70 / 84
第6章エルフの森
9.森の騒動
しおりを挟む
エルフの森で歓迎を受けた俺達は。
「おい!東の森に人員が足りないぞ!」
族長の案内のもと。
「西の森からはリュリ様がもうすぐ戻られる、交代員は準備しろ!」
里を見て回る。
「まだ、見つからないのか!?」
うん、回ってられないな。
「改めて、ようこそエルフの森へ、族長のリュカと申します」
「あ、ああ、よろしく、工藤 明だ」
とりあえず順番に挨拶をするがその間も周りの喧騒は止まない。
「では、立ち話もなんですから」
と、リュカ族長が案内を再開しようとしたところで。
「あ、あのー、私は案内を終えたのでお暇しますね?」
「おや、お帰りですか?よろしければお茶でも」
「いえ、本当に結構です」
ミリテは心の底から遠慮している、実際俺達も早く帰りたい。
「なら、ミリテさん、うちのメイドを送りにつけるよ」
「よろしいのですか?」
「ああ、歩いて戻れる距離じゃないしな、ここまで連れてきてくれたお礼だ、リュカ族長、ナガタマ?を一つ貰えるか?」
「ええ、どうぞどうぞ」
リュカ族長にナガタマを一つ貰い、クロエにミリテさんを送るように頼む、念のためクロエに人魚は食べるか確認したら、若干引いていたので安心だ。
「さて、では、皆様はこちらへ………」
「いや、俺達も長居する気はない、聖魔剣を受け取ったら直ぐにお暇する」
「いえいえ、そんな、おもてなしもしないなんて一族の恥になります」
「いや、その一族の大事に居るべきじゃないだろ?」
「はっはっは、皆歓迎に沸き立ってるだけですよ」
「急げ!遅れるな!」
「我々の名誉のために!」
いやいや、そんな雰囲気じゃないよね?
「えっと、リュカ様?この騒ぎは何事でしょう?」
とうとうエレナ姫が耐えきれず聞く。
「騒ぎ?はて、何の事でしょう?」
「…………」
まさかとぼけに出るとは。
「リュカ族長ちょっと待っててもらっていいか?」
「ええ、構いませんよ?」
少し離れた所で話し合う。
「どう思う?」
「どうもこうも、怪しすぎでしょ?」
「そうですね、原因は何なんでしょうか」
「………」
「どうした司?なんかあるのか?」
「あ、うん、ちょっとね」
「司、話した方がいいのでは?」
「なんだ?敦も何かあるのか?」
司と敦には何か思い当たる事があるらしい。
「明、少しリュカさんと話してみていいかい?」
「ん?良いけど?」
と言うことで、司に着いていく。
「リュカさん、聞きたいことが有ります」
「はい、何でしょう?」
「ここに、僕達の知り合いが居るはずなんですが、ご存知ありませんか?」
「はて、存じ上げませんね」
あー、なるほど、見えてきたぞ、剣を見せたくなくて、日野の所在を知られたくない、この二つから導かれるのは。
「盗まれたな?」
「…………」
「図星か」
沈黙こそ答えってか?
「え、ええ!?盗まれた?日野が盗んだってこと?」
「たぶんな」
「でも日野君もそこまでするかな?」
疑う澪の肩を掴む。
「澪、よく考えてみろ、あの、日野だぞ?あのろくでなしの日野だぞ?」
「う、うん」
「俺の目を見て、日野が盗むか盗まないか、考えてみてくれ」
「そ、そうだね、日野君だもん、そうゆう事したかもしれないね」
「なんか、澪って洗脳されてる気がするのあたしだけ?」
気のせいだよ。
「まぁ、日野の人間性云々は措いといて、実際どうなんだリュカ族長?」
「それは…………」
「お父様!」
リュカ族長が何かを言いかけた時、遠くから女の子が跳んできた、比喩ではなく、木の枝を足場に跳躍してきたのだ、何この子忍者?それともエルフってみんなこんなことできるの?
「おぉ、リュリ、今客人の………ぐぼっ」
エルフの女の子は勢いそのままに、リュカ族長の腹に膝蹴りをかました。
「お父様!こんなところで油を売って何をしているんですか!」
「い、今、きゃくじ……」
「一族の名誉がかかっているんですよ!?」
「わ、分かって」
「いいえ、お父様は分かっていません、聖魔剣をよりによってあんな奴に盗まれるなんて!」
はい、娘さんから自白貰いました。
「あのー?ちょっと良いかな?」
「何ですか!?今、忙しい……」
俺達を見て固まる娘さん。
「その聖魔剣を取りに来た者だけど?」
「…………」
「詳しく聞いて良いかな?」
喧騒の中そこだけ時が止まった様な静寂が訪れる、そしてリュカ族長がゆっくり語り出す。
「致し方ありません、全てお話ししましょう……」
そこからリュカ族長は日野が来てからの事を語り出した、が、ここでは割愛させてもらう、話してくれたのはいいが、来てから自分は勇者で特別なんだと威張り散らしたり、聖魔剣が資格有るものしか触ってわいけないと知ったら自分に寄越せと言ったり、終いには娘さんに愛人(奴隷)になれと迫ったり、概ねバカの考えそうな事を見事にやってくれた話だ。
「で、追い出そうとしたら、聖魔剣を奪って逃げられたと?」
「お恥ずかしい限りです」
「あの者はわたしやお母様の体を穢らわしい目で見て………」
「何でもっと早く追い出さなかったんだ?」
「………聖魔剣使い様のご学友と聞いていたので」
「ふむ、一つ訂正しよう、友ではない」
瞬間再び時が止まる、エルフ親子。
「あ、あの者を即刻見つけ打ち首にせよ!これは族長命令である!!」
大きな声でそれこそ里中に響くのではという声で命令を出す、あー、そうとう貯まってたね、一方娘さんは。
「ああ、ああ、やっと奴を葬れる……」
歓喜に震えていた、こちらもそうとうだなぁ、親子それぞれの反応を見ていると、一人の兵士らしきエルフがこちらに走ってくる、あ、忍者的な跳躍は娘さんだけらしい、良かった。
「報告!北の森にてリュエ様が標的と交戦中!至急応援を………」
兵士の報告の途中、族長親子は飛び出していった、え?なに?エルフってこんなに喧嘩っ早いの?
「明くん、どうする?」
「んー、関係ない話じゃないし、俺達も行く?」
正直めんどくさいが
「そうだ、ね?」
「う、うん、いいんじゃ、ない?」
「う、うむ?」
「そ、そうですよ、ね?」
「えー?めんどくさいよぉ、日野だしぃ」
上から澪、司、敦、エレナ姫、鈴の反応、こんなとき鈴の素直さが羨ましい。
「はぁ、行くか」
報告?に来た兵士に場所を聞きとりあえず向かう事に、願わくば俺達が着く頃には終わっている事。
「おい!東の森に人員が足りないぞ!」
族長の案内のもと。
「西の森からはリュリ様がもうすぐ戻られる、交代員は準備しろ!」
里を見て回る。
「まだ、見つからないのか!?」
うん、回ってられないな。
「改めて、ようこそエルフの森へ、族長のリュカと申します」
「あ、ああ、よろしく、工藤 明だ」
とりあえず順番に挨拶をするがその間も周りの喧騒は止まない。
「では、立ち話もなんですから」
と、リュカ族長が案内を再開しようとしたところで。
「あ、あのー、私は案内を終えたのでお暇しますね?」
「おや、お帰りですか?よろしければお茶でも」
「いえ、本当に結構です」
ミリテは心の底から遠慮している、実際俺達も早く帰りたい。
「なら、ミリテさん、うちのメイドを送りにつけるよ」
「よろしいのですか?」
「ああ、歩いて戻れる距離じゃないしな、ここまで連れてきてくれたお礼だ、リュカ族長、ナガタマ?を一つ貰えるか?」
「ええ、どうぞどうぞ」
リュカ族長にナガタマを一つ貰い、クロエにミリテさんを送るように頼む、念のためクロエに人魚は食べるか確認したら、若干引いていたので安心だ。
「さて、では、皆様はこちらへ………」
「いや、俺達も長居する気はない、聖魔剣を受け取ったら直ぐにお暇する」
「いえいえ、そんな、おもてなしもしないなんて一族の恥になります」
「いや、その一族の大事に居るべきじゃないだろ?」
「はっはっは、皆歓迎に沸き立ってるだけですよ」
「急げ!遅れるな!」
「我々の名誉のために!」
いやいや、そんな雰囲気じゃないよね?
「えっと、リュカ様?この騒ぎは何事でしょう?」
とうとうエレナ姫が耐えきれず聞く。
「騒ぎ?はて、何の事でしょう?」
「…………」
まさかとぼけに出るとは。
「リュカ族長ちょっと待っててもらっていいか?」
「ええ、構いませんよ?」
少し離れた所で話し合う。
「どう思う?」
「どうもこうも、怪しすぎでしょ?」
「そうですね、原因は何なんでしょうか」
「………」
「どうした司?なんかあるのか?」
「あ、うん、ちょっとね」
「司、話した方がいいのでは?」
「なんだ?敦も何かあるのか?」
司と敦には何か思い当たる事があるらしい。
「明、少しリュカさんと話してみていいかい?」
「ん?良いけど?」
と言うことで、司に着いていく。
「リュカさん、聞きたいことが有ります」
「はい、何でしょう?」
「ここに、僕達の知り合いが居るはずなんですが、ご存知ありませんか?」
「はて、存じ上げませんね」
あー、なるほど、見えてきたぞ、剣を見せたくなくて、日野の所在を知られたくない、この二つから導かれるのは。
「盗まれたな?」
「…………」
「図星か」
沈黙こそ答えってか?
「え、ええ!?盗まれた?日野が盗んだってこと?」
「たぶんな」
「でも日野君もそこまでするかな?」
疑う澪の肩を掴む。
「澪、よく考えてみろ、あの、日野だぞ?あのろくでなしの日野だぞ?」
「う、うん」
「俺の目を見て、日野が盗むか盗まないか、考えてみてくれ」
「そ、そうだね、日野君だもん、そうゆう事したかもしれないね」
「なんか、澪って洗脳されてる気がするのあたしだけ?」
気のせいだよ。
「まぁ、日野の人間性云々は措いといて、実際どうなんだリュカ族長?」
「それは…………」
「お父様!」
リュカ族長が何かを言いかけた時、遠くから女の子が跳んできた、比喩ではなく、木の枝を足場に跳躍してきたのだ、何この子忍者?それともエルフってみんなこんなことできるの?
「おぉ、リュリ、今客人の………ぐぼっ」
エルフの女の子は勢いそのままに、リュカ族長の腹に膝蹴りをかました。
「お父様!こんなところで油を売って何をしているんですか!」
「い、今、きゃくじ……」
「一族の名誉がかかっているんですよ!?」
「わ、分かって」
「いいえ、お父様は分かっていません、聖魔剣をよりによってあんな奴に盗まれるなんて!」
はい、娘さんから自白貰いました。
「あのー?ちょっと良いかな?」
「何ですか!?今、忙しい……」
俺達を見て固まる娘さん。
「その聖魔剣を取りに来た者だけど?」
「…………」
「詳しく聞いて良いかな?」
喧騒の中そこだけ時が止まった様な静寂が訪れる、そしてリュカ族長がゆっくり語り出す。
「致し方ありません、全てお話ししましょう……」
そこからリュカ族長は日野が来てからの事を語り出した、が、ここでは割愛させてもらう、話してくれたのはいいが、来てから自分は勇者で特別なんだと威張り散らしたり、聖魔剣が資格有るものしか触ってわいけないと知ったら自分に寄越せと言ったり、終いには娘さんに愛人(奴隷)になれと迫ったり、概ねバカの考えそうな事を見事にやってくれた話だ。
「で、追い出そうとしたら、聖魔剣を奪って逃げられたと?」
「お恥ずかしい限りです」
「あの者はわたしやお母様の体を穢らわしい目で見て………」
「何でもっと早く追い出さなかったんだ?」
「………聖魔剣使い様のご学友と聞いていたので」
「ふむ、一つ訂正しよう、友ではない」
瞬間再び時が止まる、エルフ親子。
「あ、あの者を即刻見つけ打ち首にせよ!これは族長命令である!!」
大きな声でそれこそ里中に響くのではという声で命令を出す、あー、そうとう貯まってたね、一方娘さんは。
「ああ、ああ、やっと奴を葬れる……」
歓喜に震えていた、こちらもそうとうだなぁ、親子それぞれの反応を見ていると、一人の兵士らしきエルフがこちらに走ってくる、あ、忍者的な跳躍は娘さんだけらしい、良かった。
「報告!北の森にてリュエ様が標的と交戦中!至急応援を………」
兵士の報告の途中、族長親子は飛び出していった、え?なに?エルフってこんなに喧嘩っ早いの?
「明くん、どうする?」
「んー、関係ない話じゃないし、俺達も行く?」
正直めんどくさいが
「そうだ、ね?」
「う、うん、いいんじゃ、ない?」
「う、うむ?」
「そ、そうですよ、ね?」
「えー?めんどくさいよぉ、日野だしぃ」
上から澪、司、敦、エレナ姫、鈴の反応、こんなとき鈴の素直さが羨ましい。
「はぁ、行くか」
報告?に来た兵士に場所を聞きとりあえず向かう事に、願わくば俺達が着く頃には終わっている事。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる