SSS級の魔獣に転生。〜愛でる側が良かったのに愛でられる側になりました〜

お花見茶

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どうやら魔獣に転生したらしいです

名前をとても気に入りました

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【おとうさん、なにしてるの?】
【とまってないでいこうよ。はやくなまえしりたいもん】
【なまえしりたい!!】

 さっきから、ずっと止まっていたお父さんに駆け寄り、私たちは言います。あら?動きません。なぜでしょう。

【ハッ、すまない。考え事していた】
【ふーん、そうなんだ】

 いや、絶対違うでしょう。絶対“お父さん”と呼ばれてトリップしてたでしょう。ツッコむの面倒くさいから言わないけど。
 兄様も気付いてるよね?ただ、私と同じくツッコむのが面倒くさいだけで。

「……めんど…」

 ほらね?お父さんに聞こえないように、私達にしか聞こえないヤツで言ってる。

【おとうさん、なまえはー?】
【はやくおかあさんのところにもどろうよー】
【そうだな】
【よしっ、またきょうそうしよ!!つぎはまけないもん!!】
【ぼくも!!おとうさん、あいずして?】
【分かった、それじゃあ……よーい、ドンッ】

~:+:✡:+:~~:+:✡:+:~~:+:✡:+:~

【おかあさん、ただいま~】
【おかえりなさい】
【ありゃ?おとうさん、おそいよ~】
【すまん。それで、名前だったか?】
【うん!!】

 名前ないと不便だからね。じゃないと、兄様に名前呼んでもらえない。

 え?競走の結果?もちろん……言わなきゃだめ?ではこれだけ。兄様と私のスペックは同じなのです。

【お兄ちゃんの方が先で良いですか?】
【うん】
【ではまずお兄ちゃん!!名前は玉響たまゆらです。次の妹ちゃんはお父さんの方からお願いします】
【ああ。名前は刹那せつな。二人共一瞬とか短い時間という意味がある】
【二人共仲良くしてくださいね。ちなみに、お父さんの名前は星霜せいそう、お母さんの名前は永遠とわです。これからよろしくお願いしますね、玉響、刹那】
【うん!!】

 刹那ですか。瞬間という意味ですね。玉響も似たような意味です。響きも素敵ですね。気に入りました!!

「にしても、玉響って呼びづらい。タマでいい?」
「え!?何それ、猫みたいじゃん」
「猫ですよ?」
「そうだった……」
「ということでタマ兄様と呼びます」
「じゃあ、そっちはセツだからね」
「分かった」

 タマ兄様、いいと思うんですけどねぇ。

 そういえば、みんな時に関する名前なんですね。意味は、私達は一瞬、お父さんは年月、お母さんは永遠えいえんでしたか。私達の種族は時に関する名前が多いのでしょうか。

 あ、お父さんとお母さんの見た目の説明をしていませんでしたね。

 まずはお父さんです。お父さんは、きれいなアッシュグレーの毛色をしています。目は、薄めの灰色です。イケメンです。

 お母さんは、クリーム色一色の毛並みです。目は右が琥珀色、左が朱色をしています。美人猫です。

 いい忘れていましたが、私達の目は、私が銀、兄様が金です。双子だからか、対のような見た目をしている私達です。可愛いからいいけど。
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