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第22話 龍の装備に身を包んでいる者
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森の中を進んでいく。
「悪いな。せっかく家に来てくれたのに、慌ただしくなって」
「本当よ。この分の埋め合わせは、必ずしてもらうんだから」
隣を歩くクラウディアが、顔を背けてそう言った。
獣人の少女の故郷の村。それはウチから東に行ったところにあるらしい。
現在、俺とクラウディアはその村に行くために、こうして二人で歩いているというわけだ。
この場にいないシェラはあの獣人の少女と、留守番をして待っていてくれている。
山の麓まで転移で移動して、すでに30分は歩いたといったところだ。
「ここからもう30分ぐらいで着くのよね」
「らしいな」
目的地は結構近い場所にあるようだ。
「それにしても、あなたの周りではやっぱり事件が起きるわね」
「街にいた時もそうだった」とクラウディアが何か言いたそうな顔を向けてくる。
「いいえ、自分から首を突っ込んでいるといった方が正しいのかもね」
「そんなことないだろ。……今回の場合はそうだけど」
「やっぱりそうじゃない」
……今回ばかりは反論できそうにない。
けれど、気になることがある。
あの獣人の少女の龍病のこと。そして村を襲ったらしい赤龍のこと。
まず、赤龍はどうにかしないといけないな。
「……それだけが理由じゃないんでしょ?」
「まあな」
「やっぱり」
クラウディアは、呆れたような顔をしていた。
「それで、あなたは他に何が気になっているのかしら? 村を襲った赤龍のことと、龍病で苦しんでいたあの獣人の子。その二つは腑に落ちてるの? ……いえ、その顔を見る限りだと、どちらも腑に落ちてはいないようね」
「よく俺のことを見てるな」
「……たまたまよ」
クラウディアが「……変なこと言わないで」と顔を背けていた。
けれど、彼女が言ったことは正解だ。どちらも当たっている。
「まず、あの龍病で苦しんでいた獣人の子だ。龍病は龍の血を飲んだ者がかかる病なのに、あの子は龍の血を飲んではいないと言っていた」
「確かにそうね」
「でも、あの症状は確かに龍病によるものだった」
龍の血を飲んでいなくても、龍病にかかっていた獣人の少女。
俺が知らないだけで、龍の血を飲んでいなくとも、その病にはかかるのかもしれない。だから、これはそれほど気にしなくてもいいのかもしれない。けれど、俺はそれが気になった。
そもそも、だ。
「赤龍がこの周辺にいること自体もおかしい。なんせここには最近、黒龍がいたからな」
「確かに、龍には縄張りがあるものね」
龍は習性を持っている。
それは、他の龍がいる場所には近づかないということだ。
先日、うちの山にやってきた黒龍。それが倒されてから、今は大体一ヶ月か二ヶ月も経ってないぐらいだろう。これは龍の感覚ではかなり短い部類に入るものだ。
そして龍は他の龍がいる場所には近づかない。他の龍がいた痕跡が僅かでも残っている場所にも近づかない。
龍には縄張りがあって、もしそれを侵してしまえば龍同士の殺し合いになってしまうからだ。
もし縄張りの主がいなくなっても、半年ぐらいは他の龍はその縄張りには近づくことはない。魔力の残滓が残っているようなのだ。
そして、それが薄れるのが、大体半年ほど。
その後は許容範囲らしく、また新たな龍がやって来て、縄張りにすることもあるという。
そのことから考えると、今回獣人の少女の村に現れたという赤い龍。赤龍はどうも気になる。
この辺りはこの前まで黒龍が通っていたはずのルートだ。そんな場所に、約一、二ヶ月ほどで現れた龍種の赤龍。
……果たしてそれは本当に赤龍なのだろうか。
もしかしたら、赤龍によく似た龍以外の種族の魔物という可能性もある。けれど、そう考えた場合、あの少女が罹っていた龍病は一体どこから来たものだろうか。
……分からない。
元々この辺りには赤龍の縄張りで、この前の黒龍の方がおかしいと考えられたりもするのだが、だったら今までどうして獣人の子の村が襲われなかったのだろう。どうして今回、あの少女の村に赤龍が現れたのだろう。
