輪廻の遡行

おしるこ4423

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〜四章〜

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 凛が出かけたあと、俺はリビングのソファーに座っていた。
 あー、どうしようかなぁ。することねぇなぁ。
 などと考えながら、欠伸をすると急に眠気が襲ってくる。朝も眠かったが、今の眠気はそれ以上だ。
 などと考えていたのが数秒だったと思う。その短い時間で俺は眠りへと落ちた。
 暗闇の意識の中で俺は目を覚ます。そこに広がる光景は家の中などではなく、もっと違う場所であることが一目見てわかる。
 周りに広がる光景は、暗闇、点々ときらめく光、そして、祭壇のような遺跡のような石で造られた場所。
 その祭壇のような場所には、光に重なって、人影のようなものが見えた。俺はその人影に向かって歩いた。
 不思議なことに、足元には何も無い・・・・ような感覚があるのだが、歩けるのだ。何も無い、と言うよりは何も見えないのだ。そこに地面があるとしても認識出来ないのだ。あるはずなのに無いと錯覚するようなそんな不思議な空間である。
 これは夢だな。
 そう俺は確信した。これは夢でなければならないのだ。さっきまでは家にいたのに、こんなわけのわからない場所にいるはずが無いのだから。
 そんなことを考えていると祭壇のような場所に着いた。
 俺が来たことに気付いたのかさっき見えた人影が奥の方からこちらへ向かってくるのがわかる。
 こちらへ近づいてきたその姿は、間違いなく人なのだ。ヴェールをまとっているが体格から察するに男性ということがわかったがこいつからは異様な雰囲気があった。そして、直感的に俺の生物としての本能が言っている。こいつは、生物としての格が違う・・・・・・・・・・と、そして奥からやってきた人はこちらに話しかけてきた
 「君はどうやってここに来たんだい?」
 と、知るか、俺が聞きたいことだよ。とは言えずに俺は
 「わからない。さっきまで家にいたはずなのに気が付いたらここに居たんだ」
 と答える
 こちらをじっと見つめて、考えたあとに
 「立ち話も疲れるから中に入るといい」
 と中に入っていった。俺も後を追うように中へ入る。
 中には、椅子が置いてあった。他に目立つような家具は置いてなく、椅子が二つだけ置いてあった。彼は奥の椅子へ座ったので、俺は手前にある椅子へ座る。家具は置いていないのだが、よく見ると壁にはなにか文字のようなものが書かれていることがわかった。彼はこちらを見つめたままで何もせず、じっとしている。なので、こちらから話しかけることにした。
 「なあ、あんたの名前はなんだ?」
 「私の名前は──」
 と言ったあとに、少し考える仕草を見せた。少し経ってから彼はこう名乗った
 「私の名前は、星空そらだよ」
 「そうかい。それじゃいくつか質問があるのだけれどいいかな?」
 問いかけると、星空はうなずいた
 「それじゃあ一つ目、ここはどこだ?」
 「ここは、全てがあって全てがない空間だよ」
 「全てがあって全てがない?」
 「そう、ここはそういう場所なんだ」
 これはただの夢じゃない。これは一体なんなんだ。
 そんなことを考えていると
 「それじゃあ一つ答えたから、こちらからも一つ質問させてもらおう。君はどうやってここに来た?」
 と星空が入口で聞いてきたのと同じ質問をしてきた
 「本当にわからないんだ。俺はさっきまで家いて寝ようとしたらここにいたんだ」
 「続けて質問させてもらうよ。君にはここがどんな風に見えているんだい?」
 「どんな風に?暗い部屋に小さな光があってこの場所がある不思議な場所だよ」
 とここに来た時に思ったことと同じことを伝える
 「ほう。そうかそんな風に見えているのか」
 彼の初めて反応を見たような気がする。だが、そんなことを今は気にしている余裕はないので質問を続ける。
 「それじゃあ、こちらからの質問をする。ここから出る方法はあるのか?」
 「ここから出る方法かい?俺が門を作れば・・・・・すぐにでも帰れるよ」
 「門を作る?それはどれくらいかかるんだ?」
 「うーん。そうだな」
 と言って少しすると
 「少し時間がかかるが、問題ない」
 と答えた
 「俺は困るんだが」
 「そうかい?それじゃあ作っている間に君の話しを聞かせてくれないか?」
 「俺の話し?」
 「そう、話題はなんでもいいのさ。最近嬉しかったことや、悩んでいることとかそんなことを話してくれれば構わないよ」
 「それくらいなら構わないが」
 「よし、決まりだな」
 そう言って彼は椅子から立ち上がり外に出ていく。俺もそれに続いて外に出る
 「それじゃあ、君の話しを聞かせてくれ」
 「そうだな。嬉しかったことは妹が俺と同じ高校に入学したことかな」
 「ほう。君には妹さんがいるのか」
 「ああ、俺よりも人と仲良くなるのが早くて器用な妹だよ」
 「仲が良いようだな」
 「さあな。あまり喧嘩はしないことは確かだ」
 「ほう。それで何か困っていることはあるのか?」
 「困っていることか。そうだな──」
 俺はここで、悪夢を見ているとこを言うべきかどうか少し悩んだ。こいつからは異様な気配がするのだが、話していると嫌なやつではないことはわかっているのだが、何故かすぐに悪夢のことを口に出来なかった。
 「どうした?困っていることはないのか?」
 と星空は聞いてくる
 「実はここ最近、変な夢を見るんだ」
 「ほう、変な夢か。どんな夢なんだ?」
「わからないんだ。夢の記憶は起きたらほとんどなくなってしまうから。だけど一つだけ覚えていることがあるとするなら、泣いている女の人の顔ということだな」
 「泣いている女の顔か」
 「あ、あともうひとつ」
 そうだ、なぜこのことを今この瞬間まで・・・・・・・忘れていたのだろうか
 「繰り返してはならないっていうことが聞こえるんだ」
 そこまで言うと、星空の気配が少し変わった
 「繰り返してはならないだと?」
 「そう。それと選択を間違えてはならない。とも言っていたな」
 「選択を間違えてはならない。か」
 そう言った後にこちらを見て
 「君がなぜここに来たのか私には少しだけわかったよ」
 「本当か!?なら教えてくれ!」
 と言ったが彼は
 「それは出来ない。なぜならそれは君自身が決断する時が来るからだ」
 と言って、こちらから目を離した
 「ほら、出来たよ」
 と彼が言うと、そこにはがあった。おかしい、星空はいつ門を作っていた?俺にはただ話しているだけの時間にしか見えなかった。なのにこいつは完成させている。そんな疑問をいだいていると
 「どうした?帰らないのかい?」
 と、急かす・・・ように言ってきた
 「ああ。いや、帰らせてもらうよ」
 俺はそう言って門へと向かった。門についたら星空の方を向いて
 「ありがとう」
 とだけ告げた。星空は
 「構わないよ」
 と答えた
 さっきいた場所へ戻らないところを見ると、ちゃんと帰るまで見送るらしい。俺が門の中へ足を入れると彼は
 「次はちゃんとから入ってくるんだよ」
 と言っていたのが聞こえた。俺は既に門の中へ入っていた
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