【完結】我が兄は生徒会長である!

tomoe97

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after story 社会人編

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【絋と悠里の社会人編 ⚠︎性描写匂わせ有】


大学を卒業し、社会人になった絋は、兄であり、今では会社の後継者候補として働く凌の秘書として日々忙しく働いていた。

細かい書類整理やスケジュール管理、会議の準備――どれも丁寧にこなす彼は、凌からも厚い信頼を受けている。
学園生活や生徒会の仕事をサポートしていたことも、経験として大いに活きているだろう。
加えて、絋は高校二年生の途中から高校三年生まで生徒会長を務めた実績がある。

生徒会長に就任したばかりの、はじめのうちは、勉強も苦手な絋は業務もよくわからず、周りに泣きついていた。
しかし、同じ生徒会役員の仲間達が根気よく支えてくれ、なんとか任期を乗り越えたのだった。
特に、副会長になったのが松村だったので、実質生徒会業務を回していたのは彼の方だったかもしれない。

しかし、そうは言っても補佐の頃よりは主体的に動かなければならない場面も増え、指示を出す場面や、時には指導をする時もあった。
それが今となっては仕事として活かせているので、良い学生生活だったと思う。

大学には、正直言って進学するつもりはなかった。勉強が得意ではないし、進学の有無に関わらず就職先は決まっていたからだ。
けれど、学生生活を、恋人である悠里と同棲して過ごしたいという願望が兄達の様子を見ているうちに芽生え、なんとか受験勉強を乗り越えて悠里と同じ大学に進学することができた。
学部は違うし、学年も違うけれど一年間寮と東京のマンションで遠距離恋愛だった分、会える頻度がぐっと増えて主に夜の事情が大変浮かれに浮かれた同棲生活だった。
今は、その頃よりはお互い大人になって落ち着き、家のランクを上げ、より快適な同棲生活を送っている。



一方の悠里は今、高校で教師をしている。
僕の大学受験の際、彼は根気強く勉強を教えてくれていた。
その経験から、教師への適正を見出し、教育実習や教職課程を乗り越え晴れて大学卒業後すぐから働き始めてた。
授業に加えて部活動の顧問や進路指導もこなす日々だが、教師として生徒と向き合う時間は、悠里にとって何より充実している瞬間でもあった。



ある日、絋がいつものようにオフィスで書類を整理していると、電話が鳴った。

「ええ、はい……え?あ、久しぶりですね」

受話器の向こうから聞こえた声に、絋は一瞬止まった。
瀬野一樹――中学時代に恋人のような関係だったが、互いの進路や生活スタイルの違いから自然消滅した二個上の先輩だった。
葉山グループと今期から取り引きをする若手実業家として再会することになるとは思いもしていなかった。

「ちょうどタイミングよかった。良かったら今夜、飲みに行かない?」

絋は少し間を置き、了承した。
今夜は悠里も飲み会があると言っていたし、丁度いいと思ったからだった。

仕事終わりに待ち合わせをしていた居酒屋に到着すると、すでに一樹は来ていた。
驚いたのは、そこに悠里も同僚と顔を出していたことだ。
女性陣に随分と囲まれているように見える気がしなくもない。

「えっ……悠里?」

「え、絋くん?……」

偶然の対面に、二人は一瞬静かになった。
しかし、すぐに悠里は笑顔を見せ、場を和ませる。
絋も自然に微笑みを返し、それぞれの席で乾杯をした。
ーーーそこには二人にしか分からない、冷ややかな視線が交わされていた。


お酒が進むにつれ、話題は次第に学生時代の思い出や、社会人になったそれぞれの生活へと移っていく。
絋は一樹に、自分の仕事ぶりを軽く説明していた。
一樹は、あの頃の可愛さを存分に残したまま、けれど年齢を重ねて大人びた絋の姿をうっとりと見つめる。

中学時代、自然消滅してしまった関係をずっと一途に忘れられずにいた一樹。
事業を立ち上げる際に、なんとか葉山グループと接点を作ろうとあらゆるルートから無理矢理今回の取引にこぎつけた。

絋の方はというと、単なる昔話で、関係があったうちの一人としか今はもう認識しておらず、熱の籠った視線を向けられることに悠里への罪悪感を感じていた。

こんなことなら来なければ良かったと若干後悔していたその時、悠里が絋のテーブルにやってきた。
その表情は、驚く程にこやかで内心で怒っているのがよく分かる。

「絋くん、偶然だね。はじめまして俺、絋くんの友人の悠里です。ねぇ、今飲み会抜けてきたんだけど良かったら一緒に飲まない?」

「えっ……その……一樹さん、いいですか?」

「あ、あぁ…構わないけど……」

わざわざ恋人ではなく友人、と紹介したところに意図を感じた。
悠里が何かを仕掛けようとしている。そして僕にそれを止める権利はない。



時間が経つにつれて、一樹の表情には微妙な影が差していた。
絋と悠里が何気なく手を触れ合ったり、互いの目を見つめて笑い合う場面を見るたび、胸の奥がざわつくのを感じていた。

