[完結]異世界美少女の奴隷になった件

深山ナオ

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特訓③

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「とりあえず、攻撃してきなよ」
 
 右手に握ったナイフは下ろしたままでリコさんはそう言った。
 ドレス姿だからだろうか。背筋をピンと伸ばした彼女の佇まいは、戦う前とは思えない程、優雅なものだった。

「……、いきますよ!」

 一つ息を飲み込んで、僕は正面からリコさんに突撃した。
 そして、肩や腰などを側面から斬り付けるように木のナイフを振りかざす。
 それをリコさんは、ダンスを踊るような軽やかな動きで僕の攻撃を避けていく。
 結果、僕の怒涛の連撃はかすりもしなかった。

「そんなんじゃ当たんないよっ!」

 白い歯を見せて余裕そうな笑みを浮かべるリコさん。それが何だか悔しくて、僕はもう一度突撃した。

「っと……、勢いはいいんだけどね。そんな滅茶苦茶に振り回したってダメだよ!」

 またしても、僕の攻撃はリコさんにひらりとかわされた。そして、リコさんは回避動作から攻撃動作へとスムーズに移行し、僕に急接近してきた。
 そして気がついたときには、僕の首元に木製のナイフが突きつけられていた。 

「はい、お終い」

 僕の耳元で放たれたリコさんの囁き声に、背筋が凍る。
 しばらくの間、金縛りにあったかのように僕の体は動かなくなった。
 けれども、リコさんが僕の首元からナイフを離すと、その金縛りも解けた。

「リコさん……お強いんですね」
「まあ、一応鍛えたからね」

 リコさんはそう言って、またにかっと笑った。

 ♢

「もっとこう、小さな動作で、無駄なく素早く」

 リコさんが自分の体を動かしながら、解説してくれる。
 時折僕の後ろに回り込んで、手を掴んで腕の動かし方などを教えてくれる。

「攻撃を防ぐ時も、ただ防ぐんじゃなくて、次の動作に繋げられるように……」
 
 なんかこう、たまに背中に柔らかいものが当たったりして――それはティナのよりだいぶ小さいけれど、というか女性の中でもかなり小ぶりな方だと思う――女性特有のその感触に、つい気をとられてしまう。

「……くん、マサト君、聞いているかい?」
「あっ、はい!聞いてます!」

 ……。男子だもん、仕方ないよね。


 それから、リコさんとの特訓は夕暮れまで続いた。
 ラッキースケベな特訓だったが、リコさんが付いていてくれた分、頑張りすぎてしまった。
 その反動で、翌日、僕は経験したことの無い筋肉痛に襲われた。
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