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「???????? ???????? ハルアキ・クドー」
俺の前には、名刺を差出し見事なオルドランド語を話す、パンツスーツの女性が立っていた。
さて、ガラス食器五十セット以上となると大事だ。何か日本で商売をしているならともかく、ただの高校生がその量を購入するのは異常である。
そんな事をすれば、家族に怪しまれるだけでなく、近所でも変な噂が立ち、もしかしたらマスコミに漏れるかも知れない。そもそもそれだけの量を購入する日本円が心許ない。どうしたものか。
「で、俺たちに相談してきた訳だ」
昼休み。いつもの階段で祖父江兄妹に現状を説明した。
「工藤にしては珍しく失態だな」
「はあ。俺の目算が甘かったんだよ。平民の普通と、お貴族様の普通では、桁が一つ二つ違っていた」
情けない話だ。
「まあ、一応桂木さんに報告上げてみるよ。工藤はモーハルド以外からの、貴重な情報源だからな。悪いようにはしないだろう」
と祖父江兄はスマホでササッと桂木に報告をしたのだった。
その日の放課後。俺と祖父江兄妹はホテルのカフェにやって来ていた。店内は適度に空いていて、窓際の席ではスーツ姿の男女が語らっていた。その片方が桂木翔真だった。
俺たち三人は桂木たちの席のすぐ隣りの席に座る。丁度俺と桂木が背中合わせになるような感じだ。
「久しぶりだね、工藤くん」
「お久しぶりです、桂木さん」
俺と桂木は、互いに顔を見合わせる事なく、背中向きに話を合わせる。俺と桂木に接点があると、周りに気付かれないようにする為だ。
「困った事になっているんだって?」
「なるべくご迷惑はお掛けしたくなかったのですが」
俺は今回の顛末を説明した。
「確かに、ガラスは高額で取引される商品の一つだからね」
「みたいですね」
「良ければ私が贔屓にしている食器店を紹介しよう。業務店だから大量購入も可能だ。話は私の方から通しておく。お金も立て替えておくよ」
「ありがとうございます。代金は祖父江兄妹にオルドランド金貨で支払います」
「では、そのように」
十分と経たずに話がまとまった。
「すみません、七町さん。こちらから話があってお茶に誘ったのに、急に仕事が入ってしまいました。私はこれで失礼させて貰います」
桂木は席をともにしていた女性に断りを入れると、一人カフェから去っていったのだった。それとともにいくつかの席から立ち、カフェを退出していくグループがある。人気者は大変だ。
しかし桂木、この為だけに時間調整してここに来たのか? まさかね。たまたま時間が空いていたのだろう。
俺たちはカフェで紅茶とケーキを楽しんだ後、カフェを後にした。
「ちょっと良いかしら?」
ホテルのロビーで俺たちに声を掛けてきたのは、桂木と席をともにしていたパンツスーツの女性だった。そして冒頭の会話に戻る。
受け取った名刺には、こう印刷されていた。
内閣府 異世界外交部
七町 可憐
流暢なオルドランド語を話してきた事にも驚いたが、日本政府に異世界外交部なんて部署があった事にも驚いた。
「少しお話良いかしら?」
ニコリと微笑むショートボブの女性。俺の警戒度が上がった。
ロビーのラウンジにある席に、対面で座る。俺以外の、祖父江兄妹も眼前の七町と言う女性も、澄ました顔をしているので、これは打ち合わせ済みだったのだろう。
「異世界からの転生者が、まさか政府関係者として仕事しているとは思いませんでした」
俺の第一声に、七町さんが驚いた顔を見せ、祖父江兄妹に視線を送るが、二人は顔を横に振るばかりだ。
「違いました?」
「何故、そう思ったのですか?」
今度は七町さんの警戒度が上がったように見受けられた。
「あなたのオルドランド語が、流暢過ぎた上に、ほんの少し訛りが入っていたからです。訛りが入っていなければスキルの可能性も考えられましたけど。そして転移者と言うには顔が日本人過ぎる。残るは転生者です」
七町さんは俺の説明に素直に驚いている印象だ。
「成程、桂木さんが一目置く相手であると、褒めるのも頷けます」
へえ。桂木に従わないから、俺の評価は低いと思っていたけど、そうでもなかったんだな。
