家に近いんだよね。多分2つ隣の駅」
「え?そうなんですか?」
確か、修哉さんの幼馴染と聞いていたのでそれは予想外でした。修哉さんの実家は特に近所ではなかった筈です。
「うん、両親が今は転勤で大阪にいるんだけど東京に出張する機会が多くて新しくマンションを買ったんだよ。でも一人だから寂しくて……だから、良かったら、その……」
なるほど。言わんとしていることがなんとなく分かりました。それなら僕は乗るだけですね。
「……僕、お家に遊びに行ってもいいですか?」
「本当に……!?嬉しい!!是非来て!!来てくれたら何でもしてあげる!!」
「泊まってもいいんですか?」
「泊ま……っ!!!??こ、絋くんが良ければ、もちろん……」
奥沢先輩の声が高くなり、息が少し荒くなっています。何を想像したんでしょうか。
「ふふ、じゃあ一週間くらい泊まっちゃおうかな。夏休み中やることないし」
「うん!もちろん!住所は後で送るね!えっと、いつから来れそうかな?」
「今から行きます」
「え?」
「まだ終電間に合うんで、今から行きます。準備しておいてください。住所もすぐ送ってください」
「え?え?絋くん?嘘でしょ?」
「じゃあ、荷物用意するんで切りますね。後で」
「絋くん!?!?」
何事も思い立ったが吉日ですね。この間の補習プリントで習ったことが早速活かせました。
兄の幸せを見届けたあとは、僕が幸せになってみるのも楽しそうですね。
母の言うように、青春を謳歌しなければ勿体ないですから!
僕は、兄と一緒に実家に戻る為の荷造りをしていた途中でしたが、部屋の窓を開けると、木々の葉がざわめき、少しひんやりとした空気が入ってくるのが心地よくなり中断しました。
僕はソファに座り、少し休憩をすることに決めました。後の準備はなんとかなる気がします。
麦茶を飲み、ポテトチップスを食べながら、心のどこかで今日は特別な日だと感じていていました。
なぜなら今日は、兄と風紀委員長の関係が、新しい段階に進む日だからです。
家に帰る為の車内には緊張した空気が漂っていました。
いつもなら顔を合わせると何でもない雑談を話している僕たちも、どこか落ち着かず、そわそわとしていました。
兄は、普段の無表情な顔に少し赤みを帯び、手元の菓子折りの包装紙をやけに丁寧に見つめています。
風紀委員長はいつも通りの落ち着いた表情ですが、瞳の奥には確かに緊張感が潜んでいました。
それは、夏休みに入る少し前の出来事でした。
夜に部屋で過ごしていると、突然風紀委員長がやってきました。
「凌。今少しだけいいかな?できたら絋君も一緒に」
僕はテレビを見るのををやめて風紀委員長の言葉に耳を傾けます。
兄は宿題をしていましたが、ペンを止め、顔を上げました。
「……あぁ」
兄の一言で、室内の空気が少し張り詰めたように感じられました。
僕は少し離れたソファに座ったままで二人を見守りながら、心の中で応援の意を送ります。
風紀委員長はゆっくりとした足取りで歩み寄り、兄のの前に立ちました。その瞳が、真剣さと優しさで輝いています。
「凌、僕はこれからもずっと君と居たい」
兄は思わず眉をひそめ、緊張した表情を浮かべます。
「……え、いきなりどうしたんだ」
風紀委員長は少し笑みを崩し、静かに言いました。
「凌のことが、特別なんだ。だから、これからは僕と──正式に恋人として人生を歩んでほしい」
その瞬間、兄の体が硬直したのがわかりました。
普段の冷静な表情は消え、目が大きく見開かれます。僕は思わず息を呑みました。
「……正式に恋人に……?」
風紀委員長は軽く頷き、柔らかな声で答えます。
「うん。お互いの両親に報告しよう。僕達は会社の後継のこともあるから、早めに言っておきたくて」
兄は一瞬目を伏せ、深く息をつきます。そして、わずかに顔を上げ、視線を風紀委員長に向けました。
「…………俺も……修哉とずっと一緒に居たい」
その言葉で、室内の空気がふわりと緩んだ気がしました。僕は心の中で、思わず小さくガッツポーズを作りました。ついに、兄の幸せのゴールがここに来たのです。
風紀委員長は微笑みながら、そっと兄の手を握りました。
兄は驚きと照れで顔を赤くし、手を軽く握り返します。
その姿を、僕はソファの向こう側から静かに見守りました。
二人の距離は、言葉以上に近く自然に心が触れ合っていることを感じさせました。
僕は机の下でノートを取り出し、これまでの観察記録を振り返りました。文化祭や体育祭、夏休みのプライベートビーチでの様子、倉庫での密室トラブル、転校生、奥沢先輩の出現や嫉妬劇……全てが、この日のための伏線だったかのように思えます。
「……良かったな」
僕は小さくつぶやきました。
ノートには、兄と風紀委員長の細やかな言動、僕が見守り続けたあらゆる感情の記録がびっしりと書き込まれています。これはもう、僕自身の青春の証でもあります。
兄と風紀委員長は、そのまま手をつないで立ち上がり、きつく抱き締めあっていました。僕は静かに二人を見守りながら、心の中で祝福の言葉を繰り返します。
僕にとって、もう一人の兄が出来た瞬間でもありました。
今後は僕のような頼れる弟がいて有り難く思ってほしいです。
こうして、今回の帰省では、風紀委員長……いや、修哉さんも一緒に連れて帰り、挨拶をするという手筈になっています。
今、兄と修哉さんは父に挨拶をしに行っており、僕は久々の近況報告も兼ねて母にこれまでの学園での観察記録を読んでもらっていました。
「凌君も、絋もいい学園生活を送ってるのね。青春って感じだわ」
僕は顔を少し上げ、にっこりと笑いました。母はいつも通り穏やかで、しかしどこか鋭く察しているような視線を送ってこれまでの記録は、母に読んでもらうつもりで書き続けていたのです。
「はい、お母さん。これで僕もひと段落です」
母は微笑み、軽く頭を下げた。
「そう……楽しそうね。絋も、凌くんも。二人とも、幸せになりなさい」
夕食を皆で食べることになり、全員が揃うことができました。
兄と修哉さんは、父への報告が上手くいったようで、にこやかです。
予め電話で軽く伝えておいた段階でとても歓喜していたのでこの結果は想定の範囲内でした。
何せ、修哉さんの実家は数多くのアパレルブランドを展開する大企業。葉山家も会社の規模は同等に大きく、さらにうちは流通に関連する事業内容なので、無関係とはいえません。
互いの家事情から考えても良い関係性が出来たと言えるのでしょう。
兄はまだ少し赤面していますが、修哉さんの手を握り、ゆっくりと安心したように息をついました。
僕は心の中で、二人の未来に静かに期待します。これまで見守ってきた時間が、ようやく実を結んだのです。
その日、家には笑顔と静かな幸福感が満ちていました。
部屋に入って僕はノートを閉じ、軽く背伸びをします。
外の風が、二人の関係を祝福するかのようにカーテンを揺らしています。
兄と修哉さんが隣同士で立ち、自然に手をつないでいる光景を思い出すと、僕は嬉しくなりました。
兄と修哉さんの幸せな未来を、この目で見守ることができる、それこそが、僕の役目なのだと思います。
感慨に耽っていると、突然電話が鳴りました。
相手は、奥沢先輩でした。
「もしもし」
「こ、絋くん!出てくれて有難うございます。」
相当緊張しているのか、その声は強張っていました。
「そんな、敬語じゃなくていいですよ。どうしました?」
「いいの?ありがとう。……あの、今絋くんの実家に泊まってるって修哉から聞いて。僕の実家、実は絋くんの家に近いんだよね。多分2つ隣の駅」
「え?そうなんですか?」
確か、修哉さんの幼馴染と聞いていたのでそれは予想外でした。修哉さんの実家は特に近所ではなかった筈です。
「うん、両親が今は転勤で大阪にいるんだけど東京に出張する機会が多くて新しくマンションを買ったんだよ。でも一人だから寂しくて……だから、良かったら、その……」
なるほど。言わんとしていることがなんとなく分かりました。それなら僕は乗るだけですね。
「……僕、お家に遊びに行ってもいいですか?」
「本当に……!?嬉しい!!是非来て!!来てくれたら何でもしてあげる!!」
「泊まってもいいんですか?」
「泊ま……っ!!!??こ、絋くんが良ければ、もちろん……」
奥沢先輩の声が高くなり、息が少し荒くなっています。何を想像したんでしょうか。
「ふふ、じゃあ一週間くらい泊まっちゃおうかな。夏休み中やることないし」
「うん!もちろん!住所は後で送るね!えっと、いつから来れそうかな?」
「今から行きます」
「え?」
「まだ終電間に合うんで、今から行きます。準備しておいてください。住所もすぐ送ってください」
「え?え?絋くん?嘘でしょ?」
「じゃあ、荷物用意するんで切りますね。後で」
「絋くん!?!?」
何事も思い立ったが吉日ですね。この間の補習プリントで習ったことが早速活かせました。
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母の言うように、青春を謳歌しなければ勿体ないですから!
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