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第5章三国会議
11.ラスボスに質問(以外に答えてくれた)
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魔王の間にて魔王の頂点である、魔王・デスと対峙していた、字面だけ見ると緊迫感があるが、実際は……。
「すいません、こちらが段取りをちゃんと伝えなかったばっかりに、今お茶出しますんで!」
「いや、うん、お構い無く」
何か知らないがお茶会が始まった、しかも用意してくれるのは骸骨デュラハンである、頭は机に置いたまま、持ってなくて良いのか?
『………』
鈴と澪は喋るのも無理そうだな、デュラハンが給仕をする際に鎧の中身が見えてしまったらしい、二人とも石化している。
「えーっと、いろいろ聞きたいんだがいいか?」
「はい、答えられる事なら」
質問OKらしい。
「このデュラハン?は魔王なのか?」
「いえ、彼はただのデュラハンです、骨になっちゃいましたが」
「ガチャ!」
デュラハンが親指を立てる、陽気なデュラハンだ。
「まだ会ってない魔王はサキュバスですね」
「あ、そうなんだ」
さらっと魔王の情報をくれる。
「あ、でもあまりサキュバスっぽくないかも」
「そうなのか?」
「はい、見た目ギャルだけどまだしょ……」
「ストップ!分かった、だいたい分かったからその辺でいい」
さらっと個人情報も暴露しやがる。
「……次だ、エルフの森に何があるんだ?」
「エルフの森には、元勇者の仲間、勇者の師匠にあたる人がいます、その人と話してみて下さい、そうすれば知りたい事の概ねの答えが出ます」
「そうか」
「驚かないんですね?」
「あぁ、まぁたぶん予想している通りだと思うからな、できれば外れて欲しいけど」
「ふふふ……」
突然デスが笑いだす、笑うと尚更幼く見えるな。
「どうした?突然笑い出して」
「いえ、本当に頭が良いんだなぁと思って、もう真実に近付いているんですね?僕は最後の時まで分からなかったから」
悲しい顔をするデス。
「……できればこんな形で会いたくなかったな、別の時なら友達になれただろうに」
「……そうですね、でもこうやってお茶ができただけで満足です」
ガチャ!っとデュラハンが親指を立てる。
「ふふふ、彼も同じ気持ちみたいです」
「……骸骨の友達は遠慮しよう、若干二名の精神が持たない」
ガチャ……、項垂れる骸骨ってシュールだな。
「エルフの森で必ず聖魔剣を作って貰って下さいね?」
「さっきも聞いたがそれはいったいなんだ?」
「これも元勇者の仲間が作ってくれます、詳しくはその人に聞いてください」
「答えられないか」
「はい、聞いたけど良くわかりませんでした!」
答えられないってそうゆう意味で!?
「はぁ、分かったとりあえずエルフの森に行けばいいのな」
「はい、あとお友達はちゃんと助けないと」
「……それについて、説明がある」
俺はデスに一通りの身の上話をした。
「な、なるほど、なら友達ではなくむしろ敵ですか」
「敵とまではいかないが、仲は良くないな」
あっち(日野)はどう思っているか知らないがな。
「まぁ、ついでに助ければいいだろう」
「そうですね、仲良しが一番です」
こいつ本当に魔王か?
