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···❆転生前・狭間編❆···
俺の眷属〜side.ヴィグセルツ〜
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「僕の次に偉いのになんで皆眷属がいないわけ~?神をまとめる立場なんだから、眷属くらい作ろうよ、ね☆」
世界神だけが座ることのできるイス。そこにだらだらと寝転ぶのはもちろん世界神だ。
「と・い・う・わ・け・で♪眷属作ってきてね★それじゃ、バイビィー♪」
ポンッと音を立てて消える世界神。
「え、ちょっと!!待ちなさいよ!!それって、私のハーレムではいけませんの!?」
「ん?眷属~?……旅出よっと♪」
「眷属がなんの役に立つ?この剣さえあれば、妾は無敵。剣は裏切らない」
……ダメだ、こいつらは。自分勝手なことを言う四神たちに、俺は頭を抱えた。
俺の名は、ヴィグセルツ。水神だ。四神の1人でもある。他の四神を紹介するとすれば、最初に喋ったのが火神サリアメーラ、ハーレムを築いているレズ女神だ。次が風神シミューワルト、フラッとどこかに行く、マイペースな旅好き神だ。最期の地神ノーレンティアは、見た目美少女なくせに、『剣は裏切らない』が口癖の脳筋女神。まともな奴が一人もいないのが理解できるだろうか。
俺はまたため息をついて、世界神の執務室に行く。世界神の執務室には、許可したものじゃないと入るどころか見つけることが出来ない仕組みになっている。
「世界神様、お呼びと伺い参上いたしました」
「あ、ヴィーちゃん。ちょうどいいところに♪他の神には内緒で頼みたいことがあるんだけど……これがなんだか分かる?」
「聖獣の水晶ですね……」
「ご名答♪実は最近、聖竜が死にかけているって報告があがってるんだよねぇ。だから、眷属とこの子を育ててくれないかな?」
「俺じゃ無くてもいいと思いますが」
「え~、だってほかの神たちは色々と難ありだからさ~。この子がまともに育つとは思えないもん★」
テヘッと言わんばかりの雰囲気で世界神が言った。ふざけた口調のくせに、仕事はできるし、言ってる内容もまともだし……チッ。
「もぅ~、相変わらずヴィーちゃんは冷たいよねぇ♪誰かに優しくしてるところなんて、僕見たことないよ」
「それでは、失礼します」
「え、あ、ちょっと……」
バタンッ
フゥ~、眷属か……。どこから探すとしようか……。やっぱりあそこからか……?
°·✽·°·✽·°·✽·°·✽·°·✽·°
なかなかいい魂が見つからんな……。
ん……?あの魂は……
1つの魂に引き寄せられて、下界を覗き込む。沢山の純粋な魂の中で、一際輝く魂。その持ち主を見ると、彼女は沢山の子供に囲まれて遊んでいた。思わず、その魂に、その笑顔に見惚れる。
しばらくの間彼女を見ていると、一人の子供が道に飛び出した。気づいた時には彼女は子供を庇い、跳ねられていた。
体から出た魂を、スイッと狭間の世界に呼び寄せる。俺も急いで狭間の世界へと行き、着くなり彼女を探す。
「ん…ここは……」
後ろから声が聞こえ振り返る。彼女だ。彼女も後ろを向いていて、俺には気づいてないようだ。
「目が覚めたか」
彼女が振り返り、俺を瞳に写す。宵闇のようなサラサラの黒髪には天使の輪ができ、大きな瞳は黒曜石のように黒い。
ここが狭間の世界だと言うと、彼女は自分が死んだことに気づいたらしい。口では何も変わらないが、顔は少し寂しそうだった。その様子に俺は思わず、自分の眷属にならないかと声をかけた。
「眷属ぅ~!!!???」
彼女が驚いて叫ぶ。俺も自分で驚いた。だが、なぜだか彼女を離したくない。
なんとか彼女から是の返答が貰え、契約を開始する。
「《我、水神ヴィグセルツの名のもとに命じる。汝、柚月 弥生は契約のもとに我の眷属となることを。契約は一生。途切れることはない。生ある限り、我の手足となり、命に従い、魂を捧げろ》」
契約終了と同時に、彼女の記憶が流れてくる。その余りにも濃い人生に、俺は呆然とした。しかしハッとして、彼女に契約が完了したことを伝えると
「あの、セル様って呼んでもいいですか?」
「!!あ、ああ」
「やった!!えへへ、よろしくお願いしますねセル様♪」
「ッッ!!!!」
ふわりと微笑む彼女に心臓がドクンと高鳴る。何故か彼女の顔をまともに見れない。
首を傾げる彼女が、俺に他に眷属がいるのかと聞いてきた。いないことを伝えると、何故だが彼女は両手で頬を抑え、嬉しそうにブツブツと呟きはじめた。少し心配になった俺は、どうしたのか聞く。
「な、何でも!!ただ、セル様のはじめての眷属で嬉しいなぁって、思ったり、思わなかったり……」
「そ、そうか……」
彼女は恥ずかしそうに頬を染め、ちらちらと俺を見て言った。またもや、胸を撃ち抜かれたような、そんな感じになる。先程は何とか彼女を見ることが出来たが、今は完全に顔が見れない。顔は熱いし、さっきからずっと胸がバクバクしてるし、彼女は可愛いし、俺はいったいどうしてしまったんだろうか?
