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一年生
挽ーて挽ーてトントントン
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香木を挽いて、砕いて、燻して、詰めて・・・・・・。
「ねえ、作り方ってこれで合ってる?」
「どうだろ分かんない・・・・・・」
「ヴェズラさんこっち来てー!」
金木犀の香りが漂う大きな部屋で、私たちは香り袋を作っていた。
説明をしてもらいながらしているのだけれど、これであっているのか不安でしょうがない。
隣にいるリリーに聞いても彼女もこれでいいのか困っているらしい。
ひとつひとつの工程で時間をとってもらい、ヴェズラさんを呼ぶ生徒はほとんどだ。
何人かそういう系統の仕事をしている親を持つ子がいて、その子にも聞いたりしている。
「ゲイル結構上手いじゃん」
「崇め讃えたら教えてやるよ」
「いいわ」
「おい」
確かにゲイルはもう追いついている。さっきまで居眠りしててリンダに腕つねられてたのに。
「コツがあるんだよコツが」
「そういうのいいんで」
「んだよ教えてやろうとしてるじゃねえか」
「「「「結構でーす」」」」
「お前らああああ!」
リリーはおろかリンダやフランメまで断られ、ゲイルが髪を逆立てる。
「うるさいぞゲイル、迷惑だ」
そろそろ注意しようとしたら王子に先を越されてしまった。
「うるせえぞ黒酢!」
「誰が酢だ!」
ああ・・・・・・ゲイルがついに王子にまで暴言を吐くようになった・・・・・・。
「黒酢って・・・・・・微妙な・・・・・・」(リンダ)
「でもまあ・・・・・・身体にはいいよね・・・・・・酢・・・・・・」(リリー)
これを聞いていた何人かが『何言ってんだコイツ』と呆れていた。
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯
「いやぁ、なんとかできて良かったねえ」
「ほーんと、誰かさんが風の魔法で私たちの香料吹き飛ばして大変だったのにねえ」
「誠に申し訳ございませんでした」
あの後、ゲイルがキレ散らかして私たちの材料をぐっちゃぐちゃにしたのだ。
すぐにヴェズラさんが指を振って魔法で新しいものを並べてくれたのだけれど、申し訳ないにも程がある。
そのため、今はこのゲイルを土下座させている最中だ。
「今度何か奢ってね」
「はい、なんでも奢らせていただきます」
「とまあコントは置いといて、明日の予定を決めようよ」
「「さんせーい」」
「三世」
「酸性」
ん? なんか違うの混じってた気がするけど気のせいか。
「行くときあったところ行ってみるか?」
「え~。そこ遠いじゃん」
「使い魔乗ればいいでしょ」
「魔法とか禁止だったからさ、もうちょっと近いところにしない?」
「おすすめの場所を従業員さんに聞くといいかもよ」
「んだね」
○○○○○○○○○○
「おすすめの場所、ですか?」
「そうなんです! どこかいいところがあったら教えてほしいなぁって」
「なるほど・・・・・・」
私たちは従業員部屋に入ろうとしていたヴェズラさんをひっ捕まえ、明日行ったらいい場所を聞いていた。
「そうですね、例えばここはどうでしょう」
ヴェズラさんが部屋からこの地域の地図を持ってきてそれを壁に広げてくれる。
指さしているそこはーーーー。
「誘惑の町?」
「そうです。名前自体は違うのですが、甘い誘惑があるってことから誘惑の町なんて言われているんですよ」
「甘い誘惑ってお菓子とかですか?」
「似たような感じです」
「へえー」
「じゃあそこにする?」
「道も一本道なので、迷いにくいですよ」
「そうなんですね。じゃあそこにします」
「はい、お気をつけて」
いいことが聞けたな。ヴェズラさんにおやすみを言い、私たちは部屋へと戻った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お久しぶりです桜井あこでー・・・・・・やめて! 痛い! ちょっとリナ! 作者に向かってなに氷投げてんの! リリー? あんたもなんで毒の花咲かせてんの! あフィン、この2人を落ち着かせーー熱ぃぃぃぃいいぃいいい!!!!
はい、ごめんなさい、めっちゃ更新遅くなりました。
待ってていた人がいたら嬉しい(・ω・)
いやぁ、TikTokとかで時間が溶けていきました・・・・・・。あなおそろしや。
今度はこんなに間を置かずに投稿しますね!
