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ミノタウロス
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クロノから昔話を聞き、感慨に更けるグラン皇帝。
「そうか、この剣にはそんな話が……」
「いやはや、この様な贋作がまだ残って居ようとは御恥ずかしい限りです」
贋作と言いながら、話によればイビルドラゴンとか言う、ヤバイモンスター倒してますけど。それに比べて俺が倒したのって………あれ?ほとんど使って無くない?
「タクトの剣の話を聞いてもしやと思ったら、まさか本当に巡り会う事ができるとは……」
「剣の話?」
俺達は話した覚えはないし、何処から漏れたんだ?
「ああ、エリシア王国に入っている諜報員から、秘宝に似ている剣を勇者が奪おうとしているとな」
勇者が奪う?ああ、初めて剣を見た時だな、あったなそんな事も、というか諜報員って要するにスパイだよね?この皇帝さらっととんでもないこと言ってない?
「ん?ああ、諜報員の事なら大丈夫だぞ?各国黙認しているからな」
俺が苦笑いをしていたからかグラン皇帝が補足する。
「黙認ですか」
「ああ、和平を結んでいるとは言え、いつ何が起きるか分からないからな」
表面上は仲良くしているが、裏では肘の突っつき合いをしているのか。
「それで、少しタクトの剣を見せてはくれないか?」
「はぁ、良いですけど……」
剣を渡すと皇帝は目を輝かせた。
「お、おお、素晴らしいこんな剣は見たことがない!」
「そんなにすごいんですか?」
「な!?君にはこの素晴らしさが解らないのか!?」
ごめんなさい解りません。
「いいか、この剣はそもそも内包する魔力の純度が………」
それから暫く、クロノが創った剣の素晴らしさをグラン皇帝は熱く語った。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「と、言うわけだ、解ったか?」
「は、はぁ……」
一通り誉め称えた後、ようやく落ち着いたのかグラン皇帝の語りが終わった。
「所で、この剣で今までどれ程の大物を倒してきたんだ?」
「え?」
急な現実的な質問に固まる。
「隠さなくてもいい、これほどの剣だドラゴン位は倒しているだろう?」
「………じ、実は使ってないです」
「ん?すまん聞こえなかった、今なんと?」
「使ってません、一回も」
素直に言うとグラン皇帝は天を仰いだ。
「なんて事だ、この様な素晴らしい剣を使わないなんて……」
「いや、使う機会が無いのは良いことでは?」
「いいや!断じて否だ!剣とは使ってこそその真価を発揮するのだ!」
「は、はぁ……」
またしても熱く語るグラン皇帝、何と言うか剣マニア感はすごい。
「よし、明日は遠征だ!」
「はい?」
「大丈夫だ、俺に任せておけ!」
そう言うとグラン皇帝は俺達を他の人に任せて出ていってしまった、どうやら遠征に行くのは決まりらしい。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
翌朝、朝食を食べた後、城の広場に俺達は連れてこられた。
「ミノタウロスですか?」
「ああ、ちょうど近くを彷徨いている奴が居てな、相手にするには不足だが、無いよりはましだろう」
どうやらグラン皇帝は何が何でも功績を着けたいらしい。
「それにしても、ずいぶん大掛かりですね」
城の広場には、多くの兵士が集まっており、今も慌ただしく遠征の準備をしている。
「ああ、丁度兵士が弛んでいると報告があってな、いい機会だから本格的な遠征をさせようと思ってな」
なるほど、俺達のついでに遠征か。
「んで、ついでに俺達も着いていくって事だ」
あ、俺達の方がついでね。と言うことは突然上司(皇帝)が着いてくると言い出したわけだ。
「どうりでピリピリしてると思った」
「ああ、いい緊張感だな」
兵士の皆さん心中お察しします。
「馬車の準備ができたみたいだな、行くぞ」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ガタガタッ。
「……結構揺れるな」
グラン皇帝に用意してもらった馬車に乗り街道を進むのだが、揺れるそれもかなり腰に来る。
「そうか?馬車はこんなものだろ?」
そう、本来は揺れるのが馬車なんだ、ほとんど揺れないクロノが作った馬車が可笑しいのだ、が、その馬車に慣れてしまったから、普通の揺れが気になってしょうがない。
「そう言えば最近は船旅ばかりだったな、そのせいか?」
「ええ、まぁ、そんな感じです、ははは……」
とりあえず笑って誤魔化す。さすがに他人の馬車を改造と言うわけにはいかない、クロノの技術は無暗矢鱈に広げるのは危険な気がするし、改造した馬車をその都度買い取っていたら大変だしな、だから道具を取り出すクロノをそっと止めておいた。
「ところで、ミノタウロスってどんな魔物ですか?」
「ああ、二メートル程ある牛の魔物でな、巨体を活かしたリーチの長い攻撃が特徴だ」
「なるほど」
「外見的には赤い猛牛と言われるだけあって赤色だ、ただ、近くのダンジョンに居るミノタウロスキングは赤黒く、巨体も一回り大きくなる」
「キング?」
「まぁ、そんな奴はダンジョンから出てくる事はないけどな、あったとしたらよっぽどの事だ」
「そうですか」
ダンジョンの方も気になったのだが、今は行く訳じゃないしいいか。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
しばらく馬車で進み、目撃報告の多い地点で野営をする事になった。
「ずいぶん荷物が多いと思いましたが、何日位居る予定なんですか?」
「三、四日だな、それくらいあれば見つけられるだろう」
「なるほど」
まぁ、長いキャンプだと思えばいいか。
「タクト様!牛を見つけて来ればいいんですか?」
「ん?ああ、そうだな二足歩行の牛だな」
「わかりました、探してきます!」
「ん、エニも行く」
お?珍しい、いつもは留守番の方に成る二人が動いた。
「はっはっは、子供は元気がいいな」
グラン皇帝が朗らかに笑うが、あの二人クロノと同じ位の力ありますよ?
「さて、俺達はテント張るか」
「畏まりました」
「御手伝いします」
うん、何か調子狂う、いつもはフェンとエニだからな。
テントを張ってしばらく後。
「おいタクト、ちょっとあの子達遅くないか?」
メロウの用意したお茶を飲んでいるとグラン皇帝が駆け寄って来た。
「あー、そう言えばそうですね、何処まで行ってるんだろ?」
時刻は夕暮れ、間もなく夜に為ろうとしていた。
「おいおい、大丈夫か?何処かで迷子になったり……」
「うーん、フェンとエニなら大丈夫だとは思いますけど……」
ズンッ……
「ん?今何か聞こえませんでした?」
「あ?そうか?俺には何も聞こえなかったが?」
ズンッ
まただ、………何だろう、フェンとエニがまだ帰って居ない事、遠くから聞こえる地鳴り……嫌な予感がする。
「た、大変です皇帝陛下!」
「どうした、何があった?」
「き、キングです!ミノタウロスキングがこちらに近づいてきます!」
「なに!?」
キングって確かダンジョンにしか居ないはずの?
「くっ、全員戦闘の準備だ!急げ!」
慌ただしく駆けていく兵士とグラン皇帝。
「………何だろうな、すごく嫌な予感がする」
メロウとクロノの方を見る。メロウニコっと微笑む、かわいい………じゃなくて、そうだ、従者には常識は通じないんだった。
「クロノ、メロウ、俺達も行くぞ」
『はっ!』
急いでグラン皇帝達の元へ行くと、既に兵士達が隊列を組んでいた、なかなか早い行動だ。
「グラン皇帝」
「お前達も来たか、確かにキングだったが、何か様子がおかしい」
「と言うと?」
「まるで何かに引かれてるみたいなんだ」
引かれてる?何か興味を持つものにか?
「来たぞ」
グラン皇帝の言葉にその方向を向くと。
ズズズッ、ズズズッ…
『ブモォォォ!』
確かに何かに引きずられてくるミノタウロスキング、そして……。
「うるさい!いいからこっちに来い!」
「ん、遅い」
その前を歩く見覚えの有るというか、よく知る少女が二人。
「……やっぱりか」
そして頭を抱える俺。
「あ!タクト様ー!ただいま戻りましたー!」
元気に手を降るフェン、聞くのが怖いが聞かなければならない。
「フェン、その牛は?」
「はい!洞窟の奥に居ましたので捕まえてきました!」
グラン皇帝の方を見る。
「……ここら辺で洞窟はダンジョン位だ」
「やっぱりですか」
どうやら二人はダンジョンに行っていたらしい。
「じゃあ、あれもダンジョンから連れてきたのか」
「信じられん、ミノタウロスキングはダンジョンの最下層に居るんだぞ?」
フェンとエニは二人だけでダンジョンを踏破したらしい。
「でも、何故生け捕り?」
「え?だってタクト様が倒すんですよね?」
「あー、うん、そう言えばそう言う話だったね」
言われてみればその為に連れてこられたんだっけ?
『ブモォォォ!』
「うるさい、まだ話の途中!」
鳴き声?を上げたミノタウロスキングをフェンが怒る、鎖を引かれたキングは地面に叩き付けられた。
「さっきから気になってたけどその鎖は?」
「ん、エニが出した」
あー、そう言えば何でも出せるんだっけ。
「それで、タクト様準備はいいですか?」
「え?ああ、うん」
このままフェンが押さえてるから、止めだけ差せばいいのか。
「じゃあ、いきますよー」
え?と思ったのもつかの間、フェンが鎖を外しミノタウロスキングを解き放つ。
『ブモォォォ!!』
「って、何してんの!?」
「え?だってタクト様が戦うんですよね?」
うん、いや、確かにそう言う話だったね!
でも、準備とかあるよね?後牛違いだし!
こうして突発的に俺はミノタウロスキングと戦うはめになった。
「そうか、この剣にはそんな話が……」
「いやはや、この様な贋作がまだ残って居ようとは御恥ずかしい限りです」
贋作と言いながら、話によればイビルドラゴンとか言う、ヤバイモンスター倒してますけど。それに比べて俺が倒したのって………あれ?ほとんど使って無くない?
「タクトの剣の話を聞いてもしやと思ったら、まさか本当に巡り会う事ができるとは……」
「剣の話?」
俺達は話した覚えはないし、何処から漏れたんだ?
「ああ、エリシア王国に入っている諜報員から、秘宝に似ている剣を勇者が奪おうとしているとな」
勇者が奪う?ああ、初めて剣を見た時だな、あったなそんな事も、というか諜報員って要するにスパイだよね?この皇帝さらっととんでもないこと言ってない?
「ん?ああ、諜報員の事なら大丈夫だぞ?各国黙認しているからな」
俺が苦笑いをしていたからかグラン皇帝が補足する。
「黙認ですか」
「ああ、和平を結んでいるとは言え、いつ何が起きるか分からないからな」
表面上は仲良くしているが、裏では肘の突っつき合いをしているのか。
「それで、少しタクトの剣を見せてはくれないか?」
「はぁ、良いですけど……」
剣を渡すと皇帝は目を輝かせた。
「お、おお、素晴らしいこんな剣は見たことがない!」
「そんなにすごいんですか?」
「な!?君にはこの素晴らしさが解らないのか!?」
ごめんなさい解りません。
「いいか、この剣はそもそも内包する魔力の純度が………」
それから暫く、クロノが創った剣の素晴らしさをグラン皇帝は熱く語った。
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「と、言うわけだ、解ったか?」
「は、はぁ……」
一通り誉め称えた後、ようやく落ち着いたのかグラン皇帝の語りが終わった。
「所で、この剣で今までどれ程の大物を倒してきたんだ?」
「え?」
急な現実的な質問に固まる。
「隠さなくてもいい、これほどの剣だドラゴン位は倒しているだろう?」
「………じ、実は使ってないです」
「ん?すまん聞こえなかった、今なんと?」
「使ってません、一回も」
素直に言うとグラン皇帝は天を仰いだ。
「なんて事だ、この様な素晴らしい剣を使わないなんて……」
「いや、使う機会が無いのは良いことでは?」
「いいや!断じて否だ!剣とは使ってこそその真価を発揮するのだ!」
「は、はぁ……」
またしても熱く語るグラン皇帝、何と言うか剣マニア感はすごい。
「よし、明日は遠征だ!」
「はい?」
「大丈夫だ、俺に任せておけ!」
そう言うとグラン皇帝は俺達を他の人に任せて出ていってしまった、どうやら遠征に行くのは決まりらしい。
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翌朝、朝食を食べた後、城の広場に俺達は連れてこられた。
「ミノタウロスですか?」
「ああ、ちょうど近くを彷徨いている奴が居てな、相手にするには不足だが、無いよりはましだろう」
どうやらグラン皇帝は何が何でも功績を着けたいらしい。
「それにしても、ずいぶん大掛かりですね」
城の広場には、多くの兵士が集まっており、今も慌ただしく遠征の準備をしている。
「ああ、丁度兵士が弛んでいると報告があってな、いい機会だから本格的な遠征をさせようと思ってな」
なるほど、俺達のついでに遠征か。
「んで、ついでに俺達も着いていくって事だ」
あ、俺達の方がついでね。と言うことは突然上司(皇帝)が着いてくると言い出したわけだ。
「どうりでピリピリしてると思った」
「ああ、いい緊張感だな」
兵士の皆さん心中お察しします。
「馬車の準備ができたみたいだな、行くぞ」
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ガタガタッ。
「……結構揺れるな」
グラン皇帝に用意してもらった馬車に乗り街道を進むのだが、揺れるそれもかなり腰に来る。
「そうか?馬車はこんなものだろ?」
そう、本来は揺れるのが馬車なんだ、ほとんど揺れないクロノが作った馬車が可笑しいのだ、が、その馬車に慣れてしまったから、普通の揺れが気になってしょうがない。
「そう言えば最近は船旅ばかりだったな、そのせいか?」
「ええ、まぁ、そんな感じです、ははは……」
とりあえず笑って誤魔化す。さすがに他人の馬車を改造と言うわけにはいかない、クロノの技術は無暗矢鱈に広げるのは危険な気がするし、改造した馬車をその都度買い取っていたら大変だしな、だから道具を取り出すクロノをそっと止めておいた。
「ところで、ミノタウロスってどんな魔物ですか?」
「ああ、二メートル程ある牛の魔物でな、巨体を活かしたリーチの長い攻撃が特徴だ」
「なるほど」
「外見的には赤い猛牛と言われるだけあって赤色だ、ただ、近くのダンジョンに居るミノタウロスキングは赤黒く、巨体も一回り大きくなる」
「キング?」
「まぁ、そんな奴はダンジョンから出てくる事はないけどな、あったとしたらよっぽどの事だ」
「そうですか」
ダンジョンの方も気になったのだが、今は行く訳じゃないしいいか。
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しばらく馬車で進み、目撃報告の多い地点で野営をする事になった。
「ずいぶん荷物が多いと思いましたが、何日位居る予定なんですか?」
「三、四日だな、それくらいあれば見つけられるだろう」
「なるほど」
まぁ、長いキャンプだと思えばいいか。
「タクト様!牛を見つけて来ればいいんですか?」
「ん?ああ、そうだな二足歩行の牛だな」
「わかりました、探してきます!」
「ん、エニも行く」
お?珍しい、いつもは留守番の方に成る二人が動いた。
「はっはっは、子供は元気がいいな」
グラン皇帝が朗らかに笑うが、あの二人クロノと同じ位の力ありますよ?
「さて、俺達はテント張るか」
「畏まりました」
「御手伝いします」
うん、何か調子狂う、いつもはフェンとエニだからな。
テントを張ってしばらく後。
「おいタクト、ちょっとあの子達遅くないか?」
メロウの用意したお茶を飲んでいるとグラン皇帝が駆け寄って来た。
「あー、そう言えばそうですね、何処まで行ってるんだろ?」
時刻は夕暮れ、間もなく夜に為ろうとしていた。
「おいおい、大丈夫か?何処かで迷子になったり……」
「うーん、フェンとエニなら大丈夫だとは思いますけど……」
ズンッ……
「ん?今何か聞こえませんでした?」
「あ?そうか?俺には何も聞こえなかったが?」
ズンッ
まただ、………何だろう、フェンとエニがまだ帰って居ない事、遠くから聞こえる地鳴り……嫌な予感がする。
「た、大変です皇帝陛下!」
「どうした、何があった?」
「き、キングです!ミノタウロスキングがこちらに近づいてきます!」
「なに!?」
キングって確かダンジョンにしか居ないはずの?
「くっ、全員戦闘の準備だ!急げ!」
慌ただしく駆けていく兵士とグラン皇帝。
「………何だろうな、すごく嫌な予感がする」
メロウとクロノの方を見る。メロウニコっと微笑む、かわいい………じゃなくて、そうだ、従者には常識は通じないんだった。
「クロノ、メロウ、俺達も行くぞ」
『はっ!』
急いでグラン皇帝達の元へ行くと、既に兵士達が隊列を組んでいた、なかなか早い行動だ。
「グラン皇帝」
「お前達も来たか、確かにキングだったが、何か様子がおかしい」
「と言うと?」
「まるで何かに引かれてるみたいなんだ」
引かれてる?何か興味を持つものにか?
「来たぞ」
グラン皇帝の言葉にその方向を向くと。
ズズズッ、ズズズッ…
『ブモォォォ!』
確かに何かに引きずられてくるミノタウロスキング、そして……。
「うるさい!いいからこっちに来い!」
「ん、遅い」
その前を歩く見覚えの有るというか、よく知る少女が二人。
「……やっぱりか」
そして頭を抱える俺。
「あ!タクト様ー!ただいま戻りましたー!」
元気に手を降るフェン、聞くのが怖いが聞かなければならない。
「フェン、その牛は?」
「はい!洞窟の奥に居ましたので捕まえてきました!」
グラン皇帝の方を見る。
「……ここら辺で洞窟はダンジョン位だ」
「やっぱりですか」
どうやら二人はダンジョンに行っていたらしい。
「じゃあ、あれもダンジョンから連れてきたのか」
「信じられん、ミノタウロスキングはダンジョンの最下層に居るんだぞ?」
フェンとエニは二人だけでダンジョンを踏破したらしい。
「でも、何故生け捕り?」
「え?だってタクト様が倒すんですよね?」
「あー、うん、そう言えばそう言う話だったね」
言われてみればその為に連れてこられたんだっけ?
『ブモォォォ!』
「うるさい、まだ話の途中!」
鳴き声?を上げたミノタウロスキングをフェンが怒る、鎖を引かれたキングは地面に叩き付けられた。
「さっきから気になってたけどその鎖は?」
「ん、エニが出した」
あー、そう言えば何でも出せるんだっけ。
「それで、タクト様準備はいいですか?」
「え?ああ、うん」
このままフェンが押さえてるから、止めだけ差せばいいのか。
「じゃあ、いきますよー」
え?と思ったのもつかの間、フェンが鎖を外しミノタウロスキングを解き放つ。
『ブモォォォ!!』
「って、何してんの!?」
「え?だってタクト様が戦うんですよね?」
うん、いや、確かにそう言う話だったね!
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