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目覚め
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看護婦が病院の廊下を歩いていると、ふと写真が落ちていることに気付く。「あら誰の写真かしら?」写真を拾うと看護婦は、とりあえずバインダーの間にはさんだ。
病院のベッドで、男は眠っていた。久野はダイビングをしていた時の事故以来眠ったままだった。
「久野さん検温しますよ~」と看護婦が近付いた時、バインダーにはさんであった写真が寝ている久野の上に落ちた。その瞬間、久野は微かな光を見つけた。その小さな点の様な光に近付いて行くと、久野の見た事もない光景が広がった。
気付くと周りは火の海だった。遠くで子供の泣き声がする。火をかい潜り泣き声の方へと進むと女性が倒れている。その側で子供が泣きながら立ちすくんでいた。
女性に駆け寄り「大丈夫ですか?」とゆさぶるが反応がない。首に指をあて脈を確認するが、手遅れのようだ。少し離れた所にも男性が倒れている。こちらも首に指をあて脈を確認するが駄目だった。
恐らくこの子供の両親だろう。「1度に両親を亡くすなんて…… とにかくこの子だけは助けなきゃ」と久野は燃えさかる炎の中、泣きじゃくる子供を抱え夢中で走った。
炎から抜けた瞬間、青白い光に包まれた。腕の中の子供が1瞬ニヤっと笑ったように思えた。
「お…… い…… せ……」遠くの方で誰かが叫んでいる。久野は気が付くと、病院のベッドに横たわっていた。まわりで看護婦が騒いでいる「先生、久野さんが意識を取り戻しました」
数日が経ち……
「検温の時間ですよ~」と看護婦が入ってきた。「タバコを吸いたいんだけど、大丈夫ですかね?」と久野は看護婦に聞いた。看護婦は「後で先生に聞いてみますね。でもびっくりですよ、同じ日にずっと眠ったままだった人が2人同時に意識を取り戻すなんて。も~病院内じゃ大騒ぎだったんですよ」と看護婦が言うと、久野は「はぁ…… 俺以外にも……」とだけつぶやいた。
看護婦は体温計を見て、「問題なさそうですね。タバコの件、先生に確認しておきますね」と言うと病室を出て行った。
暫くして看護婦が病室を訪れると「タバコはリハビリが済んで1人で歩けるようになってからだそうです、まだ食事も全粥ですしね」と言った。
久野はタバコ吸いたさにリハビリを頑張った。そのかいもあり、松葉杖でなら歩けるようになった。
回診に来た先生に「そろそろタバコ吸っても良いですかね…… ?」と久野が聞くと先生は「タバコは吸っても良いですよ! まぁ~ タバコなんて百害あって一利無しだし、このさい辞めたらどうですか」と言った。
久野は、そう先生に言われ、少しイラっとして余計にタバコが吸いたくなった。「それじゃ~ お言葉に甘えて」と松葉杖を手にとり、そそくさと廊下へ出た。
売店でタバコを買い、待合所を通り喫煙所へ向かった。
待合所には自動販売機があり、久野は『コーヒーは飲んで良いか聞いてないけど、まぁ~ いっか……』などと思いながら自動販売機に向かうと、自動販売機の前に車椅子の男性が買った飲み物を取ろうと、取り出し口に手を伸ばしていた。
男性は缶を手に取り振り返ると、そのまま固まった。久野は『なんとなく見たことある気がするけど知り合いだったかなぁ~ ?』と思いながら自動販売機に近づきコイン投入口に手を伸ばした。
すると自動販売機の前に居た男性が、コイン投入口に伸ばした久野の手をおもむろに掴むと「夢に出てきた人ですよね?」と言った。久野は「はぁ~ ?」と言って手を振り払おうとしながら、その男性の顔へと目線をやると、その顔に夢であった男の子の面影があることに気づく……
「とりあえず、手を離して頂きたいのですが……」と久野は言った。その男性は「すみません!」と言うと、さっと手を離した。
男性が「怪しい者ではありません!」と言うと、久野は「コーヒー買っても良いですか? とりあえず話しはその後で……」と言った。男性は「はっ! すみません!」と言うと、車椅子を後ろへと動かした。
久野は「じゃぁ~ そこで良いですか?」と言って待合所のソファーに座った。その男性は「失礼して申し訳ありません、私は長田伸夫(ながたのぶお)と申します」と丁寧に自己紹介をした。長田は「何から話して良いものか……」と言ったあと、夢での出来事を話し始めた。燃えさかる炎の中、抱きかかえられ助け出された事を……
久野は、話しを聞いて、気持ちの整理が出来ないでいた。久野は「とりあえず一服して良いですか?」と立ち上がると喫煙所へ向かった。タバコに火をつけ大きく深呼吸するように煙を吸い込むと、少しくらっとして痺れたような感覚がした。
タバコを吸い終え「そろそろ戻りますか、また今度ゆっくり話しましょう」と久野は言い、2人は病室へと歩き出した。病室へ戻る途中、前からまたあの看護婦が来た。「何処行ってたんですか! 全然戻らないから心配したんですよ!」と看護婦に怒られた。
久野が「いやいや煙草吸いに行ったら長田さんと話し込んじゃって」と言い訳すると看護婦は、「2人は知り合いだったんですか? 同じ日に昏睡状態から覚めたから意気投合しちゃいました?」と言った。
久野は動揺した様子で「長田さん…… もう1本吸ってきます」と言って、来た廊下を戻って行った……
病院のベッドで、男は眠っていた。久野はダイビングをしていた時の事故以来眠ったままだった。
「久野さん検温しますよ~」と看護婦が近付いた時、バインダーにはさんであった写真が寝ている久野の上に落ちた。その瞬間、久野は微かな光を見つけた。その小さな点の様な光に近付いて行くと、久野の見た事もない光景が広がった。
気付くと周りは火の海だった。遠くで子供の泣き声がする。火をかい潜り泣き声の方へと進むと女性が倒れている。その側で子供が泣きながら立ちすくんでいた。
女性に駆け寄り「大丈夫ですか?」とゆさぶるが反応がない。首に指をあて脈を確認するが、手遅れのようだ。少し離れた所にも男性が倒れている。こちらも首に指をあて脈を確認するが駄目だった。
恐らくこの子供の両親だろう。「1度に両親を亡くすなんて…… とにかくこの子だけは助けなきゃ」と久野は燃えさかる炎の中、泣きじゃくる子供を抱え夢中で走った。
炎から抜けた瞬間、青白い光に包まれた。腕の中の子供が1瞬ニヤっと笑ったように思えた。
「お…… い…… せ……」遠くの方で誰かが叫んでいる。久野は気が付くと、病院のベッドに横たわっていた。まわりで看護婦が騒いでいる「先生、久野さんが意識を取り戻しました」
数日が経ち……
「検温の時間ですよ~」と看護婦が入ってきた。「タバコを吸いたいんだけど、大丈夫ですかね?」と久野は看護婦に聞いた。看護婦は「後で先生に聞いてみますね。でもびっくりですよ、同じ日にずっと眠ったままだった人が2人同時に意識を取り戻すなんて。も~病院内じゃ大騒ぎだったんですよ」と看護婦が言うと、久野は「はぁ…… 俺以外にも……」とだけつぶやいた。
看護婦は体温計を見て、「問題なさそうですね。タバコの件、先生に確認しておきますね」と言うと病室を出て行った。
暫くして看護婦が病室を訪れると「タバコはリハビリが済んで1人で歩けるようになってからだそうです、まだ食事も全粥ですしね」と言った。
久野はタバコ吸いたさにリハビリを頑張った。そのかいもあり、松葉杖でなら歩けるようになった。
回診に来た先生に「そろそろタバコ吸っても良いですかね…… ?」と久野が聞くと先生は「タバコは吸っても良いですよ! まぁ~ タバコなんて百害あって一利無しだし、このさい辞めたらどうですか」と言った。
久野は、そう先生に言われ、少しイラっとして余計にタバコが吸いたくなった。「それじゃ~ お言葉に甘えて」と松葉杖を手にとり、そそくさと廊下へ出た。
売店でタバコを買い、待合所を通り喫煙所へ向かった。
待合所には自動販売機があり、久野は『コーヒーは飲んで良いか聞いてないけど、まぁ~ いっか……』などと思いながら自動販売機に向かうと、自動販売機の前に車椅子の男性が買った飲み物を取ろうと、取り出し口に手を伸ばしていた。
男性は缶を手に取り振り返ると、そのまま固まった。久野は『なんとなく見たことある気がするけど知り合いだったかなぁ~ ?』と思いながら自動販売機に近づきコイン投入口に手を伸ばした。
すると自動販売機の前に居た男性が、コイン投入口に伸ばした久野の手をおもむろに掴むと「夢に出てきた人ですよね?」と言った。久野は「はぁ~ ?」と言って手を振り払おうとしながら、その男性の顔へと目線をやると、その顔に夢であった男の子の面影があることに気づく……
「とりあえず、手を離して頂きたいのですが……」と久野は言った。その男性は「すみません!」と言うと、さっと手を離した。
男性が「怪しい者ではありません!」と言うと、久野は「コーヒー買っても良いですか? とりあえず話しはその後で……」と言った。男性は「はっ! すみません!」と言うと、車椅子を後ろへと動かした。
久野は「じゃぁ~ そこで良いですか?」と言って待合所のソファーに座った。その男性は「失礼して申し訳ありません、私は長田伸夫(ながたのぶお)と申します」と丁寧に自己紹介をした。長田は「何から話して良いものか……」と言ったあと、夢での出来事を話し始めた。燃えさかる炎の中、抱きかかえられ助け出された事を……
久野は、話しを聞いて、気持ちの整理が出来ないでいた。久野は「とりあえず一服して良いですか?」と立ち上がると喫煙所へ向かった。タバコに火をつけ大きく深呼吸するように煙を吸い込むと、少しくらっとして痺れたような感覚がした。
タバコを吸い終え「そろそろ戻りますか、また今度ゆっくり話しましょう」と久野は言い、2人は病室へと歩き出した。病室へ戻る途中、前からまたあの看護婦が来た。「何処行ってたんですか! 全然戻らないから心配したんですよ!」と看護婦に怒られた。
久野が「いやいや煙草吸いに行ったら長田さんと話し込んじゃって」と言い訳すると看護婦は、「2人は知り合いだったんですか? 同じ日に昏睡状態から覚めたから意気投合しちゃいました?」と言った。
久野は動揺した様子で「長田さん…… もう1本吸ってきます」と言って、来た廊下を戻って行った……
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