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38.与えられた罰(※sideダミアン)
ああ……。最悪だ……。
何故こんなことになってしまったのか……。
みすぼらしい部屋の中、粗末なベッドに仰向けになり、俺は毒づきながら自分の運命を呪っていた。
メラニーのヤツはあの日俺の父と屋敷で鉢合わせしてからすぐに俺との関係を解消してきた。「ただの友人だった。何もやましいことはしていない」と主張していたらしいが、次から次へと出てくる証拠に青ざめ、今度は「向こうから強引に関係を迫られた。本意ではなかった」と主張し始めたらしい。だがもちろん付け焼き刃の嘘はすぐにバレたようだ。
ドノヴァン男爵家はマクラウド伯爵家に慰謝料を支払い、家計的に大打撃を受けたようだ。その上今回の件はすぐに世間に知れ渡り、娘の社交界での評判は地に落ちた。もはや貴族家の子息との結婚は難しいと腹を括った男爵夫妻は、どうにか娘とそこそこ羽振りの良い商家の子息との結婚をまとめようとしたが、それも全ての家から断られたそうだ。もうまともな縁談は望めないだろう。ふん、ざまあみろ。俺を捨てて自分だけとっとと逃げおおせようとした罰だ。修道院にでもどこにでも行ってしまえばいい。
メラニーの他にも様々な女たちと関係を持っていたが、クラウディアに身元がバレていたのはいなかった。もしくは俺との関係が浅かったため見逃されたヤツもいたのかもしれない。ともかく今回の一件で痛手を受けたのは俺とアイツだけのようだ。
父は本当に俺のことを見限ってしまった。マクラウド家へ支払う慰謝料は一旦父が肩代わりしたが、俺の労働によって全額ウィルコックス家に返済しろとのことだ。冗談じゃない。薄情な親だ。そんなにも実の息子が可愛くないのか。多額の慰謝料を、勘当されて何の後ろ盾もなくなったこの俺に、たった一人で稼げと……?どうやって?まさか生涯平民の労働者のようにあくせく働けと言うつもりか。馬鹿馬鹿しい。そんなことできるはずがない。この俺が。生まれてこの方ウィルコックス伯爵家の令息として悠々自適に暮らしてきたというのに。
…まぁいい。どうせ追い出された身だ。このまま逃げ切ってやる。父も何も聞かずに放り出したのだから、俺が今どこで何をしているのかなど分かるはずがないのだから。
「…………ぇ、……ねぇ、ちょっと!ダミアン!」
「…………なんだ、うるせぇな…」
ふと我に返るとこの家の主である女が、ベッドの横に立ちけたたましい声で俺を呼んでいた。目を吊り上げていてちっとも可愛くない。
「あんたさぁ、いつまで寝てる気なのよ?!うちに来て何ヶ月経ったと思ってるの?!これ以上居候するんならせめて働いて金稼いできなさいよね!うちは貴族様じゃないんだから!余裕のある家計じゃないんだからね!」
「……チッ」
「……何よその態度は!!まったく……腹が立つわね。そろそろ本気で追い出すわよ!もう…っ!金持ちの色男だから付き合ってただけなのに……!貴族じゃなくなった赤の他人の男なんて用ナシなのよ!役立たず!!」
女はプリプリと怒りながら部屋を出て行く。うるさいヤツだ。俺は妻に裏切られ、実家からも追い出された可哀相な男なんだぞ。もう少し優しくしてくれてもいいだろうが。羽振りが良い時にはいろいろ買ってやったってのに……恩を忘れやがって……。
(もっと大人しい女の家にでも移るか…。あれだけモテまくっていた俺のことだ、探せば俺を一生食わせていきたいと言う可愛げのある女が見つかるだろう…)
そんなことを考えながらゴロンと壁の方を向き、そのままウトウトと昼寝をしていると、しばらくして突然家の中が騒がしくなった。大勢の話し声と足音がする。
(…………?……なんだ?人が気持ちよく寝てるってのに……)
するとまだぼんやりしている俺の目の前に、急に何人もの男たちが押し寄せてきた。思わず飛び起きる。
「っ?!うわぁぁっ!!なっ、何事だ!!」
「お久しぶりでございます、ダミアン様」
「……あ?……何だよお前か……ビックリするじゃないか」
現れたのは祖父の代から長年仕えているウィルコックス伯爵家の年老いた執事だった。後ろには俺の新居にいた執事や、その他数名のウィルコックス家の使用人たちがわらわらと控えている。やけに体格の良い男ばかりだ。……一体何事だ?というか……、
「……何故俺がこの家にいることが分かったんだ?」
「最初から分かっておりました、ダミアン様。旦那様はダミアン様が借金の返済をせずに行方をくらましてしまうのではないかと、あなた様が屋敷を出られてからずっと見張りの者を付けておりましたので」
「…………。」
(…クソ。バレてたのか……)
