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···❆クラソフィア入都編❆···
領都クラソフィア
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私たちは詰所からそのまま領都に入ることになり、向かいながら話すことになった。
「すみません、うるさかったですよね」
「いえ、可愛らしい赤ちゃんですね!!双子ですか?」
「はい。私が抱いてる子が姉の紫、セルの抱いてる子が弟の碧です」
「ユカリちゃんとアオイくんか……。赤ちゃんって見てるだけで癒やされますよね」
「そうなんです。いくら疲れていても、小さい子を見ると疲れも吹き飛んでしまって」
「わかります。あ~、私もユカリちゃんやアオイくんのような兄弟が欲しいです……。ヤヨイさんはこんなに可愛い妹弟がいて羨ましいです……」
「え?紫たちは妹弟じゃないですよ?」
「え?」
「え?」
デルディルさんの顔を見て、ポカーンと動きを停止する。デルディルさんも私と同じように、こちらを見てポカーンと停止している。そしてハッとして動きを再開した。
「……え?じゃあ、この子たちはいったい……?」
「いったいもなにも、私の子供ですけど」
「はっ?子ども!?」
「はい、私の娘と息子ですが……それが何かしましたか?」
「……弥生さん、まだ15歳未満の未成年ですよね?」
「いえ、17歳ですけど」
「17!?」
デルディルさんには、いったい何歳に見えていたのだろうか。
「ご結婚、されてたんですか……?」
「?はい、セルは私の夫ですけど……」
「セルンさんと!?てっきりお兄さんかと……」
「言ってなかったか?」
「言ってませんよ、結婚されてるなんて……ハハッ」
デルディルさんは渇いた声で笑った。
「弥生さんが結婚……」
何だろう、何かブツブツ言ってる。少し恐い。そうしているうちに領都に通ずる扉が見えた。デルディルさんが扉を開け、私たちは外に出た。
「ここが領都クラソフィアになります」
「わあ!!人がいっぱいですね!!」
街には人が溢れ、出店が立ち並んでいた。
「今日は特に多いです。それではまた、何か分からないことがあったらここに来てください。ご説明させていただきます。宿屋にこれから行かれるのでしたら、『湖の乙女亭』がオススメですよ。あそこなら、希望によっては無料でお湯が付いてきますし、部屋もキレイですので。そこの食堂の料理は絶品なんです。そして何より、あそこは子連れでも大丈夫ですから。その分、他の宿より結構高めになってしまいますがね。場所としては、中央広場からリズ通りに入ってすぐのところにあります」
「何から何まですまない。世話になった」
「いえ、ではお気をつけて」
私たちはデルディルさんに別れを告げて、そのままオススメしてくれた『湖の乙女亭』に行くことにした。
中央広場に行くと人がたくさんいたが、東京と比べればそれほどでもなかった。
「セル、リズ通りはあれみたいですよ」
私は中央広場から右手にある通りを指した。中央広場からは4つの道が通っていた。1つ目がさっき通ってきた門から広場までのサン通り、2つ目は広場から見て右側にあるリズ通り、3つ目は左側にあるシア通り、そして最後に領主邸や貴族街へ向かうルイ通りだ。
私たちはリズ通りに行き『湖の乙女亭』を探すと、案外すぐに見つかった。
「すみません。部屋は空いてますか?」
「はい、大丈夫ですよ」
「赤ん坊もいるんだが……」
「まぁ、可愛らしい赤ちゃんですね。では、部屋は2つでよろしいでしょうか?」
「いや、1つでいい」
「でも、妹さんはそれでいいのですか?」
「はい」
「では、家族用の大部屋を1つでよろしいでしょうか?」
「その家族用の大部屋とはなんですか?」
思わず気になって口を挟む。
「子連れのお客様用のお部屋になります。ベビーベッド、おむつなど、無料で揃えて部屋においています」
「では、それで頼む」
「家族用の大部屋は1泊で銀貨2枚となります。最初の10日はその料金になりますが、それ以降は銀貨1枚銅貨5枚となります。何泊いたしますか?」
「そうだな……1ヶ月頼む」
「1ヶ月ですと、金貨5枚になります」
「これで頼む」
セルがバッグから金貨をちょうど5枚出す。
「お湯はお付けいたしましょうか?」
「頼む。子どもたちを洗ってやりたいしな」
「了解しました。おむつなど備え付けの物が足りなくなりましたら、また声をかけて下さい。ただし、備え付けの物がなくなれば、それ以降は購入していただくことになりますので、あらかじめご了承ください。お食事は朝と夜の2回になります。朝は7時~10時、夜は5時~9時となっておりますので、ご注意下さい。それを過ぎますと、お金を払っていただかないとなりません。ただ、厨房は無料でお貸ししてますので、食料を持っていらっしゃるのでしたら、お作りになることをオススメします。他に何かありますか?」
「いえ、特には」
「では、こちらがお部屋の鍵になります。ご案内致します」
受付の女性は、私達を連れて上に上がった。4階につくと、403号室と書かれた部屋の前で止まった。
「ここがお部屋になります。お呼びになる場合、部屋にあるベルを鳴らしていただければ、来ますので。ベルは受付にあるベルと連動しており、部屋のベルが揺れると受付のベルがなる仕組みになってますので、ならなくても壊れているわけではありません。それでは、夕食前にお湯をお持ち致します」
女性派そう言って、帰っていった。
「中に入るとしよう」
「うん、そうだね」
「すみません、うるさかったですよね」
「いえ、可愛らしい赤ちゃんですね!!双子ですか?」
「はい。私が抱いてる子が姉の紫、セルの抱いてる子が弟の碧です」
「ユカリちゃんとアオイくんか……。赤ちゃんって見てるだけで癒やされますよね」
「そうなんです。いくら疲れていても、小さい子を見ると疲れも吹き飛んでしまって」
「わかります。あ~、私もユカリちゃんやアオイくんのような兄弟が欲しいです……。ヤヨイさんはこんなに可愛い妹弟がいて羨ましいです……」
「え?紫たちは妹弟じゃないですよ?」
「え?」
「え?」
デルディルさんの顔を見て、ポカーンと動きを停止する。デルディルさんも私と同じように、こちらを見てポカーンと停止している。そしてハッとして動きを再開した。
「……え?じゃあ、この子たちはいったい……?」
「いったいもなにも、私の子供ですけど」
「はっ?子ども!?」
「はい、私の娘と息子ですが……それが何かしましたか?」
「……弥生さん、まだ15歳未満の未成年ですよね?」
「いえ、17歳ですけど」
「17!?」
デルディルさんには、いったい何歳に見えていたのだろうか。
「ご結婚、されてたんですか……?」
「?はい、セルは私の夫ですけど……」
「セルンさんと!?てっきりお兄さんかと……」
「言ってなかったか?」
「言ってませんよ、結婚されてるなんて……ハハッ」
デルディルさんは渇いた声で笑った。
「弥生さんが結婚……」
何だろう、何かブツブツ言ってる。少し恐い。そうしているうちに領都に通ずる扉が見えた。デルディルさんが扉を開け、私たちは外に出た。
「ここが領都クラソフィアになります」
「わあ!!人がいっぱいですね!!」
街には人が溢れ、出店が立ち並んでいた。
「今日は特に多いです。それではまた、何か分からないことがあったらここに来てください。ご説明させていただきます。宿屋にこれから行かれるのでしたら、『湖の乙女亭』がオススメですよ。あそこなら、希望によっては無料でお湯が付いてきますし、部屋もキレイですので。そこの食堂の料理は絶品なんです。そして何より、あそこは子連れでも大丈夫ですから。その分、他の宿より結構高めになってしまいますがね。場所としては、中央広場からリズ通りに入ってすぐのところにあります」
「何から何まですまない。世話になった」
「いえ、ではお気をつけて」
私たちはデルディルさんに別れを告げて、そのままオススメしてくれた『湖の乙女亭』に行くことにした。
中央広場に行くと人がたくさんいたが、東京と比べればそれほどでもなかった。
「セル、リズ通りはあれみたいですよ」
私は中央広場から右手にある通りを指した。中央広場からは4つの道が通っていた。1つ目がさっき通ってきた門から広場までのサン通り、2つ目は広場から見て右側にあるリズ通り、3つ目は左側にあるシア通り、そして最後に領主邸や貴族街へ向かうルイ通りだ。
私たちはリズ通りに行き『湖の乙女亭』を探すと、案外すぐに見つかった。
「すみません。部屋は空いてますか?」
「はい、大丈夫ですよ」
「赤ん坊もいるんだが……」
「まぁ、可愛らしい赤ちゃんですね。では、部屋は2つでよろしいでしょうか?」
「いや、1つでいい」
「でも、妹さんはそれでいいのですか?」
「はい」
「では、家族用の大部屋を1つでよろしいでしょうか?」
「その家族用の大部屋とはなんですか?」
思わず気になって口を挟む。
「子連れのお客様用のお部屋になります。ベビーベッド、おむつなど、無料で揃えて部屋においています」
「では、それで頼む」
「家族用の大部屋は1泊で銀貨2枚となります。最初の10日はその料金になりますが、それ以降は銀貨1枚銅貨5枚となります。何泊いたしますか?」
「そうだな……1ヶ月頼む」
「1ヶ月ですと、金貨5枚になります」
「これで頼む」
セルがバッグから金貨をちょうど5枚出す。
「お湯はお付けいたしましょうか?」
「頼む。子どもたちを洗ってやりたいしな」
「了解しました。おむつなど備え付けの物が足りなくなりましたら、また声をかけて下さい。ただし、備え付けの物がなくなれば、それ以降は購入していただくことになりますので、あらかじめご了承ください。お食事は朝と夜の2回になります。朝は7時~10時、夜は5時~9時となっておりますので、ご注意下さい。それを過ぎますと、お金を払っていただかないとなりません。ただ、厨房は無料でお貸ししてますので、食料を持っていらっしゃるのでしたら、お作りになることをオススメします。他に何かありますか?」
「いえ、特には」
「では、こちらがお部屋の鍵になります。ご案内致します」
受付の女性は、私達を連れて上に上がった。4階につくと、403号室と書かれた部屋の前で止まった。
「ここがお部屋になります。お呼びになる場合、部屋にあるベルを鳴らしていただければ、来ますので。ベルは受付にあるベルと連動しており、部屋のベルが揺れると受付のベルがなる仕組みになってますので、ならなくても壊れているわけではありません。それでは、夕食前にお湯をお持ち致します」
女性派そう言って、帰っていった。
「中に入るとしよう」
「うん、そうだね」
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