相棒は邪龍らしい。

渡邉 幻日

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2:二人旅

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ランクが上になれば売買率の上昇は勿論のこと、貴族への面会依頼なども許可が降りやすくなるし、指名依頼も来ることがあるし、気に入られれば後ろ楯になって貰えたりもするらしい。
つまりは上に行ければ行けるほど金回りが良くなる。
俺のように色んな街へ行くことを目的とする場合、やはり金の管理は厳しく見ておかなくてはならないだろう。 

であれば街毎に違う、入場料にあたる部分など削減できるのであればしていきたい。
日用品や素材など必要なものを買うだとか、逆に素材を売ることで街へ還元することも可能なのだから、そちらで勘弁して貰いつつ、だ。 

祖先の本が売っているのであれば、入手のために金に糸目はつけたくない。本の状態が良ければ尚のこと。その時のために出来るだけ稼いでおきたいと思うのは仕方の無いことではないだろうか。
よって、まずは冒険者登録は必須だ。余りにも小さな村だとか、余りにも人の往来の無い辺鄙な場所でなければ冒険者ギルドは支店が置かれる。
人の少ない所こそ依頼があるので、出来る限り報告がしやすいようギルドが設置されると言うことだ。辺鄙でも例えば鉱石が良く採れるなら、冒険者ギルドの他に鍛冶ギルドもやってくる。布に最適な草が生えるなら服飾ギルドの可能性もある。何かしら付随してギルドが開設されれば村としては御の字だろう。 

逆に錬金術ギルドは段々と数を減らしていると聞くので、これから向かう街にあればしたい。……のだが、そもそも現在の錬金術は秘術と呼ばれても差し支えないものとなっている。
方法や過程、そして内容・結果がことわりを覆してしまうほどの効果があるためだ。
それこそ信心深い者であれば崇める神からの怒りを恐れ、錬金術と言うものを理解する前に・・・・・・厭う者がそこかしこに居る。

よくわからないものを嫌うのは、どこにでもある話。知らぬから・解らぬから、何かあったときにとばっちりを受けぬよう身近には置きたくない……と言うことなのだろうと思う。
正直、錬金術がつくられた段階で怒りに触れたと言うような歴史の記録がないのだから、気にするだけ無駄だと俺は思うが。 

ポーション・一部薬品・水や酒を運ぶ瓶辺りなどが錬金術の恩恵を特に受けている。錬金術が確立される前は、武器防具屋が己の技術を高める一環で作成してギルドに卸していたとか。
大きさや形、厚みが一定になるよう一つ一つ作られる瓶は技術を要したし、武器や防具の量産品の作成に一役買っていたのだ。 

勿論今でも武器防具屋で作っているところはある。新人、中堅どころが技術を磨くために作成しているのが殆どだろう。店に少し置いていたり、まとめて鍛冶ギルドに卸したりすると聞いたことがある。
錬金術師が多くないことも含めて、携わる者全てが切り替わっているわけでもない。
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