51 / 52
ACT-50
しおりを挟む
(足が言うことを聞かない…。このままじゃ、あの男に殺される…)
少女は恐怖により、体が言うことを聞かなくなっていた。
「俺はお前のことを絶対に許さない…。人の弱い部分に付け入り、誰かを殺そうとした。罪を裁くと言い、シエラと師匠を危険な目に遭わせた。どう償おうが、これらの行いを見過ごすわけにはいかない」
健太郎は少女に近寄り、言う。
シューー!!
健太郎は少女に手をかざし、何かの攻撃をした。
「今の攻撃は、身体に直接の害はないが、お前が負ける理由になった」
「いったい…何を…したの……?」
少女は震えながら、健太郎に質問する。
「俺はお前が持っている無限の可能性を全て焼き払った。お前が存在する時間や次元を強制的に焼き払い、俺に負けるという事実だけを持つお前に書き直した。いかに、唯一神、絶対神、超越者でも、己の可能性を全て除外されて、負けという概念だけ残されれば、まず勝ち目は無いだろう。今の俺ができる最良手、それは俺が一生、お前に負けないことだ!」
「うっ……」
武力的行使ではなく、間接的に敗北を与えられた。
少女は己の敗北を理解し、一滴の涙を流す。
「私は…負けられない……。負けちゃいけないの…」
少女は体を無理矢理動かし、健太郎にしがみつく。
「門番の私が負ければ…ウアニクスに住む魔族たちが、神族たちに皆殺しにされてしまうの……」
少女の悲痛の叫びは、健太郎の心に響いた。
健太郎は少女の体を治し、攻撃することを止めた。
「何で、急に攻撃を止めたの…」
「俺は人殺しをしたいわけじゃない、誰かを助けるために戦っているんだ。それより、さっきの話を聞かせてもらいたい」
少女は理解できないでいた。
自分が殺そうとしていた相手から、慈悲を受けたからだ。
少女は今まで、戦いとは殺し合うだけのことだと思っていた。だけど、それは違った。
生死を分ける戦いを通じて、お互いの魂を共鳴させ合い、心の底から理解し合える。こんな戦いも存在した。
「少し待って、貴方の仲間を助けるから…」
少女は翔に詰め寄り、攻撃を解除した。
翔は意識を失っており、膝から崩れ落ちる。
少女は、身動きが取れない翔を担ぎ上げた。
「貴方なら、ウアニクスに来てもいい…」
少女はうつむきながら、健太郎に言った。
「ありがとう…。お邪魔するよ」
健太郎は少女にお礼を言い、深く頭を下げた。
(この人、変わってる。敵の私を助けて、お礼まで言った…。彼なら、私たち魔族を理解してもらえるかも…)
少女は健太郎の手を引っ張り、ウアニクスまで連れて行く。
少女は恐怖により、体が言うことを聞かなくなっていた。
「俺はお前のことを絶対に許さない…。人の弱い部分に付け入り、誰かを殺そうとした。罪を裁くと言い、シエラと師匠を危険な目に遭わせた。どう償おうが、これらの行いを見過ごすわけにはいかない」
健太郎は少女に近寄り、言う。
シューー!!
健太郎は少女に手をかざし、何かの攻撃をした。
「今の攻撃は、身体に直接の害はないが、お前が負ける理由になった」
「いったい…何を…したの……?」
少女は震えながら、健太郎に質問する。
「俺はお前が持っている無限の可能性を全て焼き払った。お前が存在する時間や次元を強制的に焼き払い、俺に負けるという事実だけを持つお前に書き直した。いかに、唯一神、絶対神、超越者でも、己の可能性を全て除外されて、負けという概念だけ残されれば、まず勝ち目は無いだろう。今の俺ができる最良手、それは俺が一生、お前に負けないことだ!」
「うっ……」
武力的行使ではなく、間接的に敗北を与えられた。
少女は己の敗北を理解し、一滴の涙を流す。
「私は…負けられない……。負けちゃいけないの…」
少女は体を無理矢理動かし、健太郎にしがみつく。
「門番の私が負ければ…ウアニクスに住む魔族たちが、神族たちに皆殺しにされてしまうの……」
少女の悲痛の叫びは、健太郎の心に響いた。
健太郎は少女の体を治し、攻撃することを止めた。
「何で、急に攻撃を止めたの…」
「俺は人殺しをしたいわけじゃない、誰かを助けるために戦っているんだ。それより、さっきの話を聞かせてもらいたい」
少女は理解できないでいた。
自分が殺そうとしていた相手から、慈悲を受けたからだ。
少女は今まで、戦いとは殺し合うだけのことだと思っていた。だけど、それは違った。
生死を分ける戦いを通じて、お互いの魂を共鳴させ合い、心の底から理解し合える。こんな戦いも存在した。
「少し待って、貴方の仲間を助けるから…」
少女は翔に詰め寄り、攻撃を解除した。
翔は意識を失っており、膝から崩れ落ちる。
少女は、身動きが取れない翔を担ぎ上げた。
「貴方なら、ウアニクスに来てもいい…」
少女はうつむきながら、健太郎に言った。
「ありがとう…。お邪魔するよ」
健太郎は少女にお礼を言い、深く頭を下げた。
(この人、変わってる。敵の私を助けて、お礼まで言った…。彼なら、私たち魔族を理解してもらえるかも…)
少女は健太郎の手を引っ張り、ウアニクスまで連れて行く。
0
あなたにおすすめの小説
冷遇された聖女の結末
菜花
恋愛
異世界を救う聖女だと冷遇された毛利ラナ。けれど魔力慣らしの旅に出た途端に豹変する同行者達。彼らは同行者の一人のセレスティアを称えラナを貶める。知り合いもいない世界で心がすり減っていくラナ。彼女の迎える結末は――。
本編にプラスしていくつかのifルートがある長編。
カクヨムにも同じ作品を投稿しています。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ここは少女マンガの世界みたいだけど、そんなこと知ったこっちゃない
ゆーぞー
ファンタジー
気がつけば昔読んだ少女マンガの世界だった。マンガの通りなら決して幸せにはなれない。そんなわけにはいかない。自分が幸せになるためにやれることをやっていこう。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる