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vol.8
謝罪と決断
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●●●●●●●●
眼が覚めると、部屋の天井が見えた。先輩の家の、私の部屋だ。
「目覚めたか」
この声は……翠狼?
そうだ、私は翠狼と『地下』へ行ったら先輩が大勢の人狼に囲まれてて、それで……。
やだ、どうなったの?!
確か先輩が凰狼に決闘を申し込まれて、私は凰狼に……!
恐る恐る爪を突き刺された腕に眼をやって、私は息を飲んだ。
傷が……ない。
なんで?!確かに刺されたのに……。
眉を寄せる私を見て翠狼が低い声で言った。
「凰狼が白狼を認めて和解し、お前の傷を治したんだ」
治したって……傷痕が全くないんだけど……そうだったんだ……。
起き上がろうとした私を見て、翠狼は少し笑った。
「白狼は会議だ。もう少し横になってろ」
「あのー、なんで翠狼が?」
「それはその……詫びだ」
……詫び?
意味が理解できずに私が翠狼を見上げていると、彼は不自然な咳払いをしてから私を睨むように見た。
「だから、あれだ!あの日……お前に手を上げたから……」
あ……。
あの日って、先輩の家を飛び出したあの日だ。翠狼の屋敷に連れていかれて、地下で……。
私があの日の事を思い出していると、短い褐色の髪をガシガシと掻きむしりながら、翠狼は続けた。
「人間の女がこんなにか弱いなんて、知らなかったんだ」
「へ?」
「人狼族の女はあれくらいで怪我するヤツなんていないし、怪我も数時間以内に完治する。それに腕っぷしは男顔負けのヤツもいる」
「だから、私にあんな事したの?私も平気だって思ったの?」
「……悪かったと思ってる」
「お前がその……白狼の許嫁だと知って、お前もアイツばりに強いのかと……」
そんなわけ、あるかっ!!
アンタに階段の下に叩き落とされてどんだけ痛かったと思ってんのっ!おまけに蹴り入れやがって!
思い出したら痛みとか怖さが蘇ってきてムカついたから、私はゆっくりと起き上がって翠狼を睨んだ。
「……」
「っ……」
するとなぜか翠狼が真っ赤な顔をしたから、私は驚いて口を開いた。
「……なに?」
「それに、あんなに柔らかいなんて……」
へ?柔らかい……?
ボソッと呟いて、こちらを盗むように見た翠狼とバチッと眼が合う。
「なにが柔らかいの?」
「えっ!」
更に翠狼は、真っ赤になって狼狽えた。
そうかと思えば私の身体をシゲシゲと眺め、なにかを振り払うかのようにブンブンと頭を振ったりガシガシ髪をかき回したりと、まるで落ち着きがない。
も、しかして……。
それって、私を抱き上げた時の事だったりする?私の身体が柔らかいって意味……?
「もしかして、変なこと考えてるんじゃ」
「な、なに言ってるんだっ!俺はただ、お前の身体が」
「やだ、そっちこそなに言ってんの、へ、変態」
凄く恥ずかしくて咄嗟にそう言ってしまったけど私よりも更に翠狼が照れているから、私は少し落ち着きを取り戻した。
……翠狼って……こんなにワイルドなイケメンだけど、実は女子に疎いんじゃ……。
その時、
「とにかく!」
イタズラがバレてしまった子供のような翠狼は、大きな声でそう言うと、
「二度と人間の女に暴力はふるわない」
「…わか…分かった……」
私の返事に頷いた後、翠狼がクッと背を伸ばした。
「白狼が帰った」
私には聞こえないけど、翠狼には先輩の立てた音が聞こえたようだった。
「じゃあ、俺は行く」
「待って!翠狼、先輩とは……」
ここに翠狼がいるっていうことは、仲直りしたって事だよね!?
それが聞きたくて、私はドアノブに手をかけた翠狼を見つめた。
翠狼は振り向かなかったけど、
「……長い間、俺は妬んでいたんだ。全てにおいて強いアイツを。だがやっと認める事が出来た。アイツが俺よりも優れている事を。だから……俺は王になるアイツを傍で支えてやるつもりだ」
翠狼……。
翠狼はやっぱり、悪い人じゃなかった。ちゃんと、他人を認めて潔い決断を出来る人なんだ。
それから翠狼と先輩には……今でも絆がちゃんとあったんだ。
嬉しくてしばらく翠狼の消えたドアを見つめていたけど、再び私はベッドに横になって眼を閉じた。
良かったって思いながら。
●●●●●●
十日後。
「先輩、私ひとりで行くからいいよ」
今日は美術教室の日なんだ。
平静を装いながら私がそう言って先輩を見上げると、彼は訝しげに私を見下ろした。
「なんで」
なんでって、それはその……。
……今日、画を持って帰るんだよね。あの、金賞を取った画。
「はっきり言え。なんでひとりで行くんだ」
先輩はそう言うと不満そうに唇を引き結んだ。
「それはその、夏休みの美術教室は昼間だし明るいし、翠狼はもう大丈夫だし、その」
長めの前髪から私を見つめる先輩の眼が、何だか鋭い。
カッコいいけど、疑われてるっぽい……。
「何を隠してるんだ」
鋭いのは狼の勘なのか、しどろもどろな私がいけないのか。
さすが狼!とか言えばバックリ噛みつかれるかも知れないし、正直に言うには心の準備が出来てない。
実はね、私……帰ろうと思ってるんだ、自分の家に。パパとママはまだしばらくは帰ってこないんだけど、私はもうひとりでも平気。
先輩を好きになって、私は少しだけど強くなれたもの。
でも、家に帰るのはそれが理由じゃない。
本当の事を言うと、日に日に胸が苦しくなっていって、それに耐えられなくて。
先輩が、凄く好き。
いつの間にか先輩を好きになりすぎて、凄く苦しい、私。
不思議だよね。
最初は怖くて仕方なかったのに。
学校中の女子に目の敵にされたくなくて、あの日を後悔した事も確かにあったっけ。
でも今では、あれが私の運命だったんだと思ってる。
私は竹林の祠での先輩を思い出して、思わず眼を細めた。
ああ、プラチナ色の狼に姿を変えた先輩は、凄く素敵で綺麗だったなあ。
それに、カッコいい顔もスタイルも、口は悪いけど本当は優しい性格も、何もかも大好き。
先輩、私、ビックリしたよ。だって『好き』って、どんどんワガママになるんだね。
あなたを独り占めしたい。誰からも、何からも。
あなたの瞳に写るのは、私だけでありたい。
けど、そんなのダメだもんね。困らせるのも、疎ましく思われるのも嫌だ。
だから私は決心したの。もう先輩から離れようって。そろそろこの辺で。
グルグルグルグル考えを巡せても、納得出来る答えはまるで出なかった。
でも……これが一番いい選択だと思うんだ。
「なにボケッとしてんだよ」
ビクッとして我に返った私を見て、先輩がニヤリと笑った。
「俺がいたら都合悪いって事は……デートかよ」
「そっ、そうなの、実はっ!」
たちまち先輩の顔から笑みが消えて、凄く真剣な顔をしたから、私はここぞとばかに捲し立てた。
「いやあ、なんと言うか、こんな私をデートに誘うなんて物好きな人もいるもんだなーとビックリするよね!だけどせっかくだからデートしてみて、彼を知ろうと思うの。う、うははははっ」
少し眼をあげて先輩を見ると、彼は眼を見開いて私を見ていた。
「マジかよ」
「うん、なんか恥ずかしい。ふふふふっ」
すると先輩が、なぜかグッと眉を寄せて私から視線をそらした。
「……そうか。じゃあ、俺は少し出掛けてくる」
ギュウッと胸が苦しかったけど、私は唇を噛み締めてそれに耐えた。
……バカだな先輩ったら。
そんなわけないじゃん。
先輩以外の人が、眼にはいるわけないじゃん。
唇を噛み締めて壁の時計を見ると、私は大きく息を吸い込んだ。美術教室まで、まだ時間がある。
ホッと息をついてから、私はスーツケースに手を伸ばした。
●●●●●●
『雪野翔先輩へ
先輩、私はもう大丈夫なので自宅へ帰ります。お世話になりました。
凄く楽しかったです。
一生、先輩の秘密は守りますから安心してください。
それから、次の美術教室の課題などで忙しくて会うことが出来なくなりますが、満月の儀式には参加しますから安心してください。色々とありがとうございました』
ああ、ペン習字とか習っていたら良かったなぁ。
私は手帳をカットして先輩へ短い手紙を書くと、それをダイニングテーブルに置いて家を出た。
鍵は……いつもの場所に置いて。
泣かない、泣かない。
泣かない、泣かない。
何度も呟いたけど私の呪文は全然効かなくて、胸が痛くて辛かった。
でも、これでいい。
苦しめたくないもん。
人狼王になった先輩を、私は遠くから応援していよう。
先輩が本当に好きだから。
眼が覚めると、部屋の天井が見えた。先輩の家の、私の部屋だ。
「目覚めたか」
この声は……翠狼?
そうだ、私は翠狼と『地下』へ行ったら先輩が大勢の人狼に囲まれてて、それで……。
やだ、どうなったの?!
確か先輩が凰狼に決闘を申し込まれて、私は凰狼に……!
恐る恐る爪を突き刺された腕に眼をやって、私は息を飲んだ。
傷が……ない。
なんで?!確かに刺されたのに……。
眉を寄せる私を見て翠狼が低い声で言った。
「凰狼が白狼を認めて和解し、お前の傷を治したんだ」
治したって……傷痕が全くないんだけど……そうだったんだ……。
起き上がろうとした私を見て、翠狼は少し笑った。
「白狼は会議だ。もう少し横になってろ」
「あのー、なんで翠狼が?」
「それはその……詫びだ」
……詫び?
意味が理解できずに私が翠狼を見上げていると、彼は不自然な咳払いをしてから私を睨むように見た。
「だから、あれだ!あの日……お前に手を上げたから……」
あ……。
あの日って、先輩の家を飛び出したあの日だ。翠狼の屋敷に連れていかれて、地下で……。
私があの日の事を思い出していると、短い褐色の髪をガシガシと掻きむしりながら、翠狼は続けた。
「人間の女がこんなにか弱いなんて、知らなかったんだ」
「へ?」
「人狼族の女はあれくらいで怪我するヤツなんていないし、怪我も数時間以内に完治する。それに腕っぷしは男顔負けのヤツもいる」
「だから、私にあんな事したの?私も平気だって思ったの?」
「……悪かったと思ってる」
「お前がその……白狼の許嫁だと知って、お前もアイツばりに強いのかと……」
そんなわけ、あるかっ!!
アンタに階段の下に叩き落とされてどんだけ痛かったと思ってんのっ!おまけに蹴り入れやがって!
思い出したら痛みとか怖さが蘇ってきてムカついたから、私はゆっくりと起き上がって翠狼を睨んだ。
「……」
「っ……」
するとなぜか翠狼が真っ赤な顔をしたから、私は驚いて口を開いた。
「……なに?」
「それに、あんなに柔らかいなんて……」
へ?柔らかい……?
ボソッと呟いて、こちらを盗むように見た翠狼とバチッと眼が合う。
「なにが柔らかいの?」
「えっ!」
更に翠狼は、真っ赤になって狼狽えた。
そうかと思えば私の身体をシゲシゲと眺め、なにかを振り払うかのようにブンブンと頭を振ったりガシガシ髪をかき回したりと、まるで落ち着きがない。
も、しかして……。
それって、私を抱き上げた時の事だったりする?私の身体が柔らかいって意味……?
「もしかして、変なこと考えてるんじゃ」
「な、なに言ってるんだっ!俺はただ、お前の身体が」
「やだ、そっちこそなに言ってんの、へ、変態」
凄く恥ずかしくて咄嗟にそう言ってしまったけど私よりも更に翠狼が照れているから、私は少し落ち着きを取り戻した。
……翠狼って……こんなにワイルドなイケメンだけど、実は女子に疎いんじゃ……。
その時、
「とにかく!」
イタズラがバレてしまった子供のような翠狼は、大きな声でそう言うと、
「二度と人間の女に暴力はふるわない」
「…わか…分かった……」
私の返事に頷いた後、翠狼がクッと背を伸ばした。
「白狼が帰った」
私には聞こえないけど、翠狼には先輩の立てた音が聞こえたようだった。
「じゃあ、俺は行く」
「待って!翠狼、先輩とは……」
ここに翠狼がいるっていうことは、仲直りしたって事だよね!?
