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7.村までの道
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ルドルフがまとわりついてくることを除けば俺の学園生活は穏やかだった。1番恐れていた勉強も成績は低空飛行ではあるものの問題はなかった。妹とも『アレ』を使って2、3日おきに連絡が取れているのでとりあえず満足している。その連絡に父ちゃんからの伝言があった。
「外出の許可とれたか?手伝い忘れるな」
すっかり忘れてた…慌てて外出願いを書いているとルドルフがひょこっと顔を出した。
「どこか行くのか?」
「手伝いに帰って来いってさ。人使い荒いよな」
「私も付いて行きたいのだか良いかな?」
「…来てもいいけどおもてなしなんて出来ないよ。うちの村ド田舎だし」
「君の育った村を見るチャンスを逃す訳にはいかないんだ!おもてなしなんていらないから是非連れていって欲しい」
そう言えば育った環境も調査したいって言ってたな。
俺の返事を待たずにルドルフも外出願いを書き始めた。どうやらもう行く事は決定らしい。本当にド田舎でなーんにも無い事に驚くなよ。
無事に俺もルドルフも外出が許可されて(ルドルフは『君も(あんな田舎に)行くの?』と先生に不思議がられていたけど)当日学園の門前で待ち構えていた父ちゃんの馬車に乗って村まで出発した。
「なぁ、君の父上、私の仮面の見ても驚かないし急に同行する事になったのに『どうして?』みたいな質問もしてこないんだけど、前もって知ってたのかい?…でも本当に急だったから手紙は間に合うはずないし」
ギクッ 鋭い
「俺の父ちゃんは度胸の座り方が半端ないからなーはっは」
ルドルフの疑いの目が俺を見ているが『アレ』の事いうわけにいかないんだよー。ごめん。
そんな風に楽しく?話しながら馬車に揺られていると急に父ちゃんがこちらを振り返り
「こちらをつけていると思しき奴らがいるんだが、盗賊にしては身なりが良い。心当たりはあるか?」と言った。
…心当たり?ひょっとして…ルドルフを見ると仮面越しでも分かるくらい狼狽えている。
「多分彼女だ。うちの護衛もいないしチャンスだと思ったんだろう。君たちを巻き込んでしまった…どうしよう」
急に決まった外出にも関わらず追ってくるとは…学園内に内通者がいるのか、それとも学園の門をじっと見張ってるのか?どっちにしてもすごい執着だ。これは絶対逃げないとやばい。
「父ちゃんルドルフを追ってる奴だと思う。絶対逃げたいんだ、力貸して」
「一応確認、悪い事して追われてるわけではない?」
「んなわけあるか!」
「はっはっは!冗談冗談。ルドルフさん馬は乗れるか?」
「家では毎日乗ってました。得意です」
ひゅー馬に乗るルドルフ、絵になるだろうなあ。
「じゃあ遠慮なく」
と言うと父ちゃんは俺とルドルフの襟首つまみ上げてポイポイと馬に乗せた。ちぃーさな声でルドルフが「何という怪力。化け物か?」って言ってたのが聞こえた。
「鞍はないからちょっと大変だがこのまま村まで駆け抜けろ!俺は馬車を横転させて道塞いで足止めしとく。行っけー」
バチンと馬の尻が叩かれ、驚いた馬が猛スピードで走り出した。俺たちは落とされないように必死になりながら村への道をひた走る。後方で何かが倒れる重い音がしたから予定通り道を塞ぐ形で馬車を倒せたのだろう。
「馬車って1人で倒せるのか?あとで困らないか?」
こんな時は他人の心配しなくていいんだよ。
「大丈夫。なんなら父ちゃん1人で倒せるし起こせるよ、馬鹿力だから。時間稼ぎに起こせないフリだけはするだろうけどね」
「…あと仮面が取れて飛んで行った」
「そっちの方が重要!今はなるべく顔を伏せて!村についたら袋かなんか渡すから」
村まであと少し!
「外出の許可とれたか?手伝い忘れるな」
すっかり忘れてた…慌てて外出願いを書いているとルドルフがひょこっと顔を出した。
「どこか行くのか?」
「手伝いに帰って来いってさ。人使い荒いよな」
「私も付いて行きたいのだか良いかな?」
「…来てもいいけどおもてなしなんて出来ないよ。うちの村ド田舎だし」
「君の育った村を見るチャンスを逃す訳にはいかないんだ!おもてなしなんていらないから是非連れていって欲しい」
そう言えば育った環境も調査したいって言ってたな。
俺の返事を待たずにルドルフも外出願いを書き始めた。どうやらもう行く事は決定らしい。本当にド田舎でなーんにも無い事に驚くなよ。
無事に俺もルドルフも外出が許可されて(ルドルフは『君も(あんな田舎に)行くの?』と先生に不思議がられていたけど)当日学園の門前で待ち構えていた父ちゃんの馬車に乗って村まで出発した。
「なぁ、君の父上、私の仮面の見ても驚かないし急に同行する事になったのに『どうして?』みたいな質問もしてこないんだけど、前もって知ってたのかい?…でも本当に急だったから手紙は間に合うはずないし」
ギクッ 鋭い
「俺の父ちゃんは度胸の座り方が半端ないからなーはっは」
ルドルフの疑いの目が俺を見ているが『アレ』の事いうわけにいかないんだよー。ごめん。
そんな風に楽しく?話しながら馬車に揺られていると急に父ちゃんがこちらを振り返り
「こちらをつけていると思しき奴らがいるんだが、盗賊にしては身なりが良い。心当たりはあるか?」と言った。
…心当たり?ひょっとして…ルドルフを見ると仮面越しでも分かるくらい狼狽えている。
「多分彼女だ。うちの護衛もいないしチャンスだと思ったんだろう。君たちを巻き込んでしまった…どうしよう」
急に決まった外出にも関わらず追ってくるとは…学園内に内通者がいるのか、それとも学園の門をじっと見張ってるのか?どっちにしてもすごい執着だ。これは絶対逃げないとやばい。
「父ちゃんルドルフを追ってる奴だと思う。絶対逃げたいんだ、力貸して」
「一応確認、悪い事して追われてるわけではない?」
「んなわけあるか!」
「はっはっは!冗談冗談。ルドルフさん馬は乗れるか?」
「家では毎日乗ってました。得意です」
ひゅー馬に乗るルドルフ、絵になるだろうなあ。
「じゃあ遠慮なく」
と言うと父ちゃんは俺とルドルフの襟首つまみ上げてポイポイと馬に乗せた。ちぃーさな声でルドルフが「何という怪力。化け物か?」って言ってたのが聞こえた。
「鞍はないからちょっと大変だがこのまま村まで駆け抜けろ!俺は馬車を横転させて道塞いで足止めしとく。行っけー」
バチンと馬の尻が叩かれ、驚いた馬が猛スピードで走り出した。俺たちは落とされないように必死になりながら村への道をひた走る。後方で何かが倒れる重い音がしたから予定通り道を塞ぐ形で馬車を倒せたのだろう。
「馬車って1人で倒せるのか?あとで困らないか?」
こんな時は他人の心配しなくていいんだよ。
「大丈夫。なんなら父ちゃん1人で倒せるし起こせるよ、馬鹿力だから。時間稼ぎに起こせないフリだけはするだろうけどね」
「…あと仮面が取れて飛んで行った」
「そっちの方が重要!今はなるべく顔を伏せて!村についたら袋かなんか渡すから」
村まであと少し!
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