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翌朝起きて朝食の準備をしている時だった。何か嫌な感じがする。周囲の気配を探ると、デメルだ。大猫程のデメルが二十メートル程向こう、林の茂みに隠れてこっちを窺っている。
『…ペガサスくん、静かにこっちに来て』
パスで、テントの中で今日の支度をしているペガサス先輩を自分の元に呼び、自分もしゃがんでデメルの視線から逃れる。
『どうしたんですか?』
ペガサス先輩も何事か察したのだろう。パスで応えてオレの元に静かに近づき同じようにしゃがむ。オレが指差すと、ペガサス先輩もデメルに気づいたようだ。
『どうするんですか?』
『…見てて』
オレは手のひらにマテリアルの魔法でエーテルから拳大の水球を造り、それをエフェクトとバフで強化した風でデメルに撃ち出す。
虚を突かれたからだろう。ドスッという音とともに倒れるデメル。
『こ、殺したんですか?』
「…ああ、殺した。魔獣はル・ガインでは害獣だからな。殺したからって何も言われないよ」
「な、何と言うか、凄いですね」
オレがあっさりデメルを殺したことが、もしかしたら冷徹に映ったかもしれない。しかし今日はペガサス先輩にこれをやってもらう。そのためにまず殺してみせたのだ。
本当はペガサス先輩の見本になるように、石をぶつけた方が良かったんだろうが、万が一倒し切れなかった時のことを考えて水球にした。
なぜ水が弱点だと知っているかというと、ホゥボで遠乗りをした時のことだ。ガイドの人に訊いたのだ。「海中にデメルが現れたらどうなるのか?」と。答えは海中にはデメルは現れないというものだった。デメルは水に弱い(濡れたところから血を噴き出す)ので、水を察知する器官があるらしい。それで海中や河川、湖沼には現れないそうだ。
デメルの死体は水に曝されたからだろうか、グズグズになっていた。う~ん朝食前から嫌なものを見てしまった。オレ達は少々鬱になりながらパンとスープの朝食を済ませ、さっさとその場を後にした。デメルの死体には虫達が大量にたかっていた。
朝食の時に今日の目標として、パンナタン遺跡のある街に着くまでに一匹、デメルを倒してもらうと話したからだろうか、自転車を漕いでいても空気が重い。ペガサス先輩も自分が護られてばかりいるわけにもいかない、戦闘力があるにこしたことはないことぐらい分かっているのだろう。
オレ達の自転車旅は林から森に突入していた。
『…ペガサスくん、静かにこっちに来て』
パスで、テントの中で今日の支度をしているペガサス先輩を自分の元に呼び、自分もしゃがんでデメルの視線から逃れる。
『どうしたんですか?』
ペガサス先輩も何事か察したのだろう。パスで応えてオレの元に静かに近づき同じようにしゃがむ。オレが指差すと、ペガサス先輩もデメルに気づいたようだ。
『どうするんですか?』
『…見てて』
オレは手のひらにマテリアルの魔法でエーテルから拳大の水球を造り、それをエフェクトとバフで強化した風でデメルに撃ち出す。
虚を突かれたからだろう。ドスッという音とともに倒れるデメル。
『こ、殺したんですか?』
「…ああ、殺した。魔獣はル・ガインでは害獣だからな。殺したからって何も言われないよ」
「な、何と言うか、凄いですね」
オレがあっさりデメルを殺したことが、もしかしたら冷徹に映ったかもしれない。しかし今日はペガサス先輩にこれをやってもらう。そのためにまず殺してみせたのだ。
本当はペガサス先輩の見本になるように、石をぶつけた方が良かったんだろうが、万が一倒し切れなかった時のことを考えて水球にした。
なぜ水が弱点だと知っているかというと、ホゥボで遠乗りをした時のことだ。ガイドの人に訊いたのだ。「海中にデメルが現れたらどうなるのか?」と。答えは海中にはデメルは現れないというものだった。デメルは水に弱い(濡れたところから血を噴き出す)ので、水を察知する器官があるらしい。それで海中や河川、湖沼には現れないそうだ。
デメルの死体は水に曝されたからだろうか、グズグズになっていた。う~ん朝食前から嫌なものを見てしまった。オレ達は少々鬱になりながらパンとスープの朝食を済ませ、さっさとその場を後にした。デメルの死体には虫達が大量にたかっていた。
朝食の時に今日の目標として、パンナタン遺跡のある街に着くまでに一匹、デメルを倒してもらうと話したからだろうか、自転車を漕いでいても空気が重い。ペガサス先輩も自分が護られてばかりいるわけにもいかない、戦闘力があるにこしたことはないことぐらい分かっているのだろう。
オレ達の自転車旅は林から森に突入していた。
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