「……二人、仲いいんだね」

一樹は少し寂しげに言葉を漏らす。

「ふふ、まあ。絋くんと俺は一番仲良しの自覚はあります」

「うん、そうだね」

悠里は軽く肩を寄せ、笑みを浮かべる。その距離感に、一樹は思わず目を逸らした。
三人での飲み会は、表面上は和やかではあるものの、彼にとってはじわじわと落ち込む時間でもあった。
誰がどう見ても友人の雰囲気ではなく、恋人同士なのだと悟っていた。
項垂れる一樹を見て悠里は一人、勝ち誇った表情を浮かべていた。



飲み会が終わり、一樹が先に帰ると、二人きりになった。
夜の街を歩きながら、絋はふと、悠里の手を軽くつかんだ。

「ねえ、悠里……嫉妬してたでしょ?」

悠里は一瞬驚いた表情を見せるが、ここの目を見て、少し照れ笑いする。

「……ああ、まあ、ちょっとね」

「あれがちょっと……恐ろし」

悠里は微笑みながら、絋の腕を軽く絡め、距離をぐっと縮める。
その仕草に、絋の胸がわずかに高鳴った。

「でも……絋くんが悪いと思う。あの人あからさまに絋くんのこと狙ってたよね?誰?」

「あ~……取り引き先の人」

「……本当にそれだけ?」

「中学の時の先輩で……」

「うん」

悠里の返答は淡々としていて、いつもの明るい雰囲気はなくなっていた。悠里は僕より大分背が高いので、真顔で見下ろされるとこんなに威圧感があることをはじめて知った。

「……ちょっとだけ、付き合ってた未満、みたいな……」

「……ほら、やっぱり。なんで二人きりで会おうと思えるの?浮気しようとしてた?」

絋は、悠里に詰められ慣れておらず、さらにこれまでの恋人関係において怒られたこともなかったので泣き始めてしまった。

「……そんなこと、する訳ない、のに……」

「……冷たく言ってごめんね。俺も泣かせたくはなかった。けど、元彼と二人で会ってほしくはなかった」

「だって、何とも思ってないんだもん」

絋の必死の弁解に、悠里はため息をつく。
その仕草にすら絋の身体はビクッと反応してしまった。
悠里は、少しだけ許してあげようという気になってきた。

「絋くんがなんとも思ってなくても、向こうは違ったよね?」

「……うん」

「……正直。今までもずっと不安だった。絋くんが結構経験あるのは、なんとなく分かってたから。やっぱりこういうことは起こるよなって」

「悠里……」

悠里の気持ちを、絋はこれまで本質的には分からずにいた。
それは、悠里が明るく振る舞っていてくれたからに過ぎず、本当は絋の恋愛経験に不安を抱いていたのだ。

「……ごめん、心狭くて。今日はもう帰ろうか」

「僕が好きなのは悠里だけだよ。他の人を好きになるなんて考えがどこにもなかった」

「絋くん……」

「不安にさせてごめん。どうしたら分かってもらえる?」

悠里が、不安と、期待とがないまぜになった視線を絋に向ける。
言葉に出さずとも、二人の間に漂う空気は、甘く、そしてどこか官能的な匂わせを含んでいた。
街灯の下、二人は歩きながら、互いの手を握り合い、夜の静けさに溶け込むように寄り添う。

「……今夜は俺が全部するから。」

悠里が耳元で囁く。
絋はその言葉に、自然に身体を寄せ、心の奥が温かく満たされるのを感じた。



ビルの間を抜け、二人は近くのホテルへと辿り着く。
同棲している家があるのに、わざわざ帰らなかったのは、お互いもう1秒でも待てなかったからだ。
部屋に入りベッドへと座ると、悠里はさらに距離を縮めた。

「絋も……さっき俺が一緒に飲んでた人達のこと、気になった?」

「……正直、少し」

「そうなんだ?まぁ、俺の場合はただの同僚なんだけど。そうこなきゃね」

悠里は軽く絋の肩に頭を寄せる。
その温もりに、絋は思わず笑みを浮かべる。

「……悠里はずるいな」

「ずるい?どうして?」

「僕の心を読んで、焦らすんだから」

「それも愛情表現の一つだよ」

二人の言葉は柔らかく、夜の空気に溶けていく。
唇や身体に触れることはまだない。けれど、互いの距離や手の感触、ささやく言葉だけで、心の奥は十分に満たされていた。

「……そろそろシャワー浴びる?」

「いや……もう少し、このままでいたいな」

悠里は甘く笑いながら、絋の手を握りしめ、さらに密着する。
絋も自然に身を預け、二人だけの世界を楽しむ。夜の静けさと街灯の柔らかい光の中で、彼らの距離はどんどん縮まり、互いの心は確かに触れ合っていた。

「ねえ、絋くん……やっぱり俺も、我慢できないかも」

「……悠里」

「今夜は、誰にも邪魔されずにいたい」

絋は悠里の視線に応えるように、ぎゅっと強く手を握る。
心臓の鼓動が早まるのを感じながら、二人はゆっくりと抱きしめあった。
夜の先にある甘い未来を、二人だけで噛み締めるかのように。

夜が更けていく中、二人はベッドに横になりゆっくりと足を絡ませる。
時折手を握り直す。
まるで周囲の世界が消えてしまったかのように、二人だけの時間が広がっていた。
恋人との触れ合いは心地よく、心が安心するけれど、直接的な愛撫は未だに来ず、絋は普段性急に進めていくので、正直もどかしい気持ちだった。

そんな絋の表情を見て悠里はにやりと笑みを浮かべる。

「絋くん、俺……少し意地悪かもしれない」

「意地悪?」

「うん、今日はとことん焦らすつもり」

悠里のいたずらっぽい笑顔に、絋は下唇を噛みながら頬を赤くする。

「……それ、ズルいな」

「ずるいって?どうして?」

「だって、また僕の心を読んで、こうして揺さぶるんだから」

「やっと二人きりになれたんだ……焦らして、焦らして、もっと我慢して」

「うん……分かった」

絋は悠里の誘導でを浴室を開け、二人はシャワーを浴びた。
綺麗とは言えない過去も、悠里の不安な気持ちも、全部流してしまいたい思いだった。

バスローブを着てから再びベッドに座ると、悠里は自然に絋の膝の上にまたがる。
絋は戸惑いながらも、その行動を拒まなかった。
二人だけの世界に、言葉は多く必要ない。

「絋くん、……もっと近くに来て」

悠里の小さな声に応えて、絋はそっと体を寄せた。
身体が触れ合い、呼吸が重なる。まだ何も起きてはいない。ただ、距離を縮め、互いの存在を確かめ合う時間。

「……悠里」

「うん?」

「……こうしていると、ずっとこのままでもいい気がする」

「ふふ、俺も」

互いの顔を見つめ、微笑む。
唇に触れることなく、手の感触や体温、そして言葉だけで心が満たされる――そんな夜のはじまりだった。







翌朝、二人はそれぞれの仕事に向かう準備をする。
絋はスーツに身を包み、秘書として凌のオフィスへ。資料を整理しながら、昨日の夜のことを思い返すと、自然に頬が緩む。
一方、悠里は高校の職員室で、生徒の提出物をチェックしていた。
廊下を歩くと、同僚たちが笑顔で声をかけてくる。だが、心の中では、絋のことが頭から離れず、昨日の夜の甘い距離感が思い出される。
腰の痛みと喉の枯れが酷く、全身に絋の余韻が残っている気すらした。

昼休み、悠里の携帯が振動した。画面には絋からのメッセージ。

「今日もお互い頑張ろうね。身体きつかったらごめん。無理しないで」

悠里は思わず笑ってしまった。
廊下の窓から差し込む陽光が、さらに暖かく感じられた。

二人は再び連絡を取り合い、仕事終わりに待ち合わせをして帰ることにした。
駅前で待ち合わせると、悠里は照れくさそうに微笑み、絋も自然に笑みを返す。

「今日も疲れたね」

「うん、でも……悠里に会えたから、元気が出る」

言葉の端々に、昨夜の甘い空気の余韻が漂う。
手をつなぐと、指先が軽く絡まり、自然にお互いの存在を確認する。

「悠里……昨日の夜のこと、まだ気にしてる?」

「少しはね……でも、もう大丈夫」

絋は小さく肩をすくめ、笑いながら悠里を見つめる。

「悠里は案外素直じゃないよね」

「そう?でも、それが俺だよ」

二人の笑い声が駅前に響く。
夜の街灯が、二人の影を長く伸ばす。
自然に手が重なり合って、距離感が近づいていく。
そして一緒に暮らす家へと仲良く帰っていくのだった。
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