……などと考えると、謎は深まるばかりだ。
堂々巡りで、思考の渦に嵌ってしまう。
それならば、実際に自分の目で見た方がいいと思ったのだ。
けど、あの少女の村は恐らくもう、壊滅している可能性の方が高い。
数日は経っているらしいもんな。
数日もあれば、魔物は容易く村を壊滅させる。俺も、経験がある。
あの子もすでにその覚悟はしているはずだ。
けれど。
「……遠くから人の気配がいくつもするわ」
歩き続けた森の先。そこに感じたのは、複数の人の気配だった。恐らく目的地の村。獣人の少女の故郷の村の方だ。
鬱蒼と茂る森の中、背の高い草を描き分けられて作られた一本の道が伸びている。
そこには最近つけられたと思わしき、足跡もある。
「……悪い気配は感じないな」
「じゃあ、もしかしたら生きているのかもしれないわね」
希望が見えてきた。
村人たちがまだ生きている可能性がある。
「……でも、村には入れそうにないな。結界が張ってある」
まるで村を覆うように展開されているのは、透明な膜。結界だ。外部からの侵入を防ぎ、外敵から身を守るための結界。
「それも高度な結界が張られているわ。この結界の質は、容易く張れるものではない」
クラウディアが結界に触れながら、確認をしていた。
村の住人が張ったものだろうか。
……恐らく違う。
もしこんな結界を張れるのならば、そもそもあの獣人の子が村の外に逃げて、うちに来る必要がない。なんせこの結界の内側にいた方が安全だろうからな。
「けど、どうも匂うわね……。龍の気配がそこらへんを汚染してるわ」
「……私、これ無理」とクラウディアが顔を顰めていた。
「確かに、臭いな……」
結界の外には、龍の匂いが蔓延している。
その時だった。
遠くから咆哮が響き、こちらに接近してくる気配があった。
上だ。
現れたのは、真紅の鱗に覆われた翼を持つ生き物。赤龍だった。
俺もクラウディアも動かない。
そして、上から接近してきた龍が、まさに俺たちがいる地点へと急降下してきた瞬間ーーその体が真っ二つに斬られていた。
「……ほう」
龍の断面。
二つに割れたそこに見えたのは、龍を両断したであろう剣を握っている何者かの姿で。
その身は龍の素材で作られたと思わしき装備に覆われていたのであった。
「悪いな。せっかく家に来てくれたのに、慌ただしくなって」
「本当よ。この分の埋め合わせは、必ずしてもらうんだから」
隣を歩くクラウディアが、顔を背けてそう言った。
獣人の少女の故郷の村。それはウチから東に行ったところにあるらしい。
現在、俺とクラウディアはその村に行くために、こうして二人で歩いているというわけだ。
この場にいないシェラはあの獣人の少女と、留守番をして待っていてくれている。
山の麓まで転移で移動して、すでに30分は歩いたといったところだ。
「ここからもう30分ぐらいで着くのよね」
「らしいな」
目的地は結構近い場所にあるようだ。
「それにしても、あなたの周りではやっぱり事件が起きるわね」
「街にいた時もそうだった」とクラウディアが何か言いたそうな顔を向けてくる。
「いいえ、自分から首を突っ込んでいるといった方が正しいのかもね」
「そんなことないだろ。……今回の場合はそうだけど」
「やっぱりそうじゃない」
……今回ばかりは反論できそうにない。
けれど、気になることがある。
あの獣人の少女の龍病のこと。そして村を襲ったらしい赤龍のこと。
まず、赤龍はどうにかしないといけないな。
「……それだけが理由じゃないんでしょ?」
「まあな」
「やっぱり」
クラウディアは、呆れたような顔をしていた。
「それで、あなたは他に何が気になっているのかしら? 村を襲った赤龍のことと、龍病で苦しんでいたあの獣人の子。その二つは腑に落ちてるの? ……いえ、その顔を見る限りだと、どちらも腑に落ちてはいないようね」
「よく俺のことを見てるな」
「……たまたまよ」
クラウディアが「……変なこと言わないで」と顔を背けていた。
けれど、彼女が言ったことは正解だ。どちらも当たっている。
「まず、あの龍病で苦しんでいた獣人の子だ。龍病は龍の血を飲んだ者がかかる病なのに、あの子は龍の血を飲んではいないと言っていた」
「確かにそうね」
「でも、あの症状は確かに龍病によるものだった」
龍の血を飲んでいなくても、龍病にかかっていた獣人の少女。
俺が知らないだけで、龍の血を飲んでいなくとも、その病にはかかるのかもしれない。だから、これはそれほど気にしなくてもいいのかもしれない。けれど、俺はそれが気になった。
そもそも、だ。
「赤龍がこの周辺にいること自体もおかしい。なんせここには最近、黒龍がいたからな」
「確かに、龍には縄張りがあるものね」
龍は習性を持っている。
それは、他の龍がいる場所には近づかないということだ。
先日、うちの山にやってきた黒龍。それが倒されてから、今は大体一ヶ月か二ヶ月も経ってないぐらいだろう。これは龍の感覚ではかなり短い部類に入るものだ。
そして龍は他の龍がいる場所には近づかない。他の龍がいた痕跡が僅かでも残っている場所にも近づかない。
龍には縄張りがあって、もしそれを侵してしまえば龍同士の殺し合いになってしまうからだ。
もし縄張りの主がいなくなっても、半年ぐらいは他の龍はその縄張りには近づくことはない。魔力の残滓が残っているようなのだ。
そして、それが薄れるのが、大体半年ほど。
その後は許容範囲らしく、また新たな龍がやって来て、縄張りにすることもあるという。
そのことから考えると、今回獣人の少女の村に現れたという赤い龍。赤龍はどうも気になる。
この辺りはこの前まで黒龍が通っていたはずのルートだ。そんな場所に、約一、二ヶ月ほどで現れた龍種の赤龍。
……果たしてそれは本当に赤龍なのだろうか。
もしかしたら、赤龍によく似た龍以外の種族の魔物という可能性もある。けれど、そう考えた場合、あの少女が罹っていた龍病は一体どこから来たものだろうか。
……分からない。
元々この辺りには赤龍の縄張りで、この前の黒龍の方がおかしいと考えられたりもするのだが、だったら今までどうして獣人の子の村が襲われなかったのだろう。どうして今回、あの少女の村に赤龍が現れたのだろう。
……などと考えると、謎は深まるばかりだ。
堂々巡りで、思考の渦に嵌ってしまう。
それならば、実際に自分の目で見た方がいいと思ったのだ。
けど、あの少女の村は恐らくもう、壊滅している可能性の方が高い。
数日は経っているらしいもんな。
数日もあれば、魔物は容易く村を壊滅させる。俺も、経験がある。
あの子もすでにその覚悟はしているはずだ。
けれど。
「……遠くから人の気配がいくつもするわ」
歩き続けた森の先。そこに感じたのは、複数の人の気配だった。恐らく目的地の村。獣人の少女の故郷の村の方だ。
鬱蒼と茂る森の中、背の高い草を描き分けられて作られた一本の道が伸びている。
そこには最近つけられたと思わしき、足跡もある。
「……悪い気配は感じないな」
「じゃあ、もしかしたら生きているのかもしれないわね」
希望が見えてきた。
村人たちがまだ生きている可能性がある。
「……でも、村には入れそうにないな。結界が張ってある」
まるで村を覆うように展開されているのは、透明な膜。結界だ。外部からの侵入を防ぎ、外敵から身を守るための結界。
「それも高度な結界が張られているわ。この結界の質は、容易く張れるものではない」
クラウディアが結界に触れながら、確認をしていた。
村の住人が張ったものだろうか。
……恐らく違う。
もしこんな結界を張れるのならば、そもそもあの獣人の子が村の外に逃げて、うちに来る必要がない。なんせこの結界の内側にいた方が安全だろうからな。
「けど、どうも匂うわね……。龍の気配がそこらへんを汚染してるわ」
「……私、これ無理」とクラウディアが顔を顰めていた。
「確かに、臭いな……」
結界の外には、龍の匂いが蔓延している。
その時だった。
遠くから咆哮が響き、こちらに接近してくる気配があった。
上だ。
現れたのは、真紅の鱗に覆われた翼を持つ生き物。赤龍だった。
俺もクラウディアも動かない。
そして、上から接近してきた龍が、まさに俺たちがいる地点へと急降下してきた瞬間ーーその体が真っ二つに斬られていた。
「……ほう」
龍の断面。
二つに割れたそこに見えたのは、龍を両断したであろう剣を握っている何者かの姿で。
その身は龍の素材で作られたと思わしき装備に覆われていたのであった。
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