普通の女子高生が異世界召喚!?

やなぎ

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焔の馬。

とうけつ?

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「氷の精霊よ。我は氷の加護を持つ者。我は求む。我を害する者を滅ぼす力を。」

カスミが何かよく分からないことを喋り出した。

レッドホードはまだ動きがない。あ、少し足を折り曲げた?

 そう思った時にはその場にレッドホードはいなかった。そして、さっきまではなかった私達に向かって一直線に伸びる焦げ跡。

「ロック。」

落ち着いたカスミの声。

「え?」

とぼけた声が漏れる。これは私だ。

私達の方に伸びる焦げ跡から優しく炎が立ち上がる。

 私の、いや、カスミの目の前には微動だにしないレッドホードがいた。脚にまとわりつく炎も全く動かない。

 レッドホードが一瞬で元いた場所から移動したのも驚いたが、目の前で止まっているのにはもっと驚いた。

 なんで動かないんだろう?どうしちゃったんだろう?私は今起きている現象に戸惑う。

「レッドホードに絶対に触るなよ?」

カスミがいう。

これは、あれだな。私でもわかるやつだ!本当は触って欲しいやつだ!

「何が起こったの……?」

思ってることと喋ってることが全く違う。

 心の中は明るく意識を保とうとしているのだが、私の理解を超えた今の現象を前に何が起きているのか分からないという恐怖が勝手に言葉を紡いだ。

「レッドホードが超高速で突っ込んできて、俺がその速さを見切り、レッドホードの時間を凍結したってとこだ。」

カスミが解説してくれる。

「時間を凍結……?」

「そうだ。氷魔法の奥義みたいなものだな。氷は気体が水に、水が氷にって感じで出来上がるだろ?それの応用みたいなもので、時間を気体として、それを液体、そして個体。つまり凍らす。そんな感じで氷魔法でレッドホードの時間を凍らせたんだ。」

「そんなことができるの!?」

「まぁ、これ使った後はめちゃくちゃ疲れる上に第三者が触ると凍結が溶けてしまうからあまり実用性はないんだけどな。」

それで私に触るなって言ったのか。

てか魔法って強すぎでしょ!時間を止める魔法があるなんて。

「さて、ここからどうするかな。」

「このままにして帰ろうよ。」

「いや、それだと……。まぁ村ももう焼けて住める状態じゃないし、いいか。」

 こうして私達は触ると動き出す危険な馬を森の中に放置してその場から退散することにした。

「とりあえず村に戻るの?」

「そうだな。疲れたからちょっと休憩したいし。」

「まだ生きてる人もいるかもしれないもんね!探さなきゃ!」

勢いよく言う私にカスミは力なく微笑んだ。





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