申し訳ございません。あいにく先約がございまして。

ハリネズミ

文字の大きさ
18 / 22
三木志朗の受難

(2)

しおりを挟む
どこで飲もうか、という話になって発覚した驚きの事実。
志摩は居酒屋に行った事がないというのだ。
仕事で行くのは高級料亭だしプライベートでは一切そういった場所へは行かないそうだ。
どこぞの御曹司と同じかよっと多岐を思い出し、同時に日下の事も思い出し少し切なくなる。
気分転換に誘いにのったのに、これじゃあ逆効果だ。
志摩に気づかれないようにこっそり溜め息をついた。

結局、目についた居酒屋に適当に入る事にした。
店内は混みあっておりカウンター席に二人で並んで座った。

志摩を見ると無表情でメニューを眺めていた。
見た目は綺麗だけど何考えてるかわかんねぇな。

「何にしますか?俺は生ビールとからあげと…」
「では、私も三木と同じ物で」

俺は店員を呼びビールとからあげと適当なつまみになる物を注文をした。
すぐにビールが運ばれてきて、いつもの癖で「カンパーイ」とジョッキを持ち上げる。
志摩は1テンポ遅れて無表情でとジョッキを持ち上げ、カチンと鳴らした。
いつもの日下とのやりとりと違う事に少し戸惑ったがそれを飲み下すかのようにぐびぐびといっきにビールを飲み干した。
「ぷは―――っ仕事帰りの一杯は格別ですねー!」
わざと明るい口調で言う。今日は楽しく飲みたいのだ。
志摩はそんな俺の様子を見て、同じようにいっきに飲み干した。
「お、志摩さんもいける口ですか?今日はとことん飲みましょうよ」
「ああ」

「志摩さん、今日はどうして誘ってくれたんですか?」
アルコールも入りほろ酔い気分になったので、次の飲み物を注文しつつ気になっていた事を訊いてみた。
「………お前が、寂しそうな顔してたから」
ぼそりと呟いて、来たばかりの新しいビールをまたいっきに飲み干す志摩。
「え…」
志摩の言葉を聞き、俺は固まった。
「大丈夫だ。私以外気づいていない。お前は気持ちを隠すのがうまい」
「…………」
言葉がなかった。
この無表情の上司には全てがバレていたとでも言うのだろうか。
俺が寂しそうな顔をしていた…?
呆然としている俺の頭を志摩はぽんぽんと優しく叩いた。
「!?」
ぎょっとする俺。こういう事をしそうには見えないのに今俺はそれをされていて、おまけに笑顔まで……。
キュン…。
何かが俺の中でささめいた。



*****
「う´、吐く……」
志摩の緊急を知らせる発言に停止していた思考が動きだした。
「わーわー、トイレ行きましょう!」
俺は慌てて志摩を支えトイレへと連れて行った。
志摩は吐き気はあるもののなかなか吐けない様子で辛そうだ。
「うぅ……」
「ふむ。志摩さん、ちょっとすみません。噛まないでくださいね?」
ぐっと志摩の口の中に自分の指を突っ込んだ。

これで吐ければいくらか楽になるはず。
指を突っ込まれ志摩は苦しそうに涙を浮かべている。
その姿がひどく淫猥なものに見えた。なまじ美しい顔をしているだけにその破壊力はすさまじかった。

まるで自分のナニを志摩の口の中に突っ込んだような…。
自分の思考に驚いた。

やばい…!
そう思い指を抜こうとするが志摩に手を掴まれ阻止されてしまう。
「志摩さんっ?」
驚き焦り、声が裏返ってしまった。
俺が固まっているのもお構いなしにぺろぺろと俺の指をいやらしく舐め始めた。
「何、してっ?!」
「んふ。おいし…」
見上げる瞳に熱が籠り、腰はいやらしく揺れている。
突然の志摩のエロさに俺の方も臨戦態勢になりつつあった。
やばいと思いつつも脳が沸騰しそうで、志摩の唇に吸い寄せられるように自分の唇を寄せた。
触れ合う唇。初めて味わう志摩の唇はアルコールの味がした。

そう、これはアルコールのせいだ。

そんな誰に告げるでもないをし、更に志摩を深く貪った。
「ん……ふぅ。は……ぁ」
志摩の口からは絶えず艶っぽい声が吐息とともに零れる。

アルコールのせいにしても根は一途な俺は、僅かに残った理性がやばい!やめろ!と警鐘を鳴らしてくる。

だけど、分かってはいるのにやめる事ができない。
上気した肌、潤んだ瞳、漏れてしまう声も志摩のエロさを増大させていく。

頭の中は志摩一色になっていく。
志摩の唇をもっと貪りたい。
志摩の肌をもっと触りたい。
志摩を……志摩を………

ーーーーー抱きたい。

志摩の尻に手が伸びた時、それは起こった。

志摩が盛大にリバースしたのだ。
志摩が出した物で俺は顔面からスーツから全て汚れてしまった。
一気に現実に引き戻される俺。
さーっと青ざめる。
当の志摩は吐いてすっきりしたのか俺の腕の中に倒れ込んでそのまま寝てしまった。

ゲ〇まみれの二人。
俺は、やっと我に返りこの惨状に一人途方に暮れた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜

紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。 ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。 そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?

【完結】逆転シンデレラ〜かわいい「姫」は、俺(王子)を甘やかしたいスパダリだった〜

粗々木くうね
BL
「本当はずっと、お姫様になりたかったんだ……」 周りから「王子様」と持て囃され、知らず知らずのうちにその役割を演じてきた大学二年生の王子 光希(おうじ みつき)。 しかし彼の本当の願いは、誰かを愛す“王子”ではなく、誰かに愛される“お姫様”になることだった。 そんな光希の前に現れたのは、学科のアイドルで「姫」と呼ばれる、かわいらしい同級生・姫川 楓(ひめかわ かえで)。 彼が光希に告げたのは、予想もしない言葉だった──。 「僕に……愛されてみない?」 “姫”の顔をした“王子様”に、心も身体も解きほぐされていく──。 “王子”が“お姫様”になる、逆転シンデレラストーリー。 【登場人物】 姫川 楓(ひめかわ かえで) ・ポジション…攻め ・3月3日生まれ 19歳 ・大学で建築を学ぶ2回生 ・身長170cm ・髪型:ミディアムショートにやわらかミルクティーブラウンカラー。ゆるいパーマをかけている ・目元:たれ目 ・下に2人妹がいる。長男。 ・人懐っこくて愛嬌がある。一見不真面目に見えるが、勉学に対して真面目に取り組んでいて要領もよく優秀。 ・可愛いものが好き。女友達が多いが男友達ともうまくやってる。 ・おしゃれが大好き。ネイルもカラフル。 ・王子とセットで「建築学科の姫」と呼ばれている ・かわいい見た目でペニスが大きい 王子 光希(おうじ みつき) ・ポジション…受け ・5月5日生まれ 20歳 ・大学で建築を学ぶ2回生 ・身長178cm ・髪型:センターパートのラフショート。ダークトーンのアッシュグレー ・目元:切れ長 ・空気が読める。一軍男子。学業もスポーツも割とよくできる。 ・上に姉と兄がいる。末っ子。 ・姫川とセットで「建築学科の王子」と呼ばれている ・「かっこいい・頼れる王子」像を求められるので、自然と演じて生きてきた。本当は甘えたいし愛されたい。家族には甘えられる。

真空ベータの最強執事は辞職したい~フェロモン無効体質でアルファの王子様たちの精神安定剤になってしまった結果、執着溺愛されています~

水凪しおん
BL
フェロモンの影響を受けない「ベータ」の執事ルシアンは、前世の記憶を持つ転生者。 アルファ至上主義の荒れた王城で、彼はその特異な「無臭」体質ゆえに、フェロモン過多で情緒不安定な三人の王子たちにとって唯一の「精神安定剤」となってしまう。 氷の第一王子、野獣の第二王子、知略の第三王子――最強のアルファ兄弟から、匂いを嗅がれ、抱きつかれ、執着される日々。 「私はただの執事です。平穏に仕事をさせてください」 辞表を出せば即却下、他国へ逃げれば奪還作戦。 これは、無自覚に王子たちを癒やしてしまった最強執事が、国ぐるみで溺愛され、外堀を埋められていくお仕事&逆ハーレムBLファンタジー!

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

処理中です...