「その通り。私はあちらの世界からの転生者です」
「はあ、何故日本に転生してきたんですか?」
「たまたまですよ。天使のイタズラです」
便利な言葉だな。天使のイタズラ。まあ、それでも転生を選んだんだ。少なからず向こうの世界が嫌になっていたのだろう。
「それで、政府関係者が俺に何の御用ですか?」
「ふふ。そう警戒しないでください。先程桂木さんも言っていたでしょう? 食器店を紹介すると。車で送りますよ。ここからちょっと遠いですから」
「はあ、それだけですか?」
「まあ、あとは顔繋ぎですかね。有事の際にいきなり現れるよりは良いでしょう?」
有事ねえ。何ともきな臭い。それは異世界に関してなのか、地球に関してなのか。どちらにしてもあまり関わり合いになりたくないが、これも『英雄運』のなせるワザだろうか。俺はニコリと笑顔を七町さんに返す。
「ええ? 政府関係者が俺の活動に協力してくれるんですか? 助かります。ありがとうございます」
わざとらしさを前面に出す俺の態度に、顔が引きつる七町さんだった。
食器の業務店は、俺たちの街から七町さんのSUVで一時間程の所にあった。七町さんの車がSUVな事に少し驚いたが、黒塗りのセダンに乗るよりは目立たないか。
業務店らしく店はそれなりの広さがあり、桂木から店主へ連絡が通っていたのだろう、ガラス食器のセットが百セット、しっかり用意されていた。
「ありがとうございます」
俺は今更隠すのも馬鹿らしくなってきて、俺以外に祖父江兄妹と七町さん、食器店の店主以外いないのを良い事に、その場で『空間庫』に入手したばかりのガラス食器を仕舞い込んていったのだった。
「やはり『空間庫』があると便利ですよねえ」
祖父江兄妹と店主は驚いていたが、七町さんにしたら、昔見慣れた光景だったらしく、腕を組んでウンウン頷いていた。
「今回はありがとうございました」
「いえいえ、こちらこそお役に立てて何よりです」
俺と七町さんはニコニコ笑顔を交わし、互いに頭をペコペコ下げる。
その後、七町さんに家の近くまで送って貰い、俺は車を降りた。
「では、また会いましょう工藤くん」
と祖父江兄妹を乗せて去っていく七町さんのSUVを見送りながら、俺は「もう会いたくないなあ」と心から願っていた。
俺の前には、名刺を差出し見事なオルドランド語を話す、パンツスーツの女性が立っていた。
さて、ガラス食器五十セット以上となると大事だ。何か日本で商売をしているならともかく、ただの高校生がその量を購入するのは異常である。
そんな事をすれば、家族に怪しまれるだけでなく、近所でも変な噂が立ち、もしかしたらマスコミに漏れるかも知れない。そもそもそれだけの量を購入する日本円が心許ない。どうしたものか。
「で、俺たちに相談してきた訳だ」
昼休み。いつもの階段で祖父江兄妹に現状を説明した。
「工藤にしては珍しく失態だな」
「はあ。俺の目算が甘かったんだよ。平民の普通と、お貴族様の普通では、桁が一つ二つ違っていた」
情けない話だ。
「まあ、一応桂木さんに報告上げてみるよ。工藤はモーハルド以外からの、貴重な情報源だからな。悪いようにはしないだろう」
と祖父江兄はスマホでササッと桂木に報告をしたのだった。
その日の放課後。俺と祖父江兄妹はホテルのカフェにやって来ていた。店内は適度に空いていて、窓際の席ではスーツ姿の男女が語らっていた。その片方が桂木翔真だった。
俺たち三人は桂木たちの席のすぐ隣りの席に座る。丁度俺と桂木が背中合わせになるような感じだ。
「久しぶりだね、工藤くん」
「お久しぶりです、桂木さん」
俺と桂木は、互いに顔を見合わせる事なく、背中向きに話を合わせる。俺と桂木に接点があると、周りに気付かれないようにする為だ。
「困った事になっているんだって?」
「なるべくご迷惑はお掛けしたくなかったのですが」
俺は今回の顛末を説明した。
「確かに、ガラスは高額で取引される商品の一つだからね」
「みたいですね」
「良ければ私が贔屓にしている食器店を紹介しよう。業務店だから大量購入も可能だ。話は私の方から通しておく。お金も立て替えておくよ」
「ありがとうございます。代金は祖父江兄妹にオルドランド金貨で支払います」
「では、そのように」
十分と経たずに話がまとまった。
「すみません、七町さん。こちらから話があってお茶に誘ったのに、急に仕事が入ってしまいました。私はこれで失礼させて貰います」
桂木は席をともにしていた女性に断りを入れると、一人カフェから去っていったのだった。それとともにいくつかの席から立ち、カフェを退出していくグループがある。人気者は大変だ。
しかし桂木、この為だけに時間調整してここに来たのか? まさかね。たまたま時間が空いていたのだろう。
俺たちはカフェで紅茶とケーキを楽しんだ後、カフェを後にした。
「ちょっと良いかしら?」
ホテルのロビーで俺たちに声を掛けてきたのは、桂木と席をともにしていたパンツスーツの女性だった。そして冒頭の会話に戻る。
受け取った名刺には、こう印刷されていた。
内閣府 異世界外交部
七町 可憐
流暢なオルドランド語を話してきた事にも驚いたが、日本政府に異世界外交部なんて部署があった事にも驚いた。
「少しお話良いかしら?」
ニコリと微笑むショートボブの女性。俺の警戒度が上がった。
ロビーのラウンジにある席に、対面で座る。俺以外の、祖父江兄妹も眼前の七町と言う女性も、澄ました顔をしているので、これは打ち合わせ済みだったのだろう。
「異世界からの転生者が、まさか政府関係者として仕事しているとは思いませんでした」
俺の第一声に、七町さんが驚いた顔を見せ、祖父江兄妹に視線を送るが、二人は顔を横に振るばかりだ。
「違いました?」
「何故、そう思ったのですか?」
今度は七町さんの警戒度が上がったように見受けられた。
「あなたのオルドランド語が、流暢過ぎた上に、ほんの少し訛りが入っていたからです。訛りが入っていなければスキルの可能性も考えられましたけど。そして転移者と言うには顔が日本人過ぎる。残るは転生者です」
七町さんは俺の説明に素直に驚いている印象だ。
「成程、桂木さんが一目置く相手であると、褒めるのも頷けます」
へえ。桂木に従わないから、俺の評価は低いと思っていたけど、そうでもなかったんだな。
「その通り。私はあちらの世界からの転生者です」
「はあ、何故日本に転生してきたんですか?」
「たまたまですよ。天使のイタズラです」
便利な言葉だな。天使のイタズラ。まあ、それでも転生を選んだんだ。少なからず向こうの世界が嫌になっていたのだろう。
「それで、政府関係者が俺に何の御用ですか?」
「ふふ。そう警戒しないでください。先程桂木さんも言っていたでしょう? 食器店を紹介すると。車で送りますよ。ここからちょっと遠いですから」
「はあ、それだけですか?」
「まあ、あとは顔繋ぎですかね。有事の際にいきなり現れるよりは良いでしょう?」
有事ねえ。何ともきな臭い。それは異世界に関してなのか、地球に関してなのか。どちらにしてもあまり関わり合いになりたくないが、これも『英雄運』のなせるワザだろうか。俺はニコリと笑顔を七町さんに返す。
「ええ? 政府関係者が俺の活動に協力してくれるんですか? 助かります。ありがとうございます」
わざとらしさを前面に出す俺の態度に、顔が引きつる七町さんだった。
食器の業務店は、俺たちの街から七町さんのSUVで一時間程の所にあった。七町さんの車がSUVな事に少し驚いたが、黒塗りのセダンに乗るよりは目立たないか。
業務店らしく店はそれなりの広さがあり、桂木から店主へ連絡が通っていたのだろう、ガラス食器のセットが百セット、しっかり用意されていた。
「ありがとうございます」
俺は今更隠すのも馬鹿らしくなってきて、俺以外に祖父江兄妹と七町さん、食器店の店主以外いないのを良い事に、その場で『空間庫』に入手したばかりのガラス食器を仕舞い込んていったのだった。
「やはり『空間庫』があると便利ですよねえ」
祖父江兄妹と店主は驚いていたが、七町さんにしたら、昔見慣れた光景だったらしく、腕を組んでウンウン頷いていた。
「今回はありがとうございました」
「いえいえ、こちらこそお役に立てて何よりです」
俺と七町さんはニコニコ笑顔を交わし、互いに頭をペコペコ下げる。
その後、七町さんに家の近くまで送って貰い、俺は車を降りた。
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