「ねえ、作り方ってこれで合ってる?」
「どうだろ分かんない・・・・・・」
「ヴェズラさんこっち来てー!」
金木犀の香りが漂う大きな部屋で、私たちは香り袋を作っていた。
説明をしてもらいながらしているのだけれど、これであっているのか不安でしょうがない。
隣にいるリリーに聞いても彼女もこれでいいのか困っているらしい。
ひとつひとつの工程で時間をとってもらい、ヴェズラさんを呼ぶ生徒はほとんどだ。
何人かそういう系統の仕事をしている親を持つ子がいて、その子にも聞いたりしている。
「ゲイル結構上手いじゃん」
「崇め讃えたら教えてやるよ」
「いいわ」
「おい」
確かにゲイルはもう追いついている。さっきまで居眠りしててリンダに腕つねられてたのに。
「コツがあるんだよコツが」
「そういうのいいんで」
「んだよ教えてやろうとしてるじゃねえか」
「「「「結構でーす」」」」
「お前らああああ!」
リリーはおろかリンダやフランメまで断られ、ゲイルが髪を逆立てる。
「うるさいぞゲイル、迷惑だ」
そろそろ注意しようとしたら王子に先を越されてしまった。
「うるせえぞ黒酢!」
「誰が酢だ!」
ああ・・・・・・ゲイルがついに王子にまで暴言を吐くようになった・・・・・・。
「黒酢って・・・・・・微妙な・・・・・・」(リンダ)
「でもまあ・・・・・・身体にはいいよね・・・・・・酢・・・・・・」(リリー)
これを聞いていた何人かが『何言ってんだコイツ』と呆れていた。
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯
「いやぁ、なんとかできて良かったねえ」
「ほーんと、誰かさんが風の魔法で私たちの香料吹き飛ばして大変だったのにねえ」
「誠に申し訳ございませんでした」
あの後、ゲイルがキレ散らかして私たちの材料をぐっちゃぐちゃにしたのだ。
すぐにヴェズラさんが指を振って魔法で新しいものを並べてくれたのだけれど、申し訳ないにも程がある。
そのため、今はこのゲイルを土下座させている最中だ。
「今度何か奢ってね」
「はい、なんでも奢らせていただきます」
「とまあコントは置いといて、明日の予定を決めようよ」
「「さんせーい」」
「三世」
「酸性」
ん? なんか違うの混じってた気がするけど気のせいか。
「行くときあったところ行ってみるか?」
「え~。そこ遠いじゃん」
「使い魔乗ればいいでしょ」
「魔法とか禁止だったからさ、もうちょっと近いところにしない?」
「おすすめの場所を従業員さんに聞くといいかもよ」
「んだね」
○○○○○○○○○○
「おすすめの場所、ですか?」
「そうなんです! どこかいいところがあったら教えてほしいなぁって」
「なるほど・・・・・・」
私たちは従業員部屋に入ろうとしていたヴェズラさんをひっ捕まえ、明日行ったらいい場所を聞いていた。
「そうですね、例えばここはどうでしょう」
ヴェズラさんが部屋からこの地域の地図を持ってきてそれを壁に広げてくれる。
指さしているそこはーーーー。
「誘惑の町?」
「そうです。名前自体は違うのですが、甘い誘惑があるってことから誘惑の町なんて言われているんですよ」
「甘い誘惑ってお菓子とかですか?」
「似たような感じです」
「へえー」
「じゃあそこにする?」
「道も一本道なので、迷いにくいですよ」
「そうなんですね。じゃあそこにします」
「はい、お気をつけて」
いいことが聞けたな。ヴェズラさんにおやすみを言い、私たちは部屋へと戻った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お久しぶりです桜井あこでー・・・・・・やめて! 痛い! ちょっとリナ! 作者に向かってなに氷投げてんの! リリー? あんたもなんで毒の花咲かせてんの! あフィン、この2人を落ち着かせーー熱ぃぃぃぃいいぃいいい!!!!
はい、ごめんなさい、めっちゃ更新遅くなりました。
待ってていた人がいたら嬉しい(・ω・)
いやぁ、TikTokとかで時間が溶けていきました・・・・・・。あなおそろしや。
今度はこんなに間を置かずに投稿しますね!
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