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2:二人旅
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どうしても錬金術で作られている物を避けたい場合は、瓶に彫られた名をいちいち確認しているとも聞くし、鍛冶屋やギルドへ買い求めるとも。
それをよくわからない労力だと思うのは、俺自身は錬金術を恩恵であると思い、利用からかもしれない。
とは言え流石にアンチばかりではない。錬金術の有用性を理解している者は、少なくなってきている錬金術師を少しでも多く囲うことに躍起になっているとか。
錬金術ギルドはそんな一部の貴族と繋がりを持っているらしい。決して癒着ではないと繋がりあることを公表しているが、そうは言ったところでやはり実際のことなど第三者にはわからない。
ただまあ表向きの錬金術ギルドの方向性として、貴族との関わり……専属の契約などをしたくない者でもギルドに登録する権利があるし、その者に実力があるのならギルドに融資してもらうことも可能だ。実力次第でやはり一度くらいは貴族の専属になるよう声かけもあるだろう。
勿論、貴族との関わりを求め、狙っているものもいるし、先にギルドに登録する方法を取るものもいると思う。
誘いを受けるも断るも自由。
断ったからと言って、今後の道を閉ざされることはない。……一応は。
*****
街と現在地の距離を測りながら進む。
ベリーはともかく、俺のこの身体ではやはり中々前に進まない。それに良い状態の薬草が生えていれば摘みたくなるし、歩いていれば魔物に狙われることもある。
小さな獣と変わらないような魔物はこれまでも何度か相対したが、そう言えば大きな魔物との戦闘をこなせてはいないと思い出した。
とは言え領地として、国として、そこまで大物のいる場所ではないのも確かで。隣国か、更にそのとなり辺りは気候としても魔物の強さとしても厳しいと聞く。
本で読んだ知識でしかないが、この世には確かに恐ろしい存在が跋扈しているのだ。
……ベリーが本来、恐ろしい存在に値するものなのに、いまいち本来の力が解らないから、俺は油断をせずにしっかりと気を引き締めるべきだろう。
摘んで狩って組手して、狩って摘んで狩って、摘んで摘んで魔力を練る。
「あ、ほら。何だか間に合いそうだよ」
「ああ……そのようだな」
近付いてきても焦らず、のんびりと進んでいた。にも関わらず、どうやら今日中に街の中へ入れそうだった。
まあ時間としては夕暮れになりかけているから、後は列に並んだ段階で受け入れて貰えるかどうかと言うところだが。
門の前の詰所に立つ衛兵達が、先頭に並ぶ者の身分証を確認している様子が、今の場所からでも伺える。問題がなければ街の中へと入るらしい。
次点に並ぶ相手には犯罪歴等を確認する水晶を運びながら触れさせている。その次点以降には並ぶ順に街へ入る目的を確認している様だ。なるほど。
それをよくわからない労力だと思うのは、俺自身は錬金術を恩恵であると思い、利用からかもしれない。
とは言え流石にアンチばかりではない。錬金術の有用性を理解している者は、少なくなってきている錬金術師を少しでも多く囲うことに躍起になっているとか。
錬金術ギルドはそんな一部の貴族と繋がりを持っているらしい。決して癒着ではないと繋がりあることを公表しているが、そうは言ったところでやはり実際のことなど第三者にはわからない。
ただまあ表向きの錬金術ギルドの方向性として、貴族との関わり……専属の契約などをしたくない者でもギルドに登録する権利があるし、その者に実力があるのならギルドに融資してもらうことも可能だ。実力次第でやはり一度くらいは貴族の専属になるよう声かけもあるだろう。
勿論、貴族との関わりを求め、狙っているものもいるし、先にギルドに登録する方法を取るものもいると思う。
誘いを受けるも断るも自由。
断ったからと言って、今後の道を閉ざされることはない。……一応は。
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街と現在地の距離を測りながら進む。
ベリーはともかく、俺のこの身体ではやはり中々前に進まない。それに良い状態の薬草が生えていれば摘みたくなるし、歩いていれば魔物に狙われることもある。
小さな獣と変わらないような魔物はこれまでも何度か相対したが、そう言えば大きな魔物との戦闘をこなせてはいないと思い出した。
とは言え領地として、国として、そこまで大物のいる場所ではないのも確かで。隣国か、更にそのとなり辺りは気候としても魔物の強さとしても厳しいと聞く。
本で読んだ知識でしかないが、この世には確かに恐ろしい存在が跋扈しているのだ。
……ベリーが本来、恐ろしい存在に値するものなのに、いまいち本来の力が解らないから、俺は油断をせずにしっかりと気を引き締めるべきだろう。
摘んで狩って組手して、狩って摘んで狩って、摘んで摘んで魔力を練る。
「あ、ほら。何だか間に合いそうだよ」
「ああ……そのようだな」
近付いてきても焦らず、のんびりと進んでいた。にも関わらず、どうやら今日中に街の中へ入れそうだった。
まあ時間としては夕暮れになりかけているから、後は列に並んだ段階で受け入れて貰えるかどうかと言うところだが。
門の前の詰所に立つ衛兵達が、先頭に並ぶ者の身分証を確認している様子が、今の場所からでも伺える。問題がなければ街の中へと入るらしい。
次点に並ぶ相手には犯罪歴等を確認する水晶を運びながら触れさせている。その次点以降には並ぶ順に街へ入る目的を確認している様だ。なるほど。
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