最速の英雄ANY%~RTA走者がゲーム世界に異世界転移。攻略知識を生かして知識チート攻略していきます。~

貝竜

文字の大きさ
22 / 124

第22話 遺跡ダンジョン

しおりを挟む
「J、他にも部屋があるみたい!行ってみようよ!」
タラサは一通り部屋を荒らすと左右の扉を指さした。
Jは左の扉に向かって歩を進める。Jが扉の前に立つと扉が自動的に横にスライドした。
「すごい!どういう仕組みなんだろ?」
Jとタラサは扉の奥の通路に向かい左手にある扉の前に立つ。すると今度は扉が左右に分かれ中に2メートル四方の小部屋になっている。
「あれ?中に何もないようだけど……」
小部屋の中には何もない。2人が入ると扉が閉まった。
「え⁉閉じ込められた⁉」
焦るタラサを尻目に頭上から呼びかけられる。
『行き先を指定してください。』
入り口横の壁に文字が浮かび上がる。
『4F 3F 2F 1F』
タラサは気づいた。
「これ……この部屋もしかして昇降機じゃない?」
Jは『3F』のところに手をかざしてみた。すると部屋全体がガタンと揺れ、下に下降する。
「当たり!すごい!動いた!」
揺れと下降感を感じながら待機していると、数秒経過しドアが左右に開く。
ドアが開かれると、先に続く通路の電灯がつき周囲が明るく照らされる。高さ数メートルはある、回廊と呼んでも差し支えない天井部分はむき出しになっており、様々なパイプが上下左右に張り巡らされており、中央には左右に通気口のような大きなパイプが通っているのが見て取れる。
奥に進むと。左右にドアが付いており、Jは右のドアを調べる。
――左は遺物の箱が邪魔をしており、ドアが開かない。
右手のドアに進むと、中は腐食が進んで脆く朽ちている箱と、まだ未だ頑丈にその身を保ちつつけている一辺が1メートルほどの箱があり、それらが今にも崩れそうに積み重なっている。Jはハンマーを振り回し、壊れそうな箱を破壊していく。その後、頑丈な箱を押したり引いたり、箱の道を作り、箱の上で箱を滑らせながら階段状に積み上げていく。積み上げた先には通気口があり、タラサを呼ぶ。
『ここに入って反対側の扉をあけてきてくれ』
「オッケー!任せて!」
タラサが通気口の中に入っていき、Jは部屋を出る。ガコンガコンと天井部分の通気口が音を鳴らしている。タラサが通気口を通っている個所が鳴っているのだ。
タラサが左の部屋に着地するのを音で確認すると、Jは左手の扉に向かってハンマーを背中から外し右肩に乗せるように構え、いつでも振り下ろせる状態に体勢を整えた。
――どうして?タラサがつっかえを外して出てくるんでしょ?
――すぐに分かる。
タラサの声が部屋のなから聞こえてくる。
「うわーだいぶ散らかってるしなんか草生えてるし……あ!」
タラサの声が上ずる。
「すごい!これも落果遺物なのかな!J!人の形したやつがある!しかもその裏になんか他と違う箱があるよ!なんかいいもの入ってそう!」
――あっ
「ちょっと宝箱お邪魔しま……きゃあ⁉なんか人型のやつ動き出したんだけど!」
部屋の中からゴォオオオンと機械音が部屋中から聞こえてくる。
「ちょっとヤな予感がするし……!はやくJと合流した方がびぃやぁッ!」
ドゴォッと部屋の音から金属の衝突音とともにグレネードの発射音も同時に響いてくる。
「話し合いは……出来なさそうじゃん!うぁあ!手発射してきたぁ!J助けて!」
扉の裏からズゴゴゴゴっと物を引きずる音がすると同時に。
「うきゃあ⁉」
バァンッと扉がひしゃげて中からタラサ頭を押さえ前かがみで飛び出してきた。
タラサの頭上にはとがった三角錐がタラサを貫こうとタラサの頭があったであろう場所に突き出している。
 その三角錐に引き寄せられるように本体と思わしき人型のロボットのようなものが部屋の中から現れた。その姿は球体と三角錐を組み合わせた人型のような形をしており、球体部分が関節を、三角錐部分がそれ以外の要素を構成しており、頭部だけは球体になっている。三角錐も球体もそれそれが浮遊しており接続されておらず、表面に青緑色の発光した線が刻まれている。
それを見たヌルがつい口を開く。
――まるで人間の3Dモデルのボーンをおっきくしたやつみたい。
その人型が現れたと同時にJは振りかぶったハンマーを叩きつける。人型のロボットは後方に吹き飛ばされ朽ちた箱に激突し倒れこむ。Jは追撃として部屋の中に踏み込み倒れこんだ人型に叩きつける。人型は体のパーツをバラバラに飛び散らせながら光の粒子となりJの体に吸収されていく。Jのレベルが上がった。
「いきなり襲われるんだもん!J、ありがとー!」
タラサが再び仲間に加わり、宝箱をあけに部屋に入ってくる。
Jが宝箱をあけると、中から立方体の落果遺物が出てきて、それを調べるとパカッと開き、ドーナツ状の赤色の指輪のような落果遺物が出てきた。その指輪には①と書かれている。Jはそれを指にハメると、部屋を後にし、エレベーターに乗り込んだ。
 Jは『4F』のところに手をかざし、4階へ戻る。
――あれ?戻っちゃうの?
――ああ、2Fと1Fの扉は隔壁にロックが掛けられていて今行けなくなってる。一旦4階のコントロールセンターで隔壁を解除する必要がある。それでも1Fには今はいけないけどな。
Jが4階のコントロールセンターに到着すると、手前のパソコンのモニターのような箱の隣に指の模様が描かれている個所に指輪をした手を触れる。するとピピッと音がしたのちにヴオンッとモニターのような箱が画面が点灯し画面に『2F』と表示され、そこの監視カメラの映像と思われる映像が映し出された。
タラサはモニターを見てJに話しかける。
「これって2階の映像じゃない?うわ、なんかいっぱいいる―。」
先ほどJが倒した人型のロボ以外にも、球体と三角錐の組み合わせのロボがところどころ徘徊している。人間の下半身の尻部分から球体、三角錐と伸びてそこからさらに左右に同様に球体三角錐の状態で伸びているケンタウロスのようなものや、足部分が単体で伸びているラミアのような蛇人間状態のものもあったり、大きさ自体が小人のようなものだったりとその形状は多彩だった。
――本当にボーンみたいね。
その他、画面のメニューには隔壁解除のON、OFFが表示されている。
Jはモニターにタッチし2階の隔壁を解除した。
Jとタラサは再びエレベーターに乗り込み2Fを目指す。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

異世界サバイバルゲーム 〜転移先はエアガンが最強魔道具でした〜

九尾の猫
ファンタジー
サバイバルゲームとアウトドアが趣味の主人公が、異世界でサバゲを楽しみます! って感じで始めたのですが、どうやら王道異世界ファンタジーになりそうです。 ある春の夜、季節外れの霧に包まれた和也は、自分の持ち家と一緒に異世界に転移した。 転移初日からゴブリンの群れが襲来する。 和也はどうやって生き残るのだろうか。

クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」 気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。 しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。 「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。 だが……一人きりになったとき、俺は気づく。 唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。 出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。 雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。 これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。 裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか―― 運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。 毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります! 期間限定で10時と17時と21時も投稿予定 ※表紙のイラストはAIによるイメージです

処理中です...