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姉御ロザニアのパートナー探し
姉御ロザニアのパートナー探し3
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ドンドンドン ドンドンドン
き、来た……
私とルイーゼ、ウィーナは一瞬、目を合わせた後、見慣れたはずなのに、この時ばかりは初めて見るみたいな異様な雰囲気を放つ、扉の方に視線をやった。
テーブルの上にある料理の数々を各自の部屋に運んだ後、一目散にその扉の方へ3人して駆け込んだ。
「はーい、お待ちしてました~!」
ガチャっと扉を開くとそこにはあの、ナディクスの白騎士トリオさん達がナプキンのかかっているちょっと大きめのカゴを手に持って、玄関前に佇んでいた。
「食材集めに時間がかかってしまって、少し遅くなってしまってスミマセンでした。それじゃあ、早速、特別ワークショップを始めたいと思います」
そう、なぜかいい具合に奇跡的な展開が起こったナチュラルウォーター作りから少し経ち、ここは私たちがルームシェアしてるアパートの共同キッチン。
ここでこれから催されるのは、名付けて“健康美肌を手に入れよう、ナディクスの体にも優しいオーガニックレシピ”いわゆる1日限定のお料理講習会だ。
「さすが何でもそろうバランティアの帝都の市場だけあって、どの野菜を使うか目移りしてしまいました。ではさっそく、1品目は見た目も楽しいフラワー入りカラフルサラダから参りましょう」
手に持ってる食材のカゴをキッチン脇のちょっと大きめな丸テーブルにドンッと置くと、彼らは胸まで伸びた金髪を後ろで束ねて、ちょっとベージュ色したおそろいのエプロンを取り出して、手際よくそれらを身につけた。
という私たち女騎士は、普段は仕事から帰ってきたらすんごいラフな格好に速攻で着替えて、いつも通ってる大貴族のお屋敷の厨房でもらってきたまかない料理とか、余った野菜の切れ端とかで超絶適当な口に入れられるような料理とも言えないようなモンしか、ここでは作らない。
だからエプロンなんて代物は持ってる試しがないんだけど、私たち3人だけのために前に行った皇城のワークショップでよく使われる一軒家を借りるのも仰々しいので、うちのキッチンでこじんまりと開かれることになり、一応、形だけでもちゃんとしないとってことで、3人しておそろいの赤いエプロンを身につけることになった。
白騎士たちが持ってきたカゴにかかってるナプキンを取っ払うと、そこには色とりどりの菜っぱやら、今が旬の野菜に、最近どこでも見かける穀物であるイモがたくさんのっかっていた。
うっわー、今日の講座の名前通り、見るからに健康そうなものばっかり。
帝国騎士の大好物、肉の存在は微塵もない……
さっそく彼らは、菜っぱをあえてサラダを作り出すと、色とりどりの花びらが入ってる袋を取り出して、その上にパパーッとそれを振り撒いた。
けっこうこの白騎士たちはガタイもいいし、骨も太そうだし、絶対肉系のものを食べてるはず。
なのに、今日は私たちのために、ナディクスの一般家庭で食べてるっていう美食メニューをチョイスしてくれている。
「やっぱり、あれ、作っといてよかったね」
色々説明してくれてる白騎士たちに相槌打ったり、食材切ったりするのを手伝ってる中、ルイーゼが小声で耳打ちしてきた。
そう、こんな状況になるのを見越してた訳じゃないけど、わざわざ私たちだけのために特別講習をやってくれるってことと、ナディクス料理のお礼に、私たちも数日前から練習に練習を重ね、帝国の家庭料理を彼らが来る前に作っておいて、一緒に振る舞うことにしたのだ。
さっき自分達の部屋に隠したその料理たちは、思ったより結構いい具合に完成していて、ひょっとしたらひょっとして、白騎士たちの胃袋もいい具合に掴んで、まさかのそのまんま彼らの胃袋担当としてナディクスにお嫁入り……なんて事もちょっと頭に浮かんでしまっているのは否定できない。
今回のワークショップの過程では、白騎士たちの説明が上手ってこともあって、特に何の失敗もトラブルもなく順調な感じで6品くらいの料理を完成させることができた。
「帝国式のキッチンというのは、とても使い勝手がいいんですね。料理を作ったのも久しぶりで、皆さんも手際がいいのでとても楽しかったですよ」
ダイニングの丸テーブルに料理を並び終えて、6人が席に座ったところで白騎士の一人がキュポンッと持ってたビンのコルクを抜きながら話した。
そのちょっと緑色のガラスでできたビンの中には、こないだ作ったナチュラルウォーターが入っているとのこと。
スキンウォーターとしても使えるけど、飲料水として用いても健康にいいんだとかで、彼らは普段から持ち歩いているらしい。
私たちはこないだの件で、布が絞るたんびに破れるんじゃないかって心配で、もう作ることはないだろうけど。
「いえいえ、そんな~ 皆さんの教え方がとってもお上手で、こちらも勉強になりましたっ 帝国にいらっしゃってからは料理をなさるのは初めてなんですか?」
「今、滞在しているナディクス風のホテルの客室にはキッチンが付いていないんです。ですから食事は全て外食になってしまってます。ホテルのバイキングもナディクス風の料理ではありますが、庶民は滅多に口にしない王族仕様の高級なものばかりですし、毎日同じようなものばかりで、正直参ってしまってます」
そうそう、この方たちは私たちが仕えてるご令嬢にも大人気のキャルン国のお姫様が連れてきた人達だから、同じホテルに滞在してるんだった。
「たまにならいいですけど、普段と食べ慣れてないものがずっと続くのはツラいですよね~。うわぁ、このカラフルサラダすっごく素材の味が生きてて美味しいです! そうだ、こっちもお礼にお作りした帝国の家庭料理なんです。ぜひ食べてください!」
うん、さすが美にこだわりがある白騎士たちなだけあって、シンプルな見た目に味もシンプルでクセが無くって美味しいかも。
だけど、絶対にこれだけじゃ騎士としてはもの足りないはず。
そう思って、私はいい匂いのする濃厚なデミグラソースのかかったまん丸のでっかいハンバーグが乗ってるお皿を手のひらで差した。
すると、白騎士たちはアゴに手を当てて少しの間、固まってそれを凝視した。
「これは……まさか動物の肉でしょうか? 申し訳ありません、事前にお伝えしていなくて。私たちの一族は肉や魚を食する文化がありませんので、食事はすべてナチュラルな植物たちで補っているので。せっかくなのに、本当に申し訳ありません……」
あぁ……
そっか、そうだったんだ。
そんな食生活でどうやってそんな体を手に入れるのか気になるところだけど、彼らの国は閉鎖的でほとんど情報が入ってこないから、そのことは知らなくっても当然だし。
「い、いえ~ ちゃんと確認してなかった私たちもいけなかったですし、3人分くらいだったら、全然余裕で食べられちゃうので、気にしないでくださいっ!」
彼らが作るのは植物メインだっていうのは想像できたから、私たちが作ったのは肉やら魚料理ばっかりだった。
それでも、普通の人達より3倍は余裕で食べられる女騎士の私たちは、それでも控えめに作ったつもりでいたから、余裕どころか一瞬で彼らが食べれない分を食べる自信があるので、全くもって問題なし!!!
「白騎士さんたちは、あとどれくらい帝都に滞在するご予定なんですか? これからもずっと外食っていうのはツラいですよね……」
さっそくガツガツと骨付きのスペアリブに食らいついているウィーナが、そんな話をし出した。
私もさっきそれ思ったけど、せめて自炊できるところがあればいいのに……
ここで、私の中にピカーンと神が降りてきた。
あるよ、あるじゃん! 今、この場所がまさにそうじゃん!!
「いや、だけどそれはいけませんよ……女性だけのアパートメントのカギをお借りしてしまうのは……」
空っぽになったカゴを持って、玄関から帰ろうとしている彼らに私たちはそのちっこい重要アイテムを手渡していた。
「大っっ丈夫ですよ!! それぞれの個室には別にカギがありますから! それに皆あんまりキッチンは使わないから、むしろキッチンも白騎士さんたちに使ってもらって喜ぶと思いますっ」
ちょっと無理気味な理由をでっち上げながらも、私たち女騎士3人は腰の後ろあたりで親指を立てて、お互いに賛辞を送り合った。
遠慮しながらも、彼らはやっぱり食には本当に困ってたみたいで、最終的にはカギを受け取って感謝してくれながら、滞在先であるスパのリゾートへと帰って行った。
……うっしゃ。
うっしゃーー!!!
