18 / 21
⑱
《新島side》
真っ暗な部屋の中で、ソファに体育座りで座っている人影があった。俺の家にいてくれた。良かった。
俺は、昨日陸人の部屋で陸人の帰りをずっと待っていたけれど、結局帰ってくることはなく、一旦、佐藤が部屋から帰ってくれたか見るために1度家に帰った。そして、眠れぬ夜を過ごし、そのまま出社して、今に至る。
『陸人…?』
「あ…悟。」
何か、分からないけれど、陸人から醸し出される雰囲気が今までと違うのは分かった。
『陸人、昨日どこ行ってたの?…あ、いや、それより、話し…』
「悟…。悟。ごめんなさい、本当にごめんなさい。ごめ…。本当にごめん。」
わけが分からなかった。本当にわけが分からなかった。昨日の誤解も解けていない。それに謝らなければいけないのは俺の方だ。
『陸人は何も悪くない。全部全部俺が悪かったんだ。陸人、本当にごめん、話を聞いて欲しい。』
陸人はポロポロと涙を流していた。
俺は陸人の気持ちを傷つけた。
いくらあれが誤解だったとしても俺があの現場を見れば浮気に見えてしまう。
『陸人、一旦落ち着いて、話そう』
そっと抱きしめようとすると、陸人は大きくその腕を払って、俺に土下座した。
「ごめんなさい。僕、昨日の夜、仁くんと浮気しました」
本当に何を言われてるのか分からなくなった。
あなたにおすすめの小説
記憶の代償
槇村焔
BL
「あんたの乱れた姿がみたい」
ーダウト。
彼はとても、俺に似ている。だから、真実の言葉なんて口にできない。
そうわかっていたのに、俺は彼に抱かれてしまった。
だから、記憶がなくなったのは、その代償かもしれない。
昔書いていた記憶の代償の完結・リメイクバージョンです。
いつか完結させねばと思い、今回執筆しました。
こちらの作品は2020年BLOVEコンテストに応募した作品です
学園の俺様と、辺境地の僕
そらうみ
BL
この国の三大貴族の一つであるルーン・ホワイトが、何故か僕に構ってくる。学園生活を平穏に過ごしたいだけなのに、ルーンのせいで僕は皆の注目の的となってしまった。卒業すれば関わることもなくなるのに、ルーンは一体…何を考えているんだ?
【全12話になります。よろしくお願いします。】
来世はこの人と関りたくないと思ったのに。
ありま氷炎
BL
前世の記憶を持つ、いずる。
彼は前世で主人だった三日月と、来世で関わらない事を願った。
しかし願いは叶わず、幼馴染として生まれ変わってしまった。
前世が俺の友人で、いまだに俺のことが好きだって本当ですか
Bee
BL
半年前に別れた元恋人だった男の結婚式で、ユウジはそこではじめて二股をかけられていたことを知る。8年も一緒にいた相手に裏切られていたことを知り、ショックを受けたユウジは式場を飛び出してしまう。
無我夢中で車を走らせて、気がつくとユウジは見知らぬ場所にいることに気がつく。そこはまるで天国のようで、そばには7年前に死んだ友人の黒木が。黒木はユウジのことが好きだったと言い出して――
最初は主人公が別れた男の結婚式に参加しているところから始まります。
死んだ友人との再会と、その友人の生まれ変わりと思われる青年との出会いへと話が続きます。
生まれ変わり(?)21歳大学生×きれいめな48歳おっさんの話です。
※軽い性的表現あり
短編から長編に変更しています
君の恋人
risashy
BL
朝賀千尋(あさか ちひろ)は一番の親友である茅野怜(かやの れい)に片思いをしていた。
伝えるつもりもなかった気持ちを思い余って告げてしまった朝賀。
もう終わりだ、友達でさえいられない、と思っていたのに、茅野は「付き合おう」と答えてくれて——。
不器用な二人がすれ違いながら心を通わせていくお話。