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初めての..
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「ここ、詩織の横に座って..」
青ざめ放心状態の須藤に詩織は柔らかく声をかけた。
「ねぇ、どうしてそんなに焼きもちばかり焼くの?」
そりゃそうだろ、詩織みたいな女の子、男が放っておくわけないだろう!
日ごとに美しさを増し、成長していく詩織。毎日が気が気でない状態に陥っていた須藤は心の中で泣き叫び、崩れるように座り込んだ。
「暗い顔は嫌」
「...。」
「もう、黙ってばっかり、やきもち焼いてばっかりなんだから...」
「...。」
「須藤くん、キス..して?」
「え?」
「キス。して..」
心なしか詩織の頬が赤らみ、どこか恥ずかし気に潤んだ瞳は須藤の目をじっと見つめている。
「え?」
「して..須藤くん..」
長い睫毛を震わせ、詩織は瞳を閉じた。
...詩織の唇はとてつもなく柔らかかった。ぎこちなく顔を近づけ、閉じられた厚い唇にそっと触れただけであったが、甘く蕩ける感触に須藤の体は瞬く間に痺れた。
「ファーストキス。だよ?」
「詩織..」
照れを隠すように須藤の頬に触れ、誤魔化すように左頬にチュッっと口づけた詩織を、須藤は思わずぎゅっと抱き寄せ、きつく抱きしめた。
詩織の耳は真っ赤に染まっているようだった。
初めてのキスが須藤だったんだ...、おそらく須藤もそうに違いない。
この日初めて、人知れず勝手にフラれ、失恋という感覚を味わったように思えた。彼らたちとはまた違う胸の甘酸っぱさ、ほろ苦さにきゅっと僕の心は締め付けられた。
青ざめ放心状態の須藤に詩織は柔らかく声をかけた。
「ねぇ、どうしてそんなに焼きもちばかり焼くの?」
そりゃそうだろ、詩織みたいな女の子、男が放っておくわけないだろう!
日ごとに美しさを増し、成長していく詩織。毎日が気が気でない状態に陥っていた須藤は心の中で泣き叫び、崩れるように座り込んだ。
「暗い顔は嫌」
「...。」
「もう、黙ってばっかり、やきもち焼いてばっかりなんだから...」
「...。」
「須藤くん、キス..して?」
「え?」
「キス。して..」
心なしか詩織の頬が赤らみ、どこか恥ずかし気に潤んだ瞳は須藤の目をじっと見つめている。
「え?」
「して..須藤くん..」
長い睫毛を震わせ、詩織は瞳を閉じた。
...詩織の唇はとてつもなく柔らかかった。ぎこちなく顔を近づけ、閉じられた厚い唇にそっと触れただけであったが、甘く蕩ける感触に須藤の体は瞬く間に痺れた。
「ファーストキス。だよ?」
「詩織..」
照れを隠すように須藤の頬に触れ、誤魔化すように左頬にチュッっと口づけた詩織を、須藤は思わずぎゅっと抱き寄せ、きつく抱きしめた。
詩織の耳は真っ赤に染まっているようだった。
初めてのキスが須藤だったんだ...、おそらく須藤もそうに違いない。
この日初めて、人知れず勝手にフラれ、失恋という感覚を味わったように思えた。彼らたちとはまた違う胸の甘酸っぱさ、ほろ苦さにきゅっと僕の心は締め付けられた。
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