「じゃあ俺達はそろそろ行くよ」
「はい、ではまた、今度こそ聖魔剣を持って来てくださいね?」
「あぁ分かったよ、またここに来れば良いのか?」
「いえ、場所は変えます、ここ埃っぽいし、二度目は場所は変えるものらしいので」
何その拘り?正直探すのがめんどくさいがしょうがないか。
「場所が決まったらお知らせしますね」
「あ、教えてくれるのね」
「はい、手紙出します!」
友達か!?まぁ楽でいいから言わないけど。
「あと良ければお土産持って行って下さい」
「お土産?」
「はい、こっちです」
デスに案内されるままついて行く、魔王の間の隣、研究室みたいな場所に出た。
「ここは?」
「僕の研究室です、ここでは主に二つの研究をしていました」
「一つは知ってるな、終わりを作っているんだろ?」
「はいその通りです、情報原はミーアさんですか」
ミーアがビクリっと肩を震わせる。
「別に怒ってませんよ?むしろどんどん協力してあげて下さい」
「いいのかよそれで」
「はい、それでですね、終わりを作る研究の完成品がこれです」
と言ってデスが一本の剣を取り出す。
「これは?」
「聖魔剣です」
「あるじゃん」
聖魔剣を取って来いと言ってるのに聖魔剣がここにあるじゃん。
「いえ、違うんです、これは終わりを作る聖魔剣、明さんに取って来てもらいたいのは紡ぐ聖魔剣です」
「紡ぐ?」
「はい、そこら辺の原理は僕には解らないのですが、それぞれの聖魔剣に役目があるんです、僕が作れたのは"終わり"の聖魔剣だけでした」
「ふむ、まぁ詳しくはエルフに聞くよ」
「はいお願いします、二つ目の研究は人造人間の研究です」
これまたとんでもない研究を。
「所謂ホムンクルスか?」
「明、それってハガ……」
「それであっているがそれ以上は言っちゃいけない」
危うく鈴が超有名な錬金術師の話をしようとするので止める。
「そのホムンクルスは何で作ったんだ?」
「……ゴーストさんを生き返らせようとしたんです」
「……そうか」
「結局間に合いませんでしたけど」
悲しそうに笑うデス、その表情は悲壮感からか、あるいわ……。
「それで、それを俺にって?」
「はい、何か使い道があれば」
うーん、使い道って言われてもなぁ。
〈マスター、宜しければこのホムンクルスを私に頂けませんか?〉
おや?これまた何か取り返しのつかない分岐点に立たされてる気がするぞ?
〈マスター?〉
ふむ、聞きたいんだが、ホムンクルスを使って何をするんだ?
〈ホムンクルスを媒介に端末を作ります〉
端末?
〈はい、端末を作る事により、円滑に情報を共有する事ができます〉
ふむ、今まで秘密の力で押し通していたものが、皆に話せる情報媒体になるわけだ。
〈さらに予てよりの目標であった、人間に近づくというのも果たせます〉
そっちが本音ね、さて考えてみよう、メリットとしてはナビさんが見える形になることで情報の共有の幅が広がり、作戦や行動方針について視野が広がるだろう、ではデメリットは?寒気が増える。
〈肉体を得ることで、マスターへの奉仕がより明確に出来ると断言致します〉
……ほらね?前々からクロエ等を羨ましそうにしていた節がある、言葉にはしないが雰囲気を醸し出していた。
〈マスター、英断をお願いします〉
うーん、仕方ない背に腹は変えられない、許可しよう。
〈感謝致します、ではさっそく〉
とナビさんが言うと、ホムンクルスが突然びくびくと暴れ出す。
「うわ、こわ!何!?」
「まさか、何か不具合が!?」
「あー、気にしないで、たぶんダウンロード中的な物だから」
鈴が驚き、デスが慌てる、それを適当に宥める俺、この後を考えると頭痛がする、一人ならまだしも二人か。
「明さん何か知ってるんですか?」
「あぁ、知り合いがこのホムンクルスを使いたいって言ったから許可したんだ」
「そ、そうですか、でも大丈夫ですか?」
ホムンクルスの動きは更に激しさを増し、暴れ回っている。
「大丈夫だと思うよ?たぶん」
それから数分後、ようやく静かになる。
「う、動かなくなっちゃったよ」
「ふむ」
ホムンクルスに近づき、瞼を開かせ瞳孔を確認する。
「あー、もう少し時間が掛かるっぽいけど、どうする?」
「何で分かるんですか?」
「目見てみ」
「目ですか?」
デスに進め、目を確認させてみる。
「あ、なるほど」
「なに、なに、何が分かるの?」
鈴も見る。
「ダウンロード中?20%?」
ただいまダウンロード中20%、まんまスマホのダウンロード中表記が出ていた。
「……じ、じゃあ僕達は先に失礼しますね」
「うん、お疲れ、また今度」
「はい、いろいろ決まりましたら連絡します」
こうして、魔王・デスとのお茶会は終わった、何か疲れたな。
「すいません、こちらが段取りをちゃんと伝えなかったばっかりに、今お茶出しますんで!」
「いや、うん、お構い無く」
何か知らないがお茶会が始まった、しかも用意してくれるのは骸骨デュラハンである、頭は机に置いたまま、持ってなくて良いのか?
『………』
鈴と澪は喋るのも無理そうだな、デュラハンが給仕をする際に鎧の中身が見えてしまったらしい、二人とも石化している。
「えーっと、いろいろ聞きたいんだがいいか?」
「はい、答えられる事なら」
質問OKらしい。
「このデュラハン?は魔王なのか?」
「いえ、彼はただのデュラハンです、骨になっちゃいましたが」
「ガチャ!」
デュラハンが親指を立てる、陽気なデュラハンだ。
「まだ会ってない魔王はサキュバスですね」
「あ、そうなんだ」
さらっと魔王の情報をくれる。
「あ、でもあまりサキュバスっぽくないかも」
「そうなのか?」
「はい、見た目ギャルだけどまだしょ……」
「ストップ!分かった、だいたい分かったからその辺でいい」
さらっと個人情報も暴露しやがる。
「……次だ、エルフの森に何があるんだ?」
「エルフの森には、元勇者の仲間、勇者の師匠にあたる人がいます、その人と話してみて下さい、そうすれば知りたい事の概ねの答えが出ます」
「そうか」
「驚かないんですね?」
「あぁ、まぁたぶん予想している通りだと思うからな、できれば外れて欲しいけど」
「ふふふ……」
突然デスが笑いだす、笑うと尚更幼く見えるな。
「どうした?突然笑い出して」
「いえ、本当に頭が良いんだなぁと思って、もう真実に近付いているんですね?僕は最後の時まで分からなかったから」
悲しい顔をするデス。
「……できればこんな形で会いたくなかったな、別の時なら友達になれただろうに」
「……そうですね、でもこうやってお茶ができただけで満足です」
ガチャ!っとデュラハンが親指を立てる。
「ふふふ、彼も同じ気持ちみたいです」
「……骸骨の友達は遠慮しよう、若干二名の精神が持たない」
ガチャ……、項垂れる骸骨ってシュールだな。
「エルフの森で必ず聖魔剣を作って貰って下さいね?」
「さっきも聞いたがそれはいったいなんだ?」
「これも元勇者の仲間が作ってくれます、詳しくはその人に聞いてください」
「答えられないか」
「はい、聞いたけど良くわかりませんでした!」
答えられないってそうゆう意味で!?
「はぁ、分かったとりあえずエルフの森に行けばいいのな」
「はい、あとお友達はちゃんと助けないと」
「……それについて、説明がある」
俺はデスに一通りの身の上話をした。
「な、なるほど、なら友達ではなくむしろ敵ですか」
「敵とまではいかないが、仲は良くないな」
あっち(日野)はどう思っているか知らないがな。
「まぁ、ついでに助ければいいだろう」
「そうですね、仲良しが一番です」
こいつ本当に魔王か?
「じゃあ俺達はそろそろ行くよ」
「はい、ではまた、今度こそ聖魔剣を持って来てくださいね?」
「あぁ分かったよ、またここに来れば良いのか?」
「いえ、場所は変えます、ここ埃っぽいし、二度目は場所は変えるものらしいので」
何その拘り?正直探すのがめんどくさいがしょうがないか。
「場所が決まったらお知らせしますね」
「あ、教えてくれるのね」
「はい、手紙出します!」
友達か!?まぁ楽でいいから言わないけど。
「あと良ければお土産持って行って下さい」
「お土産?」
「はい、こっちです」
デスに案内されるままついて行く、魔王の間の隣、研究室みたいな場所に出た。
「ここは?」
「僕の研究室です、ここでは主に二つの研究をしていました」
「一つは知ってるな、終わりを作っているんだろ?」
「はいその通りです、情報原はミーアさんですか」
ミーアがビクリっと肩を震わせる。
「別に怒ってませんよ?むしろどんどん協力してあげて下さい」
「いいのかよそれで」
「はい、それでですね、終わりを作る研究の完成品がこれです」
と言ってデスが一本の剣を取り出す。
「これは?」
「聖魔剣です」
「あるじゃん」
聖魔剣を取って来いと言ってるのに聖魔剣がここにあるじゃん。
「いえ、違うんです、これは終わりを作る聖魔剣、明さんに取って来てもらいたいのは紡ぐ聖魔剣です」
「紡ぐ?」
「はい、そこら辺の原理は僕には解らないのですが、それぞれの聖魔剣に役目があるんです、僕が作れたのは"終わり"の聖魔剣だけでした」
「ふむ、まぁ詳しくはエルフに聞くよ」
「はいお願いします、二つ目の研究は人造人間の研究です」
これまたとんでもない研究を。
「所謂ホムンクルスか?」
「明、それってハガ……」
「それであっているがそれ以上は言っちゃいけない」
危うく鈴が超有名な錬金術師の話をしようとするので止める。
「そのホムンクルスは何で作ったんだ?」
「……ゴーストさんを生き返らせようとしたんです」
「……そうか」
「結局間に合いませんでしたけど」
悲しそうに笑うデス、その表情は悲壮感からか、あるいわ……。
「それで、それを俺にって?」
「はい、何か使い道があれば」
うーん、使い道って言われてもなぁ。
〈マスター、宜しければこのホムンクルスを私に頂けませんか?〉
おや?これまた何か取り返しのつかない分岐点に立たされてる気がするぞ?
〈マスター?〉
ふむ、聞きたいんだが、ホムンクルスを使って何をするんだ?
〈ホムンクルスを媒介に端末を作ります〉
端末?
〈はい、端末を作る事により、円滑に情報を共有する事ができます〉
ふむ、今まで秘密の力で押し通していたものが、皆に話せる情報媒体になるわけだ。
〈さらに予てよりの目標であった、人間に近づくというのも果たせます〉
そっちが本音ね、さて考えてみよう、メリットとしてはナビさんが見える形になることで情報の共有の幅が広がり、作戦や行動方針について視野が広がるだろう、ではデメリットは?寒気が増える。
〈肉体を得ることで、マスターへの奉仕がより明確に出来ると断言致します〉
……ほらね?前々からクロエ等を羨ましそうにしていた節がある、言葉にはしないが雰囲気を醸し出していた。
〈マスター、英断をお願いします〉
うーん、仕方ない背に腹は変えられない、許可しよう。
〈感謝致します、ではさっそく〉
とナビさんが言うと、ホムンクルスが突然びくびくと暴れ出す。
「うわ、こわ!何!?」
「まさか、何か不具合が!?」
「あー、気にしないで、たぶんダウンロード中的な物だから」
鈴が驚き、デスが慌てる、それを適当に宥める俺、この後を考えると頭痛がする、一人ならまだしも二人か。
「明さん何か知ってるんですか?」
「あぁ、知り合いがこのホムンクルスを使いたいって言ったから許可したんだ」
「そ、そうですか、でも大丈夫ですか?」
ホムンクルスの動きは更に激しさを増し、暴れ回っている。
「大丈夫だと思うよ?たぶん」
それから数分後、ようやく静かになる。
「う、動かなくなっちゃったよ」
「ふむ」
ホムンクルスに近づき、瞼を開かせ瞳孔を確認する。
「あー、もう少し時間が掛かるっぽいけど、どうする?」
「何で分かるんですか?」
「目見てみ」
「目ですか?」
デスに進め、目を確認させてみる。
「あ、なるほど」
「なに、なに、何が分かるの?」
鈴も見る。
「ダウンロード中?20%?」
ただいまダウンロード中20%、まんまスマホのダウンロード中表記が出ていた。
「……じ、じゃあ僕達は先に失礼しますね」
「うん、お疲れ、また今度」
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