白騎士さん達との距離を縮めることに、まんまと成功した訳だ。
次はもっと個人的に親交を深めたいところだけど……
とりあえず、ここまでの所をクロリラ先輩に報告しとこっ。
*******************
つづく(予定)
き、来た……
私とルイーゼ、ウィーナは一瞬、目を合わせた後、見慣れたはずなのに、この時ばかりは初めて見るみたいな異様な雰囲気を放つ、扉の方に視線をやった。
テーブルの上にある料理の数々を各自の部屋に運んだ後、一目散にその扉の方へ3人して駆け込んだ。
「はーい、お待ちしてました~!」
ガチャっと扉を開くとそこにはあの、ナディクスの白騎士トリオさん達がナプキンのかかっているちょっと大きめのカゴを手に持って、玄関前に佇んでいた。
「食材集めに時間がかかってしまって、少し遅くなってしまってスミマセンでした。それじゃあ、早速、特別ワークショップを始めたいと思います」
そう、なぜかいい具合に奇跡的な展開が起こったナチュラルウォーター作りから少し経ち、ここは私たちがルームシェアしてるアパートの共同キッチン。
ここでこれから催されるのは、名付けて“健康美肌を手に入れよう、ナディクスの体にも優しいオーガニックレシピ”いわゆる1日限定のお料理講習会だ。
「さすが何でもそろうバランティアの帝都の市場だけあって、どの野菜を使うか目移りしてしまいました。ではさっそく、1品目は見た目も楽しいフラワー入りカラフルサラダから参りましょう」
手に持ってる食材のカゴをキッチン脇のちょっと大きめな丸テーブルにドンッと置くと、彼らは胸まで伸びた金髪を後ろで束ねて、ちょっとベージュ色したおそろいのエプロンを取り出して、手際よくそれらを身につけた。
という私たち女騎士は、普段は仕事から帰ってきたらすんごいラフな格好に速攻で着替えて、いつも通ってる大貴族のお屋敷の厨房でもらってきたまかない料理とか、余った野菜の切れ端とかで超絶適当な口に入れられるような料理とも言えないようなモンしか、ここでは作らない。
だからエプロンなんて代物は持ってる試しがないんだけど、私たち3人だけのために前に行った皇城のワークショップでよく使われる一軒家を借りるのも仰々しいので、うちのキッチンでこじんまりと開かれることになり、一応、形だけでもちゃんとしないとってことで、3人しておそろいの赤いエプロンを身につけることになった。
白騎士たちが持ってきたカゴにかかってるナプキンを取っ払うと、そこには色とりどりの菜っぱやら、今が旬の野菜に、最近どこでも見かける穀物であるイモがたくさんのっかっていた。
うっわー、今日の講座の名前通り、見るからに健康そうなものばっかり。
帝国騎士の大好物、肉の存在は微塵もない……
さっそく彼らは、菜っぱをあえてサラダを作り出すと、色とりどりの花びらが入ってる袋を取り出して、その上にパパーッとそれを振り撒いた。
けっこうこの白騎士たちはガタイもいいし、骨も太そうだし、絶対肉系のものを食べてるはず。
なのに、今日は私たちのために、ナディクスの一般家庭で食べてるっていう美食メニューをチョイスしてくれている。
「やっぱり、あれ、作っといてよかったね」
色々説明してくれてる白騎士たちに相槌打ったり、食材切ったりするのを手伝ってる中、ルイーゼが小声で耳打ちしてきた。
そう、こんな状況になるのを見越してた訳じゃないけど、わざわざ私たちだけのために特別講習をやってくれるってことと、ナディクス料理のお礼に、私たちも数日前から練習に練習を重ね、帝国の家庭料理を彼らが来る前に作っておいて、一緒に振る舞うことにしたのだ。
さっき自分達の部屋に隠したその料理たちは、思ったより結構いい具合に完成していて、ひょっとしたらひょっとして、白騎士たちの胃袋もいい具合に掴んで、まさかのそのまんま彼らの胃袋担当としてナディクスにお嫁入り……なんて事もちょっと頭に浮かんでしまっているのは否定できない。
今回のワークショップの過程では、白騎士たちの説明が上手ってこともあって、特に何の失敗もトラブルもなく順調な感じで6品くらいの料理を完成させることができた。
「帝国式のキッチンというのは、とても使い勝手がいいんですね。料理を作ったのも久しぶりで、皆さんも手際がいいのでとても楽しかったですよ」
ダイニングの丸テーブルに料理を並び終えて、6人が席に座ったところで白騎士の一人がキュポンッと持ってたビンのコルクを抜きながら話した。
そのちょっと緑色のガラスでできたビンの中には、こないだ作ったナチュラルウォーターが入っているとのこと。
スキンウォーターとしても使えるけど、飲料水として用いても健康にいいんだとかで、彼らは普段から持ち歩いているらしい。
私たちはこないだの件で、布が絞るたんびに破れるんじゃないかって心配で、もう作ることはないだろうけど。
「いえいえ、そんな~ 皆さんの教え方がとってもお上手で、こちらも勉強になりましたっ 帝国にいらっしゃってからは料理をなさるのは初めてなんですか?」
「今、滞在しているナディクス風のホテルの客室にはキッチンが付いていないんです。ですから食事は全て外食になってしまってます。ホテルのバイキングもナディクス風の料理ではありますが、庶民は滅多に口にしない王族仕様の高級なものばかりですし、毎日同じようなものばかりで、正直参ってしまってます」
そうそう、この方たちは私たちが仕えてるご令嬢にも大人気のキャルン国のお姫様が連れてきた人達だから、同じホテルに滞在してるんだった。
「たまにならいいですけど、普段と食べ慣れてないものがずっと続くのはツラいですよね~。うわぁ、このカラフルサラダすっごく素材の味が生きてて美味しいです! そうだ、こっちもお礼にお作りした帝国の家庭料理なんです。ぜひ食べてください!」
うん、さすが美にこだわりがある白騎士たちなだけあって、シンプルな見た目に味もシンプルでクセが無くって美味しいかも。
だけど、絶対にこれだけじゃ騎士としてはもの足りないはず。
そう思って、私はいい匂いのする濃厚なデミグラソースのかかったまん丸のでっかいハンバーグが乗ってるお皿を手のひらで差した。
すると、白騎士たちはアゴに手を当てて少しの間、固まってそれを凝視した。
「これは……まさか動物の肉でしょうか? 申し訳ありません、事前にお伝えしていなくて。私たちの一族は肉や魚を食する文化がありませんので、食事はすべてナチュラルな植物たちで補っているので。せっかくなのに、本当に申し訳ありません……」
あぁ……
そっか、そうだったんだ。
そんな食生活でどうやってそんな体を手に入れるのか気になるところだけど、彼らの国は閉鎖的でほとんど情報が入ってこないから、そのことは知らなくっても当然だし。
「い、いえ~ ちゃんと確認してなかった私たちもいけなかったですし、3人分くらいだったら、全然余裕で食べられちゃうので、気にしないでくださいっ!」
彼らが作るのは植物メインだっていうのは想像できたから、私たちが作ったのは肉やら魚料理ばっかりだった。
それでも、普通の人達より3倍は余裕で食べられる女騎士の私たちは、それでも控えめに作ったつもりでいたから、余裕どころか一瞬で彼らが食べれない分を食べる自信があるので、全くもって問題なし!!!
「白騎士さんたちは、あとどれくらい帝都に滞在するご予定なんですか? これからもずっと外食っていうのはツラいですよね……」
さっそくガツガツと骨付きのスペアリブに食らいついているウィーナが、そんな話をし出した。
私もさっきそれ思ったけど、せめて自炊できるところがあればいいのに……
ここで、私の中にピカーンと神が降りてきた。
あるよ、あるじゃん! 今、この場所がまさにそうじゃん!!
「いや、だけどそれはいけませんよ……女性だけのアパートメントのカギをお借りしてしまうのは……」
空っぽになったカゴを持って、玄関から帰ろうとしている彼らに私たちはそのちっこい重要アイテムを手渡していた。
「大っっ丈夫ですよ!! それぞれの個室には別にカギがありますから! それに皆あんまりキッチンは使わないから、むしろキッチンも白騎士さんたちに使ってもらって喜ぶと思いますっ」
ちょっと無理気味な理由をでっち上げながらも、私たち女騎士3人は腰の後ろあたりで親指を立てて、お互いに賛辞を送り合った。
遠慮しながらも、彼らはやっぱり食には本当に困ってたみたいで、最終的にはカギを受け取って感謝してくれながら、滞在先であるスパのリゾートへと帰って行った。
……うっしゃ。
うっしゃーー!!!
白騎士さん達との距離を縮めることに、まんまと成功した訳だ。
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