それが聞きたくて、私はドアノブに手をかけた翠狼を見つめた。
翠狼は振り向かなかったけど、
「……長い間、俺は妬んでいたんだ。全てにおいて強いアイツを。だがやっと認める事が出来た。アイツが俺よりも優れている事を。だから……俺は王になるアイツを傍で支えてやるつもりだ」
翠狼……。
翠狼はやっぱり、悪い人じゃなかった。ちゃんと、他人を認めて潔い決断を出来る人なんだ。
それから翠狼と先輩には……今でも絆がちゃんとあったんだ。
嬉しくてしばらく翠狼の消えたドアを見つめていたけど、再び私はベッドに横になって眼を閉じた。
良かったって思いながら。
●●●●●●
十日後。
「先輩、私ひとりで行くからいいよ」
今日は美術教室の日なんだ。
平静を装いながら私がそう言って先輩を見上げると、彼は訝しげに私を見下ろした。
「なんで」
なんでって、それはその……。
……今日、画を持って帰るんだよね。あの、金賞を取った画。
「はっきり言え。なんでひとりで行くんだ」
先輩はそう言うと不満そうに唇を引き結んだ。
「それはその、夏休みの美術教室は昼間だし明るいし、翠狼はもう大丈夫だし、その」
長めの前髪から私を見つめる先輩の眼が、何だか鋭い。
カッコいいけど、疑われてるっぽい……。
「何を隠してるんだ」
鋭いのは狼の勘なのか、しどろもどろな私がいけないのか。
さすが狼!とか言えばバックリ噛みつかれるかも知れないし、正直に言うには心の準備が出来てない。
実はね、私……帰ろうと思ってるんだ、自分の家に。パパとママはまだしばらくは帰ってこないんだけど、私はもうひとりでも平気。
先輩を好きになって、私は少しだけど強くなれたもの。
でも、家に帰るのはそれが理由じゃない。
本当の事を言うと、日に日に胸が苦しくなっていって、それに耐えられなくて。
先輩が、凄く好き。
いつの間にか先輩を好きになりすぎて、凄く苦しい、私。
不思議だよね。
最初は怖くて仕方なかったのに。
学校中の女子に目の敵にされたくなくて、あの日を後悔した事も確かにあったっけ。
でも今では、あれが私の運命だったんだと思ってる。
私は竹林の祠での先輩を思い出して、思わず眼を細めた。
ああ、プラチナ色の狼に姿を変えた先輩は、凄く素敵で綺麗だったなあ。
それに、カッコいい顔もスタイルも、口は悪いけど本当は優しい性格も、何もかも大好き。
先輩、私、ビックリしたよ。だって『好き』って、どんどんワガママになるんだね。
あなたを独り占めしたい。誰からも、何からも。
あなたの瞳に写るのは、私だけでありたい。
けど、そんなのダメだもんね。困らせるのも、疎ましく思われるのも嫌だ。
だから私は決心したの。もう先輩から離れようって。そろそろこの辺で。
グルグルグルグル考えを巡せても、納得出来る答えはまるで出なかった。
でも……これが一番いい選択だと思うんだ。
「なにボケッとしてんだよ」
ビクッとして我に返った私を見て、先輩がニヤリと笑った。
「俺がいたら都合悪いって事は……デートかよ」
「そっ、そうなの、実はっ!」
たちまち先輩の顔から笑みが消えて、凄く真剣な顔をしたから、私はここぞとばかに捲し立てた。
「いやあ、なんと言うか、こんな私をデートに誘うなんて物好きな人もいるもんだなーとビックリするよね!だけどせっかくだからデートしてみて、彼を知ろうと思うの。う、うははははっ」
少し眼をあげて先輩を見ると、彼は眼を見開いて私を見ていた。
「マジかよ」
「うん、なんか恥ずかしい。ふふふふっ」
すると先輩が、なぜかグッと眉を寄せて私から視線をそらした。
「……そうか。じゃあ、俺は少し出掛けてくる」
ギュウッと胸が苦しかったけど、私は唇を噛み締めてそれに耐えた。
……バカだな先輩ったら。
そんなわけないじゃん。
先輩以外の人が、眼にはいるわけないじゃん。
唇を噛み締めて壁の時計を見ると、私は大きく息を吸い込んだ。美術教室まで、まだ時間がある。
ホッと息をついてから、私はスーツケースに手を伸ばした。
●●●●●●
『雪野翔先輩へ
先輩、私はもう大丈夫なので自宅へ帰ります。お世話になりました。
凄く楽しかったです。
一生、先輩の秘密は守りますから安心してください。
それから、次の美術教室の課題などで忙しくて会うことが出来なくなりますが、満月の儀式には参加しますから安心してください。色々とありがとうございました』
ああ、ペン習字とか習っていたら良かったなぁ。
私は手帳をカットして先輩へ短い手紙を書くと、それをダイニングテーブルに置いて家を出た。
鍵は……いつもの場所に置いて。
泣かない、泣かない。
泣かない、泣かない。
何度も呟いたけど私の呪文は全然効かなくて、胸が痛くて辛かった。
でも、これでいい。
苦しめたくないもん。
人狼王になった先輩を、私は遠くから応援していよう。
先輩が本当に好きだから。
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