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31. 公女との再会
交渉が始まると、外の岩山の厳しさが室内の空気にまで染み入ってくるかのような重苦しい雰囲気が、応接間を包んだ。ドラヴァン公爵は低く重厚な声を、より一層低くした。
「……お申し出の内容は理解しました。ですが、長年アルーシアを通じて行ってきた交易の形を変えるというのは、我が国にとってはあまりにも大きな賭けになりますな」
色よい反応を示さない公爵に、トリスタン王弟殿下がすかさず言葉を返す。
「我々が望むのは大それた変革ではない。互いの国に余力のある資源を、少しずつ交換し合う。まずはそんな取り引きからでいいと思っている」
「……ふむ……」
ドラヴァン公爵は眉間に深く皺を刻み、大きく息を吸う。そして唸るような声とともに静かに吐き出した。拒絶を滲ませる公爵の雰囲気に黙っていられず、私は生意気にも口を挟んだ。
「閣下、アルーシアの王家に籍を置いていた私がこのようなことを言うのはおかしいと思われるかもしれませんが……今のままで本当にご満足ですか? 貴国は大陸でも有数の鉱山資源を誇り、様々な鉱石が豊富に採れる国です。本来民たちは、もっと裕福に暮らせるはず。それなのに、質の良い自国の鉱石は安く買い叩かれ、代わりに不必要な贅沢品ばかりを押しつけられている。……この不均衡を是正したくはありませんか? 私は母国を出て、イルガルドで働くようになってから、初めてこの理不尽な取引の実態を知ったのです。そしてそれを変えたいと思いました」
私は拳を握りしめ、ドラヴァン公爵の目を見据えて真剣に語った。少しでもこの熱意が伝わるようにと思いを込めて。
公爵が眉間に皺を刻んだまま視線を落とした、その時だった。
「失礼いたします」
高く澄んだ声とともに、ラベンダー色のデイドレスを着た女性が応接間に現れた。彼女の姿を認めた私は、思わず息を呑む。
「ルシンダ様……! ご無沙汰しています」
立ち上がりそう挨拶すると、彼女──ルシンダ・ドラヴァン公爵令嬢は、満面の笑みを浮かべ私のそばへと歩み寄ってきた。
「まぁ、セレステ様……! こんな形で再会できるなんて……! お久しぶりです」
薔薇色の頬の朗らかな彼女が現れたことで、張り詰めていた応接間の空気が幾分和らいだ。ドラヴァン公爵がルシンダ様を、トリスタン王弟殿下やリューデ局長らに紹介する。
「この場に娘を呼んで申し訳ない。以前から何度も、娘がラザフォード殿に世話になっていたものですから。この機会に会わせてやりたかったのです」
公爵の言葉に、ルシンダ様は瞳を輝かせた。
「ええ、そうなんですの! セレステ様とはなかなか二人きりでゆっくりとお話しする機会などなかったものですから、これまでお礼も言えずにいました。それがずっと心残りで……」
「お礼、ですか……?」
私は戸惑いながら、彼女の顔を見つめた。公の場で言葉を交わしたことは数回あったけれど、何かお礼を言われるようなことがあっただろうか……。
するとルシンダ様は、私の両手をひしと握った。
「ええ! セレステ様は覚えていらっしゃらないかもしれませんが、私はこれまで何度もあなた様に助けていただきましたわ。例えば……以前アルーシアの建国祭に招かれた時のことです。もてなしのお料理のいくつかが、嗅ぎ慣れない香辛料の匂いがとても強くて……。私、気分が悪くなってしまいましたの。けれど、大国の王宮の大広間で、各国の賓客が大勢集う中、退席したいと言い出す勇気が出ませんでした。ひそかに苦しみ、吐き気がひどくなってきた時……近くの席にいたあなた様が、私を大広間から連れ出してくださったのです。私のドレスの飾りが外れかかっているから、控え室で直しましょうと言ってくださって……。おかげさまで、醜態を晒さずに済みましたわ。あの時は本当にありがとうございます!」
「……あぁ。そういえばそんなことも……」
話を聞いて思い出した。二年ほど前だっただろうか。晩餐の席で、真っ青な顔をしているルシンダ様に気付いたのだったっけ。嘔吐してしまっては大変だと、適当な理由をつけて彼女を大広間から連れ出した。そのまま侍女と共に化粧室に駆け込んだ彼女の背を見送って、私は大広間に戻った気がする。
「他にも何度か助けていただいたことがございましたわ。たとえば、アルーシア国王陛下の生誕祭の時にも……。場に馴染めずに、不安な気持ちで一人壁際に立っておりましたら、セレステ様が声をかけてくださって、しばらくお喋りいたしましたわ」
「生誕祭……昨年ですわね。たしかに、そんなことがございました。ふふ……。それは、私も歳の近いルシンダ様とお喋りしたかっただけのことです」
彼女は救われたと思っているようだけれど、それは私の方こそだ。あの頃、もう王宮は私にとってとても冷たく、居心地の悪い場所になっていた。周囲の人間は皆どんどん冷淡になり、私はヒューゴ殿下に冷たくされる理由さえ分からず、日々強い孤独を感じながらひたすら勉強に打ち込み、苦しみをごまかしていたっけ。
だから久しぶりに同年代の女性と笑顔で会話できて、とても心が癒やされたのだ。
「私の方こそ、仲良くしてくださってありがとうございます、ルシンダ様」
「……セレステ様……」
心を込めてお礼を伝えると、ルシンダ様がキラキラした眼差しで私を見つめ返す。
その時、ドラヴァン公爵がルシンダ様に声をかけた。
「積もる話はあるだろうが、一旦そこまでに。ルシンダ、今日ラザフォード嬢はイルガルドの王弟殿下と共に大事な相談のために来ていらっしゃるのだ」
「……相談?」
公爵のその言葉に、ルシンダ様がようやく私の手を離した。
「……お申し出の内容は理解しました。ですが、長年アルーシアを通じて行ってきた交易の形を変えるというのは、我が国にとってはあまりにも大きな賭けになりますな」
色よい反応を示さない公爵に、トリスタン王弟殿下がすかさず言葉を返す。
「我々が望むのは大それた変革ではない。互いの国に余力のある資源を、少しずつ交換し合う。まずはそんな取り引きからでいいと思っている」
「……ふむ……」
ドラヴァン公爵は眉間に深く皺を刻み、大きく息を吸う。そして唸るような声とともに静かに吐き出した。拒絶を滲ませる公爵の雰囲気に黙っていられず、私は生意気にも口を挟んだ。
「閣下、アルーシアの王家に籍を置いていた私がこのようなことを言うのはおかしいと思われるかもしれませんが……今のままで本当にご満足ですか? 貴国は大陸でも有数の鉱山資源を誇り、様々な鉱石が豊富に採れる国です。本来民たちは、もっと裕福に暮らせるはず。それなのに、質の良い自国の鉱石は安く買い叩かれ、代わりに不必要な贅沢品ばかりを押しつけられている。……この不均衡を是正したくはありませんか? 私は母国を出て、イルガルドで働くようになってから、初めてこの理不尽な取引の実態を知ったのです。そしてそれを変えたいと思いました」
私は拳を握りしめ、ドラヴァン公爵の目を見据えて真剣に語った。少しでもこの熱意が伝わるようにと思いを込めて。
公爵が眉間に皺を刻んだまま視線を落とした、その時だった。
「失礼いたします」
高く澄んだ声とともに、ラベンダー色のデイドレスを着た女性が応接間に現れた。彼女の姿を認めた私は、思わず息を呑む。
「ルシンダ様……! ご無沙汰しています」
立ち上がりそう挨拶すると、彼女──ルシンダ・ドラヴァン公爵令嬢は、満面の笑みを浮かべ私のそばへと歩み寄ってきた。
「まぁ、セレステ様……! こんな形で再会できるなんて……! お久しぶりです」
薔薇色の頬の朗らかな彼女が現れたことで、張り詰めていた応接間の空気が幾分和らいだ。ドラヴァン公爵がルシンダ様を、トリスタン王弟殿下やリューデ局長らに紹介する。
「この場に娘を呼んで申し訳ない。以前から何度も、娘がラザフォード殿に世話になっていたものですから。この機会に会わせてやりたかったのです」
公爵の言葉に、ルシンダ様は瞳を輝かせた。
「ええ、そうなんですの! セレステ様とはなかなか二人きりでゆっくりとお話しする機会などなかったものですから、これまでお礼も言えずにいました。それがずっと心残りで……」
「お礼、ですか……?」
私は戸惑いながら、彼女の顔を見つめた。公の場で言葉を交わしたことは数回あったけれど、何かお礼を言われるようなことがあっただろうか……。
するとルシンダ様は、私の両手をひしと握った。
「ええ! セレステ様は覚えていらっしゃらないかもしれませんが、私はこれまで何度もあなた様に助けていただきましたわ。例えば……以前アルーシアの建国祭に招かれた時のことです。もてなしのお料理のいくつかが、嗅ぎ慣れない香辛料の匂いがとても強くて……。私、気分が悪くなってしまいましたの。けれど、大国の王宮の大広間で、各国の賓客が大勢集う中、退席したいと言い出す勇気が出ませんでした。ひそかに苦しみ、吐き気がひどくなってきた時……近くの席にいたあなた様が、私を大広間から連れ出してくださったのです。私のドレスの飾りが外れかかっているから、控え室で直しましょうと言ってくださって……。おかげさまで、醜態を晒さずに済みましたわ。あの時は本当にありがとうございます!」
「……あぁ。そういえばそんなことも……」
話を聞いて思い出した。二年ほど前だっただろうか。晩餐の席で、真っ青な顔をしているルシンダ様に気付いたのだったっけ。嘔吐してしまっては大変だと、適当な理由をつけて彼女を大広間から連れ出した。そのまま侍女と共に化粧室に駆け込んだ彼女の背を見送って、私は大広間に戻った気がする。
「他にも何度か助けていただいたことがございましたわ。たとえば、アルーシア国王陛下の生誕祭の時にも……。場に馴染めずに、不安な気持ちで一人壁際に立っておりましたら、セレステ様が声をかけてくださって、しばらくお喋りいたしましたわ」
「生誕祭……昨年ですわね。たしかに、そんなことがございました。ふふ……。それは、私も歳の近いルシンダ様とお喋りしたかっただけのことです」
彼女は救われたと思っているようだけれど、それは私の方こそだ。あの頃、もう王宮は私にとってとても冷たく、居心地の悪い場所になっていた。周囲の人間は皆どんどん冷淡になり、私はヒューゴ殿下に冷たくされる理由さえ分からず、日々強い孤独を感じながらひたすら勉強に打ち込み、苦しみをごまかしていたっけ。
だから久しぶりに同年代の女性と笑顔で会話できて、とても心が癒やされたのだ。
「私の方こそ、仲良くしてくださってありがとうございます、ルシンダ様」
「……セレステ様……」
心を込めてお礼を伝えると、ルシンダ様がキラキラした眼差しで私を見つめ返す。
その時、ドラヴァン公爵がルシンダ様に声をかけた。
「積もる話はあるだろうが、一旦そこまでに。ルシンダ、今日ラザフォード嬢はイルガルドの王弟殿下と共に大事な相談のために来ていらっしゃるのだ」
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