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Episode12 名前を呼んで
名前を呼んで①
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「なぁ、今日早く帰ってこいよ」
「……え?」
「さっきからムラムラして我慢できねぇ」
「ちょ、ちょっと……成宮先生……あッ」
薄暗い図書室に連れ込まれて、背中から羽交い締めにされる。いやらしい手つきで体中をまさぐられれば、嫌でもピクンピクンと体が反応してしまった。
「あ、あぁ……ッ」
スクラブを捲り上げられて、胸の突起をキュッと摘まれてしまえば堪えきれずに甘い声が溢れた。
成宮先生が荒い呼吸をしながら、俺の首筋に舌を這わせ遠慮なく歯を立てる。
ヤバい……食われる……。
そう思った瞬間。ピリリリリッ……無常にも成宮先生を呼び出すPHSの着信音が静かな室内に響きわたった。
「チッ、いいとこだったたのに……」
舌打ちをしながら俺の体から名残惜しそうに離れる。
「はい、成宮です。はいはい、とんでもない。大丈夫ですよ」
相変わらずの二重人格ぶりを横目に、俺はズルズルとその場に崩れ落ちた。そんな俺を成宮先生の手が追いかけてきて、愛おしそうに髪を撫でてくれる。
「続きは帰ってからだ。行くぞ」
「へ?」
「PICUの優里ちゃんが急変した」
「は、はい」
すっかり腰が抜けてしまった俺の手を引いて、成宮先生が走り出した。
◇◆◇◆
「あ、はぁ、あ……」
「気持ち良さそうだな」
「あぅッ……あぁッ!」
俺は成宮先生の宣言通り、帰宅したと同時にシャワーを浴びることさえ許されず、ベッドに押し倒される。
意外(いや、かなり)と性欲の強い成宮先生は、発情期かと思うくらいヤリたい時があるらしい。
そんな日の俺は、立派な鬣を振り乱したライオンに弄ばれる兎だ。「どうか命だけは助けて……」と、泣いて許しを乞うしか方法はない。
その癖、こういった日の成宮先生はねちっこくて泣きたくなる。つい先程から、俺は成宮先生を受け入れる為の場所を執拗に虐められていた。
そのあまりのしつこさに、必死に嫌々をしながら快感に耐えた。自分の中がいつも以上にグチャグチャに濡れ、小刻みに痙攣しているのがわかる。
「お願い……もう虐めないで……」
トロトロに蕩けた体で、目の前にいる恋人の首に必死でしがみつく。目からは涙か溢れ出し、呂律さえも回らない。
大きく開かされた足は何も覆い隠す物さえなく、カタカタと小刻みに震える。
ただただ気持ち良くて……でも、指で解される以上の快感を俺は知っていた。
「葵、もう我慢できない?」
「はい……」
「俺が欲しい?」
「はい。お願い、成宮先生をください……」
甘ったるい声を出す自分に嫌気がさしながらも、もはや俺は成宮先生の猫に成り下がってしまった。
飼い主を喜ばす為に卑猥に腰をくねららせて、甘い声で鳴く。もう、これじゃ俺まで発情期の猫だ……。
「葵、これが欲しいの?」
トロトロに蕩けて、ヒクヒクと物欲しそうにひきついているそこに、成宮先生の熱い昂りが押し当てられる。
「はい……欲しいです……」
「ふーん……」
成宮先生の熱い昂りは、俺の中に埋め込まれるわけではなく、入口をユルユルと擦り続けている。
そのもどかしさに、自ら成宮先生を迎え入れようと体を動かせば、いとも簡単に阻止されてしまった。
「やぁだ……なんで……なんで……?」
体が疼いて切なくて。自分にしがみついてくる必死な俺を見て、成宮先生がニヤリと笑う。
あ、嫌な予感しかしない……。
こういう時の勘は、本当によく当たるんだ。好きな子程虐めたいっていう、この人の悪い癖……。そのスイッチが入った瞬間だった。
「何して欲しい? ちゃんと口で言ってごらん?」
「……………」
「なぁ、葵……」
意地悪く耳元で囁かれれば、それだけでビクンと背中が反り返るくらい反応してしまう。
そんな俺に満足したのか、わざとらしく音をたてながら耳を舐め上げられる。
「くぅ……」
全身に力を込めて、爆発しそうな衝動に必死に耐える。眉間にシワを寄せ、息さえも殺して……。近くにある枕を、力一杯握り締めた。
「なぁ、どうしてほしいの?」
手首を掴まれて顔の横で押さえ付けられてしまえば、身動きすら取れない。今の俺は、玉座に座る王に見下ろされた哀れな奴隷だ。
歯向かうことなんか、できるはずがない。
「言えよ」
胸の飾りにカプッと歯を立てられれば、その痛みさえも快感に変わっていく。甘い電流が全身をビリビリッと駆け抜けて行った。
少し体をずらせば、成宮先生がチュルンって入ってきそうだ。
それができないもどかしさに、叫び出したくなる。
「体が、下半身が熱くて熱くて……しんどい……」
「エッロ……葵、可愛いな」
「千歳さん、お願い……もう、お願い……」
消え入りそうな声と共に、涙が頬を伝う。
震える手で、成宮先生の頬を撫でた。
「なぁ、葵……」
信じられないくらいの、成宮先生の甘ったるい声が静かな室内に響く。
そのまま、チュッと唇を奪われた。
「ん、んん……あ、はぁ……」
舌を絡め合う激しいキスに、頭がボーッとしてくる。もう全部が全部気持ちがいい。
もっともっと、俺を苛めたい成宮先生に……もっともっと虐められたい俺……。
相性はいいけど、本当に最悪な組み合わせ。
「葵、可愛い。俺の葵は、こんなにも可愛い……」
全身を這い回る成宮先生の唇に、いちいちピクンピクンと反応してしまう。
もうこの人の思う壺だ。
「続き……してほしければ、おねだりしてみろよ?」
俺の目からは、興奮からか涙が溢れ不安に揺れた。
でも俺は馬鹿だから、どうしても期待してしまう。だってあなたは、こんな時でさえかっこいい。
「葵、おねだりは?」
「俺、俺は……」
震える唇で言葉を紡ぐ。
「なぁ、葵。『千歳』って呼んで?」
「え……?」
「千歳、って呼んでよ」
「そ、そんな……」
俺が視線を逸らせば、顎を捉えられて強制的に視線を合わせられた。
「『千歳、お願いって』っておねだりしてごらん?」
「よ、呼び捨てなんて無理……」
「じゃあ、いつまでたってもこのままだよ?」
「あ、あぁ!あ、あッ……あッ!」
再び熱い成宮先生自身が押し当てられる。その感覚に、ゾクゾクッと快感が走り抜けた。
「葵、おねだりは?」
「呼び捨て……なんて……」
「葵……」
焦らされ続けた俺の体は、更なる快感を求めて小さく打ち震えた。
「……え?」
「さっきからムラムラして我慢できねぇ」
「ちょ、ちょっと……成宮先生……あッ」
薄暗い図書室に連れ込まれて、背中から羽交い締めにされる。いやらしい手つきで体中をまさぐられれば、嫌でもピクンピクンと体が反応してしまった。
「あ、あぁ……ッ」
スクラブを捲り上げられて、胸の突起をキュッと摘まれてしまえば堪えきれずに甘い声が溢れた。
成宮先生が荒い呼吸をしながら、俺の首筋に舌を這わせ遠慮なく歯を立てる。
ヤバい……食われる……。
そう思った瞬間。ピリリリリッ……無常にも成宮先生を呼び出すPHSの着信音が静かな室内に響きわたった。
「チッ、いいとこだったたのに……」
舌打ちをしながら俺の体から名残惜しそうに離れる。
「はい、成宮です。はいはい、とんでもない。大丈夫ですよ」
相変わらずの二重人格ぶりを横目に、俺はズルズルとその場に崩れ落ちた。そんな俺を成宮先生の手が追いかけてきて、愛おしそうに髪を撫でてくれる。
「続きは帰ってからだ。行くぞ」
「へ?」
「PICUの優里ちゃんが急変した」
「は、はい」
すっかり腰が抜けてしまった俺の手を引いて、成宮先生が走り出した。
◇◆◇◆
「あ、はぁ、あ……」
「気持ち良さそうだな」
「あぅッ……あぁッ!」
俺は成宮先生の宣言通り、帰宅したと同時にシャワーを浴びることさえ許されず、ベッドに押し倒される。
意外(いや、かなり)と性欲の強い成宮先生は、発情期かと思うくらいヤリたい時があるらしい。
そんな日の俺は、立派な鬣を振り乱したライオンに弄ばれる兎だ。「どうか命だけは助けて……」と、泣いて許しを乞うしか方法はない。
その癖、こういった日の成宮先生はねちっこくて泣きたくなる。つい先程から、俺は成宮先生を受け入れる為の場所を執拗に虐められていた。
そのあまりのしつこさに、必死に嫌々をしながら快感に耐えた。自分の中がいつも以上にグチャグチャに濡れ、小刻みに痙攣しているのがわかる。
「お願い……もう虐めないで……」
