43 / 45
魔王
しおりを挟む
魔王を助け、和平を結ぶ為に一路魔大陸へ渡る俺達。
「道案内は任せていいんだよな?」
「はい、ただ問題は宰相による妨害ですね」
「宰相はそんなに強いのか?」
「いえ、彼自信には戦う力はありません」
ふむ、なら脅威にならないのでは?
「問題はその側に魔王様が居ることです」
「魔王は強いのか?」
「それはもう!卓越した魔法技能!他を凌駕する格闘センス!魔王様に敵うものなんてこの世に居りません!」
サナリが熱く語るのだが、この子若干魔王を好きすぎる傾向が有るからなぁ、実際はどうなんだろ。
「例え勇者であっても魔王様には……ひぃっ!」
サナリの語りが切れたので見てみると、メロウが睨み付けていた。
「………まぁ、魔王については対策は考えよう、最悪動きを封じさえすれば良いしな、後は四天王についてか」
「そ、そうですね、四天王の皆様なら何とかわたしが話してみます」
話し合いで終われば良いのだが。
「タクト様、間もなく魔大陸に上陸します」
「よし、全員準備してくれ」
『はい!』
一人ずつメロウから薬を貰い上陸の準備をする。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
魔大陸貿易都市トーテム、流石に港は封鎖されていたので近くの海岸に船を着けたのだが。
「やっぱり居るよな」
「居ますね」
海岸には無数の魔物と、それを従えるミエムの姿。
「とりあえず近づいてみるか」
ポートを出して上陸。
「やっぱり来たわね勇者」
「ミエム様!話を聞いてください!」
「サナリ?いいわよ、聞いてあげる」
おや?案外すんなりいったな。
「着いてきなさい」
そのままミエムの案内で街の中へ。
「いいのか?」
「いいわよ、どうせ海岸に居たのは建前だし」
「建前?」
「そう、自称宰相様のご命令でね」
"自称"を強調しつつ皮肉たっぷりに言うミエム。
「さぁ、着いたわよ」
辿り着いたのは一軒の酒場。
「遠慮しないで入りなさい、一応歓迎するわ」
一応ね。
「ようミエム、ずいぶん早かったな」
「ええ、始める前で良かったわ」
中には四天王が揃って居た、それより気になるのは始める前?
「さ、聞かせてちょうだい貴方達の話を」
そこからはサナリに任せて四天王達の説得?が始まった。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
サナリから説明を受け、何処か納得下の四天王。
「………やっぱりね、道理で最近魔王様の様子がおかしいと思ったわ」
「ああ、これなら納得だ」
「はい、僕達の考えは間違いじゃあ無かったんですね……」
「うん、不幸だけど」
何やらそれぞれ思う所があったらしい。
「所で、お前達は何をしようとしていたんだ?」
「………」
しばらくの沈黙の後、お互いに頷き合う四天王。
「わたくし達は反乱を起こす予定です」
「魔王様を奪還するため、城に攻め居るつもりだ」
おいおい、ずいぶん物騒な事考えてるな。
「これで心置きなく攻め込める」
「いや、ちょっと待てよ」
「勇者殿、わたし達も続きましょう!」
「だから!待てって!」
思わず大きな声を出してしまう。
「…………」
静まりかえる酒場。
「一旦落ち着け、焦る気持ちも分かるがそれじゃあダメだ」
「しかし……」
不満げなサナリ。
「仮に襲撃したとして、魔王を無事に取り戻せるのか?」
「俺達なら必ずできる!」
「いや、そう言う根性論じゃなく、作戦としての勝機は有るのか?」
「…………」
これは無さそうだな、魔王ってよほど優秀だったのかな?こんな連中を上手くコントロールしてたなんて本当に尊敬するよ。
「………闇雲に攻めても被害が出るだけだ、俺は今回の件で出来るだけ被害は失くしたいと思っている」
「そんな事言ってられる状況じゃないわ!」