焦りから急に胃がムカムカしてきた。勘当されて以来まだ一度も実家への借金の返済をしていない。例のマクラウド家に支払った慰謝料立替の分だ。そのことを咎めに人を寄こしたのだろう。
…ひとまず、どうにか誤魔化さなくては。こいつらを上手いこと追い返したらその足ですぐにここを離れて、置いてくれそうな他の女の家を探そう。
「…分かってるさ。こっちもそろそろ返済を始めなきゃマズいとは思っていたんだよ。だがなかなか俺にできそうな仕事が見つからなくてね。まぁでも、ようやく決まったところだ。明日から働きに出るよ。もう少し待っていてくれと、すぐに帰って父に伝えてくれるか」
あくまで落ち着いて見えるように取り繕いながら、俺は静かに言った。
しかし、執事の返答は予想外のものだった。
「いえ、ダミアン様。非常に残念ですが、もう旦那様はあなた様の働き口を決めてしまわれました。今からここにいる者たちがお連れしますので、どうぞ荷物をおまとめになり表へ」
「…はっ?決めてしまわれたって……何だよ。俺をどこへ連れて行くつもりだ」
嫌な予感に動悸がする。背中にじわりと汗が浮かんだ。
執事は淡々と言った。
「ウィルコックス領西端のあの鉱山でございます。ご存知でしょう?ダミアン様も。近年は人員不足でして…、すぐにお連れするようにと」
「………………は……?」
「そこで返済が終わるまで住み込みで働くようにとの仰せでございます。ダミアン様の必要最低限の生活費を除いた毎月の給料がそのまま旦那様へと支払われるように全て手続きをしてございますので」
「お、おいっ!!馬鹿なことを言うな!!そんな……そんなの、あ、あんまりだろうが!!あそこは、浮浪者とか…元受刑者とか…、そういった連中が流れ着くような僻地だろうが!!柄の悪い連中がわんさかいる場所だぞ?!そっ、そんなところに行かされたら、俺がっ……ど、どんな目に遭うか……!!」
しかも、返済が終わるまで住み込みで……?肉体労働を?じ……冗談じゃない……!そんなの……、一生をあの辺境の地で汗にまみれて終わらせろと言われたようなものじゃないか……!!
恐怖と絶望に気が遠くなりそうな俺の顔を、わずかに憐憫の情を浮かべ見つめていた執事は、静かに言った。
「もう旦那様の決定は覆りません。どうぞダミアン様、…諦めてください」
「………………っ!!……そんな……っ……」
さ、最悪だ…………
まさか……こんなことになるなんて……。
クソ、こんなことなら、もっと……
あいつを大事にしておくんだった────
何故こんなことになってしまったのか……。
みすぼらしい部屋の中、粗末なベッドに仰向けになり、俺は毒づきながら自分の運命を呪っていた。
メラニーのヤツはあの日俺の父と屋敷で鉢合わせしてからすぐに俺との関係を解消してきた。「ただの友人だった。何もやましいことはしていない」と主張していたらしいが、次から次へと出てくる証拠に青ざめ、今度は「向こうから強引に関係を迫られた。本意ではなかった」と主張し始めたらしい。だがもちろん付け焼き刃の嘘はすぐにバレたようだ。
ドノヴァン男爵家はマクラウド伯爵家に慰謝料を支払い、家計的に大打撃を受けたようだ。その上今回の件はすぐに世間に知れ渡り、娘の社交界での評判は地に落ちた。もはや貴族家の子息との結婚は難しいと腹を括った男爵夫妻は、どうにか娘とそこそこ羽振りの良い商家の子息との結婚をまとめようとしたが、それも全ての家から断られたそうだ。もうまともな縁談は望めないだろう。ふん、ざまあみろ。俺を捨てて自分だけとっとと逃げおおせようとした罰だ。修道院にでもどこにでも行ってしまえばいい。
メラニーの他にも様々な女たちと関係を持っていたが、クラウディアに身元がバレていたのはいなかった。もしくは俺との関係が浅かったため見逃されたヤツもいたのかもしれない。ともかく今回の一件で痛手を受けたのは俺とアイツだけのようだ。
父は本当に俺のことを見限ってしまった。マクラウド家へ支払う慰謝料は一旦父が肩代わりしたが、俺の労働によって全額ウィルコックス家に返済しろとのことだ。冗談じゃない。薄情な親だ。そんなにも実の息子が可愛くないのか。多額の慰謝料を、勘当されて何の後ろ盾もなくなったこの俺に、たった一人で稼げと……?どうやって?まさか生涯平民の労働者のようにあくせく働けと言うつもりか。馬鹿馬鹿しい。そんなことできるはずがない。この俺が。生まれてこの方ウィルコックス伯爵家の令息として悠々自適に暮らしてきたというのに。
…まぁいい。どうせ追い出された身だ。このまま逃げ切ってやる。父も何も聞かずに放り出したのだから、俺が今どこで何をしているのかなど分かるはずがないのだから。
「…………ぇ、……ねぇ、ちょっと!ダミアン!」
「…………なんだ、うるせぇな…」
ふと我に返るとこの家の主である女が、ベッドの横に立ちけたたましい声で俺を呼んでいた。目を吊り上げていてちっとも可愛くない。
「あんたさぁ、いつまで寝てる気なのよ?!うちに来て何ヶ月経ったと思ってるの?!これ以上居候するんならせめて働いて金稼いできなさいよね!うちは貴族様じゃないんだから!余裕のある家計じゃないんだからね!」
「……チッ」
「……何よその態度は!!まったく……腹が立つわね。そろそろ本気で追い出すわよ!もう…っ!金持ちの色男だから付き合ってただけなのに……!貴族じゃなくなった赤の他人の男なんて用ナシなのよ!役立たず!!」
女はプリプリと怒りながら部屋を出て行く。うるさいヤツだ。俺は妻に裏切られ、実家からも追い出された可哀相な男なんだぞ。もう少し優しくしてくれてもいいだろうが。羽振りが良い時にはいろいろ買ってやったってのに……恩を忘れやがって……。
(もっと大人しい女の家にでも移るか…。あれだけモテまくっていた俺のことだ、探せば俺を一生食わせていきたいと言う可愛げのある女が見つかるだろう…)
そんなことを考えながらゴロンと壁の方を向き、そのままウトウトと昼寝をしていると、しばらくして突然家の中が騒がしくなった。大勢の話し声と足音がする。
(…………?……なんだ?人が気持ちよく寝てるってのに……)
するとまだぼんやりしている俺の目の前に、急に何人もの男たちが押し寄せてきた。思わず飛び起きる。
「っ?!うわぁぁっ!!なっ、何事だ!!」
「お久しぶりでございます、ダミアン様」
「……あ?……何だよお前か……ビックリするじゃないか」
現れたのは祖父の代から長年仕えているウィルコックス伯爵家の年老いた執事だった。後ろには俺の新居にいた執事や、その他数名のウィルコックス家の使用人たちがわらわらと控えている。やけに体格の良い男ばかりだ。……一体何事だ?というか……、
「……何故俺がこの家にいることが分かったんだ?」
「最初から分かっておりました、ダミアン様。旦那様はダミアン様が借金の返済をせずに行方をくらましてしまうのではないかと、あなた様が屋敷を出られてからずっと見張りの者を付けておりましたので」
「…………。」
(…クソ。バレてたのか……)
焦りから急に胃がムカムカしてきた。勘当されて以来まだ一度も実家への借金の返済をしていない。例のマクラウド家に支払った慰謝料立替の分だ。そのことを咎めに人を寄こしたのだろう。
…ひとまず、どうにか誤魔化さなくては。こいつらを上手いこと追い返したらその足ですぐにここを離れて、置いてくれそうな他の女の家を探そう。
「…分かってるさ。こっちもそろそろ返済を始めなきゃマズいとは思っていたんだよ。だがなかなか俺にできそうな仕事が見つからなくてね。まぁでも、ようやく決まったところだ。明日から働きに出るよ。もう少し待っていてくれと、すぐに帰って父に伝えてくれるか」
あくまで落ち着いて見えるように取り繕いながら、俺は静かに言った。
しかし、執事の返答は予想外のものだった。
「いえ、ダミアン様。非常に残念ですが、もう旦那様はあなた様の働き口を決めてしまわれました。今からここにいる者たちがお連れしますので、どうぞ荷物をおまとめになり表へ」
「…はっ?決めてしまわれたって……何だよ。俺をどこへ連れて行くつもりだ」
嫌な予感に動悸がする。背中にじわりと汗が浮かんだ。
執事は淡々と言った。
「ウィルコックス領西端のあの鉱山でございます。ご存知でしょう?ダミアン様も。近年は人員不足でして…、すぐにお連れするようにと」
「………………は……?」
「そこで返済が終わるまで住み込みで働くようにとの仰せでございます。ダミアン様の必要最低限の生活費を除いた毎月の給料がそのまま旦那様へと支払われるように全て手続きをしてございますので」
「お、おいっ!!馬鹿なことを言うな!!そんな……そんなの、あ、あんまりだろうが!!あそこは、浮浪者とか…元受刑者とか…、そういった連中が流れ着くような僻地だろうが!!柄の悪い連中がわんさかいる場所だぞ?!そっ、そんなところに行かされたら、俺がっ……ど、どんな目に遭うか……!!」
しかも、返済が終わるまで住み込みで……?肉体労働を?じ……冗談じゃない……!そんなの……、一生をあの辺境の地で汗にまみれて終わらせろと言われたようなものじゃないか……!!
恐怖と絶望に気が遠くなりそうな俺の顔を、わずかに憐憫の情を浮かべ見つめていた執事は、静かに言った。
「もう旦那様の決定は覆りません。どうぞダミアン様、…諦めてください」
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