【完結】曖昧な距離で愛している

山田森湖

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第53話「別れの朝」

第53話「別れの朝」


出発の日が来た。

朝、私は拓海のために朝食を作った。

「美咲、ありがとう」

「いってらっしゃい」

拓海が私を抱きしめる。

「三ヶ月、あっという間だよ」

「うん」

空港まで一緒に行った。

「美咲、ちゃんと食べてる?」

「大丈夫。拓海こそ、向こうで無理しないでね」

「うん」

拓海が私の頬に手を当てる。

「美咲、愛してる」

「私も」

搭乗ゲートで別れる。

「じゃあ、行ってくる」

「うん。気をつけてね」

拓海が手を振って去っていく。

私はその後ろ姿を見送る。

涙が溢れてくる。

家に帰ると、すごく静かだった。

拓海がいない。

この事実が、私を寂しくさせる。

夕方、拓海から電話がかかってきた。

「美咲、無事に着いたよ」

「よかった」

「ホテル、結構いい感じ」

「そっか」

「美咲、大丈夫?」

「大丈夫。ちゃんと待ってるから」

「ありがとう」

電話を切って、私は一人でソファに座る。

部屋は静かだ。

でも、大丈夫。

拓海は、必ず帰ってくる。

私は、それを信じて待つ。

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