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ACT-21
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「空間転移魔法って便利だね~、一瞬で行きたい場所に行けるから」
「本当なら、莫大な魔力を消費するらしいのですが、俺には関係ないみたいです」
「まぁ、無尽蔵の魔力の持ち主だからね」
二人は、街から離れた荒野に来ていた。
「ここなら、思う存分に戦うことができるはずだよ」
「一応、保険も用意しておきます」
「よろしく」
健太郎は創造魔法を使い、ドーム状の空間を作り出した。
「分かっているとは思うけど、実戦形式でやる以上、お互いに手加減は不要だよ」
「ですね、俺も本気でぶつからせていただきます!」
二人は距離を置き、戦闘態勢に入った。
(師匠は読心術を持っているから、こちらの考えは全て筒抜けになるはず、いかにあのスキルを攻略するかで、勝敗が決まる)
「おーい! 準備はいいー!」
「準備OKです! いつでも始めて下さい!」
「それじゃあ、先手はもらうよ!」
翔は猛スピードで間合いを詰め、健太郎に攻撃を仕掛けた。だが、物理反射のスキルにより、攻撃は全て自分へと跳ね返ってきた。
「甘い!」
「…っ!?」
翔は攻撃が反射するタイミングを見計らって、カウンター魔法を発動させた。
反射が発動し、ロスタイムができたことで、健太郎の懐には隙が生じた。
「全部まとめて、そっちに返す!」
カウンター魔法に使用された魔力を利用して、健太郎は魔術反射を発動させた。
しかし、間一髪で翔が回避し、強大な魔力を帯びた攻撃は、後ろの方へと飛んでいった。
「やっぱり、一筋縄じゃあいかないか」
「二日だけとはいえ、戦闘には慣れましたから」
「言うじゃない」
二人は不敵な笑みを浮かべる。
(俺の基本戦法は、まず、鑑定スキルで相手の情報を得て、そこから勝利の方程式を導き出すもの。だが、スキル 聖女の宣告によれば、鑑定スキルを使用した際に、情報を集めるのに数秒かかるらしい。師匠ともなれば、ステータス情報を抜き出すのに、数分はかかりそうだ。それだけの時間、あの人が待つわけがない)
「考えてばかりじゃあ、戦いには勝てないよ!」
「うっ!」
翔が間髪いれずに攻撃を仕掛ける。
「それぐらい、分かってますよ…」
「反射しない!? まさか!?」
健太郎は、空中で静止している翔の足を掴み、思いっきり地面に叩きつけた。
「ぐわぁ!!」
「だから! 体と頭を両方使う!」
翔の読心術は、相手と眼を合わせることで発動する。だがしかし、地面に叩きつけられた衝撃で、頭から流血し、眼がうまく見えなくなってしまった。
(前が見えない! この場は一旦引かないと!)
「逃がさない!」
スキル零秒行動で、翔が動こうとした瞬間に、空高く蹴り上げた。
(まずい! これじゃあ態勢を整えられない!)
「この一撃で決める!」
健太郎は拳に膨大な魔力を乗せ、一気に空へと撃ち放った。
「やったか!?」
攻撃は見事に当たったと思われたが、実際には…。
「爪が甘かったみたいだね」
(あの攻撃が当たる直前に、避けたのか!?)
どうやら、翔は攻撃が当たる前に、自身の瞬間移動のスキルを使っていたらしい。
(さすが師匠、こちらの手の内は、全て読んでいるみたいだ)
(危なかった~。並列思考を使っている、今の彼を出し抜くことができて、本当によかったよ)
二人は一度距離をとり、態勢を整える。
(スキルを増やす修行をしている時、彼の鑑定スキルを使い、食材から取れるスキルを教えてもらい、僕の見切りで、彼のスキルを選別したのだが…。あまりにも強すぎるよ!! 僕、負けちゃいそうだよ!!)
「今度はこちらから攻めさせていただきます!」
翔は血を拭き取り、健太郎の攻撃に備えた。
(今の彼は、今までの彼とは違う。戦闘経験が浅いという弱点も克服して、ワンランクアップしている。弟子だと思って優しくしていると、寝首をかかれる。ここは全力で逃げる!)
「出てこい! 神魔剣エクスカリバー!」
健太郎は神魔剣エクスカリバーに魔力を注ぎ込み、零秒行動で翔の間合いに入った。
「しっかりガードして下さいよ!!」
「ガードなんかしたら、間違いなく死んじゃうよ!」
「いっけー!!!!」
健太郎は神魔剣エクスカリバーに溜め込んだ魔力を、全て放出した。
(剣からビーム出た! こんなの喰らったら、間違いなく、あの世に行く…。…絶対に避けないと!)
翔は全速力でドームから逃げ出した。
しかし、ビームが地面に着地した瞬間、蓄積された魔力が一気に爆発して、爆風に翔は巻き込まれてしまった。
(ヤバイ!! ドームが吹き飛んだ!! これって!!)
勢いよくドームを吹き飛ばした爆炎は、外の世界に放たれた。
爆炎は止まることを知らず、外の世界を炎で焼き払い、地上のあらゆるものを消し炭にした。
急いで健太郎が事実無効化で、地上を元に戻すが、すでに遅く、翔は力尽きていた。
(今日の戦いで、一つだけ分かったことがある…。"彼を相手にしてはいけない"…)
「師匠ー!! しっかりして下さい、師匠ー!!」
今回の件を境に、翔は健太郎と戦おうとは、二度と思わなくなったらしい。
「本当なら、莫大な魔力を消費するらしいのですが、俺には関係ないみたいです」
「まぁ、無尽蔵の魔力の持ち主だからね」
二人は、街から離れた荒野に来ていた。
「ここなら、思う存分に戦うことができるはずだよ」
「一応、保険も用意しておきます」
「よろしく」
健太郎は創造魔法を使い、ドーム状の空間を作り出した。
「分かっているとは思うけど、実戦形式でやる以上、お互いに手加減は不要だよ」
「ですね、俺も本気でぶつからせていただきます!」
二人は距離を置き、戦闘態勢に入った。
(師匠は読心術を持っているから、こちらの考えは全て筒抜けになるはず、いかにあのスキルを攻略するかで、勝敗が決まる)
「おーい! 準備はいいー!」
「準備OKです! いつでも始めて下さい!」
「それじゃあ、先手はもらうよ!」
翔は猛スピードで間合いを詰め、健太郎に攻撃を仕掛けた。だが、物理反射のスキルにより、攻撃は全て自分へと跳ね返ってきた。
「甘い!」
「…っ!?」
翔は攻撃が反射するタイミングを見計らって、カウンター魔法を発動させた。
反射が発動し、ロスタイムができたことで、健太郎の懐には隙が生じた。
「全部まとめて、そっちに返す!」
カウンター魔法に使用された魔力を利用して、健太郎は魔術反射を発動させた。
しかし、間一髪で翔が回避し、強大な魔力を帯びた攻撃は、後ろの方へと飛んでいった。
「やっぱり、一筋縄じゃあいかないか」
「二日だけとはいえ、戦闘には慣れましたから」
「言うじゃない」
二人は不敵な笑みを浮かべる。
(俺の基本戦法は、まず、鑑定スキルで相手の情報を得て、そこから勝利の方程式を導き出すもの。だが、スキル 聖女の宣告によれば、鑑定スキルを使用した際に、情報を集めるのに数秒かかるらしい。師匠ともなれば、ステータス情報を抜き出すのに、数分はかかりそうだ。それだけの時間、あの人が待つわけがない)
「考えてばかりじゃあ、戦いには勝てないよ!」
「うっ!」
翔が間髪いれずに攻撃を仕掛ける。
「それぐらい、分かってますよ…」
「反射しない!? まさか!?」
健太郎は、空中で静止している翔の足を掴み、思いっきり地面に叩きつけた。
「ぐわぁ!!」
「だから! 体と頭を両方使う!」
翔の読心術は、相手と眼を合わせることで発動する。だがしかし、地面に叩きつけられた衝撃で、頭から流血し、眼がうまく見えなくなってしまった。
(前が見えない! この場は一旦引かないと!)
「逃がさない!」
スキル零秒行動で、翔が動こうとした瞬間に、空高く蹴り上げた。
(まずい! これじゃあ態勢を整えられない!)
「この一撃で決める!」
健太郎は拳に膨大な魔力を乗せ、一気に空へと撃ち放った。
「やったか!?」
攻撃は見事に当たったと思われたが、実際には…。
「爪が甘かったみたいだね」
(あの攻撃が当たる直前に、避けたのか!?)
どうやら、翔は攻撃が当たる前に、自身の瞬間移動のスキルを使っていたらしい。
(さすが師匠、こちらの手の内は、全て読んでいるみたいだ)
(危なかった~。並列思考を使っている、今の彼を出し抜くことができて、本当によかったよ)
二人は一度距離をとり、態勢を整える。
(スキルを増やす修行をしている時、彼の鑑定スキルを使い、食材から取れるスキルを教えてもらい、僕の見切りで、彼のスキルを選別したのだが…。あまりにも強すぎるよ!! 僕、負けちゃいそうだよ!!)
「今度はこちらから攻めさせていただきます!」
翔は血を拭き取り、健太郎の攻撃に備えた。
(今の彼は、今までの彼とは違う。戦闘経験が浅いという弱点も克服して、ワンランクアップしている。弟子だと思って優しくしていると、寝首をかかれる。ここは全力で逃げる!)
「出てこい! 神魔剣エクスカリバー!」
健太郎は神魔剣エクスカリバーに魔力を注ぎ込み、零秒行動で翔の間合いに入った。
「しっかりガードして下さいよ!!」
「ガードなんかしたら、間違いなく死んじゃうよ!」
「いっけー!!!!」
健太郎は神魔剣エクスカリバーに溜め込んだ魔力を、全て放出した。
(剣からビーム出た! こんなの喰らったら、間違いなく、あの世に行く…。…絶対に避けないと!)
翔は全速力でドームから逃げ出した。
しかし、ビームが地面に着地した瞬間、蓄積された魔力が一気に爆発して、爆風に翔は巻き込まれてしまった。
(ヤバイ!! ドームが吹き飛んだ!! これって!!)
勢いよくドームを吹き飛ばした爆炎は、外の世界に放たれた。
爆炎は止まることを知らず、外の世界を炎で焼き払い、地上のあらゆるものを消し炭にした。
急いで健太郎が事実無効化で、地上を元に戻すが、すでに遅く、翔は力尽きていた。
(今日の戦いで、一つだけ分かったことがある…。"彼を相手にしてはいけない"…)
「師匠ー!! しっかりして下さい、師匠ー!!」
今回の件を境に、翔は健太郎と戦おうとは、二度と思わなくなったらしい。
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