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05_恋に気づく、帰り道
恋に気づく、帰り道
私、ショウコは41歳の会社員です。
母が怪我をしたのをきっかけに、都内の生活を終えて、田舎の実家に引っ越してきました。
そんな私の隣に、最近また一人戻ってきた人がいます。
幼なじみのトオル。昔から家が隣同士で、ずっと一緒に育ってきた存在です。
彼もまた、都内から実家に戻ることになったとのこと。理由も境遇も、私と似ています。
最近は引っ越しの準備や実家の片付けで週末は忙しそうで、最寄りの駅から実家までは車で30分もかかるため、私が迎えに行くと約束していました。
今日も来る予定と聞いていたのですが、お昼を過ぎても連絡が来ない。
「忙しくて来れなくなったのかな」
そんなことを思っていたら、夕方になってようやく連絡が入りました。
「ごめん、遅い時間にありがとう」
「いや、大丈夫だよ」
駅まで迎えに行くと、トオルは明らかに疲れた様子。
そのままうちで夕飯を一緒に食べましたが、食べ終わるとソファでそのまま眠ってしまいました。
なんとか起こして布団まで促すと、久しぶりにトオルの寝顔を見ることができました。
昔は、ぷくっとした頬が可愛らしかったトオル。
でも今はヒゲもうっすらと生え、男らしくなっていて、あの頃とはまるで違って見える。
……逞しくなったなって思ってしまった。
隣で寝るトオルからは、久しぶりに感じる“男の匂い”。
なぜか、それが心地よく感じられて、そのまま私も眠ってしまいました。
翌朝、目が覚めるとトオルはすでに起きていました。
「おはよう、トオル」
「あっ、おはよう。ごめん、布団まで……」
「いいのよ。疲れてたみたいだったから。お風呂、使っていいよ」
私は少し焦りながら身支度を整えました。
幼なじみとはいえ男性が家にいると、どこまで気を使えばいいのか分からない。
すっぴんはちょっと……でも気合を入れすぎてもなんか違う。
そんなことを考えていると、トオルが風呂から上がってきました。
「朝ごはんさ、美味しいブッフェの店あるんだけど、行かない? 奢るよ」
「そこ、一回行ってみたかったんだ! 行こう!」
私たちは朝食を楽しみ、その後トオルは掃除に、私は自分の用事を済ませることにしました。
買い物の帰り道、たい焼きのいい香りがしてきて、思わず立ち止まる。
普段は買わないのに、ふと「トオルが喜ぶかな」って思ってしまって――
「たい焼き、2つください」
気づけばそう注文していました。
夕方、たい焼きを手にトオルの家へ。
「トオル、終わった?」
「なんとかね、疲れた」
「お疲れさま。これ、たい焼き。食べる?」
「ありがとう、食べるよ」
少し冷めていたけど、嬉しそうに食べてくれた。
「明日はどうするの?」
「タクシーで帰るよ。ショウコも仕事だろ?」
「お昼、一度帰ってくるから送ってあげるよ」
「大丈夫? お昼ご飯食べられなくならない?」
「気にしないで。送ってあげるから」
お昼のことなんて、正直どうでもよかった。
ただ、もう少し一緒にいたかっただけ。
その後トオルを駅まで送り、私はそのまま職場に向かった。
「なんか、ショウコさん今日機嫌いいな。いいことあった?」
「いやいや、別に」
「ほんと? なんか“恋する乙女”って感じだよ?」
「もう、そんな歳じゃないでしょ。乙女なんて」
そう言いながらも、仕事が終わってスマホを見ると、トオルから一言メッセージが。
「ありがとうね」
ふと鏡を見ると、私は……にやけていた。
――私、もしかして、恋してるのかも。
私、ショウコは41歳の会社員です。
母が怪我をしたのをきっかけに、都内の生活を終えて、田舎の実家に引っ越してきました。
そんな私の隣に、最近また一人戻ってきた人がいます。
幼なじみのトオル。昔から家が隣同士で、ずっと一緒に育ってきた存在です。
彼もまた、都内から実家に戻ることになったとのこと。理由も境遇も、私と似ています。
最近は引っ越しの準備や実家の片付けで週末は忙しそうで、最寄りの駅から実家までは車で30分もかかるため、私が迎えに行くと約束していました。
今日も来る予定と聞いていたのですが、お昼を過ぎても連絡が来ない。
「忙しくて来れなくなったのかな」
そんなことを思っていたら、夕方になってようやく連絡が入りました。
「ごめん、遅い時間にありがとう」
「いや、大丈夫だよ」
駅まで迎えに行くと、トオルは明らかに疲れた様子。
そのままうちで夕飯を一緒に食べましたが、食べ終わるとソファでそのまま眠ってしまいました。
なんとか起こして布団まで促すと、久しぶりにトオルの寝顔を見ることができました。
昔は、ぷくっとした頬が可愛らしかったトオル。
でも今はヒゲもうっすらと生え、男らしくなっていて、あの頃とはまるで違って見える。
……逞しくなったなって思ってしまった。
隣で寝るトオルからは、久しぶりに感じる“男の匂い”。
なぜか、それが心地よく感じられて、そのまま私も眠ってしまいました。
翌朝、目が覚めるとトオルはすでに起きていました。
「おはよう、トオル」
「あっ、おはよう。ごめん、布団まで……」
「いいのよ。疲れてたみたいだったから。お風呂、使っていいよ」
私は少し焦りながら身支度を整えました。
幼なじみとはいえ男性が家にいると、どこまで気を使えばいいのか分からない。
すっぴんはちょっと……でも気合を入れすぎてもなんか違う。
そんなことを考えていると、トオルが風呂から上がってきました。
「朝ごはんさ、美味しいブッフェの店あるんだけど、行かない? 奢るよ」
「そこ、一回行ってみたかったんだ! 行こう!」
私たちは朝食を楽しみ、その後トオルは掃除に、私は自分の用事を済ませることにしました。
買い物の帰り道、たい焼きのいい香りがしてきて、思わず立ち止まる。
普段は買わないのに、ふと「トオルが喜ぶかな」って思ってしまって――
「たい焼き、2つください」
気づけばそう注文していました。
夕方、たい焼きを手にトオルの家へ。
「トオル、終わった?」
「なんとかね、疲れた」
「お疲れさま。これ、たい焼き。食べる?」
「ありがとう、食べるよ」
少し冷めていたけど、嬉しそうに食べてくれた。
「明日はどうするの?」
「タクシーで帰るよ。ショウコも仕事だろ?」
「お昼、一度帰ってくるから送ってあげるよ」
「大丈夫? お昼ご飯食べられなくならない?」
「気にしないで。送ってあげるから」
お昼のことなんて、正直どうでもよかった。
ただ、もう少し一緒にいたかっただけ。
その後トオルを駅まで送り、私はそのまま職場に向かった。
「なんか、ショウコさん今日機嫌いいな。いいことあった?」
「いやいや、別に」
「ほんと? なんか“恋する乙女”って感じだよ?」
「もう、そんな歳じゃないでしょ。乙女なんて」
そう言いながらも、仕事が終わってスマホを見ると、トオルから一言メッセージが。
「ありがとうね」
ふと鏡を見ると、私は……にやけていた。
――私、もしかして、恋してるのかも。
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