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雪山

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『雪山』
これも僕が中学一年生の時の話だ。
夏休みに父方の祖父母の住む実家へと遊びに来たときのことである。その年は例年にないほどの大雪で祖父が住む町では積雪量が過去最高を記録し、交通機関は完全にマヒしてしまい外にも出ることが出来なくなっていたのだ。しかし僕にとっては初めての雪ということもあり 興奮が抑えきれず外に飛び出してしまったのだ。それからどれくらい経っただろう。いつの間にか暗くなっていたので帰ろうと思い引き返そうと後ろを振り返ると遠くの方に大きな影が見えたのである。最初は何なのか良く分からなかったが、次第にそれは近づいてきているような気がしたので急いで戻ろうとした。
ところがどうしたことか足が思うように動かずその場で倒れてしまう始末。どうにか立ち上がろうとするものの上手くいかずに何度も転んでしまう有様だった。やがて巨大な何かは僕の元に到達し目の前まで迫ってきたのだ。そして それが僕にぶつかる寸前 突然動きを止めそのまま『雪の中』へ沈んでいったのである。
そのあとは何とか帰ることが出来たがそれ以来僕はあの雪山の『存在』について誰にも言わなくなった。
ちなみにその後 僕が外に出ることは二度と無くなってしまい『入院』することになってしまう。
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