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ガス漏れ事故
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「父のことはあきらめていたのですが……」晴夏は、そう切り出すと父親のことを話し始めた。
晴夏の母、聡美は明日の旅行の支度をしていた。聡美は「明日から旅行なんだから、お父さんも早く帰ってきて自分の準備くらいしてくれれば良いのに」と機嫌が悪そうに言った。
「お父さん遅いの?」と晴夏が聞くと、聡美は旅行用の鞄に荷物を詰めながら不機嫌そうに「昔の知人に会うから遅くなるんだって」と言った。
聡美は「旅行の準備を私にさせておいて、自分は友達と楽しく呑んでるなんて、良い気なもんよね」と言うと、旅行の持ち物をメモした紙に、勢い良く横に2本線を引いた。
そこへ「ただいま……」と父の英昭が帰ってきた。何時もの英昭なら呑んだ帰りはご機嫌で、晴夏に「元気かぁ~」などと話しかけて来るが、今日は何時もと様子がおかしい。
キッチンへ向うと風呂の自動ボタンを押し、冷蔵庫から缶ビールを取り出し食卓の椅子に腰掛けた。
片手で缶をプシュッと空け、1口飲むと聡美を呼んだ。聡美は「なによ明日の準備で忙しいのに!」と言って不機嫌そうにドスッと椅子に腰を下ろした。
またビールを1口飲むと英昭は「すまないが急な仕事で、明日の旅行は行けそうにない……」とすまなそうに言った。「はぁ? 今からじゃキャンセルも出来ないじゃない!」と聡美は一瞬で不機嫌さを増した。
英昭が「だから明日の旅行は2人だけで行ってくれないか?」と言うと、聡美は「久しぶりの家族旅行だから楽しみにしてたのに……お父さんのキャンセル料だって……」と不満が爆発した。
英昭が聡美の文句を黙って聞いていると「ピピピッピピピッ およそ5分でお風呂に入れます」給湯器からの声に話しの腰を折られた聡美は「も~荷物も詰め直さなきゃ」と不機嫌そうに席を立った。
翌朝、英昭は聡美と晴夏を駅まで送り「気を付けて行って来いよ」と言ったが、聡美はまだ怒っているようで、手を上げただけでスタスタと歩き出した。晴夏は「お仕事頑張ってね」と言って急いで聡美の後を追った。
電車に乗り「たまには女だけで旅行も良いじゃない。お父さんのいない分で、贅沢して美味しい物でも食べよう」と晴夏は聡美をなだめた。
空港に着くころには聡美の機嫌も少しは良くなっていた。北海道に着き、ウニ丼を満喫し伝統美術工芸村や旭川動物園などを観光してホテルに着くころには、聡美の機嫌は完全に直っていた。
ホテルでビュッフェを食べながら「ウニ丼も食べたし、明日は朝市に行ってお寿司がいい? 蟹がいい? ラーメンもいいわね……」などと、明日は何を食べに行くか相談していると、聡美の携帯から着信音のカノンが流れてきた。
晴夏が「誰?」と聞くと、携帯を見て聡美は「知らない番号」と言うと「もしもし……」と電話に出た。電話の向こうから「もしもし光智さんの携帯でしょうか?」と声がした。
聡美が「はい、どちら様ですか?」と聞くと「戸塚坂上警察ですが、落ち着いて聞いてください、ご主人が病院に運ばれて意識不明の重態です、今どちらにおいでですか?」と言った。それを聞いて動揺した聡美は力が抜け思わず携帯を落としてしまった。
「どうしたの? 誰から?」と晴夏が聞いても、聡美は放心状態のまま返事をしない。何事かと思い、晴夏は携帯を拾うと「もしもし娘ですが、どちら様ですか?」と聡美に代わって電話に出た。
それからは旅行のスケジュールを全てキャンセルし、ホテルの従業員に頼んで翌朝の飛行機を予約してもらったりと大変だった。翌日、朝一番の飛行機で帰ると空港から父が運ばれた強律病院へと直行した。
病室へ駆け込むと、英昭はベッドに横たわり、いくら呼んでも返事をしない。先生の話しでは、命に別状も無く、意識を取り戻してもおかしくない状態なのだが、英昭は意識が回復していないとのこと。
入院の手続きを済ませ病室に戻ると、廊下にスーツ姿の男性が2人立っていた。スーツ姿の男性の1人が「光智さんの親族の方ですか?」と話しかけてきた。
晴夏が「はい、娘ですが」と答えると、その男性は「神奈川県警察の者ですが、お父さんの事故の件で少々お話しを伺っても宜しいでしょうか?」と言って警察手帳を見せた。そして、胸ポケットから手帳を出して事の成り行きを読み上げ始めた。
「昨日の15時ごろパトロール中の巡査がガラスの割れるような音を聞き、光智さん宅の庭を覗き込んだところ割れた窓ガラスを発見し、庭にはガラスの破片がちらばっており、割れた窓ガラスに近づくと硫黄のような臭いが鼻をついたとのこと」
「慌てて巡査が中に入ると、室内にはガスが充満していたので、急いで窓を開けてまわり、キッチンへ行くと食卓に男性が座ったままふさぎ込んでおり、声をかけたが男性の意識が無いため、担いで窓際まで運び寝かせたとのこと」
「首に手をやり、脈のあることが確認出来たので至急、救急車と応援を呼び、再びキッチンへ戻り換気扇を回し、ガスの元栓を探してコンロの下の扉を開けると、ホースが外れていたので、とりあえず元栓を閉めてから辺りを見て回ったが他に誰も見つからなかったとのこと」
「やがて救急車と応援の警察官が到着したので、巡査は応援の警察官にことの一部始終を伝え、男性を救急車に乗せたとのこと」
「その後の捜査で、室内には何者かが侵入し物色した痕跡も無く他殺の線は無いと考えられること。空き巣目当てで侵入しようとした犯人が、ガラスを割って侵入を試みたもののガス漏れに気付き逃走したと思われること。犯人はまだ見つかっておらず、捜索中とのこと」
「男性がふさぎ込んでいた食卓にはアルバムが開いた状態で残さられており、事故または自殺の両方で捜査中とのこと」
一通り経緯を読み上げ「以上が現場に居合わせた巡査からの報告になりますが、最近光智さんに悩みごとや、いつもと違った様子は有りませんでしたか?」と聞いた。
晴夏は、「そんな…… 父が自殺する理由なんて……」と答えると、刑事は「こんな事があったばかりなので、何か思い当たることがありましたら改めてご連絡ください」そう言って晴夏に名刺を渡すと引き上げて行った。
晴夏は、家がどうなっているかも気になり、父の側にいたいという母を残し自宅へ向かった。晴夏は自宅へ戻りながら考える『泥棒が入らなかったら今ごろ父は……』今回ばかりは泥棒に感謝した。
晴夏の母、聡美は明日の旅行の支度をしていた。聡美は「明日から旅行なんだから、お父さんも早く帰ってきて自分の準備くらいしてくれれば良いのに」と機嫌が悪そうに言った。
「お父さん遅いの?」と晴夏が聞くと、聡美は旅行用の鞄に荷物を詰めながら不機嫌そうに「昔の知人に会うから遅くなるんだって」と言った。
聡美は「旅行の準備を私にさせておいて、自分は友達と楽しく呑んでるなんて、良い気なもんよね」と言うと、旅行の持ち物をメモした紙に、勢い良く横に2本線を引いた。
そこへ「ただいま……」と父の英昭が帰ってきた。何時もの英昭なら呑んだ帰りはご機嫌で、晴夏に「元気かぁ~」などと話しかけて来るが、今日は何時もと様子がおかしい。
キッチンへ向うと風呂の自動ボタンを押し、冷蔵庫から缶ビールを取り出し食卓の椅子に腰掛けた。
片手で缶をプシュッと空け、1口飲むと聡美を呼んだ。聡美は「なによ明日の準備で忙しいのに!」と言って不機嫌そうにドスッと椅子に腰を下ろした。
またビールを1口飲むと英昭は「すまないが急な仕事で、明日の旅行は行けそうにない……」とすまなそうに言った。「はぁ? 今からじゃキャンセルも出来ないじゃない!」と聡美は一瞬で不機嫌さを増した。
英昭が「だから明日の旅行は2人だけで行ってくれないか?」と言うと、聡美は「久しぶりの家族旅行だから楽しみにしてたのに……お父さんのキャンセル料だって……」と不満が爆発した。
英昭が聡美の文句を黙って聞いていると「ピピピッピピピッ およそ5分でお風呂に入れます」給湯器からの声に話しの腰を折られた聡美は「も~荷物も詰め直さなきゃ」と不機嫌そうに席を立った。
翌朝、英昭は聡美と晴夏を駅まで送り「気を付けて行って来いよ」と言ったが、聡美はまだ怒っているようで、手を上げただけでスタスタと歩き出した。晴夏は「お仕事頑張ってね」と言って急いで聡美の後を追った。
電車に乗り「たまには女だけで旅行も良いじゃない。お父さんのいない分で、贅沢して美味しい物でも食べよう」と晴夏は聡美をなだめた。
空港に着くころには聡美の機嫌も少しは良くなっていた。北海道に着き、ウニ丼を満喫し伝統美術工芸村や旭川動物園などを観光してホテルに着くころには、聡美の機嫌は完全に直っていた。
ホテルでビュッフェを食べながら「ウニ丼も食べたし、明日は朝市に行ってお寿司がいい? 蟹がいい? ラーメンもいいわね……」などと、明日は何を食べに行くか相談していると、聡美の携帯から着信音のカノンが流れてきた。
晴夏が「誰?」と聞くと、携帯を見て聡美は「知らない番号」と言うと「もしもし……」と電話に出た。電話の向こうから「もしもし光智さんの携帯でしょうか?」と声がした。
聡美が「はい、どちら様ですか?」と聞くと「戸塚坂上警察ですが、落ち着いて聞いてください、ご主人が病院に運ばれて意識不明の重態です、今どちらにおいでですか?」と言った。それを聞いて動揺した聡美は力が抜け思わず携帯を落としてしまった。
「どうしたの? 誰から?」と晴夏が聞いても、聡美は放心状態のまま返事をしない。何事かと思い、晴夏は携帯を拾うと「もしもし娘ですが、どちら様ですか?」と聡美に代わって電話に出た。
それからは旅行のスケジュールを全てキャンセルし、ホテルの従業員に頼んで翌朝の飛行機を予約してもらったりと大変だった。翌日、朝一番の飛行機で帰ると空港から父が運ばれた強律病院へと直行した。
病室へ駆け込むと、英昭はベッドに横たわり、いくら呼んでも返事をしない。先生の話しでは、命に別状も無く、意識を取り戻してもおかしくない状態なのだが、英昭は意識が回復していないとのこと。
入院の手続きを済ませ病室に戻ると、廊下にスーツ姿の男性が2人立っていた。スーツ姿の男性の1人が「光智さんの親族の方ですか?」と話しかけてきた。
晴夏が「はい、娘ですが」と答えると、その男性は「神奈川県警察の者ですが、お父さんの事故の件で少々お話しを伺っても宜しいでしょうか?」と言って警察手帳を見せた。そして、胸ポケットから手帳を出して事の成り行きを読み上げ始めた。
「昨日の15時ごろパトロール中の巡査がガラスの割れるような音を聞き、光智さん宅の庭を覗き込んだところ割れた窓ガラスを発見し、庭にはガラスの破片がちらばっており、割れた窓ガラスに近づくと硫黄のような臭いが鼻をついたとのこと」
「慌てて巡査が中に入ると、室内にはガスが充満していたので、急いで窓を開けてまわり、キッチンへ行くと食卓に男性が座ったままふさぎ込んでおり、声をかけたが男性の意識が無いため、担いで窓際まで運び寝かせたとのこと」
「首に手をやり、脈のあることが確認出来たので至急、救急車と応援を呼び、再びキッチンへ戻り換気扇を回し、ガスの元栓を探してコンロの下の扉を開けると、ホースが外れていたので、とりあえず元栓を閉めてから辺りを見て回ったが他に誰も見つからなかったとのこと」
「やがて救急車と応援の警察官が到着したので、巡査は応援の警察官にことの一部始終を伝え、男性を救急車に乗せたとのこと」
「その後の捜査で、室内には何者かが侵入し物色した痕跡も無く他殺の線は無いと考えられること。空き巣目当てで侵入しようとした犯人が、ガラスを割って侵入を試みたもののガス漏れに気付き逃走したと思われること。犯人はまだ見つかっておらず、捜索中とのこと」
「男性がふさぎ込んでいた食卓にはアルバムが開いた状態で残さられており、事故または自殺の両方で捜査中とのこと」
一通り経緯を読み上げ「以上が現場に居合わせた巡査からの報告になりますが、最近光智さんに悩みごとや、いつもと違った様子は有りませんでしたか?」と聞いた。
晴夏は、「そんな…… 父が自殺する理由なんて……」と答えると、刑事は「こんな事があったばかりなので、何か思い当たることがありましたら改めてご連絡ください」そう言って晴夏に名刺を渡すと引き上げて行った。
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