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情報分析の中で
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「5日前に君はイギリスのレイブンランス諸島にある潜水艦基地から戦略原潜が出航した件をフェルナンドス君に報告しはずだ。」そのとおりである。
レイブンランス諸島はイギリス領海にある島々で老朽化した潜水艦を一時的に配置しておくための海軍施設である。
「確かに報告しました。偵察衛星からのリアルタイム映像を監視する通常作業の最中でした。今月のNATOの海軍合同演習はスケジュールに無かったですし、、しかも 言葉は悪いですが、ランクの低い老朽潜水艦の保存施設から戦略原潜らしいタイプが動き出したのは妙だと思いましたから。」
わずかにハンターは身を乗り出して言った。「問題の原潜は90年代にイギリスで建造されたアーヴィング級の一番艦で名称はコスモス。5隻まで建造されるはずが高コストを理由に1隻しか完成しなかったんです。」
彼女はタブレット端末を手にして周囲にも見せるようにした。端末にはそのアーヴィング級原潜の艦内略図が映っていた。
「全長160.7メートル、全幅11.8メートルを誇るこの潜水艦は2週間前にヨーロッパの大手兵器メーカーのフライトレング社に買い取られたんです。しかもこの艦をフライトレングはMUV搭載型に改造する条件をイギリス国防省に提示して許可されました。」
ワイズは思わず息を呑んだ。「本当ですか?米海軍ではMUV搭載型原潜の開発は依然、停滞しているのに」
苦虫を噛み潰したようにキース大佐は表情を暗くした。
「国防省のトップが開発に難色を示すばかりでね。議会側の意見も似たものでコストがかかり過ぎるのが気にくわんのだよ」
そのあとからハンターはまた、タブレットを操作してあるニュース記事を表示した見出しにはこうあった。
(多国籍兵器メーカー、フライトレング社
ゾヌビア共和国とウルトラメタル採掘契約を締結 現地でのエネルギー施設の建設計画も同時に開始)
CIAの女性スタッフはワイズにこう言った。
「このウルトラメタルの軍事的、経済的な潜在価値を分析したあなたのレポートを拝見させてもらったわ。レポートは上手くまとまっていて興味深いもだったしあなたはMUVや海上用兵器にも造詣が深いとギャノン氏からもきいていたの。」
ジョナサンは少し驚いて見せたが、すぐに立ち直った。「いえ、まさかCIAでも私のレポートが読まれているとは知りませんでした」
ジョナサンはこの数年新種の希少金属であるウルトラメタルの価値に注目して独自に分析を行っていた。
ウルトラメタルはレアアースやタングステン程の希少価値はないが、なにしろ埋蔵量がかなりのもので主にアフリカ大陸で産出されている。万能な鉱石で低コストの精錬装置で加工でき精密機械の部品、建設資材、代替エネルギーの動力源にもなりうる。
現在2026年だけで確認されているウルトラメタルの埋蔵量だけで今後10年から15年にわたって国際産業が安定化するともいわれる。そういう内容のレポートをこの場にいるジョナサンが執筆したのである。
「私たちも読ませてもらったよ、きみの見解はうちのアナリスト達の分析と一致する部分がある。そいえば君も元海軍のアナリストだったな?」
ジョナサンはうなずいた。「ワシントン州にある研究分析支援センターに3年いて、そうだテリー クリーブランドの下で勤務していたんだったな」
ジョナサンは目を大きく開いた。「クリーブランド大尉をご存じなんですか?」
「ああ、兵学校の同期だ、いいやつだよ。」
若いアナリストの方は笑顔になった。クリーブランドはジョナサンが海軍時代に師事した上官であり彼を大学への入学を推薦してくれた面倒見のいい恩師その人である。
レイブンランス諸島はイギリス領海にある島々で老朽化した潜水艦を一時的に配置しておくための海軍施設である。
「確かに報告しました。偵察衛星からのリアルタイム映像を監視する通常作業の最中でした。今月のNATOの海軍合同演習はスケジュールに無かったですし、、しかも 言葉は悪いですが、ランクの低い老朽潜水艦の保存施設から戦略原潜らしいタイプが動き出したのは妙だと思いましたから。」
わずかにハンターは身を乗り出して言った。「問題の原潜は90年代にイギリスで建造されたアーヴィング級の一番艦で名称はコスモス。5隻まで建造されるはずが高コストを理由に1隻しか完成しなかったんです。」
彼女はタブレット端末を手にして周囲にも見せるようにした。端末にはそのアーヴィング級原潜の艦内略図が映っていた。
「全長160.7メートル、全幅11.8メートルを誇るこの潜水艦は2週間前にヨーロッパの大手兵器メーカーのフライトレング社に買い取られたんです。しかもこの艦をフライトレングはMUV搭載型に改造する条件をイギリス国防省に提示して許可されました。」
ワイズは思わず息を呑んだ。「本当ですか?米海軍ではMUV搭載型原潜の開発は依然、停滞しているのに」
苦虫を噛み潰したようにキース大佐は表情を暗くした。
「国防省のトップが開発に難色を示すばかりでね。議会側の意見も似たものでコストがかかり過ぎるのが気にくわんのだよ」
そのあとからハンターはまた、タブレットを操作してあるニュース記事を表示した見出しにはこうあった。
(多国籍兵器メーカー、フライトレング社
ゾヌビア共和国とウルトラメタル採掘契約を締結 現地でのエネルギー施設の建設計画も同時に開始)
CIAの女性スタッフはワイズにこう言った。
「このウルトラメタルの軍事的、経済的な潜在価値を分析したあなたのレポートを拝見させてもらったわ。レポートは上手くまとまっていて興味深いもだったしあなたはMUVや海上用兵器にも造詣が深いとギャノン氏からもきいていたの。」
ジョナサンは少し驚いて見せたが、すぐに立ち直った。「いえ、まさかCIAでも私のレポートが読まれているとは知りませんでした」
ジョナサンはこの数年新種の希少金属であるウルトラメタルの価値に注目して独自に分析を行っていた。
ウルトラメタルはレアアースやタングステン程の希少価値はないが、なにしろ埋蔵量がかなりのもので主にアフリカ大陸で産出されている。万能な鉱石で低コストの精錬装置で加工でき精密機械の部品、建設資材、代替エネルギーの動力源にもなりうる。
現在2026年だけで確認されているウルトラメタルの埋蔵量だけで今後10年から15年にわたって国際産業が安定化するともいわれる。そういう内容のレポートをこの場にいるジョナサンが執筆したのである。
「私たちも読ませてもらったよ、きみの見解はうちのアナリスト達の分析と一致する部分がある。そいえば君も元海軍のアナリストだったな?」
ジョナサンはうなずいた。「ワシントン州にある研究分析支援センターに3年いて、そうだテリー クリーブランドの下で勤務していたんだったな」
ジョナサンは目を大きく開いた。「クリーブランド大尉をご存じなんですか?」
「ああ、兵学校の同期だ、いいやつだよ。」
若いアナリストの方は笑顔になった。クリーブランドはジョナサンが海軍時代に師事した上官であり彼を大学への入学を推薦してくれた面倒見のいい恩師その人である。
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