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激戦明けて
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「ああ、酷い目にあった……」
巨樹のダンジョンを周回した俺たちは、深夜にくたくたになって安全地帯の町の宿屋に戻って来た。まさかあそこまで巨大クワガタの出現率が低いとは思わなかった。『記録』持ちだけど、何回周回したか思い出したくもない。自室に帰ってきた俺は、ベッドに倒れ込むと、気絶するように眠りに落ちたのだった。
「おはよう」
翌朝、あれだけ疲れて眠ったと言うのに、パチッと目が覚めた俺は、シャキッとした顔で一階の食堂へと下りてきた。
朝の食堂はがらんとしていて、バヨネッタさんなど昨日の面子はまだ寝ているらしく、起きて朝食を摂っていたのは、ダイザーロくんとカッテナさんだけだった。武田さんは普通に寝坊かな?
「おはようございます」
「おはようございます」
同じ卓に着くと、二人があいさつしてくれ、骸骨のウエイトレスさんが注文を取りにくる。
「朝食セットを」
俺が頼めば、ウエイトレスさんが頷いて、厨房に戻っていく。
「二人はもうレベル五十に達した感じ?」
俺が尋ねれば、丁度パンを口に含んでいる二人が首を横に振るう。
「どうやらレベル四十九からレベル五十に上がるには、相当な経験値が必要らしく、昨日一日では上がりませんでしたね」
パンをミルクで嚥下したダイザーロくんが教えてくれた。そうなのか。まあ、普通はレベル五十が上限だしなあ。俺たちはゼラン仙者の金丹のお陰で上限解放出来るけど。
「武田さんは今レベルいくつ?」
「四十九になりました」
「…………マジで?」
頭に?マークを浮かべる俺に、カッテナさんが教えてくれた。どうやら昨日の闘技場は勝ち抜き戦をやっていたらしい。誰がどれだけ勝ち抜けるかを賭けにしていたそうだ。それで武田さんは破竹の勢いで勝ち続け、何でも二十七連勝と言う連勝記録を打ち立てたそうだ。
「それで疲れてまだ寝ているんだ」
「そうです。逆にハルアキ様こそ、ダンジョンを周回させられて、疲れとか残っていないんですか?」
二人からの生暖かい同情の視線。きっと自分たちと同じ事をさせられたんだろうなあ。と思っているんだろう。
「なんか逆にテンション高くなっていたのか、目が覚めちゃってさ」
丁度パンにベーコンエッグ、ポタージュ、サラダにミルクの朝食セットが来たところで、初めから昨日あった事を詳らかに話す。
「へえ。あのダンジョンボスに、ハメ技があったんですね」
朝食を食べ終わった二人は、俺の話に聞き入る。結局カブトにもあのハメ技が効いたので、ラッキーだった。と言えるかな。
「ハメ技って言っても、ダイザーロくんはどうだろう? 俺とバヨネッタさん、ミカリー卿は結界が使えるし、デムレイさんは『岩鎧』で耐えられるし」
カッテナさんには『反発』のギフトに『縮小』のスキルがあるから、それで耐えられそうだし、武田さんはヒカルの結界がある。
「ああ、それは確かに。俺だとあの巨体に追い掛け回されるのがオチですね」
でもこれって複数人パーティでのハメ技だよなあ。などと話しながら朝食を終えたところで、バヨネッタさんたちが二階から下りてきた。
「おはようございます」
バヨネッタさん、ミカリー卿、デムレイさん、リットーさんと、強者揃い踏みで、バヨネッタさんは俺とカッテナさんの間に座り、それ以外の面子は隣りの卓に着席し、リットーさんが即行で朝からステーキを注文する中、他の面子は俺たちと同じく朝食セットを注文する。
「今日も行くわよ」
でしょうね。ハメ技が確立しているダンジョンなんて、経験値稼ぎの穴場でしかないもんな。
「やめた方が良いですよ」
「何でよ? カヌスからの課題だし、ハルアキたちをさっさとレベル五十にしたいんだけど」
俺たちを思ってなのか。それは嬉しいけど、
「相手はあのカヌスですからね。恐らくもう対応しているかと」
実際のゲームでも、ハメ技系が発覚すると、運営がナーフするなりテコ入れするなりするからなあ。しかも相手は意地の悪いカヌスだ。あの初級である巨樹のダンジョンのボスも、既に設定を変えているだろう。
「成程ね。確かにその可能性は高いか」
「となると、別のダンジョンか。ちょっと距離が遠くなるのがな。町から遠くなるほど、フィールドの魔物が強くなるんだよなあ」
デムレイさん的には、そこが嫌であるらしい。
「ダンジョンに行くだけなら、俺も転移が出来ますし、武田さんの『転置』もありますし、既知の場所ならバヨネッタさんの転移扉もありますけど?」
俺の言に、思い当たらなかった。とでも言いたげに、ぽかんと口を開けるデムレイさん。そして我に返るなりキッとバヨネッタさんを睨む。
「フィールドを進んだ方が、経験値が入るでしょう」
デムレイさんの鋭い視線を、肩を竦めてスルーするバヨネッタさん。
「だがまあ、道中の魔物も洒落にならないものもいるからねえ。出来るならダンジョンまで直行したいところだね。ダンジョンまで時間短縮にもなるしね」
とミカリー卿も転移でダンジョンに行くのに賛成のようだ。
「どうせなら、今日は全員で行くか!?」
朝から元気なリットーさんが、八人全員でダンジョンに行く事を提案する。
「闘技場は良いんですか?」
「うむ! 他の領地から闘士が押し寄せていてな! エントリーも難しく、レベル上げの効率が落ちていて、どうしたものかと思案していたところだったのだ!」
ああ、ダイザーロくんがそんな事を言っていたな。それならダンジョン行った方が経験値が稼げるか。
「全員で行くのは良いですけど、その前に交換所に行って良いですか? 昨日手に入ったアイテム類を交換しておきたいし、交換所にどんなアイテムがあるのか知っておきたいので」
俺の言に全員が頷く。あそこ、意外と掘り出し物が眠っていそうなんだよなあ。
「おはよ~ッス……」
朝食も終わり、全員の意思統一が終わったところで、二階から眠そうな武田さんが下りてきた。
巨樹のダンジョンを周回した俺たちは、深夜にくたくたになって安全地帯の町の宿屋に戻って来た。まさかあそこまで巨大クワガタの出現率が低いとは思わなかった。『記録』持ちだけど、何回周回したか思い出したくもない。自室に帰ってきた俺は、ベッドに倒れ込むと、気絶するように眠りに落ちたのだった。
「おはよう」
翌朝、あれだけ疲れて眠ったと言うのに、パチッと目が覚めた俺は、シャキッとした顔で一階の食堂へと下りてきた。
朝の食堂はがらんとしていて、バヨネッタさんなど昨日の面子はまだ寝ているらしく、起きて朝食を摂っていたのは、ダイザーロくんとカッテナさんだけだった。武田さんは普通に寝坊かな?
「おはようございます」
「おはようございます」
同じ卓に着くと、二人があいさつしてくれ、骸骨のウエイトレスさんが注文を取りにくる。
「朝食セットを」
俺が頼めば、ウエイトレスさんが頷いて、厨房に戻っていく。
「二人はもうレベル五十に達した感じ?」
俺が尋ねれば、丁度パンを口に含んでいる二人が首を横に振るう。
「どうやらレベル四十九からレベル五十に上がるには、相当な経験値が必要らしく、昨日一日では上がりませんでしたね」
パンをミルクで嚥下したダイザーロくんが教えてくれた。そうなのか。まあ、普通はレベル五十が上限だしなあ。俺たちはゼラン仙者の金丹のお陰で上限解放出来るけど。
「武田さんは今レベルいくつ?」
「四十九になりました」
「…………マジで?」
頭に?マークを浮かべる俺に、カッテナさんが教えてくれた。どうやら昨日の闘技場は勝ち抜き戦をやっていたらしい。誰がどれだけ勝ち抜けるかを賭けにしていたそうだ。それで武田さんは破竹の勢いで勝ち続け、何でも二十七連勝と言う連勝記録を打ち立てたそうだ。
「それで疲れてまだ寝ているんだ」
「そうです。逆にハルアキ様こそ、ダンジョンを周回させられて、疲れとか残っていないんですか?」
二人からの生暖かい同情の視線。きっと自分たちと同じ事をさせられたんだろうなあ。と思っているんだろう。
「なんか逆にテンション高くなっていたのか、目が覚めちゃってさ」
丁度パンにベーコンエッグ、ポタージュ、サラダにミルクの朝食セットが来たところで、初めから昨日あった事を詳らかに話す。
「へえ。あのダンジョンボスに、ハメ技があったんですね」
朝食を食べ終わった二人は、俺の話に聞き入る。結局カブトにもあのハメ技が効いたので、ラッキーだった。と言えるかな。
「ハメ技って言っても、ダイザーロくんはどうだろう? 俺とバヨネッタさん、ミカリー卿は結界が使えるし、デムレイさんは『岩鎧』で耐えられるし」
カッテナさんには『反発』のギフトに『縮小』のスキルがあるから、それで耐えられそうだし、武田さんはヒカルの結界がある。
「ああ、それは確かに。俺だとあの巨体に追い掛け回されるのがオチですね」
でもこれって複数人パーティでのハメ技だよなあ。などと話しながら朝食を終えたところで、バヨネッタさんたちが二階から下りてきた。
「おはようございます」
バヨネッタさん、ミカリー卿、デムレイさん、リットーさんと、強者揃い踏みで、バヨネッタさんは俺とカッテナさんの間に座り、それ以外の面子は隣りの卓に着席し、リットーさんが即行で朝からステーキを注文する中、他の面子は俺たちと同じく朝食セットを注文する。
「今日も行くわよ」
でしょうね。ハメ技が確立しているダンジョンなんて、経験値稼ぎの穴場でしかないもんな。
「やめた方が良いですよ」
「何でよ? カヌスからの課題だし、ハルアキたちをさっさとレベル五十にしたいんだけど」
俺たちを思ってなのか。それは嬉しいけど、
「相手はあのカヌスですからね。恐らくもう対応しているかと」
実際のゲームでも、ハメ技系が発覚すると、運営がナーフするなりテコ入れするなりするからなあ。しかも相手は意地の悪いカヌスだ。あの初級である巨樹のダンジョンのボスも、既に設定を変えているだろう。
「成程ね。確かにその可能性は高いか」
「となると、別のダンジョンか。ちょっと距離が遠くなるのがな。町から遠くなるほど、フィールドの魔物が強くなるんだよなあ」
デムレイさん的には、そこが嫌であるらしい。
「ダンジョンに行くだけなら、俺も転移が出来ますし、武田さんの『転置』もありますし、既知の場所ならバヨネッタさんの転移扉もありますけど?」
俺の言に、思い当たらなかった。とでも言いたげに、ぽかんと口を開けるデムレイさん。そして我に返るなりキッとバヨネッタさんを睨む。
「フィールドを進んだ方が、経験値が入るでしょう」
デムレイさんの鋭い視線を、肩を竦めてスルーするバヨネッタさん。
「だがまあ、道中の魔物も洒落にならないものもいるからねえ。出来るならダンジョンまで直行したいところだね。ダンジョンまで時間短縮にもなるしね」
とミカリー卿も転移でダンジョンに行くのに賛成のようだ。
「どうせなら、今日は全員で行くか!?」
朝から元気なリットーさんが、八人全員でダンジョンに行く事を提案する。
「闘技場は良いんですか?」
「うむ! 他の領地から闘士が押し寄せていてな! エントリーも難しく、レベル上げの効率が落ちていて、どうしたものかと思案していたところだったのだ!」
ああ、ダイザーロくんがそんな事を言っていたな。それならダンジョン行った方が経験値が稼げるか。
「全員で行くのは良いですけど、その前に交換所に行って良いですか? 昨日手に入ったアイテム類を交換しておきたいし、交換所にどんなアイテムがあるのか知っておきたいので」
俺の言に全員が頷く。あそこ、意外と掘り出し物が眠っていそうなんだよなあ。
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