のほほん素材日和 ~草原と森のんびり生活~

みなと劉

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第一章: 「エルム村へようこそ」

第三十七話: セリナのハーブガーデン

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 翌朝、フィオはセリナとの約束を胸にラルフのパン屋に立ち寄り、軽く挨拶を済ませてからセリナの家へと向かった。彼女の家は村の少し外れにあり、小さな丘の上に建つ可愛らしい木造の家だった。その周囲には広々とした畑が広がり、一面に色とりどりの花や植物が揺れている。

 「フィオさん、よく来てくれたわね!」セリナは庭先で水やりをしている最中だった。彼女はジョウロを置くと、フィオを招き入れた。

 「ここが私のハーブガーデンよ。どう?ちょっとした自慢の場所なの。」

 フィオは目を輝かせながら畑を見渡した。そこには見たこともないような珍しい葉や花がたくさん植えられていた。薄紫の小花を咲かせるラベンダーや、鮮やかな緑のミント、さらに名前も知らない植物が風に揺れている。

 「すごい…こんなにたくさんの種類があるんですね!」

 「そうなの。このハーブたちは、料理やお茶、薬草としても使われるのよ。でも、特にジャムとの組み合わせには無限の可能性があると思ってるの。」セリナは自慢げに説明する。

 フィオは興味津々でセリナの話を聞きながら、畑を歩いた。セリナは一本一本のハーブを丁寧に紹介し、それぞれの香りを嗅がせてくれた。

 「これなんかどうかしら?レモンバームと呼ばれるハーブよ。爽やかな香りが特徴で、フルーツ系のジャムにぴったりだと思うわ。」セリナが差し出した葉を手に取ると、フィオはその爽やかな香りに驚いた。

 「本当だ!これなら、リンゴやベリー系のジャムと相性が良さそうですね!」

 「でしょ?さあ、試しに少し摘んでみましょう。あとで簡単なハーブティーも作ってみるわ。」

 フィオはセリナと一緒にハーブを摘みながら、その用途や育て方についても学んでいった。彼女の知識の豊富さに驚きつつ、フィオは新しい挑戦への意欲を膨らませていく。

 その後、二人はセリナの家に戻り、小さなキッチンでハーブティーを作り始めた。レモンバームの葉を湯に浸すと、爽やかな香りが立ち上り、部屋中が心地よい空気に包まれる。

 「美味しい…!」フィオは一口飲んで感嘆の声を上げた。

 「良かった。これがハーブの力よ。きっとフィオさんのジャムも、もっと魅力的なものになるわ。」

 この日を境に、フィオとセリナの交流は始まった。ハーブとジャムの新しい可能性を追い求める二人の小さな挑戦が、また一歩動き出したのだった。

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