35 / 35
第二章
もう片方の角
しおりを挟む
「うわー……。想像以上に似てるなぁ」
海辺に近い教会の屋根の上に立って、ケイドは港に接岸している白い客船を見下ろした。敬礼するときのように目の上に手のひらで庇をつくり、タラップを歩いて下船してくる乗客を、ひとりひとり観察する。
強い潮風がケイドのスーツの裾をパタパタとはためかせ、髪を乱していく。それに構わず、デッキに現れた目的の人物を、ケイドは凝視していた。
艷やかな黒髪に知的で整った顔立ち、細身の身体に纏ったスーツはブラウンでさりげなくストライプが入っている。それが一見、冷たそうに見える彼の印象を和らげていた。
恐らく、その隣に立つプラチナブロンドの男が選んだんだろう。ふたりが恋人同士であることは報告書で確認済みだ。
馴染みなのか、見送りに出ている船長たちと楽しげに談笑している。寄り添う白金と黒は傍目にも仲睦まじくて───反吐が出る。
「アレが俺のオリジナル、ね。……気持ち悪っ」
ピョンと塔から飛び降りると、ケイドはその下の地面にふわりと着地した。それから、ポケットに入れておいた紙を取り出して広げてみる。
『重要参考人』と書かれた文字の下には、痩せた男の似顔絵が描いてあり、更にコズレルで起こった事件のあらましと、彼が魔物かもしれないという注意書きがされていた。
「この似顔絵、頬コケすぎ。俺にもアイツにも全然似てないじゃん」
手配書を元通りにたたみポケットに入れると、ケイドは裏口から協会を出た。屋敷までの道を歩きながら、さっきの男の姿を思い浮かべる。
ケイドのオリジナルらしき人物が見つかったのは三ヶ月ほど前のことだ。
ケイドは今、蒼龍幇という東洋マフィアと組んで活動をしている。
その蒼龍幇がリオンの町に派遣した諜報員が持ち帰った報告の中に、ケイドとよく似た祭司がいるという記載があったのだ。現在リオンの町には、宝の主教サイラスの側近として知られるレイ以外に、祭司はいないはずだ。不審に思ってさらに調べさせると、その男───ユーゴは、十ヶ月前にコズレルで起きた児童連続殺害事件の重要参考人らしいとわかった。
けれど、不可解なことにその手配はひと月足らずで取り下げられている。それどころか、彼を手配したことさえ、なかったことになっていた。どうもサイラスが手を回した形跡があって、とにかく怪しかった。確認しようにも、差し向けた屍鬼さえ、一体も帰ってこない。
それなら別方向から餌を撒いてみようと、今度はコズレルにいるエイミーという学生のところに、ユーゴの名で神学学術院への推薦をしたと手紙を出してみた。
エイミーはユーゴの教え子だ。彼女をルイーズに呼び寄せ餌にして、ユーゴを誘い出そうと思ったのだけれど───。
偶然なのか、エイミーが乗った船にレイとユーゴらしき人物が乗っていると諜報員から連絡が入ったのが昨日だ。調べてみると、ユーゴを祭司として認める洗礼の義の予定が、セルヴァンに入っていた。
笑いが止まらなかった。
探していた本人と思われる人物が、勝手に向こうからやってきたのだ。
そんな経緯で今日、その姿を確認するためにケイドはここに来ていたのだけれど。
「アイツ、何者なんだ? 俺のオリジナルなら悪魔ってことだけど、そしたらレイは? 知ってるのか、騙されてるのか…それとも、ただ俺に似てるだけ? まさか、なぁ」
首を傾げて、それからケイドは天を仰いだ。
「わからないことだらけだ。───とりあえず、お父様に報告しよう」
ケイドは微笑みながら小さく呟いて、くるりと踵を返した。
学校や宗教施設が立ち並ぶ文教区の端に、ケイドの住まいはある。一見普通の邸宅のように見えるが、ルミナス生物科学研究所という、れっきとした研究施設だ。
門扉をくぐり手入れの行き届いた庭を通り、蔦のアーチを抜けるとようやく建物が見えてきた。玄関扉の前に立っていた男が、ケイドの姿を確認すると恭しく頭を下げ、ドアを開く。「おかえりなさいませ」と響く白衣の研究員たちの声を無視して、ケイドは玄関ホールの左側のドアをひらいた。そこから地下に続く階段を降り、真っすぐに主人の部屋へと向かう。
「よろしいですか? お父様」
ケイドが扉をノックして声をかけると、中から「どうぞ」と声がする。そっと扉を開いて中に入ると、嗅ぎ慣れた消毒液のツンとした匂いが鼻をついた。
部屋の一面にはぎっしりと本が詰め込まれた書棚。隣の飾り棚にはホルマリン漬けの生物や、標本、色とりどりの薬のビンが並んでいる。更にその対角の壁際には、壊れた人形のようなものが幾つも転がっていたけれど、ケイドはあえてそれを視界に入れないよう努めた。
部屋の中央、机の上に雑然と置いてあるビーカーや試験管の向こうの椅子に、父は座っていた。金縁の眼鏡の奥の、少し神経質そうな目元を緩めて、父が「おいで」とケイドを手招く。
後ろでひとつに束ねた長く艷やかな黒髪が、彼の動きに合わせて揺れる。真っ白な白衣に寄る皺ですら、美しいとケイドは思った。
父、と呼んではいるけれど、彼はケイドの父ではない。
彼、ヴィンセントは、セレスティア教団の聖盾の主教、グレゴリー・クロフォードの息子だ。優れた学者で、このルミナス生物科学研究所の総責任者でもある。
クロフォード家はグレゴリーの祖父母の代に住んでいた村を魔物に焼かれて以来、魔物をひどく恐れ嫌っている。グレゴリーが祭司になり主教まで上り詰めたのもその為らしいが。
皮肉なものだとケイドは思う。
グレゴリーはその憎むべき魔物を排除するために、更に強い魔物を自分たちで作り対抗することを選び、息子のヴィンセントにその研究をさせている。
彼ら研究者が『造魔』と呼んでいる、魔物と人間の合成物。
まあ、成果はあまり芳しくなく、肉体は造れるようになってきたが、知性の方はまだまだらしい。
奇声を上げて暴れたり、噛みついたり、もしくはひたすら虚空を眺めていたり。下手すると人の言葉すら理解しない。魔物と言うよりは屍鬼や猛獣に近く、精製に失敗するとケイドに後始末が回ってきたりする。
今のところ、ちゃんとした成功例はケイド一体だ。
(まあ、俺はその方が都合いいけど。
ヴィンセントを父と呼ぶ存在は、俺だけでいい)
相変わらず浅ましいほど欲深い、と内心で自嘲しながら、ケイドはヴィンセントの前に立った。
周囲の酸素が減ったような胸苦しさには、あえて気付かないふりをする。
「港を見に行ってきました」
「うん」
優しく微笑んだ美しい顔は、ケイドの兄くらいの歳にしか見えない。けれど実際の年齢はもっとずっと上だろう。グレゴリーが齢七十を超えているのだから、想像はつく。
けれどヴィンセントは、いつまでもとても若々しかった。
それはケイドがときおり獲ってくる、人魚の肉を好んで食べているせいかもしれないし、自分自身で、若返りの実験をしているのかもしれない。
何にせよ普通から逸脱しているのは確かだ。
そんな猟奇的な研究ばかりしているせいか、研究所の研究員ですら、ヴィンセントを怖がった。
恐ろしい男だ、という。けれど、ケイドにとっては最愛の父だ。彼に褒めてもらえることが何より嬉しいし、誇りに思う。
「彼は居たかい?」
「はい。俺に…とてもよく似ていました。まるで鏡です」
「そうか」
微笑んだ彼の前に跪くと、その手が優しくケイドの頭を撫でた。そのままその膝に懐くように頭を乗せる。
「そんなにそっくりだと言うなら、私も見てみたいな」
「では、ここに連れてきましょうか?」
不本意だけれどヴィンセントが喜ぶならばと、ケイドは提案した。蒼龍幇に言えば、きっとどんな犠牲を払ってでも連れて来る。けれど。
「機会があれば、でいい」
と、ヴィンセントはまたケイドの頭を撫でた。
「いい子だね。ケイドは強くて賢くて、本当にいい子だ」
嬉しい、と思う。
この人の瞳に映るときだけ、ケイドは自分を好きになれる。
ルミナスの研究所の人間が、陰でケイドを化け物と呼んでいることは知っていた。自分たちが造ったとはいえ、魔物だ。気味が悪いのだろう。でも、人間たちがケイドを見るときの、怯えた目も蔑む目も見飽きた。
ヴィンセントだけが、ケイドを自分と対等に扱って、慈しみの瞳で見てくれる。
だから。
ヴィンセントに褒められたい。ヴィンセントに褒められるためなら、何だってしてきたし、これからだって、する。
ずっとずっと、ヴィンセントに愛されていたい。
そのためにも、もっと完璧になりたい。
───もう片方の角が、どうしても欲しい。
「ヴィン、俺は貴方のためにもっともっと、強くなるよ。誰にも負けない、自慢の息子になる」
「おやおや。ケイドはもう十分、僕の最高の作品で、自慢の息子だよ。───でも、嬉しいね。楽しみにしてるよ」
ヴィンセントが頭を撫でる、手の温かさだけが信じられる。
そう、思っていた。
海辺に近い教会の屋根の上に立って、ケイドは港に接岸している白い客船を見下ろした。敬礼するときのように目の上に手のひらで庇をつくり、タラップを歩いて下船してくる乗客を、ひとりひとり観察する。
強い潮風がケイドのスーツの裾をパタパタとはためかせ、髪を乱していく。それに構わず、デッキに現れた目的の人物を、ケイドは凝視していた。
艷やかな黒髪に知的で整った顔立ち、細身の身体に纏ったスーツはブラウンでさりげなくストライプが入っている。それが一見、冷たそうに見える彼の印象を和らげていた。
恐らく、その隣に立つプラチナブロンドの男が選んだんだろう。ふたりが恋人同士であることは報告書で確認済みだ。
馴染みなのか、見送りに出ている船長たちと楽しげに談笑している。寄り添う白金と黒は傍目にも仲睦まじくて───反吐が出る。
「アレが俺のオリジナル、ね。……気持ち悪っ」
ピョンと塔から飛び降りると、ケイドはその下の地面にふわりと着地した。それから、ポケットに入れておいた紙を取り出して広げてみる。
『重要参考人』と書かれた文字の下には、痩せた男の似顔絵が描いてあり、更にコズレルで起こった事件のあらましと、彼が魔物かもしれないという注意書きがされていた。
「この似顔絵、頬コケすぎ。俺にもアイツにも全然似てないじゃん」
手配書を元通りにたたみポケットに入れると、ケイドは裏口から協会を出た。屋敷までの道を歩きながら、さっきの男の姿を思い浮かべる。
ケイドのオリジナルらしき人物が見つかったのは三ヶ月ほど前のことだ。
ケイドは今、蒼龍幇という東洋マフィアと組んで活動をしている。
その蒼龍幇がリオンの町に派遣した諜報員が持ち帰った報告の中に、ケイドとよく似た祭司がいるという記載があったのだ。現在リオンの町には、宝の主教サイラスの側近として知られるレイ以外に、祭司はいないはずだ。不審に思ってさらに調べさせると、その男───ユーゴは、十ヶ月前にコズレルで起きた児童連続殺害事件の重要参考人らしいとわかった。
けれど、不可解なことにその手配はひと月足らずで取り下げられている。それどころか、彼を手配したことさえ、なかったことになっていた。どうもサイラスが手を回した形跡があって、とにかく怪しかった。確認しようにも、差し向けた屍鬼さえ、一体も帰ってこない。
それなら別方向から餌を撒いてみようと、今度はコズレルにいるエイミーという学生のところに、ユーゴの名で神学学術院への推薦をしたと手紙を出してみた。
エイミーはユーゴの教え子だ。彼女をルイーズに呼び寄せ餌にして、ユーゴを誘い出そうと思ったのだけれど───。
偶然なのか、エイミーが乗った船にレイとユーゴらしき人物が乗っていると諜報員から連絡が入ったのが昨日だ。調べてみると、ユーゴを祭司として認める洗礼の義の予定が、セルヴァンに入っていた。
笑いが止まらなかった。
探していた本人と思われる人物が、勝手に向こうからやってきたのだ。
そんな経緯で今日、その姿を確認するためにケイドはここに来ていたのだけれど。
「アイツ、何者なんだ? 俺のオリジナルなら悪魔ってことだけど、そしたらレイは? 知ってるのか、騙されてるのか…それとも、ただ俺に似てるだけ? まさか、なぁ」
首を傾げて、それからケイドは天を仰いだ。
「わからないことだらけだ。───とりあえず、お父様に報告しよう」
ケイドは微笑みながら小さく呟いて、くるりと踵を返した。
学校や宗教施設が立ち並ぶ文教区の端に、ケイドの住まいはある。一見普通の邸宅のように見えるが、ルミナス生物科学研究所という、れっきとした研究施設だ。
門扉をくぐり手入れの行き届いた庭を通り、蔦のアーチを抜けるとようやく建物が見えてきた。玄関扉の前に立っていた男が、ケイドの姿を確認すると恭しく頭を下げ、ドアを開く。「おかえりなさいませ」と響く白衣の研究員たちの声を無視して、ケイドは玄関ホールの左側のドアをひらいた。そこから地下に続く階段を降り、真っすぐに主人の部屋へと向かう。
「よろしいですか? お父様」
ケイドが扉をノックして声をかけると、中から「どうぞ」と声がする。そっと扉を開いて中に入ると、嗅ぎ慣れた消毒液のツンとした匂いが鼻をついた。
部屋の一面にはぎっしりと本が詰め込まれた書棚。隣の飾り棚にはホルマリン漬けの生物や、標本、色とりどりの薬のビンが並んでいる。更にその対角の壁際には、壊れた人形のようなものが幾つも転がっていたけれど、ケイドはあえてそれを視界に入れないよう努めた。
部屋の中央、机の上に雑然と置いてあるビーカーや試験管の向こうの椅子に、父は座っていた。金縁の眼鏡の奥の、少し神経質そうな目元を緩めて、父が「おいで」とケイドを手招く。
後ろでひとつに束ねた長く艷やかな黒髪が、彼の動きに合わせて揺れる。真っ白な白衣に寄る皺ですら、美しいとケイドは思った。
父、と呼んではいるけれど、彼はケイドの父ではない。
彼、ヴィンセントは、セレスティア教団の聖盾の主教、グレゴリー・クロフォードの息子だ。優れた学者で、このルミナス生物科学研究所の総責任者でもある。
クロフォード家はグレゴリーの祖父母の代に住んでいた村を魔物に焼かれて以来、魔物をひどく恐れ嫌っている。グレゴリーが祭司になり主教まで上り詰めたのもその為らしいが。
皮肉なものだとケイドは思う。
グレゴリーはその憎むべき魔物を排除するために、更に強い魔物を自分たちで作り対抗することを選び、息子のヴィンセントにその研究をさせている。
彼ら研究者が『造魔』と呼んでいる、魔物と人間の合成物。
まあ、成果はあまり芳しくなく、肉体は造れるようになってきたが、知性の方はまだまだらしい。
奇声を上げて暴れたり、噛みついたり、もしくはひたすら虚空を眺めていたり。下手すると人の言葉すら理解しない。魔物と言うよりは屍鬼や猛獣に近く、精製に失敗するとケイドに後始末が回ってきたりする。
今のところ、ちゃんとした成功例はケイド一体だ。
(まあ、俺はその方が都合いいけど。
ヴィンセントを父と呼ぶ存在は、俺だけでいい)
相変わらず浅ましいほど欲深い、と内心で自嘲しながら、ケイドはヴィンセントの前に立った。
周囲の酸素が減ったような胸苦しさには、あえて気付かないふりをする。
「港を見に行ってきました」
「うん」
優しく微笑んだ美しい顔は、ケイドの兄くらいの歳にしか見えない。けれど実際の年齢はもっとずっと上だろう。グレゴリーが齢七十を超えているのだから、想像はつく。
けれどヴィンセントは、いつまでもとても若々しかった。
それはケイドがときおり獲ってくる、人魚の肉を好んで食べているせいかもしれないし、自分自身で、若返りの実験をしているのかもしれない。
何にせよ普通から逸脱しているのは確かだ。
そんな猟奇的な研究ばかりしているせいか、研究所の研究員ですら、ヴィンセントを怖がった。
恐ろしい男だ、という。けれど、ケイドにとっては最愛の父だ。彼に褒めてもらえることが何より嬉しいし、誇りに思う。
「彼は居たかい?」
「はい。俺に…とてもよく似ていました。まるで鏡です」
「そうか」
微笑んだ彼の前に跪くと、その手が優しくケイドの頭を撫でた。そのままその膝に懐くように頭を乗せる。
「そんなにそっくりだと言うなら、私も見てみたいな」
「では、ここに連れてきましょうか?」
不本意だけれどヴィンセントが喜ぶならばと、ケイドは提案した。蒼龍幇に言えば、きっとどんな犠牲を払ってでも連れて来る。けれど。
「機会があれば、でいい」
と、ヴィンセントはまたケイドの頭を撫でた。
「いい子だね。ケイドは強くて賢くて、本当にいい子だ」
嬉しい、と思う。
この人の瞳に映るときだけ、ケイドは自分を好きになれる。
ルミナスの研究所の人間が、陰でケイドを化け物と呼んでいることは知っていた。自分たちが造ったとはいえ、魔物だ。気味が悪いのだろう。でも、人間たちがケイドを見るときの、怯えた目も蔑む目も見飽きた。
ヴィンセントだけが、ケイドを自分と対等に扱って、慈しみの瞳で見てくれる。
だから。
ヴィンセントに褒められたい。ヴィンセントに褒められるためなら、何だってしてきたし、これからだって、する。
ずっとずっと、ヴィンセントに愛されていたい。
そのためにも、もっと完璧になりたい。
───もう片方の角が、どうしても欲しい。
「ヴィン、俺は貴方のためにもっともっと、強くなるよ。誰にも負けない、自慢の息子になる」
「おやおや。ケイドはもう十分、僕の最高の作品で、自慢の息子だよ。───でも、嬉しいね。楽しみにしてるよ」
ヴィンセントが頭を撫でる、手の温かさだけが信じられる。
そう、思っていた。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
二日に一度を目安に更新しております
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
悪役令嬢の兄でしたが、追放後は参謀として騎士たちに囲まれています。- 第1巻 - 婚約破棄と一族追放
大の字だい
BL
王国にその名を轟かせる名門・ブラックウッド公爵家。
嫡男レイモンドは比類なき才知と冷徹な眼差しを持つ若き天才であった。
だが妹リディアナが王太子の許嫁でありながら、王太子が心奪われたのは庶民の少女リーシャ・グレイヴェル。
嫉妬と憎悪が社交界を揺るがす愚行へと繋がり、王宮での婚約破棄、王の御前での一族追放へと至る。
混乱の只中、妹を庇おうとするレイモンドの前に立ちはだかったのは、王国騎士団副団長にしてリーシャの異母兄、ヴィンセント・グレイヴェル。
琥珀の瞳に嗜虐を宿した彼は言う――
「この才を捨てるは惜しい。ゆえに、我が手で飼い馴らそう」
知略と支配欲を秘めた騎士と、没落した宰相家の天才青年。
耽美と背徳の物語が、冷たい鎖と熱い口づけの中で幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる