41 / 52
ACT-40
しおりを挟む
魔王軍アラクネ隊に所属している悪魔は思った。
(ボスがやられた今、私たちに残された手段は、エルフの奴隷たちを盾にして逃げること。魔王軍幹部に匹敵する力を持っていたボスを倒すなんて、そんな馬鹿げた力を持つ敵を相手にすることはない…。今は逃げることだけに集中しないといけない)
アラクネが倒され、ボス代理を担った悪魔の名は、カリーナ。
彼女はアラクネ隊の参謀として隊に尽力してきたが、カリスマ性がなく、イマイチ隊をまとめきれていなかった。
強さは下級悪魔よりもましな方で、優れた叡知を持っている。
そんな彼女は、現在△△から逃げようとしていた。
(よし、この通路からの脱出が上手くいけば、追ってはもう付いてはこれないはず…)
「お~い、何処に逃げる気だ!」
「えっ!? どうして、私たちの場所が!?」
カリーナは驚いた表情を浮かべる。
何せ、完璧だと思われた作戦が破られたからだ。
健太郎とシルルは上空から、得意気な顔をしながら、魔王軍一行を見下ろしていた。
「お前ら単純だな、リスクを背負うのが嫌で、竜極の滝を選んで逃げるんだから」
「単純? 何を言っているの、この作戦は兵力を減らすことなく、奴隷たちも連れて帰ることができる、研ぎ澄まされた至高の作戦なのよ」
(自分で言っちゃうんだ…)
健太郎は呆れながら、魔王軍のもとに降りる。
「なんで、私たちのいる場所が分かったの」
「それはだなーーーーー」
ザッーー!!
「そう思った俺はーーーーー」
ザッーー!!
(どうしよう、滝の音がスゴすぎて、何を言っているのか全く分からない…)
「ーーーーーこうして、お前らのいる場所が分かったんだ」
「へぇ~、そうなんだ…」
推理を的中させ、ドヤ顔を決める健太郎を見て、カリーナは何とも言えない気分になった。
(もしかして、彼がボスを倒したの? いや、こんな痩せ男にボスがやられるわけがない。だとすると、上空でこちらのことを見ている竜がそうなのかも。何にせよ、生存するために戦わないといけないのなら、相手は関係ない。ただ、全力で潰すだけ!)
カリーナは前進し、健太郎に攻撃を仕掛けようとする。
(私が持つ、全身全霊の魔力を込めた一撃を、一発お見舞いしてやる。下級悪魔レベルだと思って油断していたら、寝首をかかれることを思い知らせてあげる)
カリーナは魔力をじっと溜め、戦闘体勢に入る。
「シルル! そろそろ、準備はできたか!」
「いつでもOKだよ~」
(準備? 何かを企んでいるの?)
一匹の悪魔は、悩み続けるのであった。
(ボスがやられた今、私たちに残された手段は、エルフの奴隷たちを盾にして逃げること。魔王軍幹部に匹敵する力を持っていたボスを倒すなんて、そんな馬鹿げた力を持つ敵を相手にすることはない…。今は逃げることだけに集中しないといけない)
アラクネが倒され、ボス代理を担った悪魔の名は、カリーナ。
彼女はアラクネ隊の参謀として隊に尽力してきたが、カリスマ性がなく、イマイチ隊をまとめきれていなかった。
強さは下級悪魔よりもましな方で、優れた叡知を持っている。
そんな彼女は、現在△△から逃げようとしていた。
(よし、この通路からの脱出が上手くいけば、追ってはもう付いてはこれないはず…)
「お~い、何処に逃げる気だ!」
「えっ!? どうして、私たちの場所が!?」
カリーナは驚いた表情を浮かべる。
何せ、完璧だと思われた作戦が破られたからだ。
健太郎とシルルは上空から、得意気な顔をしながら、魔王軍一行を見下ろしていた。
「お前ら単純だな、リスクを背負うのが嫌で、竜極の滝を選んで逃げるんだから」
「単純? 何を言っているの、この作戦は兵力を減らすことなく、奴隷たちも連れて帰ることができる、研ぎ澄まされた至高の作戦なのよ」
(自分で言っちゃうんだ…)
健太郎は呆れながら、魔王軍のもとに降りる。
「なんで、私たちのいる場所が分かったの」
「それはだなーーーーー」
ザッーー!!
「そう思った俺はーーーーー」
ザッーー!!
(どうしよう、滝の音がスゴすぎて、何を言っているのか全く分からない…)
「ーーーーーこうして、お前らのいる場所が分かったんだ」
「へぇ~、そうなんだ…」
推理を的中させ、ドヤ顔を決める健太郎を見て、カリーナは何とも言えない気分になった。
(もしかして、彼がボスを倒したの? いや、こんな痩せ男にボスがやられるわけがない。だとすると、上空でこちらのことを見ている竜がそうなのかも。何にせよ、生存するために戦わないといけないのなら、相手は関係ない。ただ、全力で潰すだけ!)
カリーナは前進し、健太郎に攻撃を仕掛けようとする。
(私が持つ、全身全霊の魔力を込めた一撃を、一発お見舞いしてやる。下級悪魔レベルだと思って油断していたら、寝首をかかれることを思い知らせてあげる)
カリーナは魔力をじっと溜め、戦闘体勢に入る。
「シルル! そろそろ、準備はできたか!」
「いつでもOKだよ~」
(準備? 何かを企んでいるの?)
一匹の悪魔は、悩み続けるのであった。
0
あなたにおすすめの小説
冷遇された聖女の結末
菜花
恋愛
異世界を救う聖女だと冷遇された毛利ラナ。けれど魔力慣らしの旅に出た途端に豹変する同行者達。彼らは同行者の一人のセレスティアを称えラナを貶める。知り合いもいない世界で心がすり減っていくラナ。彼女の迎える結末は――。
本編にプラスしていくつかのifルートがある長編。
カクヨムにも同じ作品を投稿しています。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ここは少女マンガの世界みたいだけど、そんなこと知ったこっちゃない
ゆーぞー
ファンタジー
気がつけば昔読んだ少女マンガの世界だった。マンガの通りなら決して幸せにはなれない。そんなわけにはいかない。自分が幸せになるためにやれることをやっていこう。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる