43 / 52
ACT-42
しおりを挟む
シュュュウ……………
健太郎が放ったデコピンは、カリーナを含むアラクネ隊の部下を、全て吹き飛ばした。
(これで、よかったんだ…。俺はエルフたちを助け、魔王軍を討伐した…。何一つ間違ってことはしてない…けど、クロムウェルの姿になってから、誰かを壊すのが楽しいと思い始めている。この気持ちは、形容しがたいモノになってきている。自分は正義の味方なのか、魔王軍の奴らと同じ不義の味方なのか、価値観の認識が曖昧になってきて、自分が何を成すためにこの世界に来たのか、分からなくなってきた)
「ご主人様ーー!!」
飛行しているシルルに抱き抱えられたシエラが、シャロを連れて、健太郎の方にやって来た。
「二人とも、どうしたんだ?」
「ご主人様が心配で、居ても立ってもいられなくなって、つい来てしまいました」
「どうやら、魔王軍は片付けたみたいね」
「エルフの里の皆さんは、無事に救出できましたか」
「あぁ、それなら、あそこで縛られているよ」
「ご主人様? 顔色が悪いですよ。本当に大丈夫ですか?」
「いや、ちょっとな…」
ギュッ!
シエラは健太郎の手を包み込むように握った。
「どうした、シエラ!?」
「私はご主人様と、どんな時も一緒にいます。もし、ご主人様が何処か遠くに行ってしまっても、私がご主人様のことを必ず迎えに行きます。なので、安心して下さい」
「はは、どういう意味だよ」
シエラはニコッと笑い、健太郎の中にあるモヤモヤを払った。
(俺は誰かに助けられてばかりだな…)「シエラ! 早くエルフの里の皆を助けてやってくれ」
「了解しました!」
健太郎が指差した方向に、シエラとシャロが向かうと、目と手の自由を縄により制限されたエルフたちがいた。
ビリビリ…
シエラは刀で縄を切り、エルフたちを解放する。
「皆さん安心してください、私たちが助けに来ましたよ」
「貴方たちは?」
(あれ、シャロさんもいるのに、何で不安そうな表情をしているんだろう?)
「私たちと同じエルフがいるようですが、どちら様ですか?」
エルフたちは虚ろな目をして、二人に問いかけた。
「どういうことですか、シャロさん。シャロさんはエルフの里の皆を助けると言っていたから、知り合いだと思ってました」
「それは……今は言えないわ」
「シャロさん…」
シエラの心配そうな顔を見たシャロは、とっさに目をそらしてしまった。
「ほら、早く他の人たちも助けるわよ」
「シャロさん、待ってください!」
「何よ?」
「何か私たちに隠していませんか?」
「何も隠してないわよ…」
「嘘です! 何か絶対に隠してます!」
「分かったわよ。エルフの皆を助けたら、ちゃんと教えてあげるわよ」
シャロは黒い闇を潜めながら、黙々と作業を進めた。
健太郎が放ったデコピンは、カリーナを含むアラクネ隊の部下を、全て吹き飛ばした。
(これで、よかったんだ…。俺はエルフたちを助け、魔王軍を討伐した…。何一つ間違ってことはしてない…けど、クロムウェルの姿になってから、誰かを壊すのが楽しいと思い始めている。この気持ちは、形容しがたいモノになってきている。自分は正義の味方なのか、魔王軍の奴らと同じ不義の味方なのか、価値観の認識が曖昧になってきて、自分が何を成すためにこの世界に来たのか、分からなくなってきた)
「ご主人様ーー!!」
飛行しているシルルに抱き抱えられたシエラが、シャロを連れて、健太郎の方にやって来た。
「二人とも、どうしたんだ?」
「ご主人様が心配で、居ても立ってもいられなくなって、つい来てしまいました」
「どうやら、魔王軍は片付けたみたいね」
「エルフの里の皆さんは、無事に救出できましたか」
「あぁ、それなら、あそこで縛られているよ」
「ご主人様? 顔色が悪いですよ。本当に大丈夫ですか?」
「いや、ちょっとな…」
ギュッ!
シエラは健太郎の手を包み込むように握った。
「どうした、シエラ!?」
「私はご主人様と、どんな時も一緒にいます。もし、ご主人様が何処か遠くに行ってしまっても、私がご主人様のことを必ず迎えに行きます。なので、安心して下さい」
「はは、どういう意味だよ」
シエラはニコッと笑い、健太郎の中にあるモヤモヤを払った。
(俺は誰かに助けられてばかりだな…)「シエラ! 早くエルフの里の皆を助けてやってくれ」
「了解しました!」
健太郎が指差した方向に、シエラとシャロが向かうと、目と手の自由を縄により制限されたエルフたちがいた。
ビリビリ…
シエラは刀で縄を切り、エルフたちを解放する。
「皆さん安心してください、私たちが助けに来ましたよ」
「貴方たちは?」
(あれ、シャロさんもいるのに、何で不安そうな表情をしているんだろう?)
「私たちと同じエルフがいるようですが、どちら様ですか?」
エルフたちは虚ろな目をして、二人に問いかけた。
「どういうことですか、シャロさん。シャロさんはエルフの里の皆を助けると言っていたから、知り合いだと思ってました」
「それは……今は言えないわ」
「シャロさん…」
シエラの心配そうな顔を見たシャロは、とっさに目をそらしてしまった。
「ほら、早く他の人たちも助けるわよ」
「シャロさん、待ってください!」
「何よ?」
「何か私たちに隠していませんか?」
「何も隠してないわよ…」
「嘘です! 何か絶対に隠してます!」
「分かったわよ。エルフの皆を助けたら、ちゃんと教えてあげるわよ」
シャロは黒い闇を潜めながら、黙々と作業を進めた。
0
あなたにおすすめの小説
冷遇された聖女の結末
菜花
恋愛
異世界を救う聖女だと冷遇された毛利ラナ。けれど魔力慣らしの旅に出た途端に豹変する同行者達。彼らは同行者の一人のセレスティアを称えラナを貶める。知り合いもいない世界で心がすり減っていくラナ。彼女の迎える結末は――。
本編にプラスしていくつかのifルートがある長編。
カクヨムにも同じ作品を投稿しています。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ここは少女マンガの世界みたいだけど、そんなこと知ったこっちゃない
ゆーぞー
ファンタジー
気がつけば昔読んだ少女マンガの世界だった。マンガの通りなら決して幸せにはなれない。そんなわけにはいかない。自分が幸せになるためにやれることをやっていこう。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる