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赤の種類
《1》
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****
「刷毛」
「はい」
翌日の土曜日。場所は凌央さんのアトリエ。
シャッシャッと、刷毛で紙に水を塗る音だけがする。
「裏返すぞ」
「はい」
今日からは約二ヶ月後の現代アートの個展のに向けての作業だ。
「そっち持って」
「はい」
「タッカー」
「はい」
刷毛の音の後は、パネルの側面にタッカーを打ち込む音が乾いた空気を震わす。
この作業は水張りといって、木製のパネルや板などに画用紙やケント紙等を水で張り付ける作業だ。
特に水彩画など水を多く使う絵の具を使う際、紙がふやけてしまうのを防ぐ効果があるし、しっかりと固定されるので描きやすいそうだ。
今日は約三十枚の水張りパネルを作る予定だ。
凌央さんがタッカーを置くと、私を見ずに言った。
「……休憩するか」
「はい。あ、銀座で美味しいお菓子を買ってきたんです。コーヒー淹れますね」
「……サンキュ」
「……」
「……」
今日の私達は何だか変だ。
……いや。
私だけが変なのかもしれない。
笑えば頬が引きつるし、いつもならこのアトリエに入るとすぐに画に関する質問が湧き出てくるのに今日は何も浮かばない。
凌央さんは窓際でコーヒーを飲み、私はといえば壁際に立て掛けて乾かしている水張りパネルをボンヤリと見ていた。
ああ。やっぱり何もなかったように接することが出来ない。
「彩」
「……はい」
少し眼をあげると、作業台から離れた椅子に腰かけたまま、凌央さんが私を見ていた。
「個展に出す三十作品の構図はもう全部出来てる。後は下描きをおこして実際に描いていくんだが、実はお前に頼みがあるんだ」
「何ですか?」
妙に声が掠れる。
「個展までの約二ヶ月はハードなんだ。泊まり込んで手伝ってもらわなきゃならない日が出てくる」
ドキンと鼓動が跳ねた。
思わず凌央さんの顔を凝視すると、彼は少し唇を噛んだ。
「無理か?」
ああ、と思った。
やっぱり変なのは私で凌央さんじゃなかった。
私に立花優さんとのキスシーンを見られても、凌央さんはなにも言おうとしない。
弁解するどころか立花さんとの関係を教えてくれようともしない。
そう思った時、誰かに握り潰されたように胸が痛んだ。
……きっと、ただのアシスタントの私にプライベートな話なんてする必要がないと思っているのだ。
「彩?」
「……やります。精一杯お手伝いします」
そうだ。私はひっそりと恋をすると決めたのだ。
だから凌央さんになにかを求めるのは間違ってる。
「良かった。悪いけどよろしくな」
「はい!」
私は窓際で微笑む凌央さんを見て、元気よく返事を返した。
****
凌央さんのマンションを出ると、私はゆっくりと駅の方向へ歩き始めた。
週末のせいかまだ早い時間帯にも関わらず、周辺の道も人が多い。
この付近は有名なイルミネーション通りがあるのできっとそのせいだろう。
人混みを避けるように中道を通り、駅へ到着した頃にはすっかり日が落ちていた。
今晩の夕食は何にしよう。
そういえば朝起きると圭吾さんは既にいなかった。
何時に帰るのかな。……連絡してみようかな。
その時、コートの中のスマホが振動した。
タイミングのいいことに圭吾さんだ。
「もしもし、圭吾さん?」
『今何処だ』
「え?」
『何処にでも迎えにいくから場所を教えろ』
****
信じられないくらい早く、圭吾さんは私を迎えに来た。
「圭吾さんありがとう。凄い偶然ですね。ちょうどこの辺にいたんですか?」
助手席に乗り込んで圭吾さんを見上げると、彼は私を一瞬だけ見た。
それからすぐミラーに視線を移したあと目視し、ハンドルを切る。
「……取引先の社長連中と昼食会だったんだ」
「そうだったんですか。土曜日なのに朝からいないから夕飯とかどうするのか気になっ」
「そんなことより、どうして一人で夜道を歩いているんだ」
「へっ?」
私を遮った圭吾さんの口から出た予想外の言葉に驚き、思わず間抜けな声を出してしまった。
「……」
恐る恐る圭吾さんの顔を見上げると、その綺麗な横顔に苛立ちの表情が浮かんでいる。
「あの、どうしたんですか?」
「すっかり日が落ちているのに、何故送ってもらわないんだ。そいつはお前に何かあったらどうするつもりなんだ」
お、お前!
……お前って……私だよね、この流れは。
少し前まで確か『君』だったように思いますけど……。
まさかの格下げ(?)はこの際スルーしたとして、私を心配する言葉にトクンと鼓動が跳ねた。
凌央さんを誤解されてるのは複雑だけど、私を心配してくれているのは正直嬉しい。
暗い車内で圭吾さんの表情を窺うも、相変わらず苛ついている様子しか分からない。
「ありがとう……心配してくれて」
デジャヴというわけじゃないけど、なぜか急に婚約パーティの夜の出来事を思い出した。
あの時タクシーの中で『先に一緒に住みませんか?』と言われて、ドキドキしたっけ。
けれど何故か、一緒に住み始めた頃から圭吾さんは冷たくなってしまって、私達はろくに会話もしなくなった。
でも近頃は、その関係が少し変わってきたように思う。
一体何がきっかけかは分からないけれど、こんな風に話せるのは嬉しい。
だって、たとえ政略結婚でも仲良くしていたいもの。
私は圭吾さんに笑いかけた。
「私、逞しいんですよ。だから多少暗くても平気です。それに週末で人も多いし。凌央さんは今凄く忙しくて」
「……」
「あっ!そういえばお腹すいてますか?夕飯どうします?」
「……彩の好きなものでいい」
いつもより少しぐぐもった圭吾さんの声。
「……え?」
その返事があまりにも意外で思わず聞き返すと、決まり悪そうに圭吾さんは咳払いをした。
「昨夜は僕が決めたから今日は彩の食べたいものを一緒に作る」
手の甲で唇を拭うようにしてそう話す圭吾さんに、私は戸惑いを隠せない。
「……そんなの……いいんですか?」
「うん」
じゃあ……あの店はどうだろうか。
私は大好きな店の、あのワクワクするような料理の数々を思い浮かべながら圭吾さんに言った。
「圭吾さん、今夜はデリカテッセンにしましょう!圭吾さんのマンションの近くにお洒落で美味しいテイクアウト専門店があるんです」
それならお互いに好きなものを選べるし、シェアできる。
「そこのお店はベーカリーも大人気なんですよ。一度圭吾さんにも食べてもらいたかったし」
私がそう言って笑いかけると、赤信号で車を停止させた圭吾さんが私を見た。
「分かった。じゃあそこにしよう」
****
「彩。そっちはワインだから重い。僕が持つ」
「あ……でも圭吾さんのがいっぱい持ってるし」
「大丈夫」
「じゃあ……お願いします」
私はそう言いながら圭吾さんに袋を手渡したけれど、店内での彼の様子を思い出して思わず吹き出した。
「……なんだ」
「だって圭吾さん、片っ端からオーダーするんだもの!こんなに食べきれませんよ?」
ガラスケースを覗き込んだ圭吾さんに普段のクールさはなく、まるであどけない子供のようだった。
クスクスと笑いながら見上げると、圭吾さんは私から顔を背けた。
「あまりにも綺麗で美味しそうだったから、つい……」
「もし残ったら明日の朝、食べましょうね」
「……ああ」
圭吾さんのマンション付近は街路樹全てに淡いパープルのLEDが巻かれていてなんとも幻想的だ。
「綺麗ですね、圭吾さん」
「……そうだな」
頷いた圭吾さんの横顔はイルミネーションによく映えていて、私は眩しくもないのに両目を細めた。
****
「で、なにか進展はあったのか」
「……なにもありません」
「その男と彼女の関係は分かったのか?」
「分かりません。凌央さんは何も言いませんでした」
「お前は聞かなかったのか」
「そんなの、怖くて聞けませんよ」
いつの間にか私の恋愛相談室と化した夕食時、圭吾さんはワインを傾けた後私を静かに見つめた。
「刷毛」
「はい」
翌日の土曜日。場所は凌央さんのアトリエ。
シャッシャッと、刷毛で紙に水を塗る音だけがする。
「裏返すぞ」
「はい」
今日からは約二ヶ月後の現代アートの個展のに向けての作業だ。
「そっち持って」
「はい」
「タッカー」
「はい」
刷毛の音の後は、パネルの側面にタッカーを打ち込む音が乾いた空気を震わす。
この作業は水張りといって、木製のパネルや板などに画用紙やケント紙等を水で張り付ける作業だ。
特に水彩画など水を多く使う絵の具を使う際、紙がふやけてしまうのを防ぐ効果があるし、しっかりと固定されるので描きやすいそうだ。
今日は約三十枚の水張りパネルを作る予定だ。
凌央さんがタッカーを置くと、私を見ずに言った。
「……休憩するか」
「はい。あ、銀座で美味しいお菓子を買ってきたんです。コーヒー淹れますね」
「……サンキュ」
「……」
「……」
今日の私達は何だか変だ。
……いや。
私だけが変なのかもしれない。
笑えば頬が引きつるし、いつもならこのアトリエに入るとすぐに画に関する質問が湧き出てくるのに今日は何も浮かばない。
凌央さんは窓際でコーヒーを飲み、私はといえば壁際に立て掛けて乾かしている水張りパネルをボンヤリと見ていた。
ああ。やっぱり何もなかったように接することが出来ない。
「彩」
「……はい」
少し眼をあげると、作業台から離れた椅子に腰かけたまま、凌央さんが私を見ていた。
「個展に出す三十作品の構図はもう全部出来てる。後は下描きをおこして実際に描いていくんだが、実はお前に頼みがあるんだ」
「何ですか?」
妙に声が掠れる。
「個展までの約二ヶ月はハードなんだ。泊まり込んで手伝ってもらわなきゃならない日が出てくる」
ドキンと鼓動が跳ねた。
思わず凌央さんの顔を凝視すると、彼は少し唇を噛んだ。
「無理か?」
ああ、と思った。
やっぱり変なのは私で凌央さんじゃなかった。
私に立花優さんとのキスシーンを見られても、凌央さんはなにも言おうとしない。
弁解するどころか立花さんとの関係を教えてくれようともしない。
そう思った時、誰かに握り潰されたように胸が痛んだ。
……きっと、ただのアシスタントの私にプライベートな話なんてする必要がないと思っているのだ。
「彩?」
「……やります。精一杯お手伝いします」
そうだ。私はひっそりと恋をすると決めたのだ。
だから凌央さんになにかを求めるのは間違ってる。
「良かった。悪いけどよろしくな」
「はい!」
私は窓際で微笑む凌央さんを見て、元気よく返事を返した。
****
凌央さんのマンションを出ると、私はゆっくりと駅の方向へ歩き始めた。
週末のせいかまだ早い時間帯にも関わらず、周辺の道も人が多い。
この付近は有名なイルミネーション通りがあるのできっとそのせいだろう。
人混みを避けるように中道を通り、駅へ到着した頃にはすっかり日が落ちていた。
今晩の夕食は何にしよう。
そういえば朝起きると圭吾さんは既にいなかった。
何時に帰るのかな。……連絡してみようかな。
その時、コートの中のスマホが振動した。
タイミングのいいことに圭吾さんだ。
「もしもし、圭吾さん?」
『今何処だ』
「え?」
『何処にでも迎えにいくから場所を教えろ』
****
信じられないくらい早く、圭吾さんは私を迎えに来た。
「圭吾さんありがとう。凄い偶然ですね。ちょうどこの辺にいたんですか?」
助手席に乗り込んで圭吾さんを見上げると、彼は私を一瞬だけ見た。
それからすぐミラーに視線を移したあと目視し、ハンドルを切る。
「……取引先の社長連中と昼食会だったんだ」
「そうだったんですか。土曜日なのに朝からいないから夕飯とかどうするのか気になっ」
「そんなことより、どうして一人で夜道を歩いているんだ」
「へっ?」
私を遮った圭吾さんの口から出た予想外の言葉に驚き、思わず間抜けな声を出してしまった。
「……」
恐る恐る圭吾さんの顔を見上げると、その綺麗な横顔に苛立ちの表情が浮かんでいる。
「あの、どうしたんですか?」
「すっかり日が落ちているのに、何故送ってもらわないんだ。そいつはお前に何かあったらどうするつもりなんだ」
お、お前!