世界神だけが座ることのできるイス。そこにだらだらと寝転ぶのはもちろん世界神だ。
「と・い・う・わ・け・で♪眷属作ってきてね★それじゃ、バイビィー♪」
ポンッと音を立てて消える世界神。
「え、ちょっと!!待ちなさいよ!!それって、私のハーレムではいけませんの!?」
「ん?眷属~?……旅出よっと♪」
「眷属がなんの役に立つ?この剣さえあれば、妾は無敵。剣は裏切らない」
……ダメだ、こいつらは。自分勝手なことを言う四神たちに、俺は頭を抱えた。
俺の名は、ヴィグセルツ。水神だ。四神の1人でもある。他の四神を紹介するとすれば、最初に喋ったのが火神サリアメーラ、ハーレムを築いているレズ女神だ。次が風神シミューワルト、フラッとどこかに行く、マイペースな旅好き神だ。最期の地神ノーレンティアは、見た目美少女なくせに、『剣は裏切らない』が口癖の脳筋女神。まともな奴が一人もいないのが理解できるだろうか。
俺はまたため息をついて、世界神の執務室に行く。世界神の執務室には、許可したものじゃないと入るどころか見つけることが出来ない仕組みになっている。
「世界神様、お呼びと伺い参上いたしました」
「あ、ヴィーちゃん。ちょうどいいところに♪他の神には内緒で頼みたいことがあるんだけど……これがなんだか分かる?」
「聖獣の水晶ですね……」
「ご名答♪実は最近、聖竜が死にかけているって報告があがってるんだよねぇ。だから、眷属とこの子を育ててくれないかな?」
「俺じゃ無くてもいいと思いますが」
「え~、だってほかの神たちは色々と難ありだからさ~。この子がまともに育つとは思えないもん★」
テヘッと言わんばかりの雰囲気で世界神が言った。ふざけた口調のくせに、仕事はできるし、言ってる内容もまともだし……チッ。
「もぅ~、相変わらずヴィーちゃんは冷たいよねぇ♪誰かに優しくしてるところなんて、僕見たことないよ」
「それでは、失礼します」
「え、あ、ちょっと……」
バタンッ
フゥ~、眷属か……。どこから探すとしようか……。やっぱりあそこからか……?
°·✽·°·✽·°·✽·°·✽·°·✽·°
なかなかいい魂が見つからんな……。
ん……?あの魂は……
1つの魂に引き寄せられて、下界を覗き込む。沢山の純粋な魂の中で、一際輝く魂。その持ち主を見ると、彼女は沢山の子供に囲まれて遊んでいた。思わず、その魂に、その笑顔に見惚れる。
しばらくの間彼女を見ていると、一人の子供が道に飛び出した。気づいた時には彼女は子供を庇い、跳ねられていた。
体から出た魂を、スイッと狭間の世界に呼び寄せる。俺も急いで狭間の世界へと行き、着くなり彼女を探す。
「ん…ここは……」
後ろから声が聞こえ振り返る。彼女だ。彼女も後ろを向いていて、俺には気づいてないようだ。
「目が覚めたか」
彼女が振り返り、俺を瞳に写す。宵闇のようなサラサラの黒髪には天使の輪ができ、大きな瞳は黒曜石のように黒い。
ここが狭間の世界だと言うと、彼女は自分が死んだことに気づいたらしい。口では何も変わらないが、顔は少し寂しそうだった。その様子に俺は思わず、自分の眷属にならないかと声をかけた。
「眷属ぅ~!!!???」
彼女が驚いて叫ぶ。俺も自分で驚いた。だが、なぜだか彼女を離したくない。
なんとか彼女から是の返答が貰え、契約を開始する。
「《我、水神ヴィグセルツの名のもとに命じる。汝、柚月 弥生は契約のもとに我の眷属となることを。契約は一生。途切れることはない。生ある限り、我の手足となり、命に従い、魂を捧げろ》」
契約終了と同時に、彼女の記憶が流れてくる。その余りにも濃い人生に、俺は呆然とした。しかしハッとして、彼女に契約が完了したことを伝えると
「あの、セル様って呼んでもいいですか?」
「!!あ、ああ」
「やった!!えへへ、よろしくお願いしますねセル様♪」
「ッッ!!!!」
ふわりと微笑む彼女に心臓がドクンと高鳴る。何故か彼女の顔をまともに見れない。
首を傾げる彼女が、俺に他に眷属がいるのかと聞いてきた。いないことを伝えると、何故だが彼女は両手で頬を抑え、嬉しそうにブツブツと呟きはじめた。少し心配になった俺は、どうしたのか聞く。
「な、何でも!!ただ、セル様のはじめての眷属で嬉しいなぁって、思ったり、思わなかったり……」
「そ、そうか……」
彼女は恥ずかしそうに頬を染め、ちらちらと俺を見て言った。またもや、胸を撃ち抜かれたような、そんな感じになる。先程は何とか彼女を見ることが出来たが、今は完全に顔が見れない。顔は熱いし、さっきからずっと胸がバクバクしてるし、彼女は可愛いし、俺はいったいどうしてしまったんだろうか?
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