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第21話 遺跡内部
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木に登り中腰に屈み、足場を足音を立てないように、道中、木の箱や衝立に姿を隠しながら進む。ゴブリンの巡回ルートに沿って移動し、ゴブリンが背を向けている状態になっているときに、前蹴りで木の下に突き落とす。「ゴビギャッ」ッと前のめりで数メートル下にゴブリンが落下し、下にいたゴブリンたちが何事かと落ちたゴブリンに集まってくる。落ちたゴブリンはむくっと起き上がり頭をポリポリとかき、何が起きたか分からない状態で木の下を徘徊し始めた。
Jは他にも同様に樹上からゴブリンを蹴り落していく。
――樹上で暗殺みたいなのはしないの?
――暗殺するにはナイフとか小型の刃物が必要なんだが持ってない。1回だけならパイルバンカーで出来るけど、音がしてしまうから敵に発見される。
樹上のゴブリンの最後の一匹を蹴り落して、そこにしたのゴブリンが集まってくる。
――ゴブリンの頭の悪さがうまく表現されてるわね。
――ああ、あいつらは単純な命令しか実行されない。ただ、人間より力が強く、戦闘するときには厄介だ。動きも戦闘時はすばしっこいしな。
『撃て!』
Jは落としたゴブリンに対してターゲットを定め、タラサに『触手弾』をそのゴブリンに向かって撃つように指示を出す。
「ラジャ!」
タラサはグレネードを構えターゲットされたゴブリンにめがけて弾を発射した。グレネードにはすでに6発の触手弾がJのメニュー操作によって装填されていた。ゴブリンが発射音に気づき樹上を見上げた次の瞬間、落ちたゴブリンに『触手弾』が命中し周囲に植物の蔦のようなかずらが巻き付きゴブリンの動きをからめとった。だが、ゴブリンの影となった背後には触手カズラが巻き付いていかない。Jはすぐにターゲットを触手が巻き付いてないゴブリンに変更し、再び『撃て』とタラサに命じる。
グレネードの弾を打ち尽くしたときには樹下のゴブリンたちは触手にからめとられ身動きが出来なくなっている。だが、最初に命中させたゴブリンは蔦をちぎって再び動き出そうとしている。長くは持ちそうにない。
Jはハンマーを構えそのゴブリンに向かって落下攻撃を仕掛ける。ゴブリンの頭部が粉砕され体液があたりに飛び散ると同時に、ハンマーを遠心力を利用してJ自身を軸に回転させ周囲のゴブリンを薙ぎ払った。ゴブリンたちは周囲の木に打ち付けられそのまま絶命し、絶命したゴブリンは光の粒子となって霧散した。Jに付着したゴブリンの体液も同様に光となり、Jのもとへ集まりJの体に粒子が入っていく。
――ゴブリンは殺しても正邪ゲージは平気なの?
――ああ、モンスターはいくら殺しても邪の方にゲージが傾くことはない。むしろ正ゲージが増える。
Jは拠点に点在している宝箱を無視してタラサと共に遺跡の扉まで走っていく。
――宝箱は取らないの?
――必要なアイテムは入ってない。グレネードの弾の素材とかだからな。
Jとタラサが扉にたどり着くと、タラサはJに向かって話しかける。
「前にアタシが来た時にどうしても開かなかったんだ。多分足元に何か仕掛けがあると思うんだけど……。調べている間ゴブリンに見つかっちゃって何とか帰ってきたわけなのよ。」
Jは足元が飛び出している箇所にタラサを待機させる。
続いてJは少し離れた個所にある同じく飛び出している箇所に立つと、ゴゴゴゴッと重苦しい音を響かせながら埃を舞い上がらせ扉が開いていく。それを見ながらタラサは驚き口を開いた。
「そうか!足元の突起がスイッチになってたんだ!そこに気づくとは!やるねぇJ!」
タラサはJの背中をポンと叩くと遺跡の中に入っていく。
遺跡内部はどこかSFチックな雰囲気を漂わせている。二人が遺跡内部に入っていくと直線の通路が20メートルほど奥に続いており、天井にあるライトが内部を明るく照らし始めた。白い陶器のような壁には青白く発光する線が何かしらの法則性を感じるように走っている。その壁には蔦が生え床には砂が通路の隅に大量にたまっている。人が入らなくなって数百年は立っているようだ。
タラサは驚愕して開いた口がふさがらない。
「これは……この空間全てが落下遺物か……!一体どうやってこんな巨大なものが……!
天井にあるライトは私たちが使ってる落下遺物と違う……まるで太陽が室内にあるようじゃん……!」
タラサが奥にたどり着くと、壁に手を付けあたりを調べる。
「ここは扉かな?でも入り口みたいにスイッチ的なの無いしどうやって開くんだろう?」
Jが通路の奥に立つとどこからともなく声が聞こえる。
『ピー……ガガガガッ……センサーニ反応アリ。隔壁ヲ解除シマス。』
タラサは驚く。
「なんだ!J!これ君の声じゃないよね⁉すごい!人が近づくと反応する落下遺物が仕込まれているんだ!一体どういう技術なんだろ?気になるー!」
隔壁がゆっくりと開いていき、中に入ると、半径10メートルほどのドーム状の部屋になっていた。部屋の中には、床面と一体化している机が4脚ほどありそこにモニターのような箱が机の上に置かれている。そのモニター横には、指輪の紋章が描かれた板が置かれており、タラサは机に添えられた椅子に座りあたりを見回す。左右を見ると階段が両脇に添えられており、階段の先、Jとタラサから見て後方上部分には、まるで戦艦の指揮官が座っているようなほかの椅子とは違う椅子が添えられている。
「ここは樹上人のオフィスのような空間だったのかな?」
タラサが独り言を続け、机の上に載っている遺物を持ち上げカルトゥムの壺に押し込む。
「カルトゥム!アタシの家にない感じの遺物ジャンジャン持っていって!ここは落下遺物の宝物庫よ!」
――当たり前のように盗掘してる。
――そういう倫理観はこの世界にない。
Jは他にも同様に樹上からゴブリンを蹴り落していく。
――樹上で暗殺みたいなのはしないの?
――暗殺するにはナイフとか小型の刃物が必要なんだが持ってない。1回だけならパイルバンカーで出来るけど、音がしてしまうから敵に発見される。
樹上のゴブリンの最後の一匹を蹴り落して、そこにしたのゴブリンが集まってくる。
――ゴブリンの頭の悪さがうまく表現されてるわね。
――ああ、あいつらは単純な命令しか実行されない。ただ、人間より力が強く、戦闘するときには厄介だ。動きも戦闘時はすばしっこいしな。
『撃て!』
Jは落としたゴブリンに対してターゲットを定め、タラサに『触手弾』をそのゴブリンに向かって撃つように指示を出す。
「ラジャ!」
タラサはグレネードを構えターゲットされたゴブリンにめがけて弾を発射した。グレネードにはすでに6発の触手弾がJのメニュー操作によって装填されていた。ゴブリンが発射音に気づき樹上を見上げた次の瞬間、落ちたゴブリンに『触手弾』が命中し周囲に植物の蔦のようなかずらが巻き付きゴブリンの動きをからめとった。だが、ゴブリンの影となった背後には触手カズラが巻き付いていかない。Jはすぐにターゲットを触手が巻き付いてないゴブリンに変更し、再び『撃て』とタラサに命じる。
グレネードの弾を打ち尽くしたときには樹下のゴブリンたちは触手にからめとられ身動きが出来なくなっている。だが、最初に命中させたゴブリンは蔦をちぎって再び動き出そうとしている。長くは持ちそうにない。
Jはハンマーを構えそのゴブリンに向かって落下攻撃を仕掛ける。ゴブリンの頭部が粉砕され体液があたりに飛び散ると同時に、ハンマーを遠心力を利用してJ自身を軸に回転させ周囲のゴブリンを薙ぎ払った。ゴブリンたちは周囲の木に打ち付けられそのまま絶命し、絶命したゴブリンは光の粒子となって霧散した。Jに付着したゴブリンの体液も同様に光となり、Jのもとへ集まりJの体に粒子が入っていく。
――ゴブリンは殺しても正邪ゲージは平気なの?
――ああ、モンスターはいくら殺しても邪の方にゲージが傾くことはない。むしろ正ゲージが増える。
Jは拠点に点在している宝箱を無視してタラサと共に遺跡の扉まで走っていく。
――宝箱は取らないの?
――必要なアイテムは入ってない。グレネードの弾の素材とかだからな。
Jとタラサが扉にたどり着くと、タラサはJに向かって話しかける。
「前にアタシが来た時にどうしても開かなかったんだ。多分足元に何か仕掛けがあると思うんだけど……。調べている間ゴブリンに見つかっちゃって何とか帰ってきたわけなのよ。」
Jは足元が飛び出している箇所にタラサを待機させる。
続いてJは少し離れた個所にある同じく飛び出している箇所に立つと、ゴゴゴゴッと重苦しい音を響かせながら埃を舞い上がらせ扉が開いていく。それを見ながらタラサは驚き口を開いた。
「そうか!足元の突起がスイッチになってたんだ!そこに気づくとは!やるねぇJ!」
タラサはJの背中をポンと叩くと遺跡の中に入っていく。
遺跡内部はどこかSFチックな雰囲気を漂わせている。二人が遺跡内部に入っていくと直線の通路が20メートルほど奥に続いており、天井にあるライトが内部を明るく照らし始めた。白い陶器のような壁には青白く発光する線が何かしらの法則性を感じるように走っている。その壁には蔦が生え床には砂が通路の隅に大量にたまっている。人が入らなくなって数百年は立っているようだ。
タラサは驚愕して開いた口がふさがらない。
「これは……この空間全てが落下遺物か……!一体どうやってこんな巨大なものが……!
天井にあるライトは私たちが使ってる落下遺物と違う……まるで太陽が室内にあるようじゃん……!」
タラサが奥にたどり着くと、壁に手を付けあたりを調べる。
「ここは扉かな?でも入り口みたいにスイッチ的なの無いしどうやって開くんだろう?」
Jが通路の奥に立つとどこからともなく声が聞こえる。
『ピー……ガガガガッ……センサーニ反応アリ。隔壁ヲ解除シマス。』
タラサは驚く。
「なんだ!J!これ君の声じゃないよね⁉すごい!人が近づくと反応する落下遺物が仕込まれているんだ!一体どういう技術なんだろ?気になるー!」
隔壁がゆっくりと開いていき、中に入ると、半径10メートルほどのドーム状の部屋になっていた。部屋の中には、床面と一体化している机が4脚ほどありそこにモニターのような箱が机の上に置かれている。そのモニター横には、指輪の紋章が描かれた板が置かれており、タラサは机に添えられた椅子に座りあたりを見回す。左右を見ると階段が両脇に添えられており、階段の先、Jとタラサから見て後方上部分には、まるで戦艦の指揮官が座っているようなほかの椅子とは違う椅子が添えられている。
「ここは樹上人のオフィスのような空間だったのかな?」
タラサが独り言を続け、机の上に載っている遺物を持ち上げカルトゥムの壺に押し込む。
「カルトゥム!アタシの家にない感じの遺物ジャンジャン持っていって!ここは落下遺物の宝物庫よ!」
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――そういう倫理観はこの世界にない。
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