……お前って……私だよね、この流れは。
少し前まで確か『君』だったように思いますけど……。
まさかの格下げ(?)はこの際スルーしたとして、私を心配する言葉にトクンと鼓動が跳ねた。
凌央さんを誤解されてるのは複雑だけど、私を心配してくれているのは正直嬉しい。
暗い車内で圭吾さんの表情を窺うも、相変わらず苛ついている様子しか分からない。
「ありがとう……心配してくれて」
デジャヴというわけじゃないけど、なぜか急に婚約パーティの夜の出来事を思い出した。
あの時タクシーの中で『先に一緒に住みませんか?』と言われて、ドキドキしたっけ。
けれど何故か、一緒に住み始めた頃から圭吾さんは冷たくなってしまって、私達はろくに会話もしなくなった。
でも近頃は、その関係が少し変わってきたように思う。
一体何がきっかけかは分からないけれど、こんな風に話せるのは嬉しい。
だって、たとえ政略結婚でも仲良くしていたいもの。
私は圭吾さんに笑いかけた。
「私、逞しいんですよ。だから多少暗くても平気です。それに週末で人も多いし。凌央さんは今凄く忙しくて」
「……」
「あっ!そういえばお腹すいてますか?夕飯どうします?」
「……彩の好きなものでいい」
いつもより少しぐぐもった圭吾さんの声。
「……え?」
その返事があまりにも意外で思わず聞き返すと、決まり悪そうに圭吾さんは咳払いをした。
「昨夜は僕が決めたから今日は彩の食べたいものを一緒に作る」
手の甲で唇を拭うようにしてそう話す圭吾さんに、私は戸惑いを隠せない。
「……そんなの……いいんですか?」
「うん」
じゃあ……あの店はどうだろうか。
私は大好きな店の、あのワクワクするような料理の数々を思い浮かべながら圭吾さんに言った。
「圭吾さん、今夜はデリカテッセンにしましょう!圭吾さんのマンションの近くにお洒落で美味しいテイクアウト専門店があるんです」
それならお互いに好きなものを選べるし、シェアできる。
「そこのお店はベーカリーも大人気なんですよ。一度圭吾さんにも食べてもらいたかったし」
私がそう言って笑いかけると、赤信号で車を停止させた圭吾さんが私を見た。
「分かった。じゃあそこにしよう」
****
「彩。そっちはワインだから重い。僕が持つ」
「あ……でも圭吾さんのがいっぱい持ってるし」
「大丈夫」
「じゃあ……お願いします」
私はそう言いながら圭吾さんに袋を手渡したけれど、店内での彼の様子を思い出して思わず吹き出した。
「……なんだ」
「だって圭吾さん、片っ端からオーダーするんだもの!こんなに食べきれませんよ?」
ガラスケースを覗き込んだ圭吾さんに普段のクールさはなく、まるであどけない子供のようだった。
クスクスと笑いながら見上げると、圭吾さんは私から顔を背けた。
「あまりにも綺麗で美味しそうだったから、つい……」
「もし残ったら明日の朝、食べましょうね」
「……ああ」
圭吾さんのマンション付近は街路樹全てに淡いパープルのLEDが巻かれていてなんとも幻想的だ。
「綺麗ですね、圭吾さん」
「……そうだな」
頷いた圭吾さんの横顔はイルミネーションによく映えていて、私は眩しくもないのに両目を細めた。
****
「で、なにか進展はあったのか」
「……なにもありません」
「その男と彼女の関係は分かったのか?」
「分かりません。凌央さんは何も言いませんでした」
「お前は聞かなかったのか」
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