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魔王軍SOS
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フェニックスの尻尾の由来を聞きながら一息つく。
「……なるほどそれで彼処にエニの尻尾か」
「……ん、エニ、役目果たした」
偉い?と言いたげに胸を張るエニ、頭を撫でながら目下の問題に向き直る。
「と、言う事らしいです」
「はい、では女王陛下に伝えてきます」
「お願いします」
話していたのはエルフ女王ではなく、案内をしてくれたネルエルさん、エルフの里には入れたのだが、俺達が入った後女王が引きこもってしまった。
「タクト様を置いて部屋に引きこもるなど……」
「まぁ、気持ちは解るけどな」
獣王国の時もそうだったが、自分達の崇めている者が突然目の前に来たら、当然パニックに陥る。
「とはいえ、このままじゃあ話が進まないな」
目的が目的なので悠長にはしてられない。
「……仕方ない、先に魔王の側近とやらに会いに行こう」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
タクト達が魔王の側近が囚われている牢屋に移動し始めた頃、エルフの女王は。
「な、なんと言う事か………」
タクト達からの詳細を聞き、大いに狼狽えていた。
「わ、わたくしは、なんと言う……」
「女王陛下、ここは素直に謝った方が良いのでは?」
報告に来たネルエルは女王に進言する。因みにネルエルは唯一タクト達の親しいエルフとして、里を出た罪は許されている。
「し、しかし、それでは女王としての威厳が……」
「はぁ、女王陛下、その威厳が今回の事態を招いたのです」
ネルエルの言葉にぐぅの音も出ない女王。
「………そ、そう言えば、彼らは魔王の側近を助けに来たと?」
「ええ、勇者様方は魔王との和平を目標にしていますから」
それを聞いてみるみる青ざめるエルフの女王。
「ま、まずい!」
「陛下!?」
飛び出す女王とそれを追いかけるネルエル。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
さて、魔王の側近が囚われている牢屋に着いたタクト達。
「………これは酷いな」
牢の中には首を鎖で壁に繋がれ、力無く横たわる一人の女性、見た目は十五、六と言ったところか?彼女が魔族なら実際の年齢は解らないが。
「いくら処刑すると言ってもこれは酷いだろ」
ずっと鎖で繋がれていたのかボロボロの状態だった、食事は与えられていないのか唇はカサカサ、トイレにも行けないから垂れ流し、瞳には光が宿ってないのか虚空をボーッと見つめるだけ。
「おーい、まだ生きてるか?」
少しだけ光のない瞳が動く。
「……にん……げん?」
「ああ、俺はエルフじゃない」
「……何しに来たの?……そんなに処刑される魔族が珍しい?」
横たわりながら、誰も信じられないと言うように、皮肉を言う魔族。
「魔族は珍しいと思うけど、処刑を見に来た訳じゃない、話によっては君を助けに来た」
「……たすける?はは、ただの人間が何言ってるの?」
苦笑する魔族に手の甲を見せながら言う。
「ただの人間じゃない、一応勇者だ」
「なら、尚更助ける理由がないじゃない、勇者は魔族を滅ぼす、子供でも知ってるわ」
横たわっていた身体をゆっくり起こす魔族、壁に背を預けながら、力無い瞳をこちらに向ける。
「いや、残念ながら俺は違う、魔族と和平を結びたいと思っている」
和平の言葉に魔族がピクリと反応する。
「……和平?」
「ああ、俺は争うよりもいいと思っている」
それから俺の考える魔族との和平について話した。
「………と言うのが俺の考える魔族と和平についてだ」
「…………」
魔族の女はうつむき何も言わない。
「………それで、これを実現するために君に聞きたい、君はスパイなのか?」
「ち、違う!わたしは、あぅ」
勢い良く立ち上がりこちらに走ろうとしたせいで、首に着いた鎖に引っ張られる。
「おい、落ち着けよ」
「た、頼む、いや、お願いします!わたしはどうなってもいい!だから、どうか、どうか魔王様を助けて下さい!」
魔王を助けて欲しい、その願いで大体の方針は決まった。
「……とりあえず、その檻を出てからだな、あと何か食べれる物を用意してくれメロウ」
「畏まりました」
「い、いいの?わたしは魔族だよ?魔王を助けてって言っているんだよ?」
「構わないさ、元々魔王とは話がしたいと思ってたしな」
牢の扉を開けるため近づくと。
「お、お待ちください!勇者殿!」
「エルフの女王?」
エルフの女王が慌てて駆けて来た。
「はぁ、はぁ、その者をどうするつもりですか?」
「どうするって、助けるつもりだが?」
「それは、なりません!」
「何故?」
止めるエルフの女王に聞き返す。
「その者は魔族です!我らの敵です!」
「それはエルフにとってだろ?俺には関係ない」
相変わらず話の通じないエルフの女王だ。
「し、しかし、貴方は勇者です、秩序を守るためには!」
「あー、はいはい、解りましたよ、じゃあこの魔族を連れてエルフの国を出ます、それでいいでしょ?」
呆れぎみに言いつつクロノに檻を開けさせ魔族を連れて出す。
「よ、良くありません!貴方は、勇者は魔王を倒し平和を」
「平和?魔族を滅ぼして平和なんて来るのか?誰が決めたんだ?」
「そ、それは」
「少なくとも俺の知ってる神様は魔族を滅ぼせなんて言って無かった、前の勇者は知らんが、俺は魔族との和平をする、それが平和に繋がると思ってるよ」
「………」
「秩序も大事、ルールも大切、悪は許せない、それも良いと思うけど、余り肩肘貼らずにさ、楽にいこうよ」
それだけ言い残しその場を立ち去る。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
タクト達が立ち去り、残されたエルフの女王。
「………わたくしは、間違っているのでしょうか」
ポツリと呟くエルフの女王に対して、ネルエルは意を決して言う。
「はい、森を出て自分で見てわかりました、私たちエルフは間違っていたんです」
「…………」
俯くエルフの女王にネルエルは続ける。
「伝統や規律、秩序を守るのも大切です、でもエルフは外に出て新しい物を見る必要が有ると私は思います」
「新しい物………」
「女王陛下、外に出ましょう!勇者様に御力添えをするんです!」
「楽にいこうよ、ですか………」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
魔族を連れてエルフの里を出てしばらく。
「本当に森の外に出るんだな」
迷いの森を適当に走っていたら、外に出された。
「さてと、まずは、飯にするか」
因みに魔族はミノタウロス車に乗せられる前に、メロウ達によって綺麗にされていた、具体的には水をぶっかけられ、泡の魔法に包まれ、また水をぶっかけられ、熱風を浴びると、ずいぶん手荒い方法だった。
「そ、それより、直ぐに魔王様を!」
「分かってる、助けるからまずはお腹すいてるだろ?食べながらでいいからちゃんと話を聞かせてくれ、な?」
「………はい」
渋々ながらメロウに出してもらったテーブルに着く。メロウがお粥擬きと刷りリンゴを用意してくる、うん、急に固形物食べるとおえってなるからね。因みに俺達にはお茶とサンドイッチ、摘まみながら話が出きるようにだな。
「じゃあまず自己紹介だな、俺はタクト一応勇者
だ」
「わたしはサナリ、魔王様の秘書の様なもの」
「この世界にも秘書ってあるんだな、で、魔王はどうしたんだ?」
「………実は」
そこから魔王軍に起きている事を知る、宰相の事、魔王が平和路線を目指している事、騙されて今は人形のように操られている事。
「じゃあ君が妖精国に流れ着いたのは?」
「宰相の悪事を知って逃げたした際に追っ手に海に落とされました」
「海流の行き着いた先が妖精国だったわけだ、運がいいのか悪いのか……」
「いえ、幸運でした、元々人族に助けを求める予定でしたから」
そこでふと気になった。
「魔王軍の誰かに助けは求めなかったのか?例えば四天王とか」
「え、えっと、それは……」
そこで言い淀むサナリ。
「まさか四天王に宰相の仲間が居るのか?」
そうするとちょっと面倒なんだが。
「い、いえ、そうではなく、四天王の方々はその、純粋と言うか、なんと言うか………」
「あー、バカだから頼りないと」
「そ、そこまでは言ってません!」
「じゃあ何でだ?」
「………魔王様が宰相の隙を着いて仰ったのです、四天王ではなく、人族に助けをと」
………うん、魔王はやっぱりやり手だな、良い人選だよ。
「………まぁ、だいたい予想通りだったな」
「御見事ですタクト様」
しかし、ここで問題になるのが。
「どうやって死線帯に行くかだな」
「死線帯?あ、魔大陸の事ですね」
「魔族はそう呼んでいるのか?」
「はい」
ふーん魔大陸ね、如何にもな名前だな。
「少々宜しいでしょうか?」
「ん?どうしたメロウ」
「そこの娘、今、魔大陸と言いましたか?」
「え、あ、はい言いました」
「それは間違いないのですね?」
「はい間違いありません、昔からわたし達が住む大陸は魔大陸と言われています」
「そう……」
メロウは何かを考え始める。
「タクト様、もしかしたら魔大陸へ行けるかもしれません」
なるほど、大体は解った、フェン、クロノ、エニの所縁の地があるなら、メロウにあっても可笑しくないよな。
「そうか、じゃあ任せて良いかメロウ?」
「はい、御任せ下さい」
こうして俺達は魔王を助けるため、死線帯改め魔大陸を目指す。
「……なるほどそれで彼処にエニの尻尾か」
「……ん、エニ、役目果たした」
偉い?と言いたげに胸を張るエニ、頭を撫でながら目下の問題に向き直る。
「と、言う事らしいです」
「はい、では女王陛下に伝えてきます」
「お願いします」
話していたのはエルフ女王ではなく、案内をしてくれたネルエルさん、エルフの里には入れたのだが、俺達が入った後女王が引きこもってしまった。
「タクト様を置いて部屋に引きこもるなど……」
「まぁ、気持ちは解るけどな」
獣王国の時もそうだったが、自分達の崇めている者が突然目の前に来たら、当然パニックに陥る。
「とはいえ、このままじゃあ話が進まないな」
目的が目的なので悠長にはしてられない。
「……仕方ない、先に魔王の側近とやらに会いに行こう」
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タクト達が魔王の側近が囚われている牢屋に移動し始めた頃、エルフの女王は。
「な、なんと言う事か………」
タクト達からの詳細を聞き、大いに狼狽えていた。
「わ、わたくしは、なんと言う……」
「女王陛下、ここは素直に謝った方が良いのでは?」
報告に来たネルエルは女王に進言する。因みにネルエルは唯一タクト達の親しいエルフとして、里を出た罪は許されている。
「し、しかし、それでは女王としての威厳が……」
「はぁ、女王陛下、その威厳が今回の事態を招いたのです」
ネルエルの言葉にぐぅの音も出ない女王。
「………そ、そう言えば、彼らは魔王の側近を助けに来たと?」
「ええ、勇者様方は魔王との和平を目標にしていますから」
それを聞いてみるみる青ざめるエルフの女王。
「ま、まずい!」
「陛下!?」
飛び出す女王とそれを追いかけるネルエル。
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さて、魔王の側近が囚われている牢屋に着いたタクト達。
「………これは酷いな」
牢の中には首を鎖で壁に繋がれ、力無く横たわる一人の女性、見た目は十五、六と言ったところか?彼女が魔族なら実際の年齢は解らないが。
「いくら処刑すると言ってもこれは酷いだろ」
ずっと鎖で繋がれていたのかボロボロの状態だった、食事は与えられていないのか唇はカサカサ、トイレにも行けないから垂れ流し、瞳には光が宿ってないのか虚空をボーッと見つめるだけ。
「おーい、まだ生きてるか?」
少しだけ光のない瞳が動く。
「……にん……げん?」
「ああ、俺はエルフじゃない」
「……何しに来たの?……そんなに処刑される魔族が珍しい?」
横たわりながら、誰も信じられないと言うように、皮肉を言う魔族。
「魔族は珍しいと思うけど、処刑を見に来た訳じゃない、話によっては君を助けに来た」
「……たすける?はは、ただの人間が何言ってるの?」
苦笑する魔族に手の甲を見せながら言う。
「ただの人間じゃない、一応勇者だ」
「なら、尚更助ける理由がないじゃない、勇者は魔族を滅ぼす、子供でも知ってるわ」
横たわっていた身体をゆっくり起こす魔族、壁に背を預けながら、力無い瞳をこちらに向ける。
「いや、残念ながら俺は違う、魔族と和平を結びたいと思っている」
和平の言葉に魔族がピクリと反応する。
「……和平?」
「ああ、俺は争うよりもいいと思っている」
それから俺の考える魔族との和平について話した。
「………と言うのが俺の考える魔族と和平についてだ」
「…………」
魔族の女はうつむき何も言わない。
「………それで、これを実現するために君に聞きたい、君はスパイなのか?」
「ち、違う!わたしは、あぅ」
勢い良く立ち上がりこちらに走ろうとしたせいで、首に着いた鎖に引っ張られる。
「おい、落ち着けよ」
「た、頼む、いや、お願いします!わたしはどうなってもいい!だから、どうか、どうか魔王様を助けて下さい!」
魔王を助けて欲しい、その願いで大体の方針は決まった。
「……とりあえず、その檻を出てからだな、あと何か食べれる物を用意してくれメロウ」
「畏まりました」
「い、いいの?わたしは魔族だよ?魔王を助けてって言っているんだよ?」
「構わないさ、元々魔王とは話がしたいと思ってたしな」
牢の扉を開けるため近づくと。
「お、お待ちください!勇者殿!」
「エルフの女王?」
エルフの女王が慌てて駆けて来た。
「はぁ、はぁ、その者をどうするつもりですか?」
「どうするって、助けるつもりだが?」
「それは、なりません!」
「何故?」
止めるエルフの女王に聞き返す。
「その者は魔族です!我らの敵です!」
「それはエルフにとってだろ?俺には関係ない」
相変わらず話の通じないエルフの女王だ。
「し、しかし、貴方は勇者です、秩序を守るためには!」
「あー、はいはい、解りましたよ、じゃあこの魔族を連れてエルフの国を出ます、それでいいでしょ?」
呆れぎみに言いつつクロノに檻を開けさせ魔族を連れて出す。
「よ、良くありません!貴方は、勇者は魔王を倒し平和を」
「平和?魔族を滅ぼして平和なんて来るのか?誰が決めたんだ?」
「そ、それは」
「少なくとも俺の知ってる神様は魔族を滅ぼせなんて言って無かった、前の勇者は知らんが、俺は魔族との和平をする、それが平和に繋がると思ってるよ」
「………」
「秩序も大事、ルールも大切、悪は許せない、それも良いと思うけど、余り肩肘貼らずにさ、楽にいこうよ」
それだけ言い残しその場を立ち去る。
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タクト達が立ち去り、残されたエルフの女王。
「………わたくしは、間違っているのでしょうか」
ポツリと呟くエルフの女王に対して、ネルエルは意を決して言う。
「はい、森を出て自分で見てわかりました、私たちエルフは間違っていたんです」
「…………」
俯くエルフの女王にネルエルは続ける。
「伝統や規律、秩序を守るのも大切です、でもエルフは外に出て新しい物を見る必要が有ると私は思います」
「新しい物………」
「女王陛下、外に出ましょう!勇者様に御力添えをするんです!」
「楽にいこうよ、ですか………」
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魔族を連れてエルフの里を出てしばらく。
「本当に森の外に出るんだな」
迷いの森を適当に走っていたら、外に出された。
「さてと、まずは、飯にするか」
因みに魔族はミノタウロス車に乗せられる前に、メロウ達によって綺麗にされていた、具体的には水をぶっかけられ、泡の魔法に包まれ、また水をぶっかけられ、熱風を浴びると、ずいぶん手荒い方法だった。
「そ、それより、直ぐに魔王様を!」
「分かってる、助けるからまずはお腹すいてるだろ?食べながらでいいからちゃんと話を聞かせてくれ、な?」
「………はい」
渋々ながらメロウに出してもらったテーブルに着く。メロウがお粥擬きと刷りリンゴを用意してくる、うん、急に固形物食べるとおえってなるからね。因みに俺達にはお茶とサンドイッチ、摘まみながら話が出きるようにだな。
「じゃあまず自己紹介だな、俺はタクト一応勇者
だ」
「わたしはサナリ、魔王様の秘書の様なもの」
「この世界にも秘書ってあるんだな、で、魔王はどうしたんだ?」
「………実は」
そこから魔王軍に起きている事を知る、宰相の事、魔王が平和路線を目指している事、騙されて今は人形のように操られている事。
「じゃあ君が妖精国に流れ着いたのは?」
「宰相の悪事を知って逃げたした際に追っ手に海に落とされました」
「海流の行き着いた先が妖精国だったわけだ、運がいいのか悪いのか……」
「いえ、幸運でした、元々人族に助けを求める予定でしたから」
そこでふと気になった。
「魔王軍の誰かに助けは求めなかったのか?例えば四天王とか」
「え、えっと、それは……」
そこで言い淀むサナリ。
「まさか四天王に宰相の仲間が居るのか?」
そうするとちょっと面倒なんだが。
「い、いえ、そうではなく、四天王の方々はその、純粋と言うか、なんと言うか………」
「あー、バカだから頼りないと」
「そ、そこまでは言ってません!」
「じゃあ何でだ?」
「………魔王様が宰相の隙を着いて仰ったのです、四天王ではなく、人族に助けをと」
………うん、魔王はやっぱりやり手だな、良い人選だよ。
「………まぁ、だいたい予想通りだったな」
「御見事ですタクト様」
しかし、ここで問題になるのが。
「どうやって死線帯に行くかだな」
「死線帯?あ、魔大陸の事ですね」
「魔族はそう呼んでいるのか?」
「はい」
ふーん魔大陸ね、如何にもな名前だな。
「少々宜しいでしょうか?」
「ん?どうしたメロウ」
「そこの娘、今、魔大陸と言いましたか?」
「え、あ、はい言いました」
「それは間違いないのですね?」
「はい間違いありません、昔からわたし達が住む大陸は魔大陸と言われています」
「そう……」
メロウは何かを考え始める。
「タクト様、もしかしたら魔大陸へ行けるかもしれません」
なるほど、大体は解った、フェン、クロノ、エニの所縁の地があるなら、メロウにあっても可笑しくないよな。
「そうか、じゃあ任せて良いかメロウ?」
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