トロトロに蕩けた体で、目の前にいる恋人の首に必死でしがみつく。目からは涙か溢れ出し、呂律さえも回らない。
大きく開かされた足は何も覆い隠す物さえなく、カタカタと小刻みに震える。
ただただ気持ち良くて……でも、指で解される以上の快感を俺は知っていた。
「葵、もう我慢できない?」
「はい……」
「俺が欲しい?」
「はい。お願い、成宮先生をください……」
甘ったるい声を出す自分に嫌気がさしながらも、もはや俺は成宮先生の猫に成り下がってしまった。
飼い主を喜ばす為に卑猥に腰をくねららせて、甘い声で鳴く。もう、これじゃ俺まで発情期の猫だ……。
「葵、これが欲しいの?」
トロトロに蕩けて、ヒクヒクと物欲しそうにひきついているそこに、成宮先生の熱い昂りが押し当てられる。
「はい……欲しいです……」
「ふーん……」
成宮先生の熱い昂りは、俺の中に埋め込まれるわけではなく、入口をユルユルと擦り続けている。
そのもどかしさに、自ら成宮先生を迎え入れようと体を動かせば、いとも簡単に阻止されてしまった。
「やぁだ……なんで……なんで……?」
体が疼いて切なくて。自分にしがみついてくる必死な俺を見て、成宮先生がニヤリと笑う。
あ、嫌な予感しかしない……。
こういう時の勘は、本当によく当たるんだ。好きな子程虐めたいっていう、この人の悪い癖……。そのスイッチが入った瞬間だった。
「何して欲しい? ちゃんと口で言ってごらん?」
「……………」
「なぁ、葵……」
意地悪く耳元で囁かれれば、それだけでビクンと背中が反り返るくらい反応してしまう。
そんな俺に満足したのか、わざとらしく音をたてながら耳を舐め上げられる。
「くぅ……」
全身に力を込めて、爆発しそうな衝動に必死に耐える。眉間にシワを寄せ、息さえも殺して……。近くにある枕を、力一杯握り締めた。
「なぁ、どうしてほしいの?」
手首を掴まれて顔の横で押さえ付けられてしまえば、身動きすら取れない。今の俺は、玉座に座る王に見下ろされた哀れな奴隷だ。
歯向かうことなんか、できるはずがない。
「言えよ」
胸の飾りにカプッと歯を立てられれば、その痛みさえも快感に変わっていく。甘い電流が全身をビリビリッと駆け抜けて行った。
少し体をずらせば、成宮先生がチュルンって入ってきそうだ。
それができないもどかしさに、叫び出したくなる。
「体が、下半身が熱くて熱くて……しんどい……」
「エッロ……葵、可愛いな」
「千歳さん、お願い……もう、お願い……」
消え入りそうな声と共に、涙が頬を伝う。
震える手で、成宮先生の頬を撫でた。
「なぁ、葵……」
信じられないくらいの、成宮先生の甘ったるい声が静かな室内に響く。
そのまま、チュッと唇を奪われた。
「ん、んん……あ、はぁ……」
舌を絡め合う激しいキスに、頭がボーッとしてくる。もう全部が全部気持ちがいい。
もっともっと、俺を苛めたい成宮先生に……もっともっと虐められたい俺……。
相性はいいけど、本当に最悪な組み合わせ。
「葵、可愛い。俺の葵は、こんなにも可愛い……」
全身を這い回る成宮先生の唇に、いちいちピクンピクンと反応してしまう。
もうこの人の思う壺だ。
「続き……してほしければ、おねだりしてみろよ?」
俺の目からは、興奮からか涙が溢れ不安に揺れた。
でも俺は馬鹿だから、どうしても期待してしまう。だってあなたは、こんな時でさえかっこいい。
「葵、おねだりは?」
「俺、俺は……」
震える唇で言葉を紡ぐ。
「なぁ、葵。『千歳』って呼んで?」
「え……?」
「千歳、って呼んでよ」
「そ、そんな……」
俺が視線を逸らせば、顎を捉えられて強制的に視線を合わせられた。
「『千歳、お願いって』っておねだりしてごらん?」
「よ、呼び捨てなんて無理……」
「じゃあ、いつまでたってもこのままだよ?」
「あ、あぁ!あ、あッ……あッ!」
再び熱い成宮先生自身が押し当てられる。その感覚に、ゾクゾクッと快感が走り抜けた。
「葵、おねだりは?」
「呼び捨て……なんて……」
「葵……」
焦らされ続けた俺の体は、更なる快感を求めて小さく打ち震えた。
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