「そうです!少なくとも魔王様を助ける為ならわたし達の命など」
「それをして魔王は喜ぶのか?」
「っ……」
押し黙るサナリに言い聞かせる。
「仮にお前達の誰かを犠牲にして、魔王は喜ぶのか?笑って胸を張って人族と和平を結べるのか?」
そう、あくまでも今回の最終目標は魔族と人族の和平の締結である、故にその過程も円満な物が望ましい。
「…………なら、貴方にはその策があるの?」
「有る、が、それを実行するにはお前達の協力が必須だ、ついては質問がある」
「なにかしら?」
今回の作戦の肝は四天王に有る、故にどうしても確認しなくてはならない。
「お前達は魔王と同じ気持ちなのか?具体的には人族との和平に賛成なのか?」
俺の言葉に四天王はそれぞれ真剣な目を向ける。
「………わたくし達は魔王様と志を共にしています」
「散々暴れ回っといて、虫がいい話をしているのは分かっている」
「それでも僕達は人族と仲良くしたいよ」
「指名手配されてるから難しいけどね、ああ、不幸だよ」
ふむ、どうやら宰相側に寝返る事は無いようだな。
「………もしも魔王様を助ける代わりに首を差し出せと言うなら、喜んで上げるわよ?」
「いや、それは俺一人で決める事じゃない、だから今のところは保留だな」
「……そう、なら、貴方の策を聞こうかしら?」
「ああ、よく聞いて理解してくれよ?失敗できないんだからな」
その後ミエム達に事前にメロウ達と決めていた作戦を説明する。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「クククッ、もうすぐだ、もうすぐでワシは世界を手に入れる………」
魔王城の一室、魔王の間にて宰相サギージは己の悲願が叶うのを今か今かと待ちわびていた。
「勇者の一行が魔大陸に渡ったのは確かなはず、ならば時期に魔王軍が勇者を連れてくるだろう、配備は完璧、流石の勇者でも長くは持つまい」
落ち着きなく、部屋の中をうろうろするサギージの元へ吉報が来る。
「宰相様!四天王の皆様が勇者を捕らえていらっしゃいました!」
「おぉ!よし、直ぐに連れてこい!」
通すように命じると、直ぐに勇者とその一行が縛られた状態で入ってくる。
「ククク、良い姿だな勇者よ?」
「………お前が宰相か?」
「その通り我が魔王様の忠実な僕、宰相サギージである!」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ミエム達に縛られた俺達はようやく宰相と対面した。
(ちっ、何が忠実な僕だよ)
(止せよ、聞こえるぞ)
小声で縄を持つダナンと話す。まぁ、宰相は実に楽しそうでこっちの声なんて聞こえてないみたいだがな。
「ふふふ、ようやく我ら魔族が世界を牛耳る時が来たのだ!」
さて、時間稼ぎをしますか、ちょうど聞きたい事もあったし。
「一つ聞いて良いか?」
「ふん、冥土の土産だ、答えてやろう」
「……お前は俺を直ぐに勇者と言ったな?何でだ?」
勿論だが、俺はこいつに会った事はない、何より宰相は俺達が魔大陸に来ているのを知っていた。
「簡単な話だ、お前達が来る事を教えてくれたのだよ」
「誰が?」
俺の質問に宰相サギージがほくそ笑む。
「お前達人間の中には魔王教なるものがいるだろう?」
「あー、分かったそれだけで充分だよ」
ある程度予想はしていたがやっぱりか。
「ふふふ、では、お前達の処遇だか…」
「言っただろ、もう充分だ、メロウやれ」
「はい、タクト様」
メロウに指示を出すと、ダナン達が持っていた綱を手放す。
「な、なんだ?お前達何をしている!?」
手放された縄は床に落ち俺達は解放される。
「簡単な話だ、俺達は元から捕まってなどいない」
「なっ、何だと!?裏切ったのか四天王!」
「どっちがだ、魔王様を洗脳するなど、魔族の恥さらしが!」
ダナンに正論を言われるサギージ、これはぐぅの音も出ない様子。
「くっ、魔王よ、こやつらを皆殺しにするのだ!」
「……………」
サギージが命令するが、魔王は動く気配がない。
「な、何故だ!何故動かない!?」
「無駄だ、お前の洗脳を上書きさせてもらった」
「う、上書き!?そんな、あ、ありえない」
「残念ながら有り得るんだよ、うちの従者は優秀なんでね、お前がべらべら喋っている間にやらせてもらったよ」
「ぐぅ」
忌々しげに睨み付けるサギージ。
「お、おのれぇ」
サギージは懐から水晶の様なものを出す。あれが通信機か。
『城内に居るものよ!反乱分子が魔王の間に居る、直ぐに捕らえよ!』
サギージが水晶に向かって叫ぶと、その声が城中に広がる。
「ククク、これで貴様らも………な、何故だ?何故誰も来ない!?」
「はぁ、それも無駄だ、城の中どころか魔王軍の全ての兵士はこちら側についている」
ここに来る前に四天王に説得と説明をしてもらった、魔王のカリスマ性なのか、皆直ぐに了承していた。
「くっ、くそっ、ならばこの中の誰かを」
「お前の洗脳に対して何の対策もしてないと思うか?」
「ぐぅ」
いよいよ追い詰められたじろぐサギージ。
「本来なら、俺か四天王かサナリが決着を着けるべきなのだろうが、それよりも相応しい人が居る」
「な、なにを」
頭に疑問符を浮かべるサギージを無視してその後ろに目を向ける。
「なぁ、そうだろ?魔王様?」
魔王がサギージの肩を掴む。
「ひっ!?」
サギージが驚き振り返るとそこには怒り心頭の魔王。
「よくも好き勝手やってくれたな!報いを受けよ!!」
「ひっ、ふべらっ」
バチーンと言う音を鳴らしながら、サギージに強烈なビンタが放たれる。
ビンタの勢いのままサギージは窓を突き破り外へ落ちていく。ここ魔王城の最上階なんだけど?
こうして魔王は復活した。
「道案内は任せていいんだよな?」
「はい、ただ問題は宰相による妨害ですね」
「宰相はそんなに強いのか?」
「いえ、彼自信には戦う力はありません」
ふむ、なら脅威にならないのでは?
「問題はその側に魔王様が居ることです」
「魔王は強いのか?」
「それはもう!卓越した魔法技能!他を凌駕する格闘センス!魔王様に敵うものなんてこの世に居りません!」
サナリが熱く語るのだが、この子若干魔王を好きすぎる傾向が有るからなぁ、実際はどうなんだろ。
「例え勇者であっても魔王様には……ひぃっ!」
サナリの語りが切れたので見てみると、メロウが睨み付けていた。
「………まぁ、魔王については対策は考えよう、最悪動きを封じさえすれば良いしな、後は四天王についてか」
「そ、そうですね、四天王の皆様なら何とかわたしが話してみます」
話し合いで終われば良いのだが。
「タクト様、間もなく魔大陸に上陸します」
「よし、全員準備してくれ」
『はい!』
一人ずつメロウから薬を貰い上陸の準備をする。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
魔大陸貿易都市トーテム、流石に港は封鎖されていたので近くの海岸に船を着けたのだが。
「やっぱり居るよな」
「居ますね」
海岸には無数の魔物と、それを従えるミエムの姿。
「とりあえず近づいてみるか」
ポートを出して上陸。
「やっぱり来たわね勇者」
「ミエム様!話を聞いてください!」
「サナリ?いいわよ、聞いてあげる」
おや?案外すんなりいったな。
「着いてきなさい」
そのままミエムの案内で街の中へ。
「いいのか?」
「いいわよ、どうせ海岸に居たのは建前だし」
「建前?」
「そう、自称宰相様のご命令でね」
"自称"を強調しつつ皮肉たっぷりに言うミエム。
「さぁ、着いたわよ」
辿り着いたのは一軒の酒場。
「遠慮しないで入りなさい、一応歓迎するわ」
一応ね。
「ようミエム、ずいぶん早かったな」
「ええ、始める前で良かったわ」
中には四天王が揃って居た、それより気になるのは始める前?
「さ、聞かせてちょうだい貴方達の話を」
そこからはサナリに任せて四天王達の説得?が始まった。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
サナリから説明を受け、何処か納得下の四天王。
「………やっぱりね、道理で最近魔王様の様子がおかしいと思ったわ」
「ああ、これなら納得だ」
「はい、僕達の考えは間違いじゃあ無かったんですね……」
「うん、不幸だけど」
何やらそれぞれ思う所があったらしい。
「所で、お前達は何をしようとしていたんだ?」
「………」
しばらくの沈黙の後、お互いに頷き合う四天王。
「わたくし達は反乱を起こす予定です」
「魔王様を奪還するため、城に攻め居るつもりだ」
おいおい、ずいぶん物騒な事考えてるな。
「これで心置きなく攻め込める」
「いや、ちょっと待てよ」
「勇者殿、わたし達も続きましょう!」
「だから!待てって!」
思わず大きな声を出してしまう。
「…………」
静まりかえる酒場。
「一旦落ち着け、焦る気持ちも分かるがそれじゃあダメだ」
「しかし……」
不満げなサナリ。
「仮に襲撃したとして、魔王を無事に取り戻せるのか?」
「俺達なら必ずできる!」
「いや、そう言う根性論じゃなく、作戦としての勝機は有るのか?」
「…………」
これは無さそうだな、魔王ってよほど優秀だったのかな?こんな連中を上手くコントロールしてたなんて本当に尊敬するよ。
「………闇雲に攻めても被害が出るだけだ、俺は今回の件で出来るだけ被害は失くしたいと思っている」
「そんな事言ってられる状況じゃないわ!」
「そうです!少なくとも魔王様を助ける為ならわたし達の命など」
「それをして魔王は喜ぶのか?」
「っ……」
押し黙るサナリに言い聞かせる。
「仮にお前達の誰かを犠牲にして、魔王は喜ぶのか?笑って胸を張って人族と和平を結べるのか?」
そう、あくまでも今回の最終目標は魔族と人族の和平の締結である、故にその過程も円満な物が望ましい。
「…………なら、貴方にはその策があるの?」
「有る、が、それを実行するにはお前達の協力が必須だ、ついては質問がある」
「なにかしら?」
今回の作戦の肝は四天王に有る、故にどうしても確認しなくてはならない。
「お前達は魔王と同じ気持ちなのか?具体的には人族との和平に賛成なのか?」
俺の言葉に四天王はそれぞれ真剣な目を向ける。
「………わたくし達は魔王様と志を共にしています」
「散々暴れ回っといて、虫がいい話をしているのは分かっている」
「それでも僕達は人族と仲良くしたいよ」
「指名手配されてるから難しいけどね、ああ、不幸だよ」
ふむ、どうやら宰相側に寝返る事は無いようだな。
「………もしも魔王様を助ける代わりに首を差し出せと言うなら、喜んで上げるわよ?」
「いや、それは俺一人で決める事じゃない、だから今のところは保留だな」
「……そう、なら、貴方の策を聞こうかしら?」
「ああ、よく聞いて理解してくれよ?失敗できないんだからな」
その後ミエム達に事前にメロウ達と決めていた作戦を説明する。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「クククッ、もうすぐだ、もうすぐでワシは世界を手に入れる………」
魔王城の一室、魔王の間にて宰相サギージは己の悲願が叶うのを今か今かと待ちわびていた。
「勇者の一行が魔大陸に渡ったのは確かなはず、ならば時期に魔王軍が勇者を連れてくるだろう、配備は完璧、流石の勇者でも長くは持つまい」
落ち着きなく、部屋の中をうろうろするサギージの元へ吉報が来る。
「宰相様!四天王の皆様が勇者を捕らえていらっしゃいました!」
「おぉ!よし、直ぐに連れてこい!」
通すように命じると、直ぐに勇者とその一行が縛られた状態で入ってくる。
「ククク、良い姿だな勇者よ?」
「………お前が宰相か?」
「その通り我が魔王様の忠実な僕、宰相サギージである!」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ミエム達に縛られた俺達はようやく宰相と対面した。
(ちっ、何が忠実な僕だよ)
(止せよ、聞こえるぞ)
小声で縄を持つダナンと話す。まぁ、宰相は実に楽しそうでこっちの声なんて聞こえてないみたいだがな。
「ふふふ、ようやく我ら魔族が世界を牛耳る時が来たのだ!」
さて、時間稼ぎをしますか、ちょうど聞きたい事もあったし。
「一つ聞いて良いか?」
「ふん、冥土の土産だ、答えてやろう」
「……お前は俺を直ぐに勇者と言ったな?何でだ?」
勿論だが、俺はこいつに会った事はない、何より宰相は俺達が魔大陸に来ているのを知っていた。
「簡単な話だ、お前達が来る事を教えてくれたのだよ」
「誰が?」
俺の質問に宰相サギージがほくそ笑む。
「お前達人間の中には魔王教なるものがいるだろう?」
「あー、分かったそれだけで充分だよ」
ある程度予想はしていたがやっぱりか。
「ふふふ、では、お前達の処遇だか…」
「言っただろ、もう充分だ、メロウやれ」
「はい、タクト様」
メロウに指示を出すと、ダナン達が持っていた綱を手放す。
「な、なんだ?お前達何をしている!?」
手放された縄は床に落ち俺達は解放される。
「簡単な話だ、俺達は元から捕まってなどいない」
「なっ、何だと!?裏切ったのか四天王!」
「どっちがだ、魔王様を洗脳するなど、魔族の恥さらしが!」
ダナンに正論を言われるサギージ、これはぐぅの音も出ない様子。
「くっ、魔王よ、こやつらを皆殺しにするのだ!」
「……………」
サギージが命令するが、魔王は動く気配がない。
「な、何故だ!何故動かない!?」
「無駄だ、お前の洗脳を上書きさせてもらった」
「う、上書き!?そんな、あ、ありえない」
「残念ながら有り得るんだよ、うちの従者は優秀なんでね、お前がべらべら喋っている間にやらせてもらったよ」
「ぐぅ」
忌々しげに睨み付けるサギージ。
「お、おのれぇ」
サギージは懐から水晶の様なものを出す。あれが通信機か。
『城内に居るものよ!反乱分子が魔王の間に居る、直ぐに捕らえよ!』
サギージが水晶に向かって叫ぶと、その声が城中に広がる。
「ククク、これで貴様らも………な、何故だ?何故誰も来ない!?」
「はぁ、それも無駄だ、城の中どころか魔王軍の全ての兵士はこちら側についている」
ここに来る前に四天王に説得と説明をしてもらった、魔王のカリスマ性なのか、皆直ぐに了承していた。
「くっ、くそっ、ならばこの中の誰かを」
「お前の洗脳に対して何の対策もしてないと思うか?」
「ぐぅ」
いよいよ追い詰められたじろぐサギージ。
「本来なら、俺か四天王かサナリが決着を着けるべきなのだろうが、それよりも相応しい人が居る」
「な、なにを」
頭に疑問符を浮かべるサギージを無視してその後ろに目を向ける。
「なぁ、そうだろ?魔王様?」
魔王がサギージの肩を掴む。
「ひっ!?」
サギージが驚き振り返るとそこには怒り心頭の魔王。
「よくも好き勝手やってくれたな!報いを受けよ!!」
「ひっ、ふべらっ」
バチーンと言う音を鳴らしながら、サギージに強烈なビンタが放たれる。
ビンタの勢いのままサギージは窓を突き破り外へ落ちていく。ここ魔王城の最上階なんだけど?
こうして魔王は復活した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった
海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。
ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。
そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。
主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。
ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。
それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。
ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
スラム街の幼女、魔導書を拾う。
海夏世もみじ
ファンタジー
スラム街でたくましく生きている六歳の幼女エシラはある日、貴族のゴミ捨て場で一冊の本を拾う。その本は一人たりとも契約できた者はいない伝説の魔導書だったが、彼女はなぜか契約できてしまう。
それからというもの、様々なトラブルに巻き込まれいくうちにみるみる強くなり、スラム街から世界へと羽ばたいて行く。
これは、その魔導書で人々の忘れ物を取り戻してゆき、決して忘れない、忘れられない〝忘れじの魔女〟